企業紹介 東北電化工業株式会社

企業紹介
東北電化工業株式会社
~ 電気のチカラで人々の生活をより明るく、快適に ~
戦後の電化事業からのスタート
電気工事を中心に設備工事を広く手がける東
北電化工業株式会社の創業は、終戦直後の1945
(昭和20)年。會津圭一郎代表取締役社長の祖
父にあたる會津栄次郎氏が、普及途上で安価で
あった電力に着目し、公衆浴場の電化工事を行う
「東北電化工業所」を設立したのが始まりだった。
当時の県内には、農村を中心に多くの無灯火
集落が存在していた。東北電化工業所では、こ
會津圭一郎 代表取締役社長
れらの集落に泊まり込んで工事を行い、電化を
会社をはじめ、合わせて9社のグループ関連企
進めていった。戦後復興による電力需要の高ま
業があり、お客様の多様なニーズに応えられる
りもあって事業は急速に拡大していき、創業の
体制が整っている。
翌年には有限会社として法人化、その翌年の
會津社長は、
「建物設備の多くは電気で動いて
1947(昭和22)年には、現在の「東北電化工
おり、すべて電気工事の一環として取り組んで
業株式会社」となった。さらに、同年に置賜営
いる。事業の拡大は自然な流れ」と語る。最近
業所を開設したのを皮切りに、県内各地へ営業
では、LED照明、エコキュートなどの省エネル
所を展開し、1984(昭和59)年には仙台営業
ギー化機器、太陽光をはじめとする再生可能エ
所、2001年には福島営業所を開設する。開設当
ネルギー発電設備、電気自動車の充電器の設置
初、仙台営業所では情報収集のみを行っており、
なども行っており、電気を取り巻く環境変化に
実際に仙台エリアでの営業を開始したのは
対応し、事業分野は一層多様化している。
1995年から。會津社長がその最初の所長を務め
た。県外にも営業基盤を広げてきたのは、県外進
震災復興に向けた取り組み
出を進める県内企業からの要望に迅速に対応で
2011年3月に発生した東日本大震災以降、被
きるような体制作りを進めた結果であるという。
災地における復旧・復興工事や、耐震工事の増
加により、電気工事の受注は急増している。加
電気から水道まで暮らしをサポート
えて、再生可能エネルギーの固定価格買取制度
東北電化工業の手がけた施工事例は、工場や
が開始されたことから、太陽光発電設備などの
オフィス、商業施設、文化施設、学校、病院、
設置も増加した。東北電化工業では、被災地に
さらには一般住宅と多数あり、県内の電気工事
おける担い手不足に対応し、2011年11月に石
業をけん引する存在である。工事内容も電気設
巻事業所(現・石巻営業所)を開設するなど、
備工事を中心に、情報通信設備工事、空調・給
県境を越えて復興に向けた取り組みに注力して
排水・衛生設備工事、融雪設備工事、防災・防
いる。
犯設備工事、
制御・計装工事など幅広い。
また、
施
被災地での復興工事は、建設業全般の人手不
工にあたって、企画、提案、設計、施工、アフ
足により進捗が遅れがちだ。電気設備工事は建
ターサービスまで一貫して行えることも当社の
物工事の最終工程であり、最初の工程が遅れる
強みとなっている。さらに、1975 (昭和50)
と、それだけ作業に遅れが生じてしまい、先の
年に設立したシステム・エンジニヤリング株式
見通しが立てづらいこともあって、決して楽で
06
調査月報 2015年 5月号
はない。しかしながら、
「震災によって、電気の
う「付加価値報酬制度」に切り替え、女性の管
ありがたみを皆が改めて感じたと思う。被災地
理職への登用などを進めている。技術職への女
への社員の派遣は、遠距離でもあり大変な部分
性の採用も増加しており、最近では、文系短大
も多いが、復興に役立てるこの仕事をやってい
卒の女性が第一種電気工事士の資格を取得した。
て良かったと、皆誇りをもってあたっている」
こうした取り組みにより、2013年に県から「山
と社長は語る。
形いきいき子育て応援企業」の優秀(ダイヤモ
ンド)企業としての認定も受けている。
男女ともに技術力を高め、生産性アップ
電気工事を行うには、電気工事士などの国家
電気を利用し、快適な生活を提供
資格が必須となるため、東北電化工業では、社
東北電化工業では、電気工事業者として培っ
員の資格取得に向けて手厚く支援を行っている。
てきた高い技術力を生かし、社会貢献活動にも
新入社員は入社後3カ月間、職業訓練校のほか
積極的に取り組んでいる。創業60周年記念事業
に本社内・外で研修を行い、電気工事士の資格
として、2007年から県内5カ所の児童養護施設
を取得した後に、各部署に配属され、6カ月間
へクリスマスイルミネーションを寄贈し、無償
T研修を行っている。現在、資格の取得率
のOJ
での取り付け・撤去を行っている。毎年少しず
は、技術職、事務職に関わらずほぼ100%となっ
つ改良を加えており、児童養護施設の職員や児
ている。
童だけではなく、周辺住民からも冬の風物詩と
また、県内で来年度に開催が予定されている
して大いに喜ばれている。
技能五輪に、2年連続で出場を果たしており、
「電気工事をとおして、
いかにお客様の役に立
技能向上に向けた取り組みにも力を入れている。
つか、いかにお客様の生活を快適にしていくか
きっかけは、8年前から毎年開催している社内
ということを追求していきたい」と社長。また、
の技能大会だ。若手部門、職長部門、現場代理
大型施設の工事が中心の企業とみられがちであ
人部門の3部門に分かれて電気工事の技能を競
るが、一般家庭の工事も数多く手がける身近な
い合うもので、若手部門の大会は、昨年から技
存在として認知度を高めていくことにも力を入
能五輪の県予選会もかねる。技能大会を開催す
れたいとしている。
るようになってから、社員の技術力が向上した
結果、生産性も大きく上昇するといった効果が
みられたという。2014年度からは、高い技術を
有し、会社を代表する職長を「技監」に任命す
る「技監制度」を開始した。現在、17名が技監
に任命されているが、毎年厳しい基準で資格が
更新される。社員の技術力やモチベーションの
向上に一役買っている。
また、男女問わず能力評価を行おうと、2005
年度から人事制度を仕事の質によって評価を行
児童養護施設に寄贈したイルミネーション
会 社 名
本 社
代 表 者
事業内容
創 業
資 本 金
従業員数
T E L
U R L
東北電化工業株式会社
山形県山形市青田3丁目-9-18
代表取締役社長 會津 圭一郎
電気設備工事、情報通信設備工事、
空調・給排水衛生設備工事 他
1945年
7,
500万円
327名
0236230611
ht
t
p:
//www.
t
ohokudenka.
co.
j
p
技監認定のシール
調査月報 2015年 5月号
07