特別 企画 雷害 対策 解説記事 知っておきたい、 サージ防護デバイス(SPD) の原理と使い方 株式会社 昭電 鈴木 淳一 特別 企画 雷害対策 知っておきたい、 サージ防護デバイス(SPD) の原理と使い方 株式会社 昭 電 鈴木 淳一 省エネルギー化が進む今日、電気・電子機器の 設置して、電源、通信・信号線に侵入する雷サー 消費電力の低電力化が進んでいる一方で、微弱電 ジを接地(大地)に分流するとともに、電気機器 流で駆動する電子回路は雷やノイズ等のサージ過 に加わる過電圧を一定の値に制限することができ 電圧、過電流に対して極めて脆弱化している。ま る(第1図)。 た、高度化された電力、通信ネットワークの拡大 SPD は、金属酸化物バリスタ(MOV:第2図) 、 や、地球温暖化によるゲリラ雷雨等の異常気象が アバランシェブレークダイオード(ABD)、サー 電子機器の雷被害を増加させる要因と考えられて ジ防護サイリスタ(TSS)などの半導体素子、お いる。 よびガス入り放電管(GDT:第3図)を単独あ ここでは、雷サージから電気・電子機器を保護 るいは複合的に構成された雷サージ電圧・電流抑 するために用いるサージ防護デバイス(Surge 制装置である。 Protective Dvice“SPD” )の原理と雷対策の手法 SPD はノイズ対策部品と同様に扱われること を解説する。 があるが、その目的と能力は大きく異なる。ノイ 1 サージ防護デバイス(SPD)とは ズ対策部品(電源ノイズフィルタやセラミックコ ンデンサ、インダクタ)の場合、ノイズ周波数に サージ防護デバイス(以下、SPD)は、電気機 対する減衰効果を有するが、過電圧、電流の保護 器の電源入力部あるいは通信・信号線入出力部に 能力が小さい。一方、SPD は、数十 kV 雷サー 雷サージ SPD 電気機器 電源線等 電圧を制限 雷過電圧 雷電流 アース配線 第2図 金属酸化物バリスタ(MOV) 接地 第1図 サージ防護デバイスの目的 特別企画 2 第3図 ガス入り放電管(GDT) 2013年7月号 知っておきたい、サージ防護デバイス(SPD)の原理と使い方 第1表 サージ防護デバイスとノイズ対策部品 ノイズ (RF・スイッチング・静電気) 雷 (電気設備に侵入する直撃雷・誘導雷) 周波数 100 kHz ∼数 MHz 数十 kHz 電 圧 数十 V ∼数百 V 数十 kV 電 流 数 A ∼数十 A 数 kA ∼数十 kA 対策部品 ノイズフ ルタ・コンデンサ・インダクタ 電源・通信用 SPD 高周波のノイズの電圧抑制 雷電圧・電流の抑制 形 状 目 的 ジ電圧の抑制および数十 kA の雷電流を接地に分 流 す る 能 力 を 有 し て い る。 ノ イ ズ 対 策 部 品 と 2 サージ防護デバイスの選定 SPD の能力の違いを第1表に示す。 (1) SPD の種別分類 ここで、SPD の電圧制限特性について説明す SPD は電源用、通信・信号用等の用途分類の る。第4図は電気機器に接続された電源用 SPD ほか、直撃雷電流波形および誘導雷電流波形に対 にインパルス電圧(模擬雷サージ)を印加し、電 応できる能力を JIS 試験条件で分類されている。 気機器に残留する電圧(SPD によって制限され 第5図は関連 JIS における SPD の分類を示す。 た電圧)をオシロスコープで観測している。 (2) サージ防護デバイスの選定方法 インパルス電圧 10 kV(1 2/50μs)を入力時の SPD は保護対象機器あるいは回路種別に応じ 電源用 SPD の電圧制限効果は波形に示すとおり て選択する。電源回路への SPD の適用条件とし 1 000 V 以下となり、電気機器への過電圧ストレ て重要なことは、SPD の最大連続使用電圧(以下、 スを 1/10 に軽減していることがわかる。 Uc)が適用回路の電圧(変動値を含む)を下回 電源用 SPD (JISクラスII) 印加電圧10 kV 電気機器 電圧 12 11 10 9 8 7 6 〔kV〕 5 4 3 2 1 0 −1 インパルス 発生器 オシロ 接地 オシロ SPD制限電圧1kV 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 時間 〔μs〕 印加電圧に対するSPD制限特電圧特性 (例) 第4図 SPD の電圧制限特性 2013年7月号 特別企画 3 特別 企画 雷害対策 JISクラスⅠ JISクラスⅡ 直撃雷 誘導雷 電源用 規格 JIS C 5381-1 SPD JISカテゴリD1 直撃雷 JISカテゴリC2 誘導雷 制御・計装用 電話・通信用 画像・データ用 通信・信号用 規格 JIS C 5381-21 第5図 サージ防護デバイスの分類 3Φ3W 200V R S T らないことである。SPD の最大連続使用電圧が、 適用回路の電圧より下回った場合、SPD が誤動 主幹 ブレーカ 作して場合によっては短絡故障するので、注意が 必要である。 また、通信・信号用 SPD を選定する場合には、 接続先の信号の条件(周波数、伝送スピード、イ ンピーダンス、信号の許容損失)等を確認し、 負荷 負荷 負荷 負荷 L1 L2 L3 SPD の仕様を見極めながら選定することが肝心 である。 PF なお、SPD の制限電圧が機器のインパルス耐 接地 電圧以下であることが重要であることは言うまで もない。 第6図 電源用 SPD の主幹二次側への配線 3Φ3W 200V R S T 3 SPD の施工 SPD は雷サージ侵入経路となる電源線、通信・ 信号線などのすべての経路に設置することが望ま 主幹 ブレーカ しいが、保護対象機器の電源が分電盤より供給 される場合は、分電盤に SPD を設置することで、 効率的な電気機器の保護か可能となる。 負荷 負荷 負荷 負荷 L1 L2 L3 分電盤に電源用 SPD を設置する場合、SPD の 接続位置を主幹ブレーカの二次側に行う、あるい は一次側に行う方法の二通りがある。 (1) SPD の分電盤への取付け位置 ① 主幹ブレーカ二次側への SPD の配線 SPD を主幹ブレーカの二次側に設置する場合、 PF 接地 第7図 電源用 SPD の主幹一次側への配線 雷サージ電流は第6図に示すように主幹ブレーカ 大5kA 以下)の通過は許容するので問題ない。 を通過することになるが、一般的に 30AF/30AT ② 主幹ブレーカ一次側への SPD の配線 以上のブレーカであれば、想定規模の誘導雷(最 漏電ブレーカは通常のブレーカと異なり、雷サ 特別企画 4 2013年7月号 知っておきたい、サージ防護デバイス(SPD)の原理と使い方 4.0 8/20-3 kA 電圧 電気・電子 機器 2.0 2 オシロ + 2 =SPD配線長 要がある。仮に、分離器の短 配線長 2.0m 絡遮断動作が遅れて SPD へ 配線長 0.5m 〔kV〕 1.0 SPD との保護協調が取れている必 配線長 3.0m 3.0 1 1 断 で き る 能 力 を 有 し、SPD の短絡電流通電時間が長かっ た 場 合、SPD が 焼 損 す る こ と が あ る。SPD の 短 絡 耐 性 0.0 SPD制限電圧 (配線長0m) −1.0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 時間 〔μs〕 は SPD 個 々 に 異 な る た め、 保護協調のとれた分離器の選 定 に あ た っ て は、SPD メ ー 機器側の残留電圧 カーが指定するものを使用す 第8図 SPD の配線長と機器側残留電圧 ることが望ましい。なお、最 ージ電流に対してミストリップしやすい。 近では、AC 10 kA(250V)の短絡容量を有する 雷サージによる主幹漏電ブレーカのミストリッ 分離器内蔵 SPD も存在している(第9図)。 プを防止する必要がある場合、SPD は主幹ブレ ーカの一次側にする。 5 近年の太陽光発電設備における雷対策 (2) SPD 配線時の留意点 近年、急速に普及している太陽光発電システム 保護対象となる回路に SPD を並列接続する場 において設備の雷被害が増加している。 合、回路から SPD までと、SPD から機器アース NEDO 技術開発機構の調査(1)によると、2005 との連結部までの配線長を極力短くしなければな 年∼ 2008 年における産業用発電システムの故障 らない。理由は、雷電流が電流変化の急峻な大電 原因の約3割が雷に起因している。太陽光発電シ 流であるため、配線インダクタンスによる電圧降 ステムは良好な日射を得るために、開けた場所に 下が機器側に残留するためである。 施設されることが多く、メガソーラー規模の発電 )を 施設の場合、丘陵で周囲に高層の建築物が存在し 0 5 m、2 0 m、3 0 m と可変させた状態で SPD に ない。導電物が高密度、広範囲に大地に張り巡ら 雷サージ電流(8/20μs 3kA)を通電した場合 された太陽光発電システムは、雷被害の危険性が の電気・電子機器側への残留電圧を測定した結果 高い施設と考えられる。 である。 雷侵入経路としては、太陽電池モジュールの近 SPD 単体の制限電圧は、約1kV であり、配線 傍への落雷や、誘導雷、逆流雷などの侵入が考え 長を 0 5 m とすると機器側残留電圧は 1 5kV 程度 られる。 第 8 図 は SPD の 配 線 長( 1 および 2 になる。しかし配線長 3 0m の場合は配線の電圧 降下が 3 0 kV と非常に大きくなる。 電源線 電源線 このように、SPD の配線長が長いと配線の電 圧降下が非常に大きくなるため、配線長を極力短 くする必要がある。 過電流 分離器 4 電源用 SPD における分離器の必要性 雷サージにより SPD が劣化した際、SPD 内部 素子の短絡によって SPD が焼損する場合がある。 これを回避するために劣化した SPD を速やかに 電源回路から分離するため、電源側に SPD 分離 器を接続することが必要である。 この分離器は接続する電源回路の短絡電流を遮 2013年7月号 従来の電源用SPD 分離器内蔵の電源用SPD 第9図 従来の SPD と分離器内蔵 SPD 特別企画 5 特別 企画 雷害対策 キュービクル 計装用SPD センサー 計装用SPD 監視システム 日射・温度・風向 接続箱 集電箱 DC用SPD DC用SPD 配電トランス PCS AC用SPD 第 10 図 太陽光システムへの SPD の設置例 遮断能力を有することを意味している。また、系 統の短絡電流が大きい場合は、SPD 短絡保護用 に外付分離器(ヒューズ)を併用する必要がある。 太陽光発電向けで直流遮断性能を有する SPD の形状を第 11 図に示す。 6 おわりに 近年、電気・電子機器の雷被害が急増している ことから、SPD による雷対策が急速に普及した。 第 11 図 直流遮断性能を有する SPD の外観 しかし、本誌に示したとおり、SPD の選定、接 続方法を誤ると、機器の保護を行えないばかりか、 雷被害は PCS(パワーコンディショナ) 、計測 電源短絡事故を招く恐れがある。よって、SPD 装置の故障、接続箱内のブロッキングダイオード の設置施工においては、SPD 設置の基本的な事 やサージアブソーバの焼損事例がある。これら構 項を十分にご理解いただき SPD の保護能力を活 成機器を雷より保護するために、SPD を各所に かしていただくことを強く望む。 設置する必要がある。SPD の設置箇所を第 10 なお、再生可能エネルギーが急速に普及してい 図に示す。 る一方で、落雷による設備故障は、稼働率の低下 なお、メガソーラー発電システムの直流系統は による発電コストの上昇を招くとともに、スマー 600 V ∼ 1 000 V と高電圧であるため、太陽光発 トグリッドによる電力系統のコントロールに大き 電の直流回路専用 SPD を必要となる。SPD は定 く影響を与える。このように、再生可能エネルギ 格を超えると、寿命により短絡モードで劣化する ー発電設備を長期的に安定運用するために、雷対 ことが一般的である。このような SPD は、直流 策が必要不可欠と考える。 高電圧の系統での短絡事故を及ぼすことから、 SPD 自体に高い短絡遮断能力が必要である。こ の能力を示す定格が定格短絡電流 であり、 この数値が示されることは短絡電流に対して自己 特別企画 6 ◆参 考 文 献◆ ( 1) (一社)日本雷保護システム工業会 JLPA 技術レポート 2012 年9月号 2013年7月号 じっくり学ぼう! シーケンス制御 超 入門 ■職業能力開発総合大学校 清水 洋隆 著 ■A5判:240頁 ■定価:2 625円(本体2 500円+税) ISBN 978-4-274-50450-1 主要目次 基 礎 編 ・知ってなきゃいけない基礎知識とは ・シーケンス制御の超基本「自己保持回路」 ・シーケンス制御回路を組み立ててみよう! ・タイムチャートを使って考えてみよう 応 用 編 ・シーケンス制御でモータを回すために ・モータを回すシーケンス制御回路を組み立ててみよう! ・タイマを使ってモータを制御 ・スターデルタ始動制御回路 PLC 編 ・PLC を使ったシーケンス制御回路のイメージ ・PLC の回路を組み立ててみよう ・PLC を使った自己保持回路 ・パソコンを使ったプログラミング ・PLC と有接点の違うところ 特別 企画 雷害対策 コスモシステム(株) PV インバータ用 サージ防護デバイス http://www.cosmo-sys.co.jp 雷保護技術本部 TEL 03-5818-8353 ■ DC 側入力のサージ防護デバイス 条件を満足するにはヒューズの定格電流が PV アレイの 通常は外部雷保護のための避雷針の接地極と PV モジュ 定格電流に近いものを選ぶことになる。ところがヒューズ ールの接地極と PV インバータの接地極の三者は等電位ボ はその定格電流の 1.6 倍近辺で長時間かかって溶断する。 ンディングがとられていることを前提とする。従って避雷 さてバリスタ SPD が劣化し短絡状態となった場合を考え 針が雷撃を受けた場合、雷電流は一部が避雷針の接地極か ると、PV アレイの短絡電流は、その定格電流の 1.1 ∼ ら大地へと拡散し、残りの雷電流分流分は上記の等電位ボ 1.2 倍程度しか流れないから、ヒューズは遮断動作をする ンディング導体を経由して PV インバータの接地極に達 ことは不可能で短絡電流は継続し PV アレイの火災へと発 する。この雷電流分流分によって発生する磁界により PV 展することになる。 アレイの DC 回路には誘導雷電圧が発生するので、PV ア この問題を解決するには図1に示すように、バリスタの レイの出力部に設置された接続箱および PV インバータの 温度を検出し、切り替えスイッチを動作させ、定格電流 DC 入力部にクラスⅡのバリスタ型 SPD を設置する。こ の小さなヒューズにより PV アレイ短絡電流を遮断する。 のバリスタが劣化して漏洩電流により温度上昇したのを放 DEHN&SOEHNE 社特許。この SPD の定格事項は、表 置すれば火災焼損へと発展するので、温度上昇を検出し直 1に示す。 列接点を動作遮断させて SPD を直流主回路から切り離さ ■ AC 側出力のサージ防護デバイス なければならない。ところが従来 AC 回路で用いられてい 市場に導入された PV インバータには非常に多くのトポ た直列接点では直流の遮断は困難である。何故ならば直流 ロジーが用いられ、接続された太陽光発電装置との相互作 は交流のように電流が零になることはないからである。そ 用により交流出力の中性線が零電位から変位している。こ こで登場するのが小型コンパクトな限流ヒューズである。 れは変圧器付きのシステムにおいて PV 直流回路が非接 限流ヒューズはその内部に発生するアーク電圧が電源電圧 地の場合にも起こる。その変位量には直流回路から大地 より遙かに高く、直流電流を略 5ms で零にして遮断する。 への漏洩電流と接地抵抗に依存するが、中性線の変位は 最近、バリスタにヒューズを直列接続した PV 直流回路用 1000V を超えることもある。とすれば、PV インバータ SPD が売り出された。しかしこれには次のような問題が の AC 出力側に設置される SPD の最大連続使用電圧 U C ある。まずこのヒューズは SPD の正常な動作(即ち SPD は線間電圧最大値に直流変位電圧を加えたものとなるの の公称放電電流)により劣化、溶断してはならない。この で、一般の最大線間電圧実効値 / √3  ̄ に対応する SPD は 使用不可となる。対応する SPD の DBM 1 760 FM の写真及び 定格事項を図2、表2に示す。 SCI SCI 正常状態 SCI SCI ステップ1 ステップ2 ステップ3 接点を開いて分離を開始 します。 直流回路のため、アーク の消弧が困難です。 可動接点が反対側固定接点に 達し、直流回路を短絡させま す。ア ー ク は 消 滅 し、SPD は分離状態を保持します。 直流回路短絡電流を限流 ヒューズが溶断して遮断 し、直流回路の遮断が完 了します。 図1 直流電流遮断のステップ 図2 表1 DG M YPV SCI 表2 DBM 1 760 FM 製品名 DG M YPV SCI 1000 製品名 SPD クラス クラスⅡ SPD クラス 最大太陽光発電電圧 クラスⅠ Ucpv 1,000 V 以下 In 12.5 kA 全放電電流(8/20μs) Itotal 40 kA 雷インパルス電流(10/350μs) Iimp 最大放電電流(8/20μs) Imax 25 kA 続流遮断容量 Ifi 25 kArms 電圧防護レベル Up 4 kV 以下 電圧防護レベル Up 4 kV 以下 公称放電電流(8/20μs) 特別企画 8 最大連続使用電圧 DBM 1 760 FM 公称放電電流(8/20μs) UC 760 V In 25 kA 25 kA 2013年7月号 資料請求 No.080 特別 企画 雷害対策 太陽光発電システム専用 電源用 SPD、 RS485 回線用 SPD 1.太陽光発電システム専用 電源用 SPD 音羽電機工業(株) http://www.otowadenki.co.jp 営業部 TEL 0120-31-0108 最大連続使用電圧 Uc:660V DC 公称放電電流 In:20kA(8/20μs) (1) 製品概要 太陽光発電設備の DC 電源に適用する酸化亜鉛形 SPD 最大放電電流 Imax:40kA(8/20μs) について紹介する。太陽光発電の場合は、太陽光パネルか 電圧防護レベル Up:2500V 以下(In:20kA) らパワーコンディショナまでは DC 電源であるため、DC ○ LS-TED72FS、LS-TD7FS 専用の SPD が対策には不可欠である。 クラスⅡ・Ⅲ試験適合 本製品は、JIS C 5381-1 や国土交通省建築設備設計 最大連続使用電圧 Uc:750V DC 基準に適合した、太陽光発電系統電圧 DC660V 用の直撃 公称放電電流 In:20kA(8/20μs) 雷用クラスⅠ・Ⅱ SPD、DC660V/DC750V に対応した 最大放電電流 Imax:40kA(8/20μs) 誘導雷用クラスⅡ・Ⅲ SPD である。 電圧防護レベル Up:2800V 以下(In:20kA) 2.RS485 回線用 SPD (2) 特長 1.JIS C 5381-1 試験規格対応 (1) 製品概要 2.独自の技術開発・製造による高性能酸化亜鉛素子使用: 太陽光発電設備の RS485 回線に適用する SPD につい 無続流(直流回路に必須)で、優れた応答特性(3nsec て紹介する。パワーコンディショナ―データ計測装置間の 以下) 通信の際、RS485 回線が使用される。本製品は RS485 3.大きな保護能力 回線用から侵入する雷サージを防ぎ、雷による被害金額の LD タイプ:直撃雷による被害から施設、設備を保護 大きいとされるパワーコンディショナ及びその他の情報機 (25kA 10/350μs) 器を保護することができる。 LS タイプ:誘導雷による被害から施設、設備を保護 (40kA 8/20μs) (2) 特長 1.JIS C 5381-21 試験規格対応 4.劣化時切り離し装置内蔵 2.プラグイン方式により SPD 本体のみ交換可能 5.SPD 機能表示・劣化接点出力端子付き 3.DIN レール対応 6.プラグイン方式により SPD 本体のみ交換可能 (3) 性能仕様 4.SPD 機能表示付き (3) 性能仕様 ○ LD-D62EFS ○ SR-GV5J クラスⅠ・Ⅱ試験適合 最大連続使用電圧 Uc:660V DC 最大連続使用電圧 Uc:5.5V DC 公称放電電流 In:25kA(8/20μs) 最大負荷電流:250mA インパルス電流 Iimp:25kA(10/350μs) インパルス耐久性 C2:10kA(8/20μs) IEC カテゴリ C2、D1 試験適合 電圧防護レベル Up:2500V 以下(In:25kA) D1:5kA(10/350μs) ○ LS-TED62FS、LS-TD6FS ○ SR-GV12J クラスⅡ・Ⅲ試験適合 IEC カテゴリ C2、D1 試験適合 最大連続使用電圧 Uc:12.6V DC 最大負荷電流:250mA インパルス耐久性 C2:10kA(8/20μs) D1:5kA(10/350μs) 太陽光発電システム専用 電源用 SPD RS485 回線用 SPD SR-GV5J 特別企画 10 2013年7月号 資料請求 No.081 特別 企画 雷害対策 交換推奨表示搭載の通信用 SPD/HD-SDI 信号対応 同軸用 SPD (株)サンコーシヤ 総合雷対策企業のサンコーシヤでは、市場のニーズに応 今回開発された「B-JP-9 形」は HD-SDI 信号の規格を じて新製品を投入している。今回はその中から SPD(避雷 満たす 1.5Gbps での伝送に対応、周波数帯域も DC ∼ 器)2機種を紹介する。 3GHz と広帯域で使用可能となり、従来は難しかった高 ® ■ KRONE 端子用 Smart SPD SMB-KRAPS1 形 http://www.sankosha.co.jp 営業本部 TEL 03-3491-2525 画質な映像伝送回線も保護できるようになった。 SPD の雷サージによる劣化は外観からはわかりにくく、 機能を喪失し、劣化表示が動作してから交換することが一 B-JP-9 般的であった。そのため、交換までのタイムラグにより、 機器を無防備な状態に晒してしまうこともしばしばであっ た。 サンコーシヤがそういった状態への解決策として、交換 HD-SDI対応カメラ 同軸ケーブル (BNC形 75Ω) 推奨表示機能を搭載した電源用高機能 SPD「Smart SPD」 シリーズ(AC200V / AC400V / DC700V 用)をラインナ ップしたのは記憶に新しいが、今回 KRONE 端子に対応 モニター B-JP-9 し、通信用としては初めての Smart SPD 「SMB-KRAPS1 形」を発売した。 HDレコーダー 「SMB-KRAPS1 形」では、KRONE LSA-PLUS 切 り分けモジュールに搭載できるように設計された高さ約 90mm、厚さ約9mm の小型筐体に、雷サージセンサーと、 3つの表示用 LED を搭載しており、その点灯・点滅により、 製品の雷サージによる劣化度合と、SPD の動作回数を表 示出来る。これにより、効率的な雷防護設備の維持管理が 可能となった。 ■ HD-SDI 信号対応 同軸用 SPD B-JP-9 形 「B-JP-9 形」は、放送設備や監視カメラのハイビジョ ン化で普及が進んでいる HD-SDI 信号に対応した同軸用 SPD である。 構内を張り巡らされ、時には屋外にも設置されるカメラ 同軸用 SPD B-JP-9 形 分野では、雷被害を受けやすく対策が求められているが、 従来の SPD では、高画素・高画質な HD-SDI 信号で求め られる高速伝送には不向きであった。 緑色LED 黄色LED 赤色LED 押しボタンSW KRONE 端子用 Smart SPD SMB-KRAPS1 形 特別企画 12 SMB-KRAPS1 形 表示部 (上面) 2013年7月号 サンコーシヤの 生活を守るチカラ 雷防護、通信網、環境情報の3事業を柱としたトータルソリューション サンコーシヤは、雷防護、通信網、環境情報を主軸に人と社会を自然災害から守ってまいりました。 雷観測から雷防護まで、世界で唯一の雷総合企業として高度情報化社会に安全と安心をお届けします。 ■ 電源用Smart SPD ■ 電源用Smart SPD 雷サージセンサを内蔵し、動作 カウンタ、交換推奨表示を搭載 した高機能SPD(避雷器)です。 雷サージセンサを内蔵し、動作 カウント、交換 推奨を専用モニ タで一括管理します。L ANによ る遠隔監視に対応しています。 SMB-MZSR200形 Smart SPDシステム ■ HD-SDI信号対応 同軸用SPD ■ 通信用Smart SPD 放送設備や監視カメラで普及が 進んでいるHD-SDI信号に対応 した、BNCコネクタ同軸用SPD です。 KRONE LSA-PLUS端子用の SPDで、雷サージセンサを内蔵 し、交換推奨表示を搭載した高 機能SPD(避雷器)です。 B-JP-9形 SMB-KRAPS1形 ■ 中光度赤色航空障害灯 ■ LAN用SPD L ANへ侵入した雷サージから、 機器を保護するSPD(避雷器)です。 PoE+(IEEE802.3at)対応。 超 高 輝 度 L E Dを 使 用し、省 電 力、小型軽量、長寿命を同時に 実現した中光度向け航空障害灯 です。 LAN-CAT5e-P+形 OM-6C型 TEL:(03)3 491-2525 FAX:(03)5496-4289 総 合 雷対 策のエキスパート 本社 〒141- 0 032東京都品川区大崎4丁目3番8号 北 海 道 支 店 TEL(011)2 7 1 - 0 0 5 0 東 北 支 店 TEL(022)2 2 3 - 8 1 3 1 中 部 支 店 TEL(052)2 0 4 - 3 0 2 0 E-mail:[email protected] http: //www.sankosha.co.jp 関 西 支 店 TEL( 0 6 )6361-7801 中 国 支 店 TEL(082)2 2 2 - 8 2 1 0 九 州 支 店 TEL(092)7 1 5 - 6 6 2 2 四国営 業 所 TEL(087)8 3 1 - 9 1 8 8 サンコーシヤグループ/ 株式会社 フランクリン・ジャパン TEL(042)775-5656 資料請求 No.082 特別 企画 雷害対策 (株)昭電 信頼性の高い新製品 分離機構内蔵 PV 用 SPD http://www.sdn.co.jp 『ASLETE ADN シリーズ』 事業推進部 TEL 03-5819-8373 ■ PV 用 SPD 『ASLETE ADN シリーズ』概要 行します。PV システムのような直流で高電圧の系統にお 「ASLETE ADN シリーズ」は太陽光発電(PV)システム ける構成部品の短絡事故は周辺機器、ケーブルの焼損をも の直流系統に侵入する誘導雷、直撃雷から PCS(パワーコ たらす恐れがあります。ADN シリーズは万が一短絡故障 ンディショナー) 、太陽電池パネル、接続箱、集電箱など したとしても DC1000V・100A までを SPD 単体で短 を保護する SPD です。分離機構を内蔵することで、万が 絡遮断できる性能を有しています。また、別付けの ADN 一 SPD が落雷等により劣化・故障した場合でも SPD 素 専用ヒューズを併用することで、100A 以下(小電流)∼ 子を安全に切り離せます。その他、プラグインや SPD の 1000A(大電流)の領域での短絡保護が可能となります。 劣化表示、警報出力などを有するハイエンドモデルです。 これらの性能はメガソーラのような大規模 PV システムに ■開発の経緯 最適で、システムの信頼性、安全性が大幅に向上します。 PV 市場は 2012 年7月にスタートした「PV の固定価格 PV システムの直流系統に侵入する誘導雷、直撃雷から、 買取制度」以降、産業用のPV 市場が急速に拡大しておりま PCS(パワーコンディショナー)の直流回路、太陽電池 す。 また、 NEDO (新エネルギー・産業技術総合開発機構)の調 パネル、接続箱、集電箱の中に実装している構成部品を 査では雷によるPV の被害件数も増加傾向にあります。 最新 保護するための直流電源用 SPD です。 (2008 年)のデータでは全体の被害の約28%が雷に起因す 日 本 の PV 仕 様 で あ る DC600V 系 統、DC1000V るものとなっており、 高価なPCSの保護や発電停止のリスク 系統に対応し、公称放電電流 In20kA(最大放電電流 低減などのため、 PV用SPDの設置が急務となっております。 Imax40kA) とインパルス耐量が大きく、長寿命です。 ■特長 多回数の雷サージ侵入による SPD 内蔵素子の劣化時に、 SIT(Safety Interrupting Technology)搭載 ADN シリーズの1番の特長は SPD の分離機構(自己短 SPD の交換寿命を知らせる故障表示機能、警報出力機 能を有しています。 絡遮断機構)です。SPD は雷サージによる動作頻度が高 ■保護対象 い場合や通過雷電流が大きい場合、内蔵素子が劣化しま PCS(パワーコンディショナー)の直流回路、太陽電池 す。この劣化モードは多くの場合、短絡側(ショート)に進 パネル、接続箱、集電箱など。 特別企画 14 2013年7月号 資料請求 No.083 特別 企画 雷害対策 3.5GW の導入実績! メガソーラ向け SPD なら ワイドミュラー 日本ワイドミュラー(株) http://www.weidmuller.co.jp マーケティング部 TEL 03-6711-5302 ■ PV プラントに最適なサージ保護機器(SPD) サージ保護機器(SPD)は DC ラインだけでなく信号系にも導入が必要です。PV パネルのストリング回路には DC(直流)系、 ストリングモニタ・ユニット回路にはAC (交流) 系、 シリアルデータ通信回路には RS485系のSPDを回路別に導入が必要です。 ワイドミュラーはクラスⅠ∼Ⅱ電源用・信号用に対応した各種豊富な SPD をラインナップしています。 DC1000V 対応 SPD VPU シリーズ AC100、200V 対応 SPD VPU シリーズ RS485 対応 SPD VSPC シリーズ Ethernet 通信用 SPD VDATA シリーズ ■特徴1 ■特徴2 高耐圧が要求されるグリーンエネルギー向け SPD の世 交換時期を表示切替でお知らせ。 界標準スター型を採用。対地間双方で電圧マージンを確保。 カセット型アレスタ方式で簡単に交換できます。 線間:596+596= 1,192Vdc まで 対応可能 切り離し 装置 E バリスタ: 550VAC=745VDC= 596Vdc (マージン約 20%) カセット型 アレスタ 表示部 バリスタ: 550VAC= 対地間:596+596= 745VDC= 1,192Vdc まで 596Vdc 対応可能 (マージン約 20%) ソケット部 SPD 側面図 SPD 側面写真 ワイドミュラー 太陽光発電用 1000VDC 対応 SPD スター型 パリスタ パリスタ 線間:520∼Vdc まで 対応可能 発熱 バリスタ: 650∼VAC=520∼Vdc (マージン約 20%) 対地間:520∼Vdc まで 対応可能 E バリスタ: 650∼VAC= 520∼Vdc (マージン約 20%) 対応電圧が低く、 PV 無負荷最大発電電 圧の制限等の注意が必 要になる可能性あり 感熱素子* OK 時は グリーン カセット型アレスタ断面図 通常時 感熱素子が溶断 スプリングが開放 され、バリスタの 回路を遮断 NG 時は レッド カセット型アレスタ断面図 寿命時 *感熱素子:一定の熱で溶断 デルタ型の一例 特別企画 16 2013年7月号 資料請求 No.084 特別 企画 雷害対策 設備への雷侵入を着色表示! 明確な保守点検を実現 日油技研工業(株) http://www.nichigi.co.jp/ 第1営業部 TEL 03-3986-4521 大阪支店 TEL 06-6361-5673 ■製品概要 普及・拡大が予測される太陽光発電やソーラー関連設備 の保守点検に有利性を発揮するのがサージ・インジケータ だ。設備機器に雷が侵入したことを自ら検知し、本製品内 の着色部を変色させて、表示知らせるユニークな製品技術。 外部電源や接地線を切断するような工事を必要とせずに手 軽に取り付けられ、メンテナンスフリーなのが特長。 設備機器を多く抱える事業者やフィールドが広大な保守 管理には作業効率も重要なファクターだ。雷侵入が誰でも 明確にわかるとし、長年ユーザーに評価の高いサージ・イ ンジケータは、2003 年7月の JIS 改訂(JIS A4201[建 築物等の雷保護])によって義務付けられた落雷時の保守点 検にも威力を発揮してきている。 再生可能エネルギー分野の保守点検作業に、注目の製品 ではなかろうか。 サージ ・ インジケータ 資料請求 No.085 資料請求 No.086
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