2017/3/7 マーケット・フォーカス 投資情報部 ストラテジスト兼 テクニカルアナリスト 西村 三養子 商品:原油 三角もち合いのブレイクを待つ 原油価格は三角もち合い、下放れとなっても200日線が下値めどに OPECは2月も減産を順守、一方でロシアの2月の生産量は1月と同水準にとどまる 売買動向からは建玉の減少とともに需給のしこりがほぐれるか 国際指標のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物価格は3/6時点 三角もち合いを下放れ となっても、200日線が で1バレル=53.20ドル。原油価格が50~55ドル前後であれば、供給サイド、需要サイド ともに居心地の良い水準とみられる。テクニカル面では三角もち合いとなっており、25 下値めどに 日線を挟んでのもみ合い。通常三角もち合いは上下に5回もみ合い、その後上下どち らかにもち合いを放れる際には注意が必要だ。足元では需給のしこりが解消に向かう 傾向もみられる。今後はもみ合い継続か、もち合いを下放れとなっても200日線の48ド ル近辺で下げ止まることが想定されよう。 3/4のブルームバーグの集計によると、減産に合意した石油輸出国機構(OPEC) 10ヵ国は2月も減産を順守しており、2月時点での減産量は目標の104%に達している。 今回減産を順守しているのはスイングプロデューサーとしての役割を取り戻したいサウ ジアラビアや湾岸諸国だ。一方で、減産の対象外となっているイラン、リビア、ナイジェ リアは2016年11月に比べ増産となっており、2月のOPEC10ヵ国の減産分の約3割を増 産している。また、ロシアの2月の生産量は日量1,111万バレルと1月とほぼ同水準にと どまっている。ロシアは遅くとも17年5月までに日量30万バレルを減産すると報道され ているが、減産したとしても過去最高水準の生産量をキープすることには変わりない。 W T I 原油先物 (1バレル=ドル) (千バレル/日量) (日次:2016/1/4~2017/3/6) 国名 60 (16/12/28) 54.06 (16/6/8) 51.23 (17/1/10) 50.82 50 40 30 WTI原油先物 25日線 200日線 (16/2/11) 26.21 20 16/1 16/4 16/7 16/10 出所:QUICK Astra Managerのデータよ りみずほ証券作成 アルジェリア アンゴラ エクアドル ガボン イラク クウェート カタール サウジアラビア アラブ首長国連邦 ベネズエラ OPEC 1 0 ヵ国計 イラン リビア ナイジェリア OPEC 1 3 ヵ国計 20 1 7年2月のOPECの減産順守動向 1 1 月参照値① 生産量② ②- ① 減産目標 達成率(% ) 1,089 1,751 548 202 4,561 2,838 648 10,544 3,013 2,067 27,261 3,707 520 1,600 33,088 1,040 1,690 535 180 4,440 2,710 620 9,780 2,950 2,010 25,955 3,830 700 1,680 32,165 ▲ 49 ▲ 61 ▲ 13 ▲ 22 ▲ 121 ▲ 128 ▲ 28 ▲ 764 ▲ 63 ▲ 57 ▲ 1306 123 180 80 ▲ 923 ▲ 50 ▲ 78 ▲ 26 ▲9 ▲ 210 ▲ 131 ▲ 30 ▲ 486 ▲ 139 ▲ 95 ▲ 1254 90 ▲ 1328 98 78 50 244 58 98 93 157 45 60 104% 70% (注)生産量はブルームバーグによる推計 出所:OPEC、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 17/1 (年/月) この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 1 2017/3/7 マーケット・フォーカス 米国の需給の緩みが 意識されやすい 2017 年上半期には米国の石油精製設備の稼働停止が予定されている。ただ、米エ ネルギー情報局(EIA)によると、米国内のガソリンやジェット燃料、留出油の供給不足 には至らない。仮に 17 年も 16 年と同様にガソリン需要が過去最高水準であったとして も供給に支障をきたすことはないとみられる。また、石油サービス会社ベーカー・ヒュー ズが公表した石油掘削機(リグ)稼働数(3/3 時点)は、609 基と 7 週連続で増加してお り、引き続き米国の原油在庫と供給のだぶつき感は解消されにくそうだ。 売買動向をみると、投機筋、実需筋で見方が分かれている。米商品先物取引委員 会(CFTC)が 3/3 に発表した 2/28 時点のニューヨーク・マーカンタイル取引所 (NYMEX)での非商業部門による原油先物の買い越し幅は 52 万枚台と過去最高水準 で高止まりしている。ポジションが積み上がっているものの、原油価格は横ばいでもみ 合い。需給のしこりの解消が進みつつ、もみ合い放れとなる時期は近いと思われる。一 方、商業部門では売り越しが 54 万枚台まで膨らんでいる。5/25 の OPEC 総会では減 産の延長や追加の減産を決定する可能性もあり、引き続き減産が原油価格の下支え にはなるものの、上値を追う要素は少ないため 17 年の予想レンジは 45~65 ドル、1-3 月期の期末値は 53 ドルとの予想を継続する。 米国原油推定需要 ロシ ア 原油生産量 (千バレル/日) 11,400 (千バレル/日) 11,300 18,000 11,200 17,500 11,100 17,000 11,000 2017年 10,900 2016年 10,800 過去3年平均 10,700 過去3年最少 16,500 2013年 16,000 2014年 15,500 10,600 10,500 10,400 15,000 2015年 14,500 2016年 14,000 2017年 13,500 10,300 1 2 3 4 5 6 7 1 9 10 11 12 出所: ブ ルームバーグのデータよりみずほ証券作成 (月) 8 (週次:2015/1/6~2017/3/3) 買残-売残(左目盛) 60 50 WTI原油先物(右目盛) 55 ▲ 40 30 35 ▲ 50 25 30 20 25 15 9 10 11 12 (月) (週次:2015/1/6~2017/3/3) (ドル=バレル) 120 110 70 60 50 40 ▲ 60 買残-売残(左目盛) WTI原油先物(右目盛) ▲ 70 15/1 15/7 16/1 16/7 (注) CFTC商業部門建玉は2/28現在 出所:ブルームバーグのデータ よりみ ずほ 証券作 成 20 (注) CFTC非商業部門建玉は2/28現在 出所:ブルームバーグのデータ よりみ ずほ 証券作 成 8 80 40 16/10 7 ▲ 30 35 16/7 6 90 45 16/4 5 100 40 16/1 4 ▲ 20 50 15/10 3 ▲ 10 45 15/7 3 C FT C商業筋建玉とWTI原油先物価格 (万枚) 0 (1バレル=ドル) 65 55 15/4 2 出所:ブ ルームバーグのデータよりみずほ証券作成 C FT C非商業筋建玉とWTI原油先物価格 (万枚) 60 15/1 (週次:2013/1/4~2017/2/24) 17/1 (年/月) 30 20 17/1 (年/月) この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 22 2017/3/7 マーケット・フォーカス ■ エネルギー関連統計 日付 3月7日 3月7日 3月7日 3月7日 3月7日 3月8日 3月8日 3月8日 3月8日 3月8日 3月8日 3月8日 3月8日 3月10日 3月10日 3月10日 ■ 国・地域 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 イベント 短期見通し 原油(ドル/バレル) 短期見通し 自動車用ガソリン(ドル/ガロン) 短期見通し ディーゼル(ドル/ガロン) 短期見通し ヒーティングオイル(ドル/ガロン) 短期見通し 天然ガス(ドル/千立方フィート) 米国原油在庫(前週比・千バレル) オクラホマ州クッシング原油在庫(前週比・千バレル) 米国ガソリン在庫(前週比・千バレル) 米国中間留分在庫(前週比・千バレル) 米国製油所稼働率(前週比) 米国原油推定需要(千バレル/日) 米国ガソリン推定需要(千バレル/日) 米国留出燃料推定需要(千バレル/日) ベーカー・ヒューズ掘削リグ稼働数 ベーカー・ヒューズ米国ガス・ロータリーリグ稼働数 ベーカー・ヒューズ米国石油ロータリーリグ稼働数 期間 3月 3月 3月 3月 3月 3月3日 3月3日 3月3日 3月3日 3月3日 3月3日 3月3日 3月3日 3月10日 3月10日 3月10日 前回 期間 1月 3月3日 2月 16年10-12月期速報 16年10-12月期速報 1月速報 1月 2月 2月 2月 2月 3月4日 2月25日 16年10-12月期 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 2月 前回 56.18 2.44 2.85 2.75 11.37 1,501 495 ▲546 ▲925 1.7% 16,407 9,577 5,097 756 146 609 今週の経済指標 日付 3月7日 3月8日 3月8日 3月8日 3月8日 3月8日 3月8日 3月9日 3月9日 3月9日 3月9日 3月9日 3月9日 3月9日 3月10日 3月10日 3月10日 3月10日 3月10日 3月10日 3月10日 3月10日 3月10日 国・地域 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 イベント 消費者信用残高(億ドル) MBA住宅ローン申請指数 ADP雇用統計 非農業部門労働生産性 単位労働費用 卸売在庫(前月比) 卸売売上高(前月比) チャレンジャー人員削減数(前年比) 輸入物価指数(前月比) 輸入物価指数(除石油前月比) 輸入物価指数(前年比) 新規失業保険申請件数 失業保険継続受給者数 家計純資産変化(億ドル) 非農業部門雇用者数変化(前月比) 民間部門雇用者数変化(前月比) 製造業雇用者数変化(前月比) 失業率 平均時給(前月比) 平均時給(前年比) 週平均労働時間(全従業員) 労働参加率 不完全雇用率 141.6 5.8% 246,000 1.3% 1.7% ▲0.1% 2.6% ▲38.8% 0.4% 0.0% 3.7% 223,000 2,066,000 15,930 227,000 237,000 5,000 4.8% 0.1% 2.5% 34.4 62.9% 9.4% (注)記載事項はすべて「予定」ないし「見込み」であり、予告なく変更されることがあります。海外イベントおよび経済指標は現地日程で掲載しています 出所:ブルームバーグのデータよりみず証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 33 2017/3/7 金融商品取引法に係る重要事項 マーケット・フォーカス ■国内株式のリスク リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化 等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。 ■国内株式の手数料等諸費用について ○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料 をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税 込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。 ○保護預かり口座管理料は無料です。 ■外国株式のリスク ○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含 む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込 むことがあり、損失を被ることがあります。 ○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与 えることがあります。 ○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が 当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。 ○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売 却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市 場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。 ○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商 品取引法に基づいた発行者開示は行われていません。 ■外国株式の手数料等諸費用について ○外国委託取引 国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および 諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。 詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金 に対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、 約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。 ○国内店頭(仕切り)取引 お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別 途手数料および諸費用はかかりません。 ○国内委託取引 当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託 手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○外国証券取引口座 外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券 取引口座管理料は無料です。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決 定した為替レートによるものとします。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または お客さま向け資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-170307-08 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 44
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