2.CO中毒事故の概要 発生場所 現象 建物用途 - 高圧ガス保安協会

2.CO中毒事故の概要
発生場所
発生年月日
現象
被害状況
建物用途
構造
発生
時間
原因者
性別年齢
事故概要
沖縄県
国頭郡
15.2.6
CO中毒
飲食店
鉄筋コンク
リート造平
屋建
5:30
一般消費者
等
6:00頃 、 当 該 飲 食 店 の オ ー ナ ー が 厨 房 内 の 異
常に気付き、中を覗いたところ従業員が倒れ
て死亡しているのを発見、直ちに消防に連絡
した。その後の調査で死因はCO中毒とわか
った。厨房内の窓・出入口を閉め切り、かつ
換気扇も作動させずに回転釜を使用したた
め、CO中毒となった。
死者 1
( 男 性 52)
<B級>
秋田県
雄勝郡
15.4.2
CO中毒
死 者 1
( 女 性 23)
重症者 1
( 男 性 29)
住宅兼美容
院
木造2階建
2:00
一般消費者
等
<B級>
埼玉県
鶴ヶ島市
15.4.17
CO中毒
死者 1
( 男 性 60)
<B級>
一般住宅
木造2階建
20:30
他工事業者
2:00頃 、 男 性 (29)が 当 該 美 容 院 に 設 置 さ れ て
いる瞬間湯沸器(開放式:5号)を使って、
女 性 (23)の 髪 を 洗 っ て い た 。 30分 後 、 男 性 が
湯沸器の火を消そうとしたところ、意識を失
った。同日昼過ぎになって、意識を取り戻し
た男性が女性が倒れているのを発見し、母親
に連絡し、母親は消防に連絡した。消防が駆
けつけた際、女性は既に死亡しており、男性
は病院に運ばれた。なお、当該湯沸器には不
完全燃焼防止装置が付いておらず、室内は密
閉されていたことと相俟って、CO中毒とな
った。
(質量販売8㎏×1本)
4月から始まった住宅の改築工事のため、消
費者から販売事業者へ容器、メーター位置の
変更依頼があった
販売事業者は、下見をして工務店との打ち合
わせの上4月9日に容器、メーター位置の変
更及び配管の変更工事を行った。その時、工
務店に対して屋外湯沸器(風呂用)への配管
接続のときには、販売事業者に連絡するよう
に依頼し、連絡待ちの状況だった。その後、
工務店から依頼を受けた風呂店が販売事業者
に連絡せずに14日に浴室内の既存BF式風
呂釜を撤去し、仮説で浴室内にCF式風呂釜
を設置した。その時、排気筒を設置せず、給
気 口 を 設 け な か っ た 。 1 7 日 の 20:30頃 、 事
故当事者が入浴中に風呂を追い炊きしていた
と こ ろ 倒 れ て 、 23:00に 死 亡 し た 。 事 故 原 因
はCO中毒と推定された。なお工事をした風
呂店は特監法の資格者ではなかった。
- 60 -
事故原因
法違反の有無
換気不良
・法違反なし
安全器具等
設置状況
行政指導等
再発防止策
・ガス漏れ警報器
あり
(コンセントが外
れていた)
(再発防止策)
・消費者に消費者ミス
に係る事故防止の周
知を行う。
・消費者に燃焼器具使
用時には換気をする
よう周知する。
・ヒュ−ズガス栓
あり
・マイコンSBあ
り
換気不良
・法違反なし
・ガス漏れ警報器
あり
(作動状況不明)
・ヒュ−ズガス栓
なし
・マイコンなし
排気筒未設置
・ 規 則 第 44条 第
1号ヨ、タ
(iv)、 ソ 、 ヲ
違反
・特監法第3条
違反
(排気筒基準違
反:排気筒、
給気口、接続
方法)
(特監法違反:
監督、表示)
・ 法 第 38条 の 7
・ 法 第 38条 の 10
・ガス漏れ警報器
なし
・ヒュ−ズガス栓
なし
・マイコンSあり
(再発防止策)
・消費者に消費者ミス
に係る事故防止の周
知を行う。
・消費者に燃焼器具使
用時には換気をする
よう周知する。
・消費者に湯沸器を不
完全燃焼防止装置付
きのものに交換する
よう周知する。
(行政指導等)
・販売事業者に周知の
徹底について口頭で
指導した。
・警察の捜査結果がま
とまった後、口頭で
県協会を通じて販売
事業者等へ注意喚起
を図ることとした。
発生場所
発生年月日
現象
被害状況
建物用途
構造
発生
時間
原因者
性別年齢
事故概要
事故原因
法違反の有無
安全器具等
設置状況
行政指導等
再発防止策
新潟県
南魚沼郡
15.6.18
CO中毒
ホテル
鉄筋コンク
リート造7
階建
1:00
一般消費者
17日 の 20時 ∼ 21時 頃 か ら 当 該 ホ テ ル の 3 階 の
1室に宿泊していた客5人全員に頭痛、めま
い 、 嘔 吐 等 の 症 状 が あ っ た 。 18日 1 時 頃 、 こ
の部屋を訪れた者が異常に気付き、5人は病
院に搬送された。2階の厨房にある蒸気ボイ
ラーが不完全燃焼を起こし、発生した一酸化
炭素が3階の窓下にある排気筒先端、又は厨
房天井裏(3階床下)から3階の部屋に入っ
たものと推定される。なお、排気筒先端が客
室の窓に近接しており、更に厨房天井裏にあ
る排気筒からも排気ガスが漏れていた。不完
全燃焼を起こした原因は、調査の結果、蒸気
ボイラーの軟水化装置の維持管理が不適切だ
ったため缶体内に多量のスケールが付着し、
この結果缶体がゆがんで排気ガスが漏れ、こ
れが燃焼用空気に流入したためであった。な
お、このボイラーはメーカーの点検を受けて
おり、この中で軟水化装置の維持管理につい
て指導を受けていた。
蒸気ボイラーの
不完全燃焼
・ガス漏れ警報器
あり
(ガス漏れなし)
(行政指導等)
・販売事業者に排気筒
先端位置が客室に近
接している点につい
て口頭で指導した。
(再発防止策)
・2年連続して業務用
施設でのCO中毒事故
が発生したので、新潟
県エルピーガス協会に
情報提供を行うと共に
事故の未然防止に万全
を期すよう会員への周
知を依頼した。
講師1人とお客13人で13時頃にピザ作り
のため、オーブンを余熱していたところ、講
師が立ち眩みを起こして、お客も気分が悪く
なった。そのため、直ちに窓を開けて換気を
行い、全員が隣の建物であるレストランに避
難した後、救急車で病院に搬送されたもので
ある。講師が排気ダクトの排気扇のスイッチ
を入れないまま、オーブンに点火したため換
気不良からオーブンが不完全燃焼を起こし、
病院に搬送された14人のうちお客4人が入
院(全員翌日退院)し、その他の人はその日
のうちに帰宅した。
なお、給気は、オーブンの設置している実習
室の隣の厨房に設置している給気口を通じて
行っていた(実習室と厨房の扉は常時開の状
態)。また、実習室の窓は、使用時にはO−
157等の影響により衛生上の観点から閉め
るようにしていた。
換気不良
茨城県
江戸崎町
15.8.15
軽症者 5
( 女 性 74,7
0,67,66,59
)
CO中毒
軽症者 5
(男 性 42、
女 性 39、 35
男 性 13、 9)
ピザ焼き体
験施設
鉄骨平屋建
13:00
一般消費者
- 61 -
・法違反なし
・ヒュ−ズガス栓
あり
・マイコンなし
規 則 第 37条 違 反
(定期消費設備
調査が法定で定
められている期
間内に未実施)
・ガス漏れ警報器
あり
・ヒュ−ズガス栓
な し (ネ ジ 接 続 )
・ガス漏れ警報器
連動自動ガス遮
断装置
(再発防止策)
・同様な体験型施設へ
対して、燃焼器具を
使用する場合の換気
、安全機器及び消費
設備調査への協力等
の啓発を行った。
(社)茨城県高圧ガ
ス保安協会を通じ、
傘下の販売事業者に
対し、事故の情報を
提供するとともに、
業務用施設について
の安全機器設置及び
定期調査の期限の遵
守につき依頼した。
・先に燃焼器具を動か
さなければならない
旨の表示をオーブン
のスイッチに取り付
けた。またCO警報
器を設置し、強制的
に外気を導入する装
置を付けた。
発生場所発
生年月日
現象被害状
況
建物用途構
造
発生
時間
原因者性別
年齢
事故概要
富山県
富山市
15.9.18
CO中毒
軽症者 2
( 男 性 18、
女 性 20)
パン屋
鉄筋コンク
リート造平
屋建
7:20
一般消費者
7 時 20分 頃 、 パ ン 屋 の 厨 房 で パ ン 焼 き 器 を 使
ってパンの製造をしていたところ、レンジフ
ードが作動していなかったため、換気不良か
ら不完全燃焼を発生して男性アルバイト店員
が倒れたもの。女性アルバイト店員が通行人
へ助けを求めて通行人と一緒に男性アルバイ
ト店員を外へ運び出し119番通報をした。
なお、事故当時、レンジフードのスイッチが
入っていたかどうかは不明であり、当該レン
ジフードは汚れがひどく、固着してときどき
回らないことがあった。
また、設置していたCO警報器がときどき鳴
動することがあり、コンセントが抜かれてい
た。
北海道
札幌市
15.10.27
CO中毒
軽症者 1
( 女 性 27)
共同住宅
鉄筋コンク
リート造
神奈川県
横浜市
15.11. 1
CO中毒
死 者 1
(男 性 57)
共同住宅
木造2階建
《B級》
1:52
事故原因法違反
の有無
安全器具等設置状
況
行政指導等再発防止策
換気不良
・ガス漏れ警報器
なし
・ヒュ−ズガス栓
あり
・ マ イ コ ン SBあ り
(再発防止策)
・消費者にCO中毒に
係る事故防止の周知
を行う。
・消費者に消費者ミス
に係る事故防止の周
知を行う。
・法違反なし
・CO警報器あり
(コンセントが外
れていた)
その他
(塗 装 業 者 )
入居者の友人が入浴を終え、住人とともに食
事をしていたところ、入居者の気分が悪くな
ったため屋外に出ようとしたところ入居者が
嘔吐して倒れたため、友人が119番をして
病院に搬送されたもの。外装塗装工事のため
に 窓 等 を 覆 っ た と き に 湯 沸 器 ( F E 式 16号 )
の排気筒トップもビニールで覆ってしまった
ため、排気不良となり不完全燃焼を起こして
CO中毒事故となった。
事故後、消防及び保安機関により室内のCO
測 定 を 実 施 し た と こ ろ C O 濃 度 は 0.08% で あ
った。
湯沸器排気筒の
排気不良(ビニ
ールで覆ったた
め)
・ガス漏れ警報器
あり
・ヒュ−ズガス栓
あり
・マイコンHあり
(再発防止策)
・販売事業者が湯沸器
を不完全燃焼防止装
置付きのものと交換
した。
・排気筒のセルフード
部を交換した。
(県協会)
・塗装業者に事故防止
の徹底について要請
した。
販売事業者
4日の朝、会社に出勤してこないため、勤務
先の上司がアパートを訪問したところ、室内
で死亡しているのを発見したもの。病院で診
断したところCO中毒と診断された。
調査したところ、台所に設置されている湯沸
器(開放式5号:不完全燃焼防止装置なし)
が不完全燃焼を起こしたものと推定された。
また、湯沸器の熱交換器部分に油脂・ホコリ
がたまっていたため不完全燃焼を起こしやす
い状態となっていた。
湯沸器の燃焼不
良
・ガス漏れ警報器
あり
・ヒュ−ズガス栓
あり
・マイコンSあり
(行政指導等)
神奈川県エルピーガ
ス協会及び県内販売事
業者に対し、法定点検
調査漏れの確認を行う
ように通知した。
- 62 -
・ 法 第 20条 第 1
項、第2項違
反(業務主任
者の職務不十
分)
・ 法 第 27条 違 反
(保安業務未
実施)
・ 法 第 81条 違 反
(帳簿記載虚
偽)
・ 法 第 82条 違 反
(知事への報
告徴収に対す
る虚偽報告)
発生場所
発生年月日
現象
被害状況
建物用途
構造
発生
時間
北海道
札幌市
15.12.31
CO中毒
軽症者 3
( 男 性 52、
女 性 73、 52
)
共同住宅
19:51
原因者
性別年齢
不明
事故概要
18時 頃 か ら 19時 51分 ま で に 女 性 2 人 が 続 け て
入力していたところ、1人が入浴後、1人が
入浴中に気分が悪くなりまた、居間にいた男
性1人も気分が悪くなり、救急車で病院に搬
送されCO中毒と診断された。
居 間 に 設 置 さ れ て い る F E 式 湯 沸 器 ( 16号 )
の排気筒の天井裏隠ぺい部が腐食により孔が
開いていたため、そこから、燃焼排ガスが漏
えいしたため不完全燃焼したものと推定され
た。
- 63 -
事故原因
法違反の有無
排気筒の腐食
安全器具等
設置状況
・ガス漏れ警報器
あり
・ヒュ−ズガス栓
あり
・マイコンSあり
・CO警報器あり
→(取り外して
いた。)
行政指導等
再発防止策
4.バルク供給に係る事故の概要(充てん設備及び供給設備)
発生場所
発生年月日
現象
被害状況
建物用途
構造
発生
時間
原因者
性別年齢
事故概要
事故原因
法違反の有無
安全器具等
設置状況
行政指導等
再発防止策
埼玉県
岩槻市
15.5.17
漏えい
共同住宅
木造2階建
16:20
不明
16:20頃 、 販 売 事 業 者 及 び 集 中 監 視 セ ン タ ー
がガス漏れ警報を受信した。直ちに出動し、
ガス漏れ箇所を確認したところ、バルク貯槽
(298kg)の 通 常 使 用 し て い な い 液 取 出 バ ル ブ
からガスが放出されているのを確認バルブを
閉めた。なお、バルブが緩んだ原因は不明。
液取出バルブの
緩みによる漏え
い
・ガス漏れ警報器
あり
(検知区域外)
・ヒュ−ズガス栓
あり
・マイコンSあり
(行政指導等)
・販売事業者に同一原
因の事故防止のため
の措置を講ずるよう
口頭で指導した。
16:23頃 、 当 該 病 院 の 隣 人 が 、 バ ル ク 貯 槽 ( 5
00kg× 1 本 ) か ら ガ ス 臭 が す る の に 気 付 き 、
消防・販売事業者に連絡した。消防・販売事
業者は、直ちに出動し、液取り出し弁が開い
ているのを確認、弁を閉め漏えいを止めた。
開いていた原因は不明。ガス漏れ検知器は設
置されていたが、集中監視センターにガス漏
れの通信はされなかった。なお、直近では7
月1日に充てんを行っており、その際の点検
では、異常はなかった。
不明
・法違反なし
・ガス漏れ警報器
なし
・ヒュ−ズガス栓
なし
・マイコンなし
(再発防止策)
・プロテクター下部の
穴を塞いだ。
19時 30分 頃 、 共 同 住 宅 の オ ー ナ ー が 供 給 管 の
ユニオン部(フレキ管の上方部)からガスが
漏えいしているのを発見したもの。
なお、当該バルク貯槽(298㎏)は、8月
28日に設置が完了し設備工事業者により漏
えい試験が実施された。その後、9月1日に
バルク貯槽基礎部の高さが不足していたため
カサ上げ工事が実施されていた。
今回の漏えい量は160㎏と大量のガスが漏
えいしたが、供給管(低圧部)からのわずか
に漏えいしている程度で、160㎏も漏えい
するためには相当の日数が必要と考えられ、
バルク貯槽のカサ上げ工事が行われた時期か
ら漏えいがあったと仮定すると約2週間であ
り、妥当と考えられる。
しかしながら、販売事業者においてバルクの
カサ上げ工事後に実施した漏えい試験では異
常が発見されなかった。また、カサ上げ工事
を実施した設備工事業者は、その工事のとき
は、別の箇所のユニオン部を緩めて違う長さ
の供給管に変更していたと言っている。
供給管接続不良
・なし(屋外)
(行政指導等)
販売事業者に対して口
頭で保安体制の不備に
ついて厳重注意を実施
した。
北海道
函館市
15.7.12
漏えい
熊本県
宇土市
15.9.19
漏えい
山形県
新庄市
15.10.28
漏えい
病院
木造3階建
16:23
共同住宅
鉄筋コンク
リート造2
階建
19:30
その他店舗
木造平屋建
21:08
不明
販売事業者
その他
(第3者)
バ ル ク 貯 槽 ( 990㎏ ) 設 備 内 に 落 ち た 財 布 を
拾おうと供給管を踏み台にしたところ、液取
出弁と過流出防止弁の間で折損したため、そ
こからLPガス(液)が漏えいしたもの。
- 66 -
・法違反なし
・ 法 第 27条 第 1
号第4号違反
(緊急時対応不
備 : 30分 以 内 )
・ 法 第 16条 の 2
違反
(供給設備基準
違反)
・ 法 第 38条 の 2
違反
(設備工事にお
ける基準適合
義務違反)
供給管の折損
・ガス漏れ警報器
なし
・ヒュ−ズガス栓
あり
・ マ イ コ ン SBあ り
発生場所
発生年月日
現象
被害状況
建物用途
構造
発生
時間
原因者
性別年齢
事故概要
事故原因
法違反の有無
安全器具等
設置状況
行政指導等
再発防止策
岩手県
北上市
15.11. 4
漏えい
軽傷者 3
( 男 性 27、
男 性 39、 女
性 25)
文 化 センター
鉄筋コンク
リート造
20:25
販売事業者
バ ル ク 貯 槽 ( 縦 型 バ ル ク 貯 槽 496㎏ ) に 設 置
されていた液面計の表示部の交換作業を行っ
ていたところ、誤って表示部を固定している
ビスでなく、フランジ部とバルク貯槽を固定
しているボルトを緩めてしまったため、そこ
から液が漏えいしたもの。
そのとき、漏えいを止めようとボルトを締め
直したときに作業員2名が凍傷を負った。
また、文化センター職員1人がガスを吸引し
て気分が悪くなった。
液面計表示部の
交換作業ミス
・ガス漏れ警報器
あり
・ヒュ−ズガス栓
あり
・ マ イ コ ン SBあ り
(行政指導等)
・販売事業者に対し、
従業員に対する保安
教育を徹底するよう
口頭で指導した。
東京都
葛飾区
15.12.25
漏えい
飲食店
鉄 筋 コンクリート
造2階建
1:00
販売事業者
飲食店に設置されている貯蔵施設の横の道路
を通っていた通行人がガス臭を感じたため消防
へ通報した。消防から連絡を受けた販売事業者
が現場で確認したところ、ベーパライザー下流
側の2段2次調整器の安全弁からガスが噴出し
ているのを発見したもの。当該設備は2基のバ
ル ク 貯 槽 ( 横 置 980㎏ 地 下 設 置 ) が 設 置 さ れ て
おり、気ライン(1次調整器をプロテクター内に
設置)及び液ライン(ベーパライザーを設置:強
制気化供給用)でそれぞれで接続されていた。
原因は以下のように推定される。
①ベーパライザーの水位が低下したため、水位
レベルスイッチが作動して停止した。
②ベーパライザーが停止した後、ガスを消費し
たことから圧力差が生じて液移動が起こり、
1基が過充てん状態となった。
③そのため、液状のLPガスが調整器に流れ込
み、調整器安全弁からガスが放出された。
バルク貯槽間の
液移動により過
充てん状態なっ
たものと推定さ
れる
・ガス漏れ警報器
あり
・ヒュ−ズガス栓
あり
・マイコンあり
(行政指導等)
・販売事業者に対して
ベーパライザーに警
報装置を設置して再
発防止を指導した。
- 67 -
バルク貯槽2基
( 横 置 980㎏ 地
下設置)
3.埋設管事故の概要
発生場所
発生年月日
現象
被害状況
建物用途
構造
発生
時間
原因者
性別年齢
事故概要
香川県
観音寺市
15.2.7
漏えい
共同住宅
鉄筋コンク
リート造4
階建
不明
その他
(車両の荷
重)
1月 30日 に 当 該 共 同 住 宅 住 人 か ら ガ ス 臭 い と
の 連 絡 が あ っ た 。 31日 に 販 売 事 業 者 が 配 管 の
漏 え い 試 験 を 実 施 し 、 ま た 、 2月 3日 に 供 給 管
の漏えい試験を実施したが、漏えいは発見で
きなかったため、特に臭いの強い箇所に排気
装置を設置した。排気しても、臭いが消え
ず 、 ガ ス 臭 が さ ら に 強 く な っ た た め 、 7日 に
な っ て 、 3日 の 漏 え い 試 験 で 実 施 し て い な か
った供給管について漏えい試験を実施したと
ころ、埋設管からガスが漏れているのがわか
った。大型車両等の通行により供給管が破損
・漏えいしたものと推定される。
供給管の損傷
20時 38分 頃 、 付 近 の 住 人 か ら ガ ス 臭 が す る と
販売事業者へ連絡があったため出動して調査
を行ったところ、マンホール付近でガス漏洩
を 検 知 し た 。 そ の た め 、 29戸 へ 集 団 供 給 を し
ている貯蔵設備の元バルブを閉止して、排風
機によるマンホール内のガス排出作業を実施
し て い る 。 10月 1 日 に 供 給 管 の 漏 え い 試 験 を
実施した結果、圧力の低下が認められた。
9 月 28日 に 発 生 し た 十 勝 沖 地 震 の 影 響 に よ り
埋設管に何らかの荷重が加わり損傷した可能
性もあると推定できるが損傷原因の詳細は不
明である。
供 給 管 (埋 設 管 )
の損傷
損傷原因は不明
なし(屋外)
消防へ炎が上がっていると通報があったため
消防隊が到着して確認したところ埋設管(継
手部)の埋設部と漏出部境目付近が腐食して
いたため、そこからガスが漏えいし、何らか
の火から引火して配管の防食テープが燃えた
ことが分かった。
配管(埋設部)
の腐食
・ガス漏れ警報器
なし
・ヒュ−ズガス栓
あり
・マイコンⅡあり
北海道
札幌市
15.9.28
漏えい
道路下
20:38
埼玉県
さいたま市
15.10.26
漏えい火災
一般住宅
木造2階建
17:38
不
明
販売事業者
- 64 -
事故原因
法違反の有無
・法違反なし
安全器具等
設置状況
行政指導等
再発防止策
・ガス漏れ警報器
なし
・ヒュ−ズガス栓
あり
・マイコンⅡあり
なお、当該埋設
管の腐食測定は
平 成 13年 9月 4日
に実施され、合
格していた。
(行政指導等)
販売事業者に対して
他の消費者の埋設管(
白管)の場所を把握し
腐食状況を確認して対
応するよう指示した。
また、次のついて口頭
で指導した。
・固定式燃焼器のゴム
管接続について、ネ
ジ接続に改善する。
・再調査は1ヶ月経過
後6ヶ月以内に行い
記録すること。
・ 法 第 14条 の 設 備 所 有
関係の欄には、販売
事業者所有の設備と
分かるようにするこ
と。
発生場所
発生年月日
現象
被害状況
建物用途
構造
発生
時間
原因者
性別年齢
事故概要
事故原因
法違反の有無
安全器具等
設置状況
行政指導等
再発防止策
富山県
下新川郡
15.10.27
漏えい火災
軽傷者 1
( 男 性 79)
一般住宅
木造2階建
9:30
その他
下水道工事
業者
下水道工事業者が下水道工事を実施していた
ところ、突然ガスが噴出して引火した。あわ
てて火を消そうとして砂をかけたが消火しき
れず、そのときに火傷を負った。近隣の住人
が消防と販売事業者へ連絡し、到着した消防
隊が水をかけて消火した。
下水道工事のため小型工事機械(ユンボ)を
使用して地面を掘ったときにその衝撃で供給
管(埋設管)の継手部が折損したため、そこ
からガスが漏えいしていた。
供給管(埋設管
)の損傷
・ガス漏れ警報器
なし
・ヒュ−ズガス栓
あり
・マイコンⅡあり
(行政指導等)
販売事業者に対して
共同住宅の消費者へガ
ス管の埋設場所等、注
意すべき点を周知する
よう口頭で指導した。
- 65 -