地域団体商標とは(PDF:0.38MB)

第1章
地域団体商標とは
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Ⅰ.地域団体商標とは
地域団体商標として登録できるのは、
以下の3パターンの文字のみ(図形等含まない)からなる商標です。
地域の
名称
商品(サービス)
の普通名称
+
例)○○りんご、○○味噌
地域の
名称
※○○は地域の名称
商品(サービス)
の慣用名称
+
例)○○焼、○○温泉
地域の
名称
商品(サービス)
の普通名称
+
OR
商品(サービス)
の慣用名称
+
産地等を表示す
る際に付される
文字として慣用
されている文字
例)○○産みかん、本場○○織
※地域の名称には、
現在の行政区画名ばかりでなく旧地名、旧国名、河川名、山岳名、海域名なども含まれます。
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Ⅰ.地域団体商標とは
第1章
Ⅰ.地域団体商標とは
地域団体商標が登録となるためのポイントは以下のとおりです。
地域に根ざした団体の出願であること
①事業協同組合等の特別の法律により設立された組合
ア)法人格を有する
イ)当該特別の法律に構成員資格者の加入の自由が担保されている
例)農業協同組合、漁業協同組合 など
②商工会
③商工会議所
④ NPO 法人
⑤これらに相当する外国の法人
その団体の構成員に使用させる商標であること
組合であれば組合員に使用させる等
地域名称と商品(サービス)に関連性があること
「地域の名称」が商品の生産地に該当する等
一定の地理的範囲である程度有名であること
出願団体又はその構成員の使用により、これらの者の商標として一定の地域で、
需要者(最終消費者又は取引事業者)に知られていることが客観的事実によって
証明できる。
例)生産販売数量、当該商標を使用した販売活動の実績等客観的に把握できる
資料等
※商品又はサービスの種類、取引形態等の個別事情を考慮して判断されます。
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法的効果
不正使用の防護策(独占・排除)
他者が不正に地域団体商標である名称を商標権の範囲に類似する範囲で使用し
ていた、又は使用する恐れがある場合、民事・刑事の両面から対抗することが
できます。
例)・不正に商標を使用した店舗の開店の未然防止
・商標(名称)の不正使用の減少
・類似品・模倣品(サービス)への権利主張
ライセンス契約
商標権(財産権)は、 他社に商標の使用を許諾することができ、 これにより
ビジネスの幅が拡がります。
例)・大手飲食料品メーカーとライセンス契約締結
・食堂における麺類の提供について企業とライセンス契約締結
差別化効果
取引信用度・商品・サービス訴求力の増大
その名称が、商標権で保護されていることで、取引の際の信用力増加、また、
国にお墨付きをもらった商標という点をアピールすることで商品・サービスの
訴求力の増大につながります。
例)・大手企業や官公庁とのタイアップ条件として商標権の取得
・権利取得をきっかけに県内の学校給食に採用
・権利取得後は、権利取得以前より売り上げが 15%増
その他の効果
組織強化・ブランドに対する自負の形成
商標をその団体で独占的に使用することにより、組合員の増加や、ブランドに
対する自負が形成されます。
例)・権利取得後の組合員の増加
・より安心・安全な商品生産に対する組合員の意識変化
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Ⅰ.地域団体商標とは
地域団体商標を取得するメリットは以下のとおりです。
Ⅰ.地域団体商標とは
商標権を取得する流れは以下のとおりです。
出 願
特許庁に「地域団体商標登録願」と、
必要な書類を申請すると共に、出願料金を納付します。
審 査
特許庁で、出願内容の審査を受けます。
※審査時、登録要件を満たさない場合は、「拒絶理由通知」が
送付されるため、それに対して応答する必要があります。
査 定
登録査定 拒絶査定
登録料納付
登録査定になった案件については、特許庁へ登録に必要な金額を納付します。
権利発生
登録番号が設定され、商標登録証が発行されます。
更 新
商標権の有効期間は 10 年ですが、何度でも権利を更新することができます。
より詳細な制度・手続については、
特許庁 HP をご覧下さい。
特許庁 地域団体商標
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