下水道浸水対策ポータルサイト 「アメッジ」

下水道浸水対策ポータルサイト
「アメッジ」の紹介
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背 景
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「アメッジ」とは…
近年,局地的大雨が増加する一方,降雨観測やシミ
アメッジは,「浸水対策ナレッジ(知の共有)」を親
ュレーション等の技術も向上しており,浸水対策には
しみやすく略した造語であり,表1に示す内容で構成
高度かつ最新の専門知識が必要となります。その一方
されています。ここでは,各コンテンツの内容につい
で,地方公共団体の職員は減少傾向にあり,技術の継
て紹介します。
承が困難なうえ,維持管理業務量の増加等により研修
期間が確保できないなど,技能の習得が困難な状況に
あります。また,ハード対策のみで浸水対策を進めて
表 1 下水道浸水対策ポータルサイトの構成
項目
内容
備考
行政情報
(法制度)
事業制度,補助制度,国のビジョ
ン・計画などを紹介
統計情報
気象データベースや浸水データベー
スを紹介
技術・論文情報
論文等の紹介や浸水対策関連機器・
装置の紹介
技能を習得するとともに,浸水対策推進のニーズに応
研修等情報
じた浸水対策に関する情報(雨量や水位,各都市の取
最新イベント,セミナー,都道府県
勉強会,雨道場等の情報を紹介
人材紹介
研修講師や雨の鉄人の紹介等
交流の場
浸水対策に携わる職員の疑問や質問
登録が必要
等の情報交換の場
担当者's VOICE
先進都市における雨水対策の事例を
紹介
いくことは,地方公共団体の財政状況や人員,期間等
の面で限界があると考えらます。
このような問題点を解決するため,地方公共団体の
職員が職場に居ながら浸水対策に係る情報を入手して
組の好事例など)を配信するなどソフト対策をさらに
促進するため,下水道浸水対策ポータルサイト「アメ
ッジ」を作成し,平成28年度より試行版として運用し
登録が必要
ています。
2.1 「行政情報(法制度)」
「行政情報(法制度)」では,水防法改正や下水道法
改正,7つのガイドライン等の解説や浸水対策に関す
る補助事業制度などを確認できます。また,水防法や
下水道法改正の背景やポイントについて,国土交通省
へのインタビュー記事を掲載しており,7つのガイド
ラインについては,平成28年6月~8月にかけて開催
図1 アメッジのトップページ
図2 7つのガイドライン類説明会の様子
24 —— 下水道機構情報
Vol.11 No.24
した全国10ブロックでの説明会のうち,東北会場での
どについて各地方公共団体の事例を掲載しており,浸
説明会の動画をアップしています。
水対策を進めようと考えている地方公共団体の参考と
なるように記事をとりまとめています。
2.2 「統計情報」
統計情報では,気象庁の降雨量データに基づいた各
気象台の降雨グラフや水害統計調査結果に基づいた各
データを確認することができます。
図5 掲載記事の例
2.6 「交流の場」
普段,交流することが少ない国や地方公共団体の職
図3 気象データベースの表示例
員が自由に意見を交換できる場として,「交流の場」
を開設しました。浸水対策についての質問や疑問点を
2.3 「研修等情報」
投稿して頂き,その内容について自由に意見を述べて
雨道場や日本下水道事業団,日本下水道協会,日本
頂く形式となっています。
下水道新技術機構に関するセミナー・研修情報を掲載
しています。
また,浸水対策に関するセミナーの説明会動画につ
いても配信しております。
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今後の展開
今回,情報基盤を構築するなかで,管理・運用を行
っていくうえでの課題が見えてきました。
一つは,本サイトの設置目的は,地方公共団体職員
が望んでいるものと合致しているものの,各コンテン
ツが製作者側の判断により作成されたものであり,本
来のユーザー(地方公共団体職員)が実際に望んでいる
ものとなっているか立証が得られていないことです。
図4 セミナーにおける説明会の様子
二つ目としては,ユーザーに常に求められる継続的
な運用を図っていくためには,その管理が必要となっ
2.4 「人材紹介」
てきます。そのため,本サイトの運用は,当面半年か
浸水対策に関する勉強会や講習会などの講師に困っ
ら1年間試行運用を行い,ユーザーのニーズを把握
た場合は「人材紹介」をご確認下さい。浸水対策の講師
し,ユーザーが求めるコンテンツ修正を検討・調整し
の業務経歴や得意分野などを一覧で紹介しています。
たうえで,本格運用を行っていきたいと考えていま
す。皆さまにも利用頂きご意見を伺えればと思いま
2.5 「担当者’
s VOICE」
す。インターネットで「アメッジ」と検索し,ぜひご
浸水対策事業を実施するに至った背景やその方針な
覧下さい。
下水道機構情報 Vol.11 No.24 ——
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