意見募集:新たなカウンターパーティ・リスク指標の導入に伴う - Moody's

STRUCTURED FINANCE
JANUARY 9, 2015
REQUEST FOR COMMENT
概要
目次:
1
概要
セクション 1: 意見募集プロセスおよび
2
その影響
セクション 2: 証券化取引における
銀行へのエクスポージャーおよび
3
参照基準の利用
セクション 3: 銀行エクスポージャーへの
3
参照基準の対応
セクション 4:保証、信用状、短期格付
ならびに流動性コミットメント
5
関連リサーチ
7
付録 A - 影響を受けるストラクチャード・
ファイナンス格付手法
8
コンタクト:
東京
意見募集:新たなカウンターパーティ・
リスク指標の導入に伴う、
ストラクチャード・ファイナンス
格付手法のアップデート
Updates to Structured Finance Rating
Methodologies Resulting From New
Counterparty Risk Measure
03.5408.4100
沢田 啓子
03.5408.4147
MD- グループ・クレジット・オフィサー
[email protected]
本意見募集は、証券化取引における、銀行グループ傘下の事業体へのエクス
ポージャーに関わるデフォルト・リスクの測定方法の変更を提案するものである。
本変更案が採用されれば、9 つの格付手法が更新されることになる 1 。
ムーディーズは 2014 年 9 月、銀行格付手法の変更案に関する意見募集
“Proposed Bank Rating Methodology” (Moody’s Investors Service, Sep 9, 2014) (ム
ーディーズ・ジャパン版「意見募集:銀行格付手法案」(2014 年 9 月 11 日))(以
下、「銀行格付手法に関する意見募集」)を発表した。この変更案は、世界金融
危機、銀行セクターが最近直面した苦境の事例、規制当局による監督お
よび銀行の破綻処理・回収に関するアプローチへの変更案から得た洞察
を反映したものである。これらの洞察および銀行破綻処理・回収に関す
るアプローチの最近の動向から、銀行が破綻処理の対象となりシニア無
担保債務および預金において損失負担が強制されても、銀行は一定の機
能および業務を維持するとともに、一定の支払義務および資金提供義務
の履行を継続する場合が多いとムーディーズは考えている。
ムーディーズは、世界の銀行および銀行に類似する事業体にカウンターパーテ
ィ・リスク格付(CR 格付)を新たに導入することを提案する意見募集 “Proposal for
Introduction of Counterparty Risk Rating” (Moody’s Investors Service, January 8,
2015)(ムーディーズ・ジャパン版「意見募集:カウンターパーティ・リスク格付導入
の提案」(2015 年 1 月 9 日))(以下、「CR 格付に関する意見募集」)を発表した。
This Request for Comment is based on Moody’s Investors Service’s Request for Comment titled “Updates to Structured
Finance Rating Methodologies Resulting From New Counterparty Risk Measure, (January 8, 2015).” The rating
approach described in the Moody’s Investors Service report was adopted on January 9, 2015.
1
影響を受ける格付手法については付録 A を参照されたい。
ムーディーズ・ジャパン株式会社
STRUCTURED FINANCE
前述の動向および CR 格付に関する意見募集を踏まえ、ムーディーズは、証券化取引
の銀行グループ傘下の事業体へのエクスポージャーを、3 つの参照基準のいずれかに
結び付けて分析することを提案する。今回提案する参照基準はセクション 2 で詳述す
るが、次の通りである。
»
シニア無担保格付または同等のもの
»
銀行預金格付
»
CR 格付
ムーディーズの従来のストラクチャード・ファイナンス格付手法では通常、銀行グループ傘下
の事業体のデフォルト・リスクを表象するものとして、単一の参照基準(シニア無担保債務格付
または同等のもの)を使用してきた。3 つの参照基準の導入を提案することにより、破綻処理
が、証券化取引が直面するさまざまなエクスポージャーに及ぼす異なる影響をより的確に考
慮することが可能となる。
カバードボンドに関する格付手法への変更案については別の意見募集においてカバーする。
セクション 1: 意見募集プロセスおよびその影響
1. 回答期限
2015 年 2 月 9 日まで、市場参加者からの意見を募集する。ムーディーズのウェブサイト
(www.moodys.com)の意見募集(Request for Comment)のページまでご意見をお寄せいただき
たい。
2. 格付への影響
本意見募集に提示した変更案は、証券化取引の全ての新規および既存の格付に適用される。
銀行格付手法に対する意見募集の状況を鑑み、今回のストラクチャード・ファイナンス格付手
法の変更案が、現存する案件の格付に与える影響を完全に評価・開示できる状況にはない。
3. 関連する意見募集
以下の意見募集を参照されたい。
本件は信用格付付与の公表で
はありません。文中にて言及され
ている信用格付については、
ムーディーズのウェブサイト
(www.moodys.com)の発行体の
ページの Ratings タブで、最新の
格付付与に関する情報および
格付推移をご参照ください。
2
JANUARY 9, 2015
»
“Proposal for Introduction of Counterparty Risk Rating (Moody's Investors Service, January 8,
2015)(ムーディーズ・ジャパン版「意見募集:カウンターパーティ・リスク格付導入の提案」
(2015 年 1 月 9 日):銀行グループ傘下の事業体または銀行と類似したシニア債務を有
する規制対象機関に対する新たなデフォルト確率格付を提案。
»
“Update to Covered Bond Rating Methodology Resulting from New Counterparty Risk
Measures" (Moody's Investors Service, January 8, 2015): カバードボンド格付手法における
銀行へのエクスポージャーの評価方法の変更を提案
»
“Application of Bank Counterparty Risk Ratings to Letter of Credit and Liquidity Facility
Supported Transactions" (Moody's Investors Service, January 8, 2015) (ムーディーズ・ジャパ
ン版「意見募集:銀行のカウンターパーティ・リスク格付の信用状・流動性ファシリティによ
る信用補完付き取引への適用」(2015 年 1 月 9 日)):信用状や流動性ファシリティ等の信
用補完付き取引における銀行へのエクスポージャーの評価方法の変更を提案
意見募集:新たなカウンターパーティ・リスク指標の導入に伴う、ストラクチャード・ファイナンス格付手法のアップデート
STRUCTURED FINANCE
セクション 2: 証券化取引における銀行へのエクスポージャーおよび参照基準の
利用
銀行および銀行に類似する事業体は、証券化取引の契約当事者として多岐にわたる支援的
役割を果たしている。そのうち、キャッシュ・マネージャー、サービサー、トラスティなどの役割
は重要な業務運営機能である。その他の、口座銀行、スワップ・カウンターパーティ、流動性
提供者といった役割は主に支払義務に関わるものである。
証券化取引の契約当事者としての銀行のデフォルトは、債券保有者への支払額およびタイミ
ングに影響を及ぼしうる。また、銀行の一般顧客への支払不履行も、債券保有者にマイナス
の影響を及ぼしうる。例えば、オリジネーターである欧州の銀行が預金者への支払いを行わ
なかった場合、証券化された債務との相殺につながりうる。
ムーディーズは通常、キャッシュフロー・モデルに組み込むことによって、あるいはノートの格
付を銀行の格付とリンクさせることによって、銀行へのエクスポージャーを考慮に入れる。いず
れの場合でも、格付への影響は、対象債務についてムーディーズが想定するデフォルト確率
にある程度左右される。
現在のストラクチャード・ファイナンス格付手法では、ムーディーズは通常、銀行のシニア無担
保債務格付を銀行の債務デフォルトを表象するものとして用いている。銀行格付手法に関す
る意見募集と、CR 格付に関する意見募集を踏まえ、ムーディーズは、証券化取引の、銀行ま
たは銀行に類似する事業体に対する各種エクスポージャーを 3 つの参照基準のいずれかに
結び付けて分析することを提案する。
提案する参照基準は以下の通りである。
1. シニア無担保債務格付: ムーディーズはシニア無担保債務格付を、シニア無担保債務お
よびその他の信用リスクが同程度の債務に用いる。
2. 銀行預金格付: ムーディーズは銀行預金格付を、銀行預金格付 2が適用される預金およ
び適格投資対象、ならびに信用リスク・プロファイルが同程度の他の債務に用いる。銀行
格付手法に関する意見募集では、一部のベイルイン制度および預金者選別ルールによ
り、銀行のシニア無担保債務および預金に対する格付に差が生じる可能性がある。
3. CR格付: ムーディーズは、新たに導入を提案するCR格付 3を、一部のシニア銀行債務お
よびその他の契約上のコミットメントについて不履行となる確率を反映するものとして用い
る。
CR 格付に関する意見募集で説明した通り、シニア無担保債務およびジュニア預金における
損失負担の強制を通じて資本不足が解消された多くの銀行においては、コア業務(クレジット
カード債権のオリジネーション等)や主要な銀行業務および一部のシニア支払債務の履行
(デリバティブ契約に基づく支払等)が継続されるとムーディーズはみている。
セクション 3: 銀行エクスポージャーへの参照基準の対応
図表 1 および 2 は、ストラクチャード・ファイナンスの格付手法において、通常どの参照基準
によって銀行エクスポージャーを分析することを提案するかを示したものである。図表 1 およ
び 2 に挙げられていない銀行エクスポージャーについては、本意見募集に示した一般原則
に基づいて適切と判断される参照基準を用いる。ただし、個々のケースにおいては、その具
体的な状況を勘案して、それぞれの格付委員会が異なる参照基準を選択することがある。
3
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2
ムーディーズの銀行預金格付は、預金保険の対象とならない預金のみに適用される。預金間で優先順位がある場合に
は、別途明記されない限り、預金格付はジュニア預金のリスクを反映する。
3
この格付は公表される場合もされない場合もある。また、必要に応じてクレジット・エスティメートを用いることもある。
意見募集:新たなカウンターパーティ・リスク指標の導入に伴う、ストラクチャード・ファイナンス格付手法のアップデート
STRUCTURED FINANCE
意見募集プロセスが終了し次第、付録 A に示した関連する格付手法を適宜アップデートし、
(1)デフォルト確率を表象するものとしての格付、または(2)閾値となる格付(格付トリガーを含
む)に関する全ての参照要因がそれぞれ対応する参照基準に結び付けられるようにする。格
付の閾値の変更は考えていない。シニア無担保債務格付に関連するトリガーも、アップデート
された参照基準を参照するトリガーと同様に有効なものとして評価する。
図表1
クロス・セクター格付手法および補助的格付手法における参照基準案
エクスポージャー
参照基準案
コメント
オペレーショナル・リスク:
サービシングや現金管理と
いった業務運営機能が
果たせなくなるリスク
CR 格付
破綻処理を実施する政府および当局は、住宅ローン債権の
サービシング等の主要な業務運営機能を維持させるであろ
うとムーディーズは考えている。
流動性ファシリティ:ローン・
コミットメントの不履行
CR 格付
破綻処理を実施する政府および当局は、ローン・コミットメン
トを、銀行のフランチャイズ・バリューを向上させるコア業務と
みているとムーディーズは考えている。
銀行預金格付
相殺リスク:証券化された
債権の債務者に対し、預金保険の
対象となっていない預金が
支払不履行となることにより 4、
相殺が起こりうるリスク
預金保険の対象となっていない預金がデフォルトする確率
は、おおむね預金格付に相応する。
デリバティブ契約 5:
デリバティブ契約上の支払不履行
CR 格付
破綻処理を実施する政府および当局は、銀行のフランチャイ
ズ・バリューを維持し、波及リスクを制限するため、デリバティ
ブ契約の早期終了を回避しようとするとみられる。
銀行口座:証券化商品発行体の
銀行口座または
保証付投資契約における
支払不履行
銀行預金格付
ムーディーズの銀行預金格付はこの種のエクスポージャー
を直接の対象としている。
コミングリング・リスク:
サービサーとして回収金の
送金ができなくなるリスク 6
CR 格付
破綻処理を実施する 政府および当局は、債権のサービシン
グといった主要な業務機能を維持しようとするものとムーディ
ーズは考えている。従って、破綻した銀行がサービサーの役
割を担っている場合には、証券化商品発行体への回収金の
送金を継続するものとムーディーズはみている。
新たな参照基準案を踏まえ、ムーディーズは、特にサービサ
ーと口座開設銀行が同一の場合の(英国のクレジットカード
債権等)、一般的なコミングリング・リスクの軽減要因がどの
程度機能するかを再評価する。
カウンターパーティ・インストラメント CR 格付:状況に
格付:スワップ提供者における、
よってはシニア
デフォルト事由によるスワップ終了 無担保債務格付
リスク
スワップ提供者が運用可能な破綻処理制度の適用対象であ
り、かつ、スワップに適用される法律において、そうした規定
が設けられていなければ破綻時に認められるスワップ終了
権が、除外の対象となるか保留となる場合、スワップ提供者
が約定支払を行わなかった場合にのみ終了リスクが生じる
ものとムーディーズは想定する。CR 格付はその確率を最も
適切に表す。
状況によっては、シニア無担保債務格付がより適切なリスク
計測基準となることがある。スワップ・カウンターパーティに
EU の銀行再建・破綻処理指令(BRRD)が適用される一方
で、スワップに適用される法律が破綻処理に伴う終了事由を
除外もしくは保留とはしない場合などである。
4
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4
預金保険制度による保証対象とならない預金。
5
デリバティブ契約には金利スワップ、クレジット・デフォルト・スワップ、金利キャップが含まれるが、これに限定されない。
6
一部の案件は、米連邦預金保険公社の「セーフハーバー」ルール等により、コミングリング・リスクから保護され、ムーディ
ーズはこれらを別途考慮する。
意見募集:新たなカウンターパーティ・リスク指標の導入に伴う、ストラクチャード・ファイナンス格付手法のアップデート
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クロス・セクター格付手法および補助的格付手法の参照基準を変更する提案に加えて、ムー
ディーズは、回収のモデリング等、一部の分析ステップをどのように行っているかを明確にす
るため、格付手法の見直しを行う。
EMEA における相殺リスクについては、預金保険制度(あれば)の対象となっている預金のデ
フォルト確率は、政府債務格付にリンクするとムーディーズは想定している。預金保険対象の
預金者は、預金受入銀行、預金保険制度、政府(政府は自らの債務についてデフォルトした
場合であっても国内の預金保険対象預金者を支えるための最大限の努力をするとムーディ
ーズは予想している)といった複数層の保護の恩恵を受けるため、デフォルト確率を表象する
ものとしてカントリー・シーリングを用いるのがより適切であるとムーディーズは考えている。
図表 2
主要格付手法における参照基準案
エクスポージャー
参照基準案
コメント
クレジットカード:債権の
オリジネーション継続不能
CR 格付を
上限とする
破綻処理が円滑に進められた銀行は、クレジットカード債権のオ
リジネーションといったコア業務を継続する可能性が高い。CR 格
付はこのシナリオを反映する。
クレジットカード業務が銀行にとってコア業務とみなされない、あ
るいは銀行の破綻に伴い同業務の継続性が懸念される場合に
は、シニア無担保債務格付などのより低い参照基準を用いるこ
とがある。
ABCP:流動性ファシリティ、
買戻し契約、信用状に基づく
コミットメント等の流動性提供
義務
CR 格付を
上限とする
破綻処理を実施する政府または当局は、ローン・コミットメント、
買戻し契約、その他の流動性契約を、銀行のフランチャイズ・バ
リューを向上させるコア業務とみている可能性が高い。
ABCP の裏付資産への資金提供が銀行のコア業務でない場合
には、異なる参照基準を用いることがある。
将来債権:将来債権の
オリジネーション継続不能
CR 格付を
上限とする
CR 格付は、銀行が、送金業務や、加盟店からのクレジットカード
の伝票処理にあたっての POS(販売時点情報管理システム)の
利用といったコア業務を継続する能力を表す。
クレジットカード業務または送金業務が銀行のコア業務とみなさ
れない場合、あるいは銀行の破綻に伴い一定の業務の継続性
が懸念される場合には、より低い参照基準を用いることがある。
セクション 4:保証、信用状、ならびに短期格付
銀行保証
ムーディーズは、独立した第三者を対象として、以下に示す信用状が適用される場合と同様
の形で保証が提供されている場合、銀行保証を伴う取引の分析上の投入値として CR 格付を
用いることを提案する。これに対して、銀行の関連会社を対象として保証が提供されている場
合には、保証対象となる金融取引に適した銀行格付を用いることを提案する。例えば、無担
保債務にはシニア無担保債務格付、預金には預金格付、一定の契約上の支払義務には CR
格付を用いるということである。
信用代替手法および信用状
信用代替アプローチの適用においては、取引の仕組みが格付手法に示された一定の基準を
満たす場合、銀行の CR 格付を、信用状の下での長期支払リスクと短期支払リスクの双方を
反映する投入値として用いることを提案する。具体的には、信用状によって 100%の信用補完
がなされている取引においては、銀行の長期 CR 格付および短期 CR 格付と同水準の、長期
信用格付および短期信用格付をそれぞれ付与することを提案する。長期格付に複合デフォ
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意見募集:新たなカウンターパーティ・リスク指標の導入に伴う、ストラクチャード・ファイナンス格付手法のアップデート
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ルト分析手法が用いられるストラクチャーの案件については、複合デフォルト分析への投入値
としてシニア無担保債務格付の代わりに銀行の CR 格付を用いることを提案する。
ABCP に関する格付手法および短期格付
同様に、ABCP に関する格付手法への CR 格付の適用においては、格付手法に基づくコミッ
トメントの条件の評価にもよるが、銀行の CR 格付を、スタンドバイ資産購入契約または同様の
流動性コミットメントの下での銀行の短期支払リスクを反映する投入値として用いることを提案
する。具体的には、そうした取引への短期信用格付を、銀行の短期 CR 格付と同水準とする。
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関連リサーチ
本セクターで付与される信用格付は、主としてこの格付手法に従って決定される。本セクター
の発行体および債務の信用格付の判定において、特定の幅広い手法上の考慮事項が適用
される場合もある(それらはいくつかの補助的あるいはクロス・セクター格付手法で解説されて
いる)。関連する可能性がある補助的あるいはクロス・セクター格付手法については、ムーディ
ーズのウェブサイトから入手できる。
また、本格付手法を用いて付与された信用格付の頑健性と指標能力を示す過去のデータも、
ムーディーズのウェブサイトを参照されたい。
詳細な情報についてはムーディーズの「格付記号と定義」を参照されたい。
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意見募集:新たなカウンターパーティ・リスク指標の導入に伴う、ストラクチャード・ファイナンス格付手法のアップデート
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付録 A - 影響を受けるストラクチャード・ファイナンス格付手法
格付手法
種類
Approach to Assessing Swap Counterparties in Structured Finance Cash Flow Transactions クロス・セクター格付手法
(Moody’s Investors Service, November 12, 2013)(ムーディーズ・ジャパン版「キャッシュ・
フロー型証券化商品におけるスワップ・カウンターパーティを評価するアプローチ」
(2013 年 11 月 18 日))
Global Structured Finance Operational Risk Guidelines (Moody’s Investors Service, June 4, クロス・セクター格付手法
2013)(ムーディーズ・ジャパン版「証券化取引のオペレーショナル・リスクに関するグロ
ーバル・ガイドライン」(2013 年 9 月 4 日))
Moody’s Approach to Assessing Set-off Risk for EMEA Securitisation and Covered Bonds
Transactions (Moody’s Investors Service, October 2, 2013)
クロス・セクター格付手法
The Temporary Use of Cash in Structured Finance Transactions: Eligible Investment and
Bank Guidelines (Moody’s Investors Service, March 18, 2013)(ムーディーズ・ジャパン版
「証券化取引におけるキャッシュの一時的使途:適格投資・適格銀行のガイドライン」
(2013 年 3 月 19 日))
クロス・セクター格付手法
Moody’s Approach to Counterparty Instrument Ratings (Moody’s Investors Service,
March 20, 2014)
クロス・セクター格付手法
Moody’s Approach to Rating Credit Card Receivables-Backed Securities (Moody’s
Investors Service, September 16, 2014)(ムーディーズ・ジャパン版「クレジットカード債権
を裏付けとした証券の格付手法」(2014 年 10 月 24 日))
主要格付手法
Moody’s Approach to Rating Future Receivables Transactions (Moody’s Investors Service, 主要格付手法
May 24, 2013)(ムーディーズ・ジャパン版「将来債権 ABS の格付分析手法」(2013 年 12
月 16 日))
Moody’s Approach to Rating Asset-Backed Commercial Paper (Moody’s Investors Service, 主要格付手法
May 23, 2012)(ムーディーズ・ジャパン版「アセット・バック・コマーシャル・ペーパーに対
するムーディーズの格付アプローチ」(2014 年 6 月 13 日))
Cash Commingling Risk in EMEA ABS and RMBS Transactions: Moody’s Approach
(Moody’s Investors Service, November 7, 2006)
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補助的格付手法
意見募集:新たなカウンターパーティ・リスク指標の導入に伴う、ストラクチャード・ファイナンス格付手法のアップデート
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ムーディーズ・ジャパン株式会社
〒105-6220
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物」といいます)は、事業体、与信契約、債務又は債務類似証券の相対的な将来の信用リスクについてのムーディーズの現時点での意見を含むことがあります。MJKK 及び(又は)MSFJ は、
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はできません。
ここに記載する情報は、すべてムーディーズが正確かつ信頼しうると考える情報源から入手したものです。しかし、人的及び機械的誤りが存在する可能性並びにその他の事情により、ムー
ディーズはこれらの情報をいかなる種類の保証も付すことなく「現状有姿」で提供しています。ムーディーズは、信用格付を付与する際に用いる情報が十分な品質を有し、またその情報源が
ムーディーズにとって信頼できると考えられるものであること(独立した第三者がこの情報源に該当する場合もあります)を確保するため、すべての必要な措置を講じています。しかし、ムー
ディーズは監査を行う者ではなく、格付の過程で又は MJKK 及び(又は)MSFJ の刊行物の作成に際して受領した情報の正確性及び有効性について常に独自に確認することはできません。
法律が許容する範囲において、ムーディーズ及びその取締役、役職員、従業員、代理人、代表者、ライセンサー及びサプライヤーは、いかなる者又は法人に対しても、ここに記載する情報
又は当該情報の使用若しくは使用が不可能であることに起因又は関連するあらゆる間接的、特別、二次的又は付随的な損失又は損害に対して、ムーディーズ又はその取締役、役職員、
従業員、代理人、代表者、ライセンサー又はサプライヤーのいずれかが事前に当該損失又は損害((a)現在若しくは将来の利益の喪失、又は(b)関連する金融商品が、ムーディーズが付与
する特定の信用格付の対象ではない場合に生じるあらゆる損失若しくは損害を含むがこれに限定されない)の可能性について助言を受けていた場合においても、責任を負いません。
法律が許容する範囲において、ムーディーズ及びその取締役、役職員、従業員、代理人、代表者、ライセンサー及びサプライヤーは、ここに記載する情報又は当該情報の使用若しくは使用
が不可能であることに起因又は関連していかなる者又は法人に生じたいかなる直接的又は補償的損失又は損害に対しても、それらがムーディーズ又はその取締役、役職員、従業員、代理
人、代表者、ライセンサー若しくはサプライヤーのうちいずれかの側の過失によるもの(但し、詐欺、故意による違反行為、又は、疑義を避けるために付言すると法により排除し得ない、その
他の種類の責任を除く)、あるいはそれらの者の支配力の範囲内外における偶発事象によるものである場合を含め、責任を負いません。
ここに記載される情報の一部を構成する格付、財務報告分析、予測及びその他の見解(もしあれば)は意見の表明であり、またそのようなものとしてのみ解釈されるべきものであり、これに
よって事実を表明し、又は証券の購入、売却若しくは保有を推奨するものではありません。ここに記載する情報の各利用者は、購入、保有又は売却を検討する各証券について、自ら研究・
評価しなければなりません。
ムーディーズは、いかなる形式又は方法によっても、これらの格付若しくはその他の意見又は情報の正確性、適時性、完全性、商品性及び特定の目的への適合性について、(明示的、黙
示的を問わず)いかなる保証も行っていません。
MJKK は、ムーディーズ・グループ・ジャパン合同会社(Moody's Corporation (以下、「MCO」といいます。)の完全子会社である Moody’s Overseas Holdings Inc.の完全子会社)が全額出資する信用
格付会社です。MSFJ は、MJKK が全額出資する信用格付会社です。MSFJ は、NRSRO(「全米で認知された統計的格付機関」として、米国SEC(米国証券取引監視委員会)の登録を受けた格
付機関)ではありません。したがって、MSFJ の信用格付は、NRSRO ではない者により付与された「NRSRO ではない信用格付」であり、それゆえ、MSFJ の信用格付の対象となる債務は、米国
法の下で一定の取扱を受けるための要件を満たしていません。MJKK 及び MSFJ は日本の金融庁に登録された信用格付業者であり、登録番号はそれぞれ金融庁長官(格付)第 2 号及び第
3 号です。
MJKK 又は MSFJ(のうち該当する方)は、同社が格付を行っている負債証券(社債、地方債、債券、手形及び CP を含みます)及び優先株式の発行者の大部分が、MJKK 又は MSFJ(のうち該
当する方)が行う評価・格付サービスに対して、格付の付与に先立ち、20 万円から約 3 億 5,000 万円の手数料を MJKK 又は MSFJ(のうち該当する方)に支払うことに同意していることを、ここ
に開示します。また、MCO、MJKK 及び MSFJ は、MJKK 及び MSFJ の格付及び格付過程の独立性を確保するための方針と手続を整備しています。MCO の取締役と格付対象会社との間、及
び、 MJKK 又は MSFJ(のうち該当する方)から格付を付与され、かつ MCO の株式の 5%以上を保有していることを SEC に公式に報告している会社間に存在し得る特定の利害関係に関する
情報は、ムーディーズのウェブサイト www.moodys.com 上に"Shareholder Relations-Corporate Governance-Director and Shareholder Affiliation Policy"という表題で毎年、掲載されます。
オーストラリアについてのみ:この文書のオーストラリアでの発行は、ムーディーズの関連会社である Moody's Investors Service Pty Limited ABN 61 003 399 657(オーストラリア金融サービス認可
番号 336969)によって行われます。この文書は 2001 年会社法 761G 条の定める意味における「ホールセール顧客」のみへの提供を意図したものです。オーストラリア国内からこの文書に継
続的にアクセスした場合、貴殿は、ムーディーズに対して、貴殿が「ホールセール顧客」であるか又は「ホールセール顧客」の代表者としてこの文書にアクセスしていること、及び、貴殿又は
貴殿が代表する法人が、直接又は間接に、この文書又はその内容を 2001 年会社法 761G 条の定める意味における「リテール顧客」に配布しないことを表明したことになります。ムーディー
ズの信用格付は、発行者の債務の信用力についての意見であり、発行者のエクイティ証券又はリテール顧客が取得可能なその他の形式の証券について意見を述べるものではありませ
ん。リテール顧客が、ムーディーズの信用格付に基づいて投資判断をするのは危険です。もし、疑問がある場合には、ご自身のフィナンシャル・アドバイザーその他の専門家に相談すること
を推奨します。
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JANUARY 9, 2015
意見募集:新たなカウンターパーティ・リスク指標の導入に伴う、ストラクチャード・ファイナンス格付手法のアップデート