NTTコミュニケーションズ グローバルネットワークの強み - ビジネス

エンタープライズIT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)
特別企画
自然災害による大規模故障への
NTT コミュニケーションズの対応力
【通信サービスの復旧対応】
台湾沖地震のサービス復旧で実証された
NTT コミュニケーションズ
グローバルネットワークの強み
2006 年 12 月 26 日夜に台湾南西沖で発生した地震で、多数の国際通信用海底ケーブル群が損傷した。これらのケー
ブル群を利用している NTT コミュニケーションズをはじめ、多くのアジア域内の通信事業者は、企業向けデータ通
信サービスなどが利用できないという過去に無い最大級の障害に見舞われた。ここでは何故、NTT コミュニケーシ
ョンズが早期障害復旧を実現できたのか、その要因を紹介する。
台湾沖地震による海底ケーブル群
など、他社に比べて格段に
300
の障害は広範囲に及び、東南アジア
早いサービス復旧を行い、
各国との間の国際通信サービスが甚
多くの顧客からの高い評価
大な影響を受けた。通信事業者各社
を得たほか、海外のメディ
150
は年末始のサービス復旧に追われた
アからの注目も集めた(図
100
が、その中でNTTコミュニケーショ
1及び写真1参照)
。
ンズ(以下NTT Com)は地震による
その背景には、NTT
障害発生の2日後には影響を受けた
Com ネットワークオペレ
サービスのおよそ90%を復旧させる
影響回線数
250
200
回復済回線数
50
0
ーションチームの不休の
A社
B社
NTT Com
図 1 12 月 28 日時点の各社サービス復旧率
(データ 朝日新聞 2006 年 12 月 29 日 朝刊より)
障害対応に加え、「中国通信事業者
との密接な関係を生かした中国陸路
ルートの緊急開通」、「アジアの主要
事業者との強固な連携による速やか
な復旧作業」、「柔軟で迅速な迂回機
能を有するマネージドネットワーク
の広範な展開」、「同社が保有する豊
富なケーブル容量」などがあった。
今回の地震被害の復旧経緯から、
NTT Com の国際通信事業者として
の強みを検証する。
台湾沖地震に伴う
過去最大級の海底ケーブル障害
2006年12月26日21時30分(現地時
出展: 2007 年 1 月 17 日 香港經濟日報 I.T.Times 掲載 文責:楊文耀
写真 1 香港現地経済紙が伝える NTT Com のサービス復旧模様
34
間 同20時30分)頃に台湾南西沖の
海底を震源として発生したマグニチ
ビジネスコミュニケーション
2007 Vol.44 No.4
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【通信サービスの復旧対応】
ュード 7.1 の大型地震の影響により、
アジア全域と北米をつなぐ
通信サービスに多大な影響
台湾南西部の広いエリアで多数の国
際通信用海底ケーブル群が損傷した。
これらの海底ケーブルは、日本と東
今回の地震は、アジア各国の通信
南アジア各国を結ぶ国際ネットワー
サービスに多大な影響を及ぼした。
クに利用されている。そのため、日
特に香港やシンガポールの企業向け
本と東南アジア各国で企業向けデー
通信やインターネット接続は、主に
タ通信サービス、インターネット接
今回障害が発生した海底ケーブルを
続サービス及び国際電話サービスで
利用して日本へ、また日本経由で太
通信できない、またはつながりにく
平洋を横断する海底ケーブルを利用
い状態になるなどの被害が発生した。
して北米へとつながっているため、
今回の地震の震源地となった台湾
大きな影響を受けた。また、日本で
南西沖の海域は、北アジアや北米か
も中国や東南アジア各国への企業向
ら香港をはじめとする東南アジア各
けデータ通信サービスに多大な影響
国への海底ケーブルルート。地形上、
が発生した。
NTT コミュニケーションズ㈱
カスタマサービス部
グローバルサービス部門
担当課長
平良 聡氏
・ IP-VPN : 71 回線
これらのサービスは、IP-VPN が
27 日のうちに、フレームリレーが
コスト上、政治上等の観点から、台
NTT Com が今回の地震で被害を
28 日には全て復旧するなど、地震
湾とフィリピンの間にあるルソン海
受けた海底ケーブルは、主に東南ア
発生2日後までにおよそ 9 割が回復
峡/バシー海峡に、ほぼ全てが集中
ジア向けの海底ケーブルで、
した。
していることが多大な影響規模につ
「APCN」「APCN2」「China-US」
ながった(図2参照)。
「SMW3」
「FNAL」
「FLAG」
「C2C」
「EAC」の8種類である。
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図 2 台湾沖地震による被害エリア
ビジネスコミュニケーション
2007 Vol.44 No.4
ン直通回線のほぼ全線が一時断とな
ーブルの被害によ
った。これに伴う容量不足等により
り、影響を受けた
アジア域内でインターネット通信サ
NTT Com の通信サ
ービスの一部に遅延が発生したり、
ービスの状況を以
つながりにくい状態となったが、地
下に示す。
震発生後 3 日目には代替回線による
通信サービス>
TAIWAN
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ビスでは日本−香港間のバックボー
これらの海底ケ
<企業向けデータ
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台湾沖地震による被災エリア
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グローバル IP ネットワークサー
接続が完了し、サービス回復した。
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<インターネット接続サービス>
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<国際電話サービス>
国際電話の付加サービス機能であ
次の各企業向け各
る国際フリーダイヤル及び国際プリ
データ通信サービス
ペイドカードは、9ヶ国・地域で利
に影響が及んだ。
用できない状態となった。また、通
・専用線サービ
常の国際電話もつながりにくい状態
ス: 146 回線
が発生した。国際電話付加サービス
・フレームリレ
は接続先通信事業者と迂回路への回
ー: 18 回線
線切替えを順次進め、地震発生の2
・ ATM : 14 回線
日後には過半がサービス復旧した。
35
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NTT コミュニケーションズの対応力
特別企画
今回の通信サービスの障害復旧対
応について、NTT コミュニケーシ
中国通信事業者から
大容量ケーブルを調
達、陸路による迂回
ルートを確保
ョンズ㈱ カスタマサービス部 グ
ローバルサービス部門の平良 聡担
当課長は、次のように語っている。
日本
上海
「今回の地震では NTT Com がこ
香港
中国大陸経由の迂回ルートの新設経緯:
れまでに経験したことのない大規模
日本−上海ルートを活用
し、迂回ルートを確保
★12月27日午前 NTT Comより中国通信事業
者の経営層と交渉
故障が発生しました。発生直後から
★12月28日 大容量ケーブルを調達し、順次
お客様の回線を復旧
危機管理室を中心とする社内情報共
シンガポール
有体制を立上げるとともに、グロー
バルネットワークに携わる技術者が
総力を持って復旧に努めた結果、地
海外通信事業者とのリレーション
を活用した独自の障害復旧方法に
よりお客様向けサービスを回復
震発生から2日後の 28 日には約9
割の通信サービスを復旧させること
図 3 中国陸路迂回ルート
ができました。
復旧にあたっては、中国経由での
迂回路緊急開通による回線容量確保
改善といった品質面を考慮し、新た
な迂回路の検討が行われた。
アジア各国の通信事業者との
強固な連携
や、専用線サービス等の復旧作業で
その結果、図3に示すような、上
のアジア各国の主要通信事業者との
海から香港まで中国大陸を縦断する
今回の通信サービス障害早期復旧
連携が不可欠でした。幹部レベルか
大容量の中国陸路迂回ルートを、中
では内外の緊密な連携が重要な役割
ら実務レベルまでの日頃の緊密な事
国通信事業者との緊密な連携によ
を果たしたが、その背景にはグロー
業者間交流が、今回の故障復旧に大
り、確保した。NTT Com は、中国
バルネットワークサービスの顧客満
きな役割を果たしたと考えていま
通信事業者との合意後、確保したケ
足度向上に向けた国際会議
す。」
ーブルを利用した日本・香港間の回
「Arcstar Carrier Forum」を通じ
線設計、構築に直ちに着手し、通常
て培ったアジア域内の大手通信事業
であれば1週間以上かかる回線開通
者との良好な関係があった。
中国通信事業者との連携により中国陸
路迂回の独自ルートを一日で新設
まず、ケーブル障害の長期化や、
を、中国事業者の協力も得て 24 時
間以内に完了させた。
障害の結果として発生する遅延等の
Arcstar Carrier Forum とは NTT
Com が 2000 年から毎年 1 回開催し
このように短期間で中国での回線
ているアジア域内のサービス品質改
を準備できた背景と
善を目的とした「現場力」向上に取
して、幹部レベルで
り組む施策である。アジア主要通信
の日頃の交流と、こ
事業者 13 社の回線開通や運用、保
れをベースに確立さ
守の実務レベルのキーパーソンが一
れた両社間の相互協
堂に会し、ネットワークの品質向上
力、協調体制が挙げ
に向けて意見やノウハウを共有して
られる。
いる。これにより、国境を越えた高
品質なサービスの提供に向け、各事
写真 2 Arcstar Carrier Forum2006
36
業者は通信品質の向上に役立てると
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【通信サービスの復旧対応】
ともに事業者間の信頼関係を深め、
マネージド設備
マネージド設備
より円滑なオペレーションを目指し
ている(写真2参照)。
お
客
様
「今回の各国との間の専用線サービ
マネージドバックボーン
マネージド設備
レンタル
ルータ等
マネージド設備
スや電話回線の復旧にあたり、NTT
マネージド設備
お
客
様
レンタル
ルータ等
マネージド設備
Comと海外のNTT Com現地法人、現
バックボーン区間
アクセス区間
地通信事業者のエンジニアがサービ
アクセス区間
通信事業者によるネットワーク、機器の一元管理
ス回復を最優先に考えて相互に連携
図 4 マネージドネットワークサービスのサービスイメージ
し、昼夜を問わない迂回作業を実施
ナンスまでを一元的に提供する企業
を限定できた点が挙げられる。
したからこそ、早期復旧を実現でき
NTT Com は従来から、IP-VPN
向け通信サービスである。本サービ
など NTT Com が2重、3重のバッ
スでは、海外通信事業者と契約して
クボーン回線で構成できるマネージ
両国間の海底ケーブル容量を半分ず
ドネットワークサービスを推奨して
つ持ち合うコレポンサービスと異な
いる(図4参照)。
り、マネージドノードを各地に設置
たと思います。
」
(前出 平良 聡氏)
マネージドネットワークサービスの
迂回機能による障害規模の限定
これらに加え、企業向け通信サー
ビス障害早期復旧の要因として、
マネージドネットワークサービス
し、ノード間を複数の海底ケーブル
「マネージドネットワークサービス」
とは、各種ネットワークサービスと
で接続している。このネットワーク
が有する迂回機能により、障害規模
接続用機器やその運用管理、メンテ
を NTT Com が直接管理しているこ
Barents Sea
Kara Sea
Laptev Sea
East Siberian Sea
Beaufort Sea
Chukchi Sea
Norwegian Sea
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図 5 NTT Com がサービスで使用している海底ケーブル
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2007 年 3 月現在
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自然災害による大規模故障への
NTT コミュニケーションズの対応力
とから、途中のどこかのバックボー
市を一旦経由し、そこからバンコッ
ンが切断されても、通信回線を他ル
クへ接続するなど、海底ケーブルを
ートへ瞬時に切替えることができる。
短い距離でつないでエンド・トゥ・
今回のケーブル障害の際にも、
エンドなネットワークを提供し、ケ
NTT Com の IP-VPN サービスでは
ーブルの切断による通信サービスへ
日本と東南アジアの直通回線の多く
の影響リスクを小さくしています。
に被害を受けたものの、これらの通
また、冗長性を考慮したネットワー
信は他のケーブルルートへ自動的に
ク設計で可能となった迂回回線の確
迂回され、障害規模を限定的なもの
保、IP-VPN などのマネージドネッ
とした。このように、瞬時にかつ柔
トワークが有する自動迂回機能の効
軟に迂回を実施できた点が早期復旧
果など、NTT Comのグローバルネッ
のポイントとなった。
トワークが持つ強靭さが故障範囲の
「サービス回復までの詳細な情報提供
限定と早期の回復作業に役立ちまし
が良かった」、「コレポン型の専用線
た。
」
(NTTコミュニケーションズ㈱
サービスからマネージドサービスで
グローバル事業本部 グローバルネ
ある IP-VPN への移行を検討した
ットワーク部長 岡 純一氏)
い」
、
「NTT Comの迅速なサービス復
豊富なケーブル容量とケーブル
故障に強いネットワーク設計
NTT Com は、従来からアジア太
NTT コミュニケーションズ㈱
グローバル事業本部
グローバルネットワーク部長
岡 純一氏
平洋域内において最大級のケーブル
容量及び多数のルートを持ち合わせ
ている(図5参照)。
旧で、ビジネスへの影響を最小限に
いち早い対応と早期回復に高い
評価
留めることができた」などであった。
このように今回の台湾沖地震に伴う
今回の通信サービス障害早期復旧
今回の地震で通信サービスに影響
故障の復旧で、NTT Comの危機管理
の決め手の一つは、NTT Com が持
のあったアジア各国には、製造業の
態勢と高信頼な通信ネットワークの
つ豊富なネットワークインフラの活
生産拠点等として多くの日系企業が
強みが実証された。
用であった。多数の海底ケーブルが
進出している。また中国などでは近
また、インターネット接続サービ
被害にあった状況下でも迂回を実現
年、国内の豊富なマーケットをター
スでも、ケーブル障害の影響が大き
できた帯域、そして前述した中国陸
ゲットにした、自動車、情報家電関
かった香港では、ケーブル容量不足
路ルートに対して速やかに接続を可
連などの日系企業の進出が著しくな
による輻輳が続く他社サービスから
能とした日中間の帯域。このように
っているほか、オフショア開発やコ
移行する顧客を緊急開通で収容した
従来から NTT Com は、十分なケー
ールセンタ業務のアウトソーシング
り、既存顧客がトラヒックを他社回
ブル容量を持っていたことが早期復
など、グローバル企業の重要な拠点
線から NTT Com サービスへ迂回す
旧に大いに役立った。
となっている。今回の通信障害は、
るための緊急増速に応じた結果、
これらのグローバル企業の業務にも
NTT Com のサービス復旧の速さは
支障を与えた。
香港やインドネシアなどの現地メデ
「NTT Comは、地震などの自然災
害や漁業活動による損傷に備えて、
複数の海底ケーブルを所有していま
しかし、NTT Comではいち早い対
ィアでも大きく取り上げられた。
す。更に、過去の運用経験を参考に、
応と早期回復の結果、既存顧客のア
「普段は通信品質に厳しい外資系
海底ケーブル故障の影響を受けにく
ップグレードや新規顧客からの問い
企業のお客様から、今回の故障対応
くなるようにネットワークが設計さ
合せが通常の5割増となるなど、企
については、非常に早いサービス復
れています。例えば、東京とバンコ
業ユーザーから良好な反応を得た。
旧を実現した点に高い評価をいただ
ック間は直接接続せず、中間点の都
38
企業ユーザーからの代表的な声は、
きました。
」
(前出 岡 純一氏)
ビジネスコミュニケーション
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【災害対策室の取組み】
【災害対策室の取組み】
平常時の体制から有事の危機管理態勢への
迅速な変身により全社員の情報共有を推進
NTTコミュニケーションズの災害対策室は、災害時の通信ネットワーク障害を早期復旧するための基盤が、危機管理態勢で
あると捉えている。昨今は地震、豪雨、津波などの自然災害と、通信設備やコンピュータシステムなどの不具合によるICT
インフラ災害の2つへの備えが求められている。ここでは、NTTコミュニケーションズの災害対策の取組みを紹介する。
等に提供する事が大切なのです。今
全社一丸となって取組む災害対策
回の台湾沖地震の災害対応では、社
内の情報共有と社外への的確な情報
NTT コミュニケーションズ(以
提供について特に注力しました。平
下、NTT Com)は、通信ネットワ
時の NTT Com は各事業部体制をと
ーク信頼性向上、災害時の重要通信
っていますが、有事の際にはその事
の確保、サービスの早期復旧を災害
業部を横断し、問題解決に必要な、
対策の基本方針としている。
機能重視の『有事態勢』に切り替え
NTT コミュニケーションズ㈱
ネットワーク事業部
災害対策室長
「災害発生時は、発生した通信災害
を行えるようにしています(図1参
遠藤 達彦氏
の迅速な復旧作業と同時に、被災状
照)。いざという時、迅速な態勢変
措置を行う「サービス復旧班」
、被災
況、復旧状況や回復に向けた計画を
身が行えるように、毎月一回全社各
状況や苦情問い合わせ対応を行う「お
社内外にスピーディに、且つ的確に
組織の代表による災害対策連絡会を
客様対応班」
、設備の早期復旧を行う
提供する事に主眼をおいて対応を行
開催し、有事時の態勢、ルールや情
っています。その為には、全社員の
報共有のシステム等の確認を日頃か
情報共有が重要であると考えていま
ら行っています。」(NTT コミュニ
す。災害の正確な情報を社内外に平
ケーションズ㈱ ネットワーク事業
部 災害対策室長 遠
平時
有事
より豊かなサービス提供のための体制
社長
◆法人営業本部
■第一法人
フ
■第二法人
■第三法人
ロ
■チャネル営業 ン
■関西営業
ト
■SE
■ネットビジネス
■グローバル
■ブロードバンドIP
■PS
■ユビキタス
■金融イノベーション
■ITMS
プ
ロ
ダ
ク
ト
■カスタマサービス 設
■ネットワーク ・ 備
・災害対策 保 ・
(危機管理)守 構
築
・トラヒック
■先端IP
■総務・厚生
■広報
■資材
■セキュリティ
藤 達彦氏)
迅速な障害復旧のための機能別態勢
本部長(社長)
実際にNTT Comでは、
災害発生時からの時間経
「設備班」などから構成されている。
災害によるお客様の損害を
最小限に抑えることを最重視
台湾沖地震の際にNTT Comは、有
益な情報をお客様に提供し、災害によ
る損害をいかに最小限に抑えるかを最
重要点として復旧対応を行った。
災害対策室長
迅
速
な
変
身
本
社
等
情報統括班
広報班
資材班
総務厚生班
■災害対策(危機管理)
■レスキュー隊
セキュリティ班
お客様対応班
一法
チャネル
二法
関西
三法 SE
ITMS PS
金融
サービス復旧班
設備班
リンク
建物
グローバル
ノード
電力
BBIP
NB
IP
空調
アクセス
ケーブル
心を持ち、参加型の取り組みを推進
から社長にまでエスカレ
する事が有事の際に活かされると考
ーションする態勢を準備
えています。
」
(前出 遠藤 達彦氏)
している。また、その機
●お問い合せ先●
能重視の態勢は、社外広
NTT コミュニケーションズ㈱
報、社内広報を担当する
ネットワーク事業部 災害対策室
TEL : 03-5202-9909
都内リング
NB
図 1 NTT Com の危機管理態勢
ビジネスコミュニケーション
災害対策の指揮者を室長
トラヒック
TRC
キャリア
「平時から災害対策に全社員が関
トラヒック班
CS
ユビキタス
先端IP
過具合や規模に応じて、
2007 Vol.44 No.4
「広報班」
、サービスの復旧
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