The world leader in serving science ご存知ですか? ここまでできるICP発光分析 SIDアプリケーション部 エレメンタルグループ iCAP6000シリーズによるアプリケーション ここまでできるICP! 1. ダイナミックレンジを生かした微量成分(ppb) から主成分(%)の一斉分析 z Fe1%溶液中の微量元素B, P, Sおよび主成分Feの測定 z ビール系飲料の低濃度から高濃度含有元素と有害元素の測定 2. 不可能を可能にした溶媒測定分析 z プラズマの点灯維持が難しいTHF溶媒の測定 z 赤, 緑, 黄, 黒色ビニールテープ をTHFで溶解し含有する元素を測定 3. 迅速異材判定のテクニック z イメージ差し引きによる排水処理使用鉄粉の吸着元素迅速判定 2 1. ダイナミックレンジを生かした一斉分析 Duo Torch ¾測定領域(範囲)の拡大 一般的なICPの計測ダイナミックレンジは 5~6桁 軸方向,放射光方向測光を切り替え 分析することで微量成分(ppb) から 主成分(%)までの一斉分析が可能 (8~9桁) 3 Fe 1%溶液の 微量成分(ppb) から主成分(%)の一斉分析 軸方向測光 B, P, Sを測定 放射光測光 Feを測定 ¾微量元素は, 主成分元素の分光干渉を考慮して分析線を選ぶ。 ¾高感度な軸方向測光を選択。 ¾主成分のFeは放射光測光を選択。 4 微量成分の波長選択 9準備: Blank, 単味溶液(1ppm), 主成分溶液(Fe 1%, 高純度) 9各溶液の測定 9主成分元素による妨害評価 B:182.641nm B:208.893nm B:208.959nm 1ppm in Fe1% 1ppm in Fe1% 1ppm 1ppm in Fe1% 1ppm 1ppm Fe1% Fe1% Fe1% Blank Blank Blank 波長 P:178.284nm P:177.495nm 波長 波長 P:178.766nm 1ppm in Fe1% 1ppm in Fe1% 1ppm in Fe1% 1ppm 1ppm Fe1% Fe1% 1ppm Blank Blank Fe1% Blank 波長 波長 波長 5 微量成分の波長選択 S:182.034nm S:180.731nm 1ppm in Fe1% 1ppm in Fe1% 1ppm 1ppm Fe1% Blank Blank 波長 Fe1% 波長 6 主成分の波長選択 主分析線の相対強度の1/1000である195.603nmを選択 7 測定条件 使用装置: iCAP 6500 DUO 機器条件 ¾ 高周波出力 :1250W ¾ プラズマガス流量 : 12L/min ¾ 補助ガス : 0.5L/min ¾ 試料ガス : 0.65L/min ¾ 送液ポンプ : 50rpm ¾ 試料置換時間 : 40秒 ¾ 積分時間 : <230nm (軸方向測光)15秒 <230nm(放射光測光) 3秒 ¾ ネブライザー : 高塩濃度用(Aerosalt) ¾ センターチューブ : 標準( ID 2.0Ф) 標準溶液8点 ¾ BL(Fe1%) ¾ B,P,S-0.1ppm in Fe1% ¾ B,P,S-0.2ppm in Fe1% ¾ B,P,S-0.5ppm in Fe1% ¾ Fe-8000ppm ¾ Fe-9000ppm ¾ Fe-10000ppm ¾ Fe-11000ppm サンプル (B,P,S-0.05ppm Fe-10000ppm) 下記順序にて測定 ¾ 標準溶液8点にて検量線作成(n=3) ¾ サンプルを測定(n=5) ¾ BL(n=10)測定を行い,検出限界(3σ)を算出 コメント:高マトリックスに対応した高塩濃度用ネブライザー を使用 8 検量線グラフ B:182.641nm P:178.284nm 相関係数:0.9999 相関係数:0.9999 S:180.731nm Fe:195.603nm 相関係数:0.9999 相関係数:0.9999 9 プロファイル B:182.641nm P:178.284nm 0.2ppm in Fe1% 0.5ppm in Fe1% 0.2ppm in Fe1% 0.5ppm in Fe1% 0.1ppm in Fe1% 0.1ppm in Fe1% サンプル サンプル BL(Fe1%) BL(Fe1%) S:180.731nm Fe:195.603nm 0.5ppm in Fe1% サンプル 0.2ppm in Fe1% Fe-11000ppm Fe-9000ppm 0.1ppm in Fe1% Fe-8000ppm サンプル BL(Fe1%) 10 定量結果 (ppm) 元素 B P S Fe 分析線 nm 182.641 178.284 180.731 195.603 測光 軸方光 軸方光 軸方光 放射光 擬似サンプル測定結果 0.0503 0.0504 0.0497 9989 差 0.0003 0.0004 0.0003 11 0.6 0.8 0.6 0.11 BL(Fe1%) 標準偏差 (σ) 0.0004 0.002 0.002 --- n=10測定 DL(3σ) 0.0012 0.006 0.006 --- %Error 11 ビール系飲料の低濃度から高濃度含有元素と有害元素の測定 ビール系飲料とは 酒税法上 の分類 ビール 発泡酒 その他の醸造酒, リキュール類 原料 麦芽比率が67% 以上 麦芽比率が およそ25% 未満 原料が麦芽以外 (大豆,トウモロコシなど) 副原料 政令により限定 限定なし 限定なし 酒税 (350ml缶) 約78円 12 約48円 24~28円程度 ビール系飲料中の多元素測定 瓶ビール 缶ビール 発泡酒 醸造酒(発泡性) 13 試料処理 ガラス容器からの汚染を考慮しPP容器にて処理をした。 試料中の炭酸ガスを抜く為に超音波洗浄機にて約40分発泡させた。 14 測定条件 直接導入による測定 高周波出力 1250W プラズマガス流量 12L/min 補助ガス 0.5L/min 試料ガス 1.9 MPa 送液ポンプ 35rpm 試料置換時間 30秒 積分時間 <230nm (軸方向測光) 10秒 (放射光測光)10秒 >230nm (軸方向測光) 5秒 (放射光測光)5秒 繰り返し n=3 ネブライザ- 標準ネブライザ センターチューブ ID 1.5Ф チャンバー バッフル付きサイクロンチャンバ 測定時間 1検体あたり約200秒 標準ネブライザ バッフル付きサイクロンチャンバ 15 標準試料 低濃度標準試料 22元素(軸方向測光) 濃度 元素 Mix Std-1 0.5mg/l Mix Std-2 2.0mg/l Al,As,B,Ba,Be,Cd,Cr,Cu ,Fe,Hg,Mn,Mo,Ni,Pb,Sb, Se,Sn,Sr,Ti,Tl,V,Zn 水溶液のエーロゾル 高濃度標準試料7元素 (放射光測光) Mix Std-3 Mix Std-4 20mg/l Ca , Mg , Na , S , Si 50mg/l P 100mg/l K 100mg/l Ca , Mg , Na , S , Si 250mg/l P 500mg/l K ビール系飲料のエーロゾル 標準試料に5%エタノールを添加することでエーロゾルの量を未知試料と同程度にした。 16 高濃度元素(7元素) (放射光測光) 17 低濃度元素(8元素) (軸方向測光) 18 他の元素の検出限界(14元素) (軸方向測光) 19 添加回収結果 ¾ 各サンプルに10ppb、50ppbを添加し回収試験を行いました。 瓶ビール 缶ビール 発泡酒 醸造酒 測定値 (ppb) 回収率 (%) 測定値 (ppb) 回収率 (%) 測定値 (ppb) 回収率 (%) 測定値 (ppb) 回収率 (%) As+50ppb 54.3 108 50.5 101 47.6 95 49.5 99 Cd+10ppb 9.9 99 10.2 102 10.3 103 10.1 101 Cr+50ppb 52.0 104 50.1 102 46.6 93 48.8 98 Cd 0.5ppm As 0.5ppm Cr 0.5ppm 50ppb添加 10ppb添加 Sample 50ppb添加 Sample Sample As 189.042 nm Cd 214.438 nm 20 Cr 267.716 nm 食品の分析では ¾iCAPは軸および放射光の測光方向をソフトウェア上での切り替えにて 一つのメソッドで測定することができます。 ¾ICPの軸方向測光はNa,Kなどのイオン化干渉(2008年エレメンタルセミナーで発表) が知られていますが, 放射光測光を用いることで影響を回避できます。 ¾低濃度と高濃度, 微量成分(有害物質等)と従来は個別に行っていた分析を 同時に測定でき分析コストの削減が図れます。 21 2. 不可能を可能にした溶媒分析 溶解力の高い揮発性溶媒(THF) で溶解したビニールテープ中の Ca, Al, Ba, Cu, Fe, Mg, P, Si, Ti, Znの一斉分析 9THFの用途 樹脂類の溶解, 保護コーティング, 接着剤, フイルムの製造, インキの溶剤, 塗料の剥離剤, 医薬・農薬の反応溶剤 20℃における蒸気圧(mmHg) THF(テトラヒドロフラン) C4H8O 144.76 アセトン C3H6O 184.54 メタノール CH4O 97.48 エタノール C2H6O 43.89 IPA(イソプロピールアルコール) C3H8O 30.93 キシレン C8H10 4.89 MIBK(メチルイソブチルケトン) C6H12O 15.75 水 H2O 17.51 THFは蒸気圧が高い(揮発しやすい)ために 従来はプラズマ点灯維持が難しく測定する事 が困難とされた。 22 THFのICPへの導入 溶媒・マトリックスに左右されない強靭なプラズマ 高効率のRF電源により実現 ペルチェ冷却有機溶媒導入システムPC3を使用 PC3はスプレーチァンバーをペルチェ冷却し溶媒の 揮発を抑えプラズマを安定させ点灯維持します カーボンの析出を抑制するために, 補助ガス に酸素を導入 ※PC3は従来の水冷ジャケット付きチャンバーと比較 して冷却循環装置が不要。 23 高効率のRF電源! ソリッドステート (フルコンピュータ制御) ¾高効率で従来比30%の電力効率を改善 ¾水冷方式で機器への熱影響を排除 フリーランニング方式 ¾試料溶媒の変化に高速で同調しプラズマの 安定を維持します >78% Efficiency 電力効率78%以上 ¾導入が難しい溶媒(ex. メタノール)も可能な タフで安定したプラズマを実現! 広範囲の出力制御 ¾750-1600w 放射光 ¾750-1350w Duo 24 使いやすさを追求した新型トーチ プレアライメントトーチマウント ¾ワンタッチ取り付け, トーチのアライメント不要 トーチガスの自動接続(クイックフィット) ¾Arガスの接続操作不要 セミデマンタブルデザイン ¾工具不要, 簡単脱着でメンテナンス性向上 センターチューブを選択可能 ¾あらゆる試料に対応した品揃え 各種試料に対応する試料導入キット ¾水溶液, 有機溶媒, 揮発性有機溶媒, フッ酸など全てのアプリケーションに対応 25 試料処理 検体内容 : ビニールテープ(赤, 緑 ,黄 ,黒)4点 – 0.3g 試料処理 : RoHS対応用のTHFにて100倍溶解 (W/W%) 約50℃で加温,超音波で 1時間程度で溶解 26 測定内容 標準溶液4点 ¾ BL 10元素(0ppm) THF溶液 ¾ St-0.1ppm 10元素(0.1ppm) THF溶液 ¾ St-0.5ppm 10元素(0.5ppm) THF溶液 ¾ St-1ppm 10元素(1.0ppm) THF溶液 ※上記標準溶液は,Conostan社 Oil-std S21300ppmより RoHS対応用のTHFにて溶解希釈し調整 下記順序にて測定 ¾ 標準溶液4点にて検量線作成(n=3) ¾ BL(n=10)測定を行い,検出限界(3σ)および 定量下限(10σ)を算出 ¾ Caは サンプル4点とも処理液の100倍希釈を 測定 ¾ Ca以外は サンプル4点とも処理液の10倍希 釈を測定(n=3) ¾ 最後に,感度確認のためSt-1ppmを測定 (n=3) 使用装置: iCAP 6500 DUO 機器条件 ¾ 高周波出力 : 1300W ¾ プラズマガス流量 : 12L/min ¾ 補助ガス : 0.15L/min ¾ 試料ガス : 0.32L/min ¾ 送液ポンプ : 40rpm ¾ 試料置換時間 : 60秒 ¾ 積分時間 : <230nm (軸方向測光)12秒 >230nm (軸方向測光) 8秒 ¾ ネブライザー : Micro Mist (0.1mL/minタイプ) ¾ チャンバー :ペルチェ冷却有機溶媒導入シス テムPC3 ¾ センターチューブ : 有機溶媒用( ID 1.0Ф) ※ 前調査としてS21に含まれる21元素の半定量 を行い確認できた10元素を定量 27 検量線とプロファイル Cu:224.700nm Ba:233.527nm Zn:213.856nm 相関係数:0.9998 相関係数:0.9998 濃度 濃度 ビニールテープ緑 相関係数:0.9998 ビニールテープ黒 濃度 St-5ppm ビニールテープ緑 ビニールテープ黒 ビニールテープ緑 ビニールテープ赤,黒,黄 ビニールテープ赤 ビニールテープ赤 ビニールテープ黄 ビニールテープ黄 BL BL 波長 波長 ¾Cuは緑だけ検出が確認できました。 28 波長 定量結果 (ppm) 元素 Ca Al Ba Cu Fe Mg P Si Ti Zn 分析線 nm 317.933 167.079 233.527 224.700 238.204 285.213 213.618 251.611 334.941 213.856 BL(THF) 標準偏差(σ) 0.005 0.0007 0.0001 0.0005 0.0003 0.0001 0.004 0.0005 0.0002 0.0001 (n=10)測定結果 検出限界(3σ) 0.015 0.0021 0.0003 0.0015 0.0009 0.0003 0.012 0.0015 0.0006 0.0003 定量下限(10σ) 0.05 0.007 0.001 0.005 0.003 0.001 0.04 0.005 0.002 0.001 検液濃度 1.66 0.045 0.59 <0.005 0.014 0.296 0.56 0.25 1.96 0.169 試料濃度 16600 45 590 <5 14 296 560 250 1964 169 検液濃度 1.73 0.041 1.11 0.182 0.011 0.304 0.66 0.36 1.51 0.30 試料濃度 1730 41 1110 182 11 304 660 360 1509 297 検液濃度 0.67 0.084 0.48 <0.005 0.006 0.12 0.56 0.30 4.04 0.128 試料濃度 6700 84 480 <5 6 120 560 300 4036 128 検液濃度 1.66 0.009 0.67 <0.005 0.012 0.26 0.57 0.27 0.013 0.194 試料濃度 16600 9 670 <5 12 260 570 270 13 194 感度確認 1.012 0.987 0.999 0.984 1.006 1.013 1.013 1.033 1.011 0.999 赤色 緑色 黄色 黒色 St-1ppm ¾全テープともCa, Ba, Mg, P, Si, Znが多く含まれています。 ¾緑色にのみCu が含まれていました。 ¾黒色は他のテープに比べてTi が少ないことが判ります。 29 3. 迅速異材判定のテクニック フルフレームイメージ差し引きによる特殊鉄粉中の不純物元素の迅速判定 ¾ フルフレームとはCID検出器による全発光線のイメージ取得(1分以内で測定可能) (166nmから847nmまでの全波長を表示) ¾ 発光線の強度を明るさで表示 847 nm 166 nm 30 測定内容 測定液の調製 ¾排水処理装置で使用する特殊鉄粉と純鉄(Fe=99.99%)を準備 ¾両試料とも王水10%溶液にて溶解し0.1%溶液を作製 下記順序にて測定 ¾特殊鉄粉0.1%液のフルフレームを測定 ¾純鉄0.1%液のフルフレームを測定 ¾特殊鉄粉0.1%液イメージから純鉄0.1%液イメージを差し引き不純物元素を確認 31 イメージ差し引きを実行 特殊鉄粉0.1% Fe+不純物元素のイメージ 特殊鉄粉01% より純鉄0.1%を差引き 純鉄0.1% 殆どFeだけのイメージ 次のページへ 32 不純物元素のイメージ 不純物元素の確認 ¾Ti, Ca, Al, Si が確認できます。 ¾製品管理で,不良品が発生した時など迅速に原因となる元素を発見するには抜群の威力を発揮します。 ¾こんな事ができるのは,ブルーミングのないCID検出器を使用するiCAPだけです。 33 まとめ 過去に行った過酷な分析例 ①銀電解液(Ag数%含む)中の主成分Agおよび微量元素Cu, Pdの一斉定量 ②THFよりも蒸気圧が高く点灯維持が難しいアセトン中のCd, Cr, Cu, Fe, Mg, Mn, Ni, Znの定量 ③医薬品のメタノール溶解による迅速異材判定 いままでとても無理だと諦められていた分析も このiCAPでは,できる可能性があります 是非,ご自分の目で確かめてください 皆様の来訪をお待ちしております! 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