新研究テーマの 紹介 嫌気性消化法の導入マニュアル 策定に関する共同研究 資源循環研究部 研究員 大月 紳司 研究の背景 ①嫌気性消化法導入の考え方の整理 ②嫌気性消化法の計画・設計・維持管理手法の整理 ③嫌気性消化法の改築更新における留意事項の整理 下水汚泥は,質・量ともに安定したバイオマス資源 であり,嫌気性消化法により得られる消化ガスはカー ボンニュートラルなクリーンエネルギーであるととも に,嫌気性消化により,汚泥の減量化と質の安定化, また,衛生面の安全性が得られる。従来,中小規模 (概ね流入下水量20,000m3/日以下)の下水処理場にお ④実下水処理場におけるケーススタディ(飯能市,氷 見市) ⑤仮想下水処理場におけるケーススタディ まとめ いては,嫌気性消化法の導入が困難とされていた。し 現 状 に お い て, ケ ー ス ス タ デ ィ よ り 流 入下水量 かしながら,鋼板製消化タンクや小規模に対応した消 8,500~20,000m3/日の下水処理場において,導入可能 化ガス発電設備の開発により,中小規模の下水処理場 性(B/C)を検討・整理した。今後は上記研究内容を においても嫌気性消化法の導入可能性が高まってい 整理し,マニュアルとして取りまとめる予定である。 る。 本共同研究は,飯能市,氷見市,㈱NJS,㈱大原鉄 工所,オリジナル設計㈱,JFEエンジニアリング㈱, 研究の目的 ㈱神鋼環境ソリューション,住友重機械エンバイロメ ント㈱,㈱中央設計技術研究所,㈱東芝,中日本建設 中小規模の下水処理場における嫌気性消化法の円滑 コンサルタント㈱,㈱ニュージェック,㈱松本鉄工 な導入を目的として,嫌気性消化法の概要,技術的事 所,と(公財)日本下水道新技術機構による管理者参 項や留意事項を解説するとともに,導入の参考となる 加型の共同研究である。 ケーススタディを整理する。 研究の内容 本共同研究では,概ね日平均汚水処理量20,000m3/ 日以下の下水処理場における嫌気性消化法の導入を想 定し,以下の内容について検討・整理を行う。 下水道機構情報 Vol.11 No.24 —— 27
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