別記様式第3号 別添 産地水産業強化支援事業 事後評価報告書 策定年度: 平成 28 年度 産地名:宮崎県串間市 産地協議会名:宮崎県串間市東地区産地協議会 1 2 1 産地協議会 代表者名 串間市長 野辺 修光 協議会の構成員 串間市東漁業協同組合、串間市、受益漁業者代表 オブザーバー 宮崎県 対象となる産地水産業の種類 磯建網漁業 2 産地水産業の強化方針 (2)産地水産業の強化方針 所得の向上 地先資源の増大 6次産業化 漁村の魅力向上 ※強化方針について、いずれか1つを選択し、○をつけること。 (3)産地水産業の強化方針の詳細 串間市東漁協管内では、イセエビの漁獲量の減少が問題となっており、併せて漁業従事者の高齢化が進み遠方の漁場への出漁が困難となっ てきていることが、漁獲量の減少に拍車をかけている。また、つきいそ設置が有効的な手段であると考えられるが、市単独で本事業に取り組 むことは、効果を得るために十分な事業の実施は困難であると考えられた。 そこで、つきいそ設置のハード事業と、資源調査、視察等のソフト事業を組み合わせることにより、効果をより一層顕著なものに出来るもの と考え、つきいその設置を行い、先進地視察や効果調査などを行った。 3 協議会の取組 産地水産業強化支援事業(ソフト事業)の取組 本事業の推進 (要領Ⅱ-第4-1- (1)-ア) 調査・調整活動の実施 新たなマーケットの開拓 実践的知識・技術の取得 (要領Ⅱ第4-1-(1) (要領Ⅱ第4-1-(1) (要領Ⅱ第4-1-(1) -イ) -ウ) -エ) ※事業の内容について、該当する取組に○をつけること。 施設整備支援事業(ハード事業)の取組 つきいそ ※要綱別表2-1、2-2、2-3、2-4に掲げる施設名を記載すること。 4 成果目標の達成状況 (1)産地水産業の現状と目標 成果目標 (地先資源の資源量増大 3%以上) 基準年 平成23年度 : 地先資源量(イセエビ) 4,445 kg 目標年 平成27年度 : 地先資源量(イセエビ) 4,614 kg 増加量 169 kg 増加率 3.80 % ・・・① (2)上記現状値の算出方法 直近で実績値が整理されている平成21年度の漁獲量(4,878㎏)に、過去4年間の増減率の平均値(8.87%)を乗じた値を基準年の地先資源量(4,445㎏)に設定し、平成14年に設置したつきいそ(1,470空 ㎥)の水揚げ量から算出した5年間の平均(平成17年~21年:172㎏)より空㎥値の生産量(0.12㎏/空㎥)に今 回設置予定のつきいその投石量(1,412空㎥)を乗じた値を増加量(169㎏)に設定し、基準年の地先資源量 (4,445㎏)に増加量(169㎏)を加えた値を目標年の地先資源量(4,614㎏)とし、目標年の地先資源量を基準 年の地先資源量で除した値より1を減じた値(3.8%)を増加率と設定した。 ※算出の根拠及びその方法について詳細に記載し、必要があれば資料を添付すること。 (3)成果目標値の達成状況 基準年 平成23年度: イセエビ資源量 4,445 kg 基準値との比率 成果目標の達成状況 (地先資源の資源量増大 3%以上) 1年目 平成23年度: イセエビ生産量 3,785 kg 禁漁期間 2年目 平成24年度: イセエビ生産量 5,174 kg 禁漁期間 3年目 平成25年度: イセエビ生産量 2,670 kg 60.07 % 4年目 平成26年度: イセエビ生産量 2,512 kg 56.51 % 5年目 平成27年度: イセエビ生産量 3,571 kg 80.30 % イセエビの増加量 △874 kg 増加率 3 △19.7 % 4 (2)上記実績値の算出方法 平成23年度の基準年の資源量を東漁協の全体水揚量で設定しているため、平成27度の生産量も東漁 協全体の水揚量にしている。 ※算出の根拠及びその方法について詳細に記載し、必要があれば資料を添付すること。 (千円) (3)ソフト事業の事業費の実績額(3年間) 1年目(平成23年度) 2年目(平成24年度) 3年目(平成25年度) 15 625 131 771 7 312 65 384 事業費 必要となる国費 1年目(平成23年度) 必要となる国費 ・・・② (千円) (4)ハード事業の事業費の実績額 事業費 合 計 2年目(平成24年度) 3年目(平成25年度) 合 計 30,000 0 0 30,000 15,000 0 0 15,000 ・・・③ ※複数年事業とする場合は、「複数年事業として○年目~○年目にかけて施設整備を実施する予定。」と欄外に記載すること。 (千円) (5)事業費の合計 1年目(平成23年度) 事業費(②+③) 30,015 2年目(平成24年度) 625 3年目(平成25年度) 131 合 計 30,771 ・・・④ 5 産地水産業強化計画の取組に対する事後評価 (1)取組の総合評価 平成23年度と平成24年度は禁漁期間を設け、今回設置したつきいそでの漁は行われていない。平成25年度の9月から 解禁となったが、25年度においては度重なる台風により当漁協管内は概要であるため、出漁できず、全体的な漁獲量は大幅 に例年を下回った。しかし、今回設置したつきいそは、漁港の地先に設置した為、漁場が近く台風の合間を見て、漁を行うこ とができた。漁獲量についても、つきいそごとの漁獲量は、十分効果があったものと思われる。次に先進地視察及び講習会に おいては、イセエビを使った料理教室など、観光客等に料理体験をお行っている取組について研修を行った。六次化も含めた 取り組みを今後は進める必要があると感じた。 都井漁港地先(105.8kg)、大納漁港地先(178.8kg)、市木漁港地先(183.1kg) ※必要があれば表などの資料を添付すること。 6 産地水産業強化支援事業(ソフト事業)の事後評価 (1)調査・調整活動の実施の方針及び体制 つきいその効果、状況の確認・分析を行うために、建網を設置し、個体数、成長状況、生育環境の状態等の調査を行った。 (2)新たなマーケットの開拓の方針及び体制 該当なし (3)実践的知識・技術の取得の方針及び体制 イセエビの資源増大のための手法を取り入れている先進地を視察し、つきいそ設置の効果がより一層発揮できるように建網の作成方法の違 いや設置するつきいそに穴をあけ、稚エビの住処を作成するなどの取り組みを視察した。 地先資源増大のために、学識経験者、各種研究機関の講師の話しを聞いて、イセエビの生態、環境に関する講習会を開催し調査・研究に役 立てる取組をおこなった。宮崎での研修では、付加価値をつけるための加工などを研修し、協議会員の知識の向上が図られた。 今回、視察をつきいその設置後に行ったため、稚エビの住処の作成ができなかった。また、付加価値を付けるための取組ができなかった が、漁業者は、漁に出るのが精いっぱいで、加工までできなかった。 5 6 6 施設整備支援事業(ハード事業)の事後評価 (1)施設整備の成果 つきいそ施設を整備したことによる産地水産業強化の効果 つきいその設置によりイセエビの住処を整備することで、地先水産資源の増大を図った。また、地先水産資源環境を整備することで、漁 業者の経営負担軽減につながり、産地水産業強化が図られた。 (2)整備した施設の利用状況 施設名 つきいそ 目的 整備年 つきいそを整備することによ 平成23 り、地先資源(イセエビ)の増 年度 加を図る。 処分制 限期間 30 計画に対する利用実績 (実施期間5年) 平成23年度 0日、平成24年度 0日 1462空㎥×3 平成25年度257日、平成26年度170日 平成27年度171日 規模、能力 備考 7 今後について 漁業者の高齢化、燃油の価格変動や魚価安により、水産業は非常に厳しい状況であり、燃油の使用が比較的少ない漁港地先の資源を適 度に管理し、操業を行っていく必要がある。特にイセエビは、他の魚種に比べ、kg単価が高く、建網で漁獲するため気象条件の良い時 に、1回の操業でたくさん漁獲する可能性があり、その年の気象条件により、その年の漁獲量が大きく左右される。また、県の資源管理 委員会において、資源量の水準が低位で、資源量の動向は横ばいとの評価結果になっているので、資源を増やす藻場造成等の取り組み や、操業期間中も禁漁日を設けるなど資源管理を行っていく必要がある。また、イセエビの六次化も含めた取組を今後は進める必要があ る。
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