第 5 章 地域包括ケアの推進 1.認知症支援施策 ⑴ 認知症対策の現状と課題 本町の認知症高齢者(要介護認定者のうち認知症ランクⅡa 以上)の状況は、平 成18年に379人、平成23年には504人(いずれも4月1日時点)と5年間 で1.3倍となっています。今後、高齢化の進行に伴い、認知症高齢者の増加が見 込まれます。 現在、相談窓口の設置、認知症についての講演会、地域で暮らす認知症高齢者や その家族の理解者となる認知症サポーター養成講座等の啓発活動、家族介護者教室、 生活支援サービス、また介護サービスの基盤整備等により認知症高齢者とその家族 への支援を行っています。町内関係機関でそれぞれに取り組まれていますが、今後 は連携を持ちながら認知症になっても安心して暮らせる奥出雲町をめざし、町全体 で支えていく体制づくりが求められています。 ○認知症高齢者(要介護認定者で日常生活自立度Ⅱa 以上)の年次推移 H18 H19 H20 H21 H22 H23 要介護認定者数(人) 836 821 805 782 772 808 認知症高齢者数(人) 379 483 508 496 494 504 認知症高齢者率(%) 45.3 58.8 63.1 63.4 64.0 62.4 (要介護認定調査による判定を使用。各年度4月1日時点) ○認知症ランク別要介護認定者の状況(人数) 自立 Ⅰ Ⅱa Ⅱb Ⅲa Ⅲb Ⅳ M 合計 H18 年度 301 156 105 113 117 18 15 11 836 H19 年度 207 131 104 115 154 33 44 33 821 H20 年度 172 125 102 114 167 48 48 29 805 H21 年度 159 127 107 144 138 37 47 23 782 H22 年度 130 148 99 160 133 28 44 30 772 H23 年度 177 127 102 181 114 37 44 26 808 42 ○認知症ランク別要介護認定者の状況(割合) 100% 90% 25% 17% 21% 20% 16% 16% 13% 14% 13% 18% 21% 18% 17% 5% 4% 5% 22% 36% 80% 70% 19% 16% 16% 60% 19% 50% 13% 13% 14% 40% 13% 14% 22% 30% 14% 21% 19% 20% 14% 10% 0% M 4% 6% 14% 5% 6% 6% 2% 2% 1% 6% 5% 4% 4% 3% 4% 3% H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 Ⅳ Ⅲb Ⅲa Ⅱb 43 Ⅱa Ⅰ 自立 ※参考 ランク Ⅰ 判定基準 見られる症状・行動の例 何らかの認知症を有するが、日常生 活は家庭内及び社会的にはほぼ自立 している Ⅱ 日 常生 活に 支障 をき たす よう な 症 状・行動や意思疎通の困難さが多少 見られても、誰かが注意していれば 自立できる Ⅱa 家庭外でも上記Ⅱの状態がみられる たびたび道に迷うとか、買い物や事 務、金銭管理などそれまでできていた ことにミスが目立つ等 Ⅱb 家庭内でも上記Ⅱの状態がみられる 服薬管理が出来ない、電話の応対や訪 問者との対応など一人で留守番が出 来ない Ⅲ 日 常生 活に 支障 を来 たす よう な 症 状・行動や意思疎通の困難さが見ら れ、介護を必要とする Ⅲa 日中を中心として上記Ⅲの状態が見 着替え、食事、排便、排尿が上手に出 られる 来ない、時間がかかる。やたら物を口 に入れる、物を拾い集める、徘徊、失 禁、大声、奇声を上げる、火の不始末、 不潔行為、性的異常行為など Ⅲb 夜間を中心として上記Ⅲの状態が見 ランクⅢa に同じ られる Ⅳ 日常に支障をきたすような症状・行 ランクⅢに同じ 動や意思疎通の困難さが頻繁に見ら れ、常に介護を必要とする M 著しい精神症状や問題行動あるいは せん妄、妄想、興奮、自傷・他害等の 重篤な身体疾患が見られ、専門医療 精神症状や精神症状に起因する問題 を必要とする 行動が継続する状態等 44 ⑵ 認知症対策の充実 平成24年度は、地域の医療機関や介護保険サービス及び支援機関をつなぐコー ディネーターとしての役割を担う認知症地域支援推進員を地域包括支援センター に配置し、研修会への参加、先進地視察等を実施します。また、認知症対策協議会 を設置し本町における認知症対策の基盤作りや認知症支援の体制作りを関係機関 と連携しながら行っていきます。 今後、以下の事業を充実させていきます。 1)認知症予防活動 ① 介護予防事業の推進 ア)一次予防事業 高齢者が参加する「ふれあいサロン」などサロン活動を推進し、交流によ る介護予防を行います。健康教室や健康相談等で認知症予防についての知識 を広めるとともに、相談にも対応します。 イ)二次予防事業 生活機能が低下している高齢者に対して、通所型や訪問型介護予防事業に より認知症予防や閉じこもり予防プログラムを実施していきます。 2)認知症について正しく理解してもらうための啓発活動 専門家による講演会や講師役であるキャラバンメイトが「認知症サポーター養 成講座」を行い、町民の方に認知症に対する正しい知識を普及啓発し、地域での 見守りなど認知症やその家族の方を支えてもらう取り組みを行います。 3)医療と介護の連携 「認知症疾患医療センター※1(島根大学医学部付属病院)」や「認知症サポー ト医※2」、「かかりつけ医」※3や地域包括支援センター、介護関係機関(者)の ネットワークを構築し、認知症の早期発見、早期診断と適切な介護サービスの提 供が行えるよう連携体制を構築します。 雲南保健所で月1回開催される精神科 医師による物忘れ相談の周知を行い幅広い相談体制づくりを行います。 4)地域資源支援マップの作成 様々な地域資源や支援の情報を収集整理し印刷物により町民の方へ周知しま す。 ※1 認知症疾患医療センター ・・・認知症の専門的医療の提供体制を強化するため、鑑別 診断や専門医療相談、合併症対応、医療情報提供等を行うとともに、担当者の配置による 介護との連携や認知症を専門としない一般開業医等への研修を行う ※2 認知症サポート医 ・・・かかりつけ医への研修や助言をはじめ、地域の認知症に係る 地域医療体制の中核的な役割を担う医師 ※3 かかりつけ医 ・・・役割として、早期段階での発見、気づき、日常的な身体疾患対応、 健康管理、家族の介護負担、不安への理解、専門医療機関への受診誘導、認知症介護サー ビス諸機関との連携などが期待される 45 5)認知症の方への支援 介護や介護予防サービスによる支援を行います。また、介護保険外サービスと して一時的に宿泊して生活指導や体調管理を行う生活管理短期宿泊事業、生活意 欲の低下などある場合に家事援助などを行う生活管理指導員派遣事業などを活 用し支援します。一人暮らし高齢者等を対象に必要に応じて低栄養防止を目的と した配食サービスや買い物、交通、見守り、住まい、除雪などの生活支援サービ スを実施します。 6)権利擁護の推進 権利擁護の推進とは、その人らしく地域で暮らすための権利を守るために成年 後見制度など適切な制度に繋げることや、高齢者虐待などの権利侵害を受けてい る状態を解消するために適切な支援に結びつけることです。成年後見制度が気軽 に利用できるように制度の利用に関する研修を行い、法人後見や市民後見制度の 体制づくりを行います。また、福祉サービスの利用援助、金銭管理、書類の預か り、定期的訪問などを行う日常生活自立支援事業についても必要な高齢者に紹介 します。 7)認知症家族への支援 認知症について気軽に相談できる窓口として「地域包括支援センター」や認知症 介護経験者等が認知症介護の悩みに電話で対応する「しまね認知症コールセンター (島根県が委託し認知症の人と家族の会島根県支部が実施)」の周知を行います。 又、認知症介護家族同士の交流や情報交換できるための家族会活動を支援します。 8)徘徊SOSネットワーク構築事業 徘徊リスクの高い高齢者を対象に、関係機関、事業協力者、町民の方とネットワ ークを構築します。 9)介護保険サービスの整備 認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らすため地域密着型サービス※4 の整備を図るなど本人の状態に合わせたサービスの提供を行います。 2.生活支援施策 ⑴ 高齢者生活の課題 高齢化や核家族化の進展に伴い、高齢者世帯や高齢者一人暮らし世帯が増加し、 家庭内の介護力や生活力が低下してきます。また、本町は、典型的な中山間地で家 ※4 地域密着型サービス ・・・認知症高齢者や中重度の要介護高齢者等が、できる限り住 み慣れた地域での生活が継続できるように、平成18年から創設されたサービス。小規模 多機能型居宅介護や認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス) 、認知症対応型共 同生活介護(グループホーム) 、地域密着型介護老人福祉施設などがある 46 屋も点在しており、公共交通機関だけでは買物、受診などの交通の確保が困難な現 状であり、また冬期間は積雪量も多く、高齢者にとっては更に生活のし辛い環境と なっています。 このような状況の中、公的なサービスだけで全ての高齢者の生活を支えて行くこ とは困難であり、高齢者自身が自分の生活をできるだけ維持するとともに、さらに 地域の見守りなど地域の支援やインフォーマルサービス※5が必要となってきます。 支援が必要となった高齢者等を支えて行くための地域の活動や取り組みを支援 し、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう地域の支援 体制づくりが必要です。 ⑵ 高齢者の生活と生活支援サービスの現状と課題 1)日常生活での困りごと ○70歳以上の高齢者世帯の調査では、日常生活の中では、「除雪」に対する困 りごとが最も多い。 250 200 150 100 50 0 (件) 235 4 5 70歳以上高齢者世帯生活困りごと調査 15 7 41 20 48 24 18 ○高齢者生活支援事業の中で支援員の派遣家事援助状況は、「テレビ電話の修理 等」 「粗大ごみの持出」 「草刈・草抜」 「家具の組立・移動」 「掃除」 「古紙回収」 「住宅・家具等小修繕」 「精米」「買物」の順で要望が多い。 ※5 インフォーマルサービス ・・・行政が直接または間接的に提供するサービスでは充足 されない「隠れた」ニーズに対応するサービス。例えば、近隣や地域社会、民間やボラン ティアなどの非公式な援助活動のこと 47 120 100 80 60 40 20 0 (件) 99 支援件数(4~12月) 80 27 21 テ レ ビ 電 話 修 理 テ レ ビ 電 話 附 … 粗 大 ご み 持 出 35 33 11 3 24 33 13 13 7 5 2 4 8 8 古 掃 草 ゴ 農 住 家 買 電 精 生 通 紙 除 刈 ミ 作 宅 具 物 球 米 活 院 ・ の 業 ・ 組 回 交 相 付 草 分 収 家 立 換 談 添 抜 別 具 ・ ・ 等 移 介 助 … 動 薬 の 受 取 書 類 提 出 可 燃 ゴ ミ 持 出 庭 そ 木 の 等 他 手 入 2 8 2)買物 ○70代、80代の高齢者世帯への買物調査において「不便を感じている」割合 は、28%であった。(平成22年度商工会調査) ○ふれあいサロン参加者の調査では、「買物に困っている」割合は、39.3% であり、その内訳は、62.5%が一人暮らしであり、困っている内容は、 「交 通手段がない・不便」などの交通手段や「足が悪い」 「重たいものが持てない」 など身体的な要因であった。 困っていない 60.2% (37人) 困っている 一人暮らし 世帯 15 39.3% (24人) 14(人) 12 10 8 6 4 2 0 12 6 5 2 複数世帯 9 ○移動販売事業者は、仁多地域が3事業者、横田地域が8事業者であり、車両の 更新や関連コストに負担が大きくかかっている。 3)交通 ○バス路線での移動困難地域は「上三所」 「三所」 「鴨倉」「河内」地域である。 (地域振興課調査) ○交通手段のない自家用車のない世帯の70歳以上の高齢者は、約641人(7 0歳以上高齢者の15.4%)でありその内身体的・地理的理由で公共交通機 関が利用できず、タクシーのみ利用者は、82人であった。 (平成23年7月 民生児童委員調査) 48 100 (人) 100 89.5 90 74.7 80 85.3 100 100 88.1 86.6 84.8 87.8 80.7 70 60 バス路線カバー率 100 100 95.5 92 97.2 85.8 81.9 76.9 72.6 70 83.6 47.4 50 300mカバー率 36.7 40 1㎞カバー率 30 20 10 2.1 0 佐 八 馬 上 高 三 三 亀 郡 高 上 下 三 河 鴨 竹 大 横 中 稲 八 下 大 大 小 白 代 馳 三 尾 所 成 嵩 田 阿 阿 沢 内 倉 崎 呂 田 村 原 川 横 谷 馬 馬 所 井 井 田 木 木 8(人) 7 公共交通機関が使えずタクシーのみ利用者70歳以上) 5 5 5 5 4 4 4 4 3 3 3 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 1 6 4 2 0 上湯矢下石角琴真上福大川山小奥原四上下福追山代山大六大稲坂川 布の谷三原木枕地町原上東根寄湯田日鴨鴨頼谷県山郡曲日市田根西 谷 市倉倉 施原 所・・ 市東 三 下 里乙 田多 田 4)除雪 ○自分で除雪ができない方を対象に、平成22年度試行的に実施した助け合い除 雪事業利用者は、499世帯であった。 (人) 100 80 92 実施対象者(延人数) 63 56 60 40 74 72 (時間) 実施時間 385 300 53 213 200 41 126 24 152 121 112 138 170 100 13 20 400 25 0 0 布 三 亀 阿 三 鳥 横 八 馬 勢 成 嵩 井 沢 上 田 川 木 布 三 亀 阿 三 鳥 横 八 馬 勢 成 嵩 井 沢 上 田 川 木 ○除雪の現状や困りごとは、 「近所・親戚・業者に頼む」 「私道が長く、負担が大 きい」 「除雪機の通った後、屋根からの雪の処理に困る」 「雪の捨て場がない」等 であった。 49 5)見守り ○TV電話設置状況高齢者安心・安全生活サポート事業※6)590世帯であり、 コールセンターと民生児童委員・包括支援センター等と連携をはかり支援して いる。 世帯) 120 100 85 75 80 60 98 96 53 63 51 36 33 40 20 0 布勢 三成 亀嵩 阿井 三沢 鳥上 横田 八川 馬木 設置状況 ○民生児童委員の支援対象は、約半数が高齢者であり、「日常的な支援」が最も 多い。緊急時など支援台帳を整備し、地域包括支援センター、コールセンター 等と連携を図りながら活動を行っている。 185 200 (人) 180 180 160 140 120 98 100 68 66 80 41 60 36 33 2932 2726 40 11 8 20 0 在介健子子子生年仕家住生日そ 宅護康育どど活金事族居活常の 福保・てもも費・ 関 環的他 祉険保・のの 保 係 境な 健母地教 険 支 医子域育 援 療保生・ 健活… 支援の対象 その他 324 子どもに 関すること 119 高齢者に 関すること 359 障がい者に関する こと 38 6)通院 ○身体障害者手帳1・2級対象者、要介護認定4・5対象者が通院・通所・入退 院などで利用する福祉タクシー利用の外出支援サービス※7の利用決定者は、7 2名であり、利用者は24名である。 ※6 高齢者安心・安全生活サポート事業 ・・・地域ICT利活用モデル構築事業で総 務省の事業委託を受け実施した事業。コールセンターを開設し、テレビ電話システムを 利用し、高齢者の見守りや安否確認、生活支援を行う ※7 外出支援サービス・・・身体障害者手帳1・2級または要介護認定で要介護4、5 等に認定された65歳以上の高齢者が通院、入退院、入退所等に福祉車両や福祉タクシ ーを利用する際の経済的負担の軽減を目的に設置した助成制度 50 ⑶ 生活支援サービスの充実と今後の取り組み 地域や関係機関・関係団体、行政がそれぞれ役割を分担し、高齢者を支える仕組 みづくりをしていくことにより、地域で安心して生活できるよう環境整備に努めま す。 項目 地域の役割 関係団体・機関 ・定期的な訪問によ ・歳末たすけあい事業 行政 ※ る簡易な家事を援 8 活動の支援 助・支援 ・心配ごと相談を充実 ・ゴミの回収場所などの の継続拡大(社協) ・古紙回収など自治 (社協) 家事 ・シルバー人材センター 会での回収支援 検討 ・小地域ネットワーク事 ・テレビ電話からのニー ・行事や冠婚葬祭な 業※9の充実(社協) ズの把握、関係機関との どの付き合いを配慮 連携 し、地域とのつなが りを維持 ・声掛けや助け合い ・移動販売業務の維持・ ・テレビ電話を利用した 支援(商店・商工会) 買物支援システムの構築 ・日本郵政などと連携し ・商店等の宅配サービス た配送配達サービス業 等の支援 買物 務の充実(商店・配達業 者) ・身近な店舗の維持確保 (商工会) ・コミュニティバス ・デマンドタクシー※10 ・デマンドタクシーの検 などの検討 交通 事業への協力(タクシー 討・支援 業者・地域交通事業者) ・コミュニティバスなど への支援 ・高齢者等生活・交通サ ポート事業の充実 ※8 歳末たすけあい事業 ・・・社会福祉協議会や民生児童委員協議会などが中心となり、 関係機関・団体と連携して募金活動や地域の実情やニーズに即した生活支援サービスを実 施し、地域福祉の理解を深める運動 ※9 小地域ネットワーク事業 ・・・小地域を基盤とし、関係機関や住民が協働して要援護 者の生活支援や見守りを行う。高齢者等が孤立することなく、安心して生活できるよう住 民による支え合い、助け合い運動を展開し、地域福祉の啓発と福祉のまちづくりを目指す もの ※10 デマンドタクシー ・・・交通空白地帯の解消や高齢者等交通弱者の移送手段の確保 の為に、タクシー業者に委託して実施する乗合タクシー。予約制でダイヤや停車地に従っ て移送する 51 項目 地域の役割 関係団体・機関 行政 ・福祉タクシー利用助成 交通 の継続と充実拡大 ・助け合い除雪の対 ・助け合い除雪対象者の ・助け合い除雪事業の充 象者の把握と除雪体 情報収集(民生児童委 実・支援 除雪 制の検討 員) ・助け合い除雪への ・シルバー人材センター 協力 の除雪事業の継続 ・定期的な訪問や声 ・郵便局、警察、新聞配 ・災害時要援護者支援シ 掛けによる見守りの 達業者、民生児童委員等 ステムの整備 強化 関係機関と連携した見 ・民生児童委員活動の支 ・災害時要援護者支 守りの強化 見守り 援システム ※11 援 登録 ・民生児童委員・コール ・緊急通報システムの維 の勧奨 センター・包括支援セン 持・整備 ・災害時等緊急時の ターとの連携 安否確認、避難支援 ・災害時要援護者支援シ ステムへの登録の推進、 支援(民生児童委員) ・通院の協力 ・通院の協力 ・外出支援サービスの継 続・充実 通院 ・奥出雲病院内の院内介 助等検討 3.医療と介護、福祉の連携 ⑴ 医療と介護、福祉の連携について現状と課題 高齢者は一人で多くの病気を抱えていることが多く、心身状況の変化も一定では ありません。脳血管疾患や認知症など疾病への対応や経管栄養など医療ニーズの高 い高齢者があることから、病院や施設の入退院(所)時において、高齢者の立場に 立って心身の状態や生活環境の調整を行い、適切なサービスが途切れることなく提 供される必要があります。高齢者が住みなれた地域で適切なケアやサービスを受け ながら自立した生活を継続していくために、地域包括ケア体制の充実が必要です。 ※11 災害時要援護者支援システム ・・・災害等の緊急時における要援護者への迅速・確 実な情報伝達や避難体制の整備を目的に、要援護者の基本情報を住宅地図データベースや ハザードマップなどと突合させるシステム 52 また、医療と介護、福祉が連携することにより、平均在院期間の短縮化等医療の適 正化にもつながります。 ⑵ 医療と介護、福祉の連携についての充実 1)地域包括ケア体制の充実 ① 個別支援 病院とかかりつけ医、病院と介護支援専門員(あるいは地域包括支援センタ ー)かかりつけ医と介護支援専門員(あるいは地域包括支援センター)、病院 と施設、介護支援専門員とサービス事業所等がそれぞれの役割分担を明確にし ます。情報の共有を図り必要な支援内容の検討を、入院中から病院において介 護支援専門員等在宅関係者を含めたカンファレンスの実施やサービス担当者 会、地域ケア会議における事例検討会で必要に応じて実施します。 ② 医療と介護、福祉の連携システムの構築 地域ケア会議の場を医療と介護、福祉連携の基盤として毎月現状や課題を検 討したり、必要な研修を実施し地域包括ケア体制の推進を図っていきます。 4.高齢者の住居に係る施策 ⑴ 高齢者の住環境の現状と課題 本町の高齢者世帯は、1,221世帯(平成23年4月現在)で全体の世帯数の 25%を占め、その内一人暮らしの世帯が767世帯あり年々増加傾向にあります。 後継者のいない世帯では家屋も老朽化し、住環境の整備も難しい状況です。 また、元気なうちには想像できなかった孤独感・孤立感また、身体機能の低下に より、住み慣れた自宅での日常生活を維持することが困難となりつつある実態があ ります。平成23年7月に民生児童委員が調査した結果、身体機能的には自立して いても、冬期間など自宅で生活が困難(不安)な高齢者が少なくないことが分かり ました。 高齢者が地域で安全で安心した生活を送るためには、生活の基盤となる安全な住 宅の整備が必要です。 ⑵ 介護保険対象外施設 1)養護老人ホーム 養護老人ホームは、家庭環境及び経済的理由により、居宅での生活が困難な方 が入所する施設です。原則65歳以上の高齢者で、入居者は自立した生活を営み ながら、社会的活動に参加するために必要な指導及び訓練を受けられます。 町内には玉峰苑(定員50名)があり、特定施設入居者生活介護事業所の指定 を受けているため、介護の必要な入居者は特定施設入居者生活介護のサービスを 受けることができます。 53 2)高齢者生活ホーム 高齢者生活ホームは、在宅での生活に不安や問題を抱えている高齢者のうち要 介護認定を受けていない方を対象とした施設です。一定期間住居を提供し、管理 人による見守りを受けることで安心して生活を行うことができます。 平成24年度に1ヶ所(定員6名)開設予定です。地域の実情を踏まえながら 整備を行い、孤独感の解消や積雪による冬期間の生活への不安感の解消など高齢 者が安心した生活が送れるよう支援します。 3)高齢者賃貸住宅の整備 ① ニーズに応じて民間賃貸住宅や町営住宅において検討支援します。 ② 軽費老人ホームなどの整備を支援します。 (民間10戸建設予定) ⑶ 高齢者の住まいの整備 1)高齢者世帯住宅進入路整備費助成事業を実施し、緊急車両等が通行できるよう することで生活改善や救命率の向上を図ります(~平成25年度) 2)要介護・要支援認定の高齢者や障がい者が暮らしやすいよう住宅改修の相談支 援を継続します。 3)高齢者になっても住みやすいようにバリアフリー住宅の啓発を行います。 54
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