第12回原子力安全検証委員会 議事速報 「高浜発電所2号機クレーン倒壊の原因と対策ならびに安全管理の徹底に向けた 対応」 、および「高浜発電所2号機クレーン倒壊に係る安全文化の評価の視点からの検 討」について報告し、審議。主なご意見等は以下の通り。 ○リスクの感受性について、原子力安全に関しては安全対策を取られてきたが、原 子力安全の周辺のことに関しての感受性も大切ではないかと思う。また、発電所 内では、今までにはなかった土木工事が年々増えてきており、それに対するリス クについて、一般の方がどのように思っているかに十分留意しながら、その感受 性を磨く文化を作っていくことも大事ではないか。(渡邉委員長) ○プラントウォークダウンの目的は、いろいろな視点で現場を見てプラントの予期 しない脆弱性を見つけることである。これから、新検査制度になってオンライン メンテナンスを実施するとか、普通の状態でないような状態で運転することも当 然出てくる。そういう中で、プラントウォークダウンは重要であるので、本質的 な目的を是非もう一度周知していただきたい。また、プラントウォークダウンに 当たっては、どういう観点で実施するのか等、目的意識を明確にして行うことが 必要である。(山口副委員長) ○リスク評価では、非安全系の設備であっても安全系の設備に二次的に影響を及ぼ すものがあり、それを徹底的に挙げていくことが重要である。それには現場で安 全系の設備の近くに非安全系の設備のものがあるのかということを見ることが必 要であり、プラントウォークダウンや現場の人達が関わっていくことが重要とな ってくるので、教育の中に入れていただきたい。(山口副委員長) ○再発防止対策でがんじがらめにすると現場の人が大変になる一方で、そこを工夫 しないとついていけなくなる。また、問いかける姿勢という安全文化の本質が見 られなくなる心配も出てくるので、チェック・アンド・レビューで、現場での再 発防止対策を安全管理、安全文化の二つの観点で適正化して、効果のある対策を しっかりと定着させていくことが重要だと思う。(山口副委員長) ○強風を想定したリスク評価をしていなかったことは、過去に発生していない事象 に対して想像力が働いていないことであり、東京電力福島第一事故の反省がいか されていない部分があるのではないか。(安部委員) ○東京電力福島第一事故以降にリスクを評価し、原子炉安全に対する対策を取られ てきたが、周辺に対する目配りが取られていなかったのではないか。そういった 意味で、東京電力福島第一事故以降、取組んでこられた安全文化について、ま だ、改善すべき余地があるのではないか。例えば、協力会社との情報共有など、 見直す必要があるのではないか。(安部委員) ○現場で起きていることについてタイムリーにデータを取り、IT等を利用して分 析し、有用に情報を現場にフィードバックするようなシステムを作る等の検討を 要望する。(岩崎委員) ○クレーンの方向・姿勢により風による影響が違うということが、技術の専門家か ら述べられており、技術的な知見からデータの有効解析にもとづく対策を抽出す べきである。単にクレーンをたたむという対策では、今回の事故原因の解析を明 確にしたとはいえない。(岩崎委員) 以 上
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