食物アレルギーに関連する糖脂質抗原の解析とその応用 - 公益財団法人

食物アレルギーに関連する糖脂質抗原の解析とその応用
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食物 ア レルギー に 関連す る糖脂 質抗 原 の解析 とその応 用
松
1.は
2.実
じ め に
ア レ ルギ ーは21世 紀 に解 決 され るべ き病 気 の
一つ と して 位置付 け られ
,そ の治療 法や 予防法 の
下
祥(埼 玉医科大学免疫学)
験 方 法
2.lT細
胞 クロー ンの樹 立法
牛乳,小 麦,卵 を出発 材料 と して,常 法に従 い,
開発 に対す る社会 的要請 も大 きい 。なか で も食物
シク ロヘ キサ ンrク ロロホル ム ド
メ タノール/グ
ア レルギー はア レルゲ ンが 身近 なもので あるだ け
ラス ビーズを用 いて,非 極性脂 質 と極性 脂質 を抽
に,抗 原 を回避す るとい う考え方 だけで は不十 分
出 した。DMSOに10∼100mg/mlと
であ り,根 本的 な治療 法の 開発が待 たれ る分野 で
溶 解 し,ろ 過滅 菌のの ち,抗 原 液 とした。 ヒ ト末
ある。
梢 血単核 球 よりデ ィッシュ付着 性細胞 を分離 し,
近 年,結 核 菌 に対す る ヒ トT細 胞応 答 の解析
抗 原(DMSOの
最 終濃 度は無 害 なo.1%以 下 とす
な どか ら,蛋 白抗 原と同様 に,糖 脂 質抗 原 もまた
る),GM-CSEIL-4を
生体 にさ まざま な応 答を誘 導す る重 要 な抗 原で あ
(途中,抗 原/GM-CSF/IL-4を
る ことが明 か とな った。 この ような糖脂 質抗原 の
に抗 原/GM-CSF/IL-4/TNFQを
提示 を担 っ てい るのがCDI蛋
らに2∼3日
白であ る。我 々は
な るよ うに
加 えて6日
間 培 養 した
一度 追加)。 次
加 え,さ
培 養 した 。これ によ り,マ ク ロフ ァ
さ まざま な食物中 の糖脂質抗 原 に対 す る免疫応 答
ージが未 熟樹状細 胞か ら成熟樹 状細胞へ と分 化 し
を解析 して きた。本研 究で は当初,こ のよ うな抗
てい く課 程で抗 原に暴 露 され る とい う条件が 満た
原の特 徴 を明 らか に し,そ れを寛容 誘導 に応用 す
され る。 樹状細 胞を回収 した のち,再 度分離 した
る ことを 目的 とした。
新 鮮 自己T細 胞 とと もに96-wellプ レー トの 中で
しか し,研 究が進 むにつ れ,こ の ような糖脂 質
培 養 した。7日 後,芽 球 化 の認 め られ るwellに
の中 には特異 的免疫 応答誘 導活性 よ りも抗 原非特
上 記 方法 に従 っ て別 途調 整 した樹状 細 胞/IL-2
異的 なア レルギー誘 導活性 の強い ものが ある こと
/IL-4を 加 え た。 この ように して樹 立 したT細
がわ かって きた。
胞 株の抗 原特異性 を確 認 した のち,脂 質抗原 に対
つ ま り,「 トレロゲ ン」 と して の糖 脂質 よ りも
して反応 する ものにつ いての み限界希 釈法 による
「ア ジュバ ン ト」 と しての糖 脂質 の方 が活性 が 強
ク ロー ニ ン グを 行 った。 この 過程 で,HLA-DR
い ことがわ かって きた。我 々は研 究過程 にお いて,
をshareし て いない アロの樹状 細胞 を用い るこ と
食物 ア レルギーの解 決に向 けて このア ジュバ ン活
に よ り,HLA-DR拘
性 に焦 点 を当てた方 向に研 究を シフ トさせて いっ
株 化 を避 け るこ とがで きた。通 常,こ の過程 の後
た。
束性 の 自己 反応 性T細
胞の
半にお いてア ロの樹状 細胞 を用いれ ば,ア ロ反応
性T細
胞の 出現は 防止で きた。 ちなみ にCDIabc
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浦 上 財団 研究 報告 書Vol.12(2004)
図1CD14fill胞
の磁気細胞分離
CD4T細
に個体差 は ないので抗 原提示 は行 われ る。
2.2ア
PBMCsよ
り,抗
用 い てCD14陽
ヒ トCDI4マ
性 細
イ クロ ビー ズを
胞 を 分 離
U/ml),GM-CSF(100ng/ml)で6日
胞を調 整 した(図2)。
のMo-DCと
ジ ュバ ン ト活 性 の 同 定 法
し,IL-4(100
間培 養 した
共培 養 し,MLRを
に よ り,naiveCD4T細
これ を洗 浄 済み
誘導 した。 これ
胞 に はThlま
た はTh2
へ の分化 圧が加 わる ことにな る。7∼9日
後,分
化 したT細 胞 にanti-CD3とanti-CD28で
再刺 激
も の を モ ノ サ イ ト由 来 樹 状 細 胞(Mo-DC)と
し
を加 え,そ の16時 間後 に培 養 上清 を 回収 した。
て 用 い た(図1)。
養
培 養上清 中のIL-4,5,13,IFNγ
tubeを
こ の 細 胞 を 回 収 し,4-ml培
用 い て,2×10a/tubeで
際,DCを
ml,な
培 養 した。そ の
たはTh2へ
れ図を図3に 示 した。
成 熟 さ せ る刺 激 と してTNFα10ng/
ら び に 試 験 し た い ア ジ ュ バ ン トを 加 え た 。
3.結
2日
を測定 し,Th1ま
の 分化 を判 定 した。 方法 の全 体 の流
後 に 培 養 上 清 を 回 収 し た 後,tubeの
Mo-DCを
洗 浄 し た 。 こ の 培 養 上 清 に つ い て は,
IL-12p40,MDC,TARC,CCL2,IL-10な
し た 。 一 方,HLA-DRタ
PBMCsか
どを定量
イ ピ ング 済 み の ア ロ
ら,negativeselection法
に よ りnaive
図2ナ
果 と考察
ま ま
3.lT細
胞 クロー ンの 樹立
親水性 糖脂 質を認識 する数種 類の クロー ンが得
られた。 しか し,末 梢血 中 における その クロー ン
頻 度 は予 想外 に低 い もので あ り,PBMCと
イーブCD4T細 胞の磁気細胞分離
抗原
食物アレルギーに関連する糖脂質抗原の解析 とその応用
図3ア
4
ジュバ ンド活性の同定法
の単 純 な共 培養 では,増 殖反応 を定量 で きなかっ
ユバ ン ト活性 を評価 した。 その結果,牛 乳 由来の
た。
比較 的疎 水性 の 強い 分画 にTh2ア
3.2牛
乳 のア ジュバ ン ト活性
そ こ で,C18-RP-HPLCを
用 い て,Folch変
法
で 食物か ら調整 した脂 質を分画 精製 し,そ のア ジ
17(3-Estradiol
ジ ュバ ン ト活
性 を見い出 すこ とが で きた。 エ ス トロゲ ンについ
て同 じように活性 を評価 した ところ,エ ス トロゲ
ンに もTh2ア
Estrone
ジュバ ン ト活性 が見 出 され た。 さ
Estriol
p-nonylphenol
eth _yn_ylestradiol
BisphenolA
図4エ
ストロゲン類 似体
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浦 上財 団 研究 報告 書Vol.12(2004)
らにHPLC上
で 同 じ分画 に 溶出 され る こ とか ら,
牛 乳 由来 のTh2ア
ジ ュバ ン ト活性 はエ ス トロゲ
ンに由来 す るもの と考 え られた。
3.3環
介 して抗 原提 示細 胞内 に伝 え られ るシ
グナルの差 に由来 する ことを示 してい た。そ こで,
抗HLA-DQ抗
境 ホ ルモ ンの アジ ュバ ン ト活性
エス トロゲ ン以外 にも様 々な合成 化合物 が環境
ホルモ ン として知 られ てい る。そ の中に は食品添
加 物な い しは 食材への 混入物 と してヒ トに摂 取 さ
れてい る物が含 まれ ている。 例え ば,ト リブチル
錫(TBT)は
にMHCを
大 型魚 に 多 く含 まれ てい る。 また,
ビス フェノー ルは飲料 缶の 内面 コーテ ィングに多
体 を用い て抗 原提 示細 胞 に刺激 を
入 れ,そ のT細
胞分 化誘 導能 を 観察 した。予 想
された 通 り,HLA-DQ分
子 を介 した刺激 はDC2
を誘 導す るこ とが 明 らか とな った(図5)。
3.5HLA-DQ拘
束 性T細 胞 ク ロー ンのThl/
Th2シ フ ト
そ こ で,実
際 にPBMCか
termTcelllineの
ら 得 られ たshort-
拘 束分子 によっ てThl/Th2シ
い(日 本 では2001に 改良 され た)。ノニ ルフェ ノ
フ トがみ られるか を観察 した。図6に 示 す ように
ール は食 品 用 ラ ップフ ィル ム に多 い(日 本 では
HLA-DR拘
2001に 改 良)。フ タル酸エ ステ ル(フ タル酸 ブチ
お よびHLA-DP拘
ルベ ンジ ル,フ タル酸 ジ ーn一
ブチ ル,フ タル酸 ジ
か にTh2に
シクロヘ キ シル,フ タル酸 ジエチ ルヘキ シル,フ
らか とな った。
タル酸 ジエチ ル)は 瓶 詰め食 品の キャ ップシー リ
ン グに 多 い(図4)。
この よ うな 化 合物 のTh2
束性 ク ロー ン に比べ る と,HLA-DQ
束性 のT細 胞 ク ロー ンは明 ら
シ フ トしたパ ター ンを示す ことが 明
本研 究で 得 られた最 も重 要 な情報 は,食 物 中
の脂 質 はCD1分
子 に よ り提 示 され る抗 原 と して
adjuvant活 性 を調 べ た結果,そ の多 くにDC2の
よりも,ア ジュバ ン ト活性 を有す る物質 と して の
分 化誘導 能が ある ことが判明 した。
ほ うに重要 な意味 がある とい う点 であ る。 また,
3.4抗HLA-DQ抗
体の アジュバ ン ト活性
我 々 は以前 の研究か ら,通 常 の蛋 白抗原 を認識
通常 のア レルゲ ンの抗原提 示にお いて もその抗 原
提示 分子 の種類 がTh1/Th2分
す るT細 胞 クロー ンにおい て もそ の拘束 分子(抗
持 って お り,HLA-DQに
原提 示分 子)に よって性 質が異 な っってお り,こ
応答 を よ りTh2寄
れ は,MHC-peptide-TCR複
とも意義深 い。
合体 が形 成 され た際
SignalingviaHLA・DQcanbetransmittedeitherb:
1.anti-HLA-DQmAb
l::謙蕊a離
器 諸;畿(
4.agaroseconjugatedR・i山anti・HLA-DQmAb
5.HLA-DQ・restrictedTcelldonestraetedwith
emetine
図5HL.a-DQを
介 した刺激はTh2分化 を誘導する
化 に重 要 な意味 を
よ る抗原 提示 はT細
胞
りに傾 け るこ とが判 明 した こ
食物アレルギーに関連する糖脂質抗原の解析とその応用
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れ る。 この ような物質 は従 来の ア レル ゲン として
で は な く,多 数の ア レル ゲ ンに対 す るIgE免 疫
応答 の成立 に抗 原非特異 的に関与 する,と 考 えら
れ るか らであ る。環 境中の さ まざまな物 質が アレ
ルギー増 強因子 と して働 いてい るこ とが 示唆 され
て き た。 しか しこれ らはlgEク
ラスの 抗体 と直
接反 応す るわけ ではな い。 つ ま りいわ ゆる 「アレ
ルゲ ン』 では ないわけ だが,そ の作用機 序の本態
は明 らか では なかった。
近 年,プ ロ フェ ッショナル抗 原提 示細 胞 として
の樹 状 細胞(DC)に
関す る研究 が急 速 に進 展 し
て き た。そ の 中で 得 られ た重 要 な情報 の 中 に,
Random19・merreach▼e'1cel且cloneso童variousrestriction
DCに
patternswererestimulatedwithexcessconcentrationsofX19
(500オM)andthenaf重era48-hincubaion,c山ure
s叩ern飢antswerecol且ectedformeasuremenofIFN一
γand
発現す るToll-likereceptor(TLR)が
アジ
ュバ ン ト受 容体 と して機 能 して いる という知見が
Iレ4productionbyELISA。Onespotindicateonece1Hine.
図6HLA-DQ拘
束性 クロー ンはTh2寄 りにシフトしている
あ る11。細 菌 などに特 徴的な構 造 を持 つ核酸2β1,
lipopolysaccharide4},さ らには真菌 由来 のユ ニー
そ もそ も,ア レルギー は特 定の アレル ゲンに対
クな糖 タ ンパ クJ)な どは,TLRの
特定 のisoform
す るIgEク ラス の抗 体 が産 生 され るこ と によ り
と結 合す る こ とによ り,DCの
引 き起 こされ る。 この ような抗 体が結 合す る抗原
Thl細 胞 を誘 導 しや す くす る。 こ の よ うなDC
をア レルゲ ンと呼 ぶ。 このIgEク
ラス の抗 体が
産生 され るた めに はT細 胞の 中で もTh2細
胞が
をDCI細
胞 と呼ぶ 。誘導 され たTh1細 胞 は炎症
反 応 を媒 介す る重 要 な細 胞で あ る。 この よ うに
分化誘導 され る必要 があ る。 免疫学 にお ける近年
DCI細 胞 の誘 導 を介 してTh1細
の トピ ッ クス は,Th2細
質 はThlア
胞の 分化 に は特 定 の性
質 をもっ た樹状 細 胞(Dendriticcells:DC)の
存
形質 を変化 させ,
胞 を誘導 す る物
ジュバ ン トと呼 ばれて いる。
同様 な 機序 でDCの
形 質 を変 化 させ(DC2細
在が必須 であ る ことがわか った点 にある。 この よ
胞),こ れ を介 してTh2細 胞 を誘導 す るよ うな物
うな樹 状細 胞 をDC2と
質 も次第 に知 られる ようにな って きた 。この よう
呼ぶ。 最 も重要 な ポ イン
トは,環 境要 因が直接 影響 を与え るこ とが で きる
な物 質 をTh2ア
のは このDCで
Yazdanbakhshら6.71は
あ り,こ の細 胞こそ が環境 要因 と
ジ ュ バ ン ト と呼 ん で い る。
住 血吸 虫 由来 の リ ン脂 質
免疫応 答の接 点に なって いる とい う点で ある。一
(phosphatidylserine)がDC2細
部の環境 ホ ルモ ンなどの低 分子化学物 質 はア レル
と示 した。す なわち,寄 生虫 は抗 原特異 的 な免疫
ゲ ン とし てで は な く,DCをDC2に
応 答を誘 導す る以 前 に抗 原提示細 胞の 応答 を抗 原
す る こ とで
ア レルギーの 「
起 こ りやす さ』 を支 配 してい るの
であ る。 した がって,こ の よ うな物 質 を多 数の物
胞 を誘 導す るこ
非 特異 的 に動 かす こ とに よってTh2ア
ジュバ ン
ト活 性 を発揮で きるが ゆえに 「ア レルゲ ン」 なの
質の 中か ら効 率 よく見出す スク リーニ ング系 を樹
であ る。 これ はTLR2を
立す るこ とが で きれ ば,ア レルギ ー学や環 境医学
用 して いる81。この成果 は我 々に よ り再現 性 が確
受 容体 の 一部 とし て利
に対 して大 きな貢献 をす るこ とが で きると期待 さ
認 されて いる。
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浦 上財 団研 究 報告 書VoLl2(2004)
■ アレルギー騰導活性物質の新しい試験管内スクリーニング法の確立。
● 医薬、化学、建築、食品、衣料、化粧品など、種々の業界における、
自社製品の効率的な安全性評価法の確立。
圏 化学物質の安全性評価の一手段 として、広く社会に認知せしめるこ
とができれば、人類の長期的健康の維持と増進に著しく貢献する。
■ 臓器特異的な種々の自己免疫病において、Th2アジュバントは、責任
自己抗原と共に用いることによって免疫寛容誘導治療薬となる。
■ 現存する医薬品や低分子ライブラリーをスクリーニングすることで、
適応拡大および新薬開発 により自己免疫病の新規治療法の開発に貢
献できる。
■ 減感作治療用のダニエキスや花粉エキスか ら,Th2ア ジュバントとな
る成分を除去することにより、よ り有効で安全な減感作治療用エキ
スの開発 に貢献できる。
図7期
待される波及効 果
2)KriegAM,CpGmotifsinbacterialDNAandtheir
我 々は,他 の低 分子 物 質の 中 に も同様 のTh2
アジュバ ント活性 を有 する ものがあ る,と いう作
immuneeffects.Annu.Rev.Immunol.20:709.2002
3)MatsumotoM,KikkawaS,KohaseM.MiyakeK,Seya
T.Establishmentofamonoclonalantibodyagainsthuman
業 仮説の もと,食 品,ダ ニ抽 出物,ス ギ花粉 抽出
物 のHPLC画
分,な らび にエ ス トロゲ ン類似 体
を用いて 研究 を進めて きた。 その結 果,食 品に含
Toll-likereceptor3thatblocksdouble-strandedRNAmediatedsignaling.Biochem.Biophys.Research
Communications.293:1364-9.2002
4)FitzgeraldKA.Palsson-McDermouEM.BowieAG,
まれ るエ ス トロゲ ンやbisphenolAにDC2誘
導
JefferiesCA,NlansellASBradyG,BrintE,DunneA.Gray
活性 があ る ことが証明 され,我 々の 仮説が正 しい
ことが証 明 された。 また,抗 原提示 分子の 中で も
HLA-DQ分
子 を介 した シ グナル はDC2を
誘 導す
P.HarteNIT,McMurrayD.SmithDE,SimsJE,BirdTA.
ぼON
eillLA.Mal(MyD88-adapte1・-like)isrequiredforTolllikereceptor-4signaltransduction.1¥ature.413:78-83.2001
5)OzinskyA,UnderhillDM,FontenotJD.HajjarAM,
るこ とが 明 らか にな っ た。 この知 見 は我 々 らが
SmithKD.≪'ikonCB,SchroederL,AderemA.The
17年 前 に 発表 した 免疫 抑制 遺伝 子 を分子 レベル
repertoireforpatternrecognitionofpathogensbythe
で 理解す る ことに も貢 献 した9.1°.111。
本研究 をさ ら
innateimmunesystemisdefinedbycooperationbetween
に発展 させ る こと によ り,図7に
示 した ような
toll-likereceptors.Proc.Natl.;cad.Sci.USA97:13766-71.
2000
様 々な成 果が期 待 され る。
6)vanderKleijD,LatzE.BrouwersJFHM.KruizeYCM.
Schmitz'VI.Kurt-JonesEA.EspevikT,deJongEC.
謝
辞
KapsenbergMl.GolenbockDT.TielensAGM,
YazdanbakhshM.Anovelhost-parasitelipidcross-talk.J.
本研究 に対 し多額の助 成金 を賜 りま した浦 上食
品 ・食文 化振興 財団 に心 か ら感謝致 します とと も
に,貴 財 団の益 々の ご発 展 を祈 念 申し上げ ます。
Biol.Chem.50:48122-48129.200?
7)vanderKleijD,YazdanbakhshM.Controlof
inflammatorydiseasesbypathogens:lipidsandthe
immunesystem.Eur.J.Immunol.33:2953-2963.2003
8)RedeckeV.HaeckerH,DattaSK,FerminA,PithaPM,
文
献
1)TakedaK.AkiraS.Tollreceptorsandpathogen
resistance.Cell.Microbiol.5:143,2003
BroideDH,RazE.ActivationofToll-likereceptor2
inducesaTh2immuneresponseandpromotes
experimentalasthma.J.Immunol.172:2739-2743,2004
食 物 ア レルギ ー に関 連す る 糖脂 質抗 原 の解 析 とそ の応 川
9)HiravamaK.NlatsushitaS.KikuchiI,IuchiNI,OhtaN.
SasazukiT.HLA-DQisepistatictoHL_a-DRincontrolling
theimmuneresponsetoschistosomalantigeninhumans.
Nature327:42〔x430.1987
moleculesviaNLへPkinases.J.ImmulloLl66:2202-2208,
'?001
1DMatsushitaS.UemuraY.OhyamaH.Signal
transductionthroughHLA-DQmoleculesalterdendritic
cellfunctiontoenlユanceTh2differentiation.InEAACI
10)NlatsuokaT.TabataH,NlatsushitaS.Nlonocvtesare
differentiallyactivatedthroughHLA-DR.-DQand-DP
2004.Amstel'dan1(abstract).
49
URAKAMIFOUNDATIONMEMOIRSVo1.12(2004)
50
Analysisofglycolipidantigensassociatedwithfoodallergy
ShoMatsushita
(DepartmentofAllergyandImmundogy.SaitamaMedicalSchool)
Inourpreviousstudies,weshowedthatclassIIHLAmolecules,notonlypresent
peptideantigenstoTcellsbutalsotransmitsignalsintoantigen-presentingcellsandlead
to:i)secretionofIgMfromBcells(J.Biol.Chem.2000);ii)secretionofvariousmonokines
frommonocytes(J.Immunol.2001);iii)anergyinductionofactivatedTcells(lmmunol.
Lett.2002):andiv)secretionofchemokinesfromfibroblastswithoutT-cellproliferation
(Cytokine2002)Furthermore.HLA-DRtendstostimulatemonocytestosecreteproinflammatorymonokines,suchasIL-1Q,whereasDQandDPstimulateanti-inflammatory
monokinessuchasIL-10,bydifferentialactivationofMAPkinases(J.Immunol.2001)In
thisstudy,weusedhumandendriticcells(DCs)preparedfromfreshlyisolatedCD14positiveperipheralbloodmonocytes.ImmatureDCs,whenincubatedfortwodayswith
TNFaandanti-DQmAbs,didstimulateallogeneicnaiveCD4Tcellstodifferentiateinto
Th2cells.whereasisotype-matchedcontroloranti-DRmAbsdidnotexhibitsuchaneffect.
Indeed,DQ-restrictedT-cellclonesestablishedagainstrandom19-merpeptidemixture,
exhibitedTh2-pronephenotype,comparedwithDR-restrictedTcells.Thesedata
collectivelyindicatethatantigenpresentationbyHLA-DQmoleculestendstoenhanceTh2
differentiation,byalteringDCfunctionviasignalingthroughHLA-DQmoleculesthemselves
intoDCs.Thesimilarpatternofeffectwasdetected,byusingsomeendocrinedisrupters,
suchasestrogen,BPA,nonylphenol,andTBT.Thus,thesechemicalscontainedinoutdaily
foodconsumption,exhibitTh2adjuvantactivity,whichneedstobefurtheraddressedinour
futurestudies.