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NTT グループの最新ソリューションマップ
NTT インフラネット
Infrastructure ICT Innovation Platform(製品名:トリプル IP)
ICT 技術による
空間マネジメント業務の効率化
NTT インフラネットでは、
基盤系電気通信設備のメンテナンスのノウハウと ICT 技術を融合し、
次世代の所外系電気通信設備データベース(以下、DB)と、それら周辺環境全般のビッグデータを管理・可視化、
DB の効率的な維持更新を通じて、
空間マネジメント業務の効率化を図るため、
トリプル IP をはじめとする、さまざまな関連ソリューションの技術開発および実用化を進めています。
空間マネジメントのトータルプラットフォーム
トリプル IP(Infrastructure ICT Innovation
Platform)の構築
情報だけではなく、官公庁や地方自治体等が公開するハザ
ード情報、道路、河川に関する情報等を容易に取り込むこ
とができます。
次に、設備に関する情報については、設備を特定する設
NTT インフラネットでは、NTT グループの基盤系電気通
備名・設備番号をキー項目として、複数の管理 DB の情報を
信設備の構築、メンテナンス業務を実施するにあたり、GIS
仮想的に一元管理することができるようにしています。地
(地理情報システム)技術、MMS(モービルマッピングシス
図上の配置による空間検索と DB 上のデータ検索、あるいは
テム)技術、3 次元 DB 技術等を融合したプラットフォーム、
それらの組み合わせによってさまざまな条件検索を容易に
トリプル IP を構築しています。
できるようになっていることから、複合的な検討が可能と
トリプル IP の GIS 技術においては、OSS(オープンソー
スソフトウェア)を活用して、面的に広がる基盤系電気通
なり、業務の質的向上と効率化を実現しています(図 1 参照)
。
して管理しています。トリプル IP では、電子地図として全
道路周辺の所外系電気通信設備を
高精度かつ効率的に測量するMMSの実用化
国規模で位置精度の安定している「Geospace」
(NTT 空間
さらに、トリプル IP において、レーザースキャナーを搭
情報株式会社)を利用しています。また、自社で管理する
載した市中の MMS 技術に対し、カメラのみでも 3 次元測量
信設備の設備管理情報や設備点検情報等を電子地図に重畳
できる方式を搭載した MMS により計測・
設備データ点検・補修
リアルタイムデータ/道路・河川公開情報など
MMS画面で
高精度測量
収集した道路周辺の画像データを統合的
に管理、可視化することで、設備構築、
メンテナンス業務の更なる効率化を可能
としています。
背景地図:Geospace
Copyright©NTT空間情報
空間マネジメントの
トータルプラットフォーム
トリプルIP
ロードエスパー
路面下調査
(アイレック技建㈱ 技術)
ケーブルエクスプローラー
地下設備詳細高精度探査
図 1 各種測量技術等による DB 化
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柱・ケーブルを含む所外系電気通信設備
のほとんどは道路周辺に存在していま
Infrastructure ITC Innovation Platform
ジオショット3D
高精度3次元測量
マンホール・管路等の土木系設備や電
す。この中で土木系設備の位置管理情報
は高精度の設備図面(平面図、横断図、
縦断図)として管理されていますが、大
部分はアナログ情報(画像情報)として
管理されているのが現状です。これら設
備図面の維持更新は、基盤系設備工事の
発生時のみならず、大半は道路工事によ
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NTT インフラネット/トリプル IP
る道路形状の変化等の道路周辺情報の変化に
起因するものであり、繰り返し発生する道路
周辺情報の変化に設備図面をすべて維持更新
長距離および
日々計測のための
することは極めて困難な状況でした。
独自発想
この課題を解決するため、道路周辺情報の
測量・収集を大幅に効率化するための ICT 技
術として MMS の開発を行いました。NTT イ
ンフラネットにおける MMS 開発の狙いは、
レーザースキャナーを搭載した市中の MMS
の測量精度を維持しつつ運用コストを大幅に
引き下げ、実用レベルに到達させることでし
通常版MMS
普及版MMS
(初期走行用)
(メンテナンス走行用)
国内のMMSの中で唯一、
カメラのみでも
3次元測量ができるため、データ後処理を
大幅に簡素化
(目標:測量コストを約1/10に低減)
一般のMMSに搭載されている高額機材を
搭載しないが、3次元測量の精度は維持
(目標:導入コストを約1/10に低減)
<特徴>
<特徴>
図 2 開発した MMS 車両のラインナップ
た。具体的には、3次元測量として写真測量
を採用したことにより、測量分解能の大幅な向上および走
た。それにより従来の GIS で管理していた DB が高精度化し、
行後のデータ処理の高速化による低価格化を実現し、現場
さらには従来アナログ情報(画像情報)として管理されてい
に導入しました。さらに、継続的に道路周辺の画像データ
た設備図面(平面図、横断図、縦断図)の ALL デジタル化が
を維持更新するため、測量精度を維持しつつ導入コストを
視野に入り、この DB から各図面が任意の箇所で随時自動生
市中の MMS の 1/10 程度とするメンテナンス走行用 MMS
成できる次世代の DB 運用が期待できることとなりました。
車両も開発しました(図 2 参照)
。
MMS で収集したデータ(3 次元映像・道路オルソ画像等)
インフラ設備 DB の高精度3次元情報の管理を
目指すために実現した技術開発
を十分に活用するためには、トリプル IP 側にも市中の GIS
で実現していないレベルアップしたデータ運用のソリュー
ションが必要になります。具体的には、DB での位置情報管
MMS で収集した道路周辺の画像データは、トリプル IP
理をデータに合わせて 2 次元座標から 3 次元座標化したこ
上で管理できるようにし、所外系電気通信設備と一元管理
と。つぎに、一般的には 1/2,500 電子地図を凡そ 1/250 程
により、業務効率化に大きく寄与しています(図 3、4 参照)。
度の縮尺まで拡大して使用していますが、設備図面の情報
従来の設備位置情報は緯度経度の 2 次元管理でしたが、
を管理するために 1/50 縮尺精度以上の大縮尺道路図のハン
MMS の測量結果により位置精度の絶対座標化と標高(地盤
ドリングを可能としたこと(図 5 参照)。また、専用ソフト
高)データを加えた 3 次元座標化を実現することができまし
搭載の高性能端末に代わり、汎用 OA 端末(シンクラ端末を
・正確な位置を示すMMSデータを地図上に移動軌跡として表示
・MMS映像は高圧縮で快適動作、画像拡大時に低圧縮で快適動作
AAA焼肉
■鉄蓋点検のスクリーニング
スクリーニングの結果で
詳細点検2段階対応
現地を
走行撮影
■マンホール位置補正
DB内のマンホール座標位置を修正
スクリーニング
修正前の座標位置
AAA焼肉
●
MMS走行軌跡
BBB衣料品
補修
詳細調査
修正後の座標位置
(1/500精度以上)
拡大画像
Copyright©NTT空間情報
MMS映像
走行軌跡
図 3 MMS 画像と走行軌跡
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設備点検の大幅な効率化
設備データの高精度化
図 4 MMS による空間マネジメントの事例
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一方、架空設備(電柱・ケーブル)についても、道路周辺
スケールアウト
にある設備に関しては、MMS 収集データに基づいて電柱設
(市区町村範囲表示)
備座標を補正することができます。これにより電柱間距離を
拡大
(住宅地図1/2,500相当表示)
さらに拡大
(超大縮尺道路地図1/50以上表示)
精度よく計測することができ、設計精度が向上します。また、
3 次元映像内では、
ケーブルや引き込み線等の地上高計測(路
面からケーブルまで垂直に計測)等の 3 次元ならではのオペ
レーション計測を行うことができます(図 6 参照)
。
デジタルカメラによる高精度3次元測量の実現
背景地図:Geospace
Copyright©NTT空間情報
図 5 GIS にて超大縮尺の道路図を運用
屋外の現場でデジタルカメラによる撮影のシーンは多数
あります。例えば、施工現場、設備点検、立会現場など刻々
と変化する現場を撮影する機会は日常的にあります。NTT
含む)での運用を実現したことです。
高精度3次元設備 DB の新たな活用領域
(3次元図面生成、3次元測量応用例:地上高計測)
設備図面をトリプル IP で管理するにあたり、MMS で収
集したデータ(3 次元映像・道路オルソ画像)により対象と
なる基盤設備の座標を補正します。平面図は 2 次元座標で
インフラネットにおける埋設物の探査を例にとると、埋設
部の道路境界からの埋設位置を道路路面にマーキングした
印までの垂直オフセット(距離)を巻尺で計測します。測
点を 10 m毎に計測するため数キロ探査では数百回の計測に
なっていました。
このように現場での写真撮影だけで測量ができればという
すので、設備位置および形状を絶対座標化(緯度経度化)
発想から、市販のデジタルカメラを用いた高精度3次元測量
した平面図からトレースすることで DB 化を図ります。横断
の機材(図 7 参照)と測量ソフトウェア(商品名:ジオシ
図・縦断図については、埋設深度と道路境界からの位置情
ョット 3D)を開発しました。2 台のデジタルカメラを固定
報を前述の基盤設備に数値化して付与することで DB 化を図
する治具とカメラのレンズ歪補正が測量の精度を左右しま
ります。数値化した横断図・縦断図の情報を活用するために、
す。カメラメーカーとの協力により市販のデジタルカメラの
基盤設備の任意の個所で、横断・縦断図面を自動生成する
レンズ歪補正に挑戦し、高額製品である工業用カメラに準じ
機能を設けました。これにより、渉外業務や立ち合い業務
る精密な 3 次元測量を実現しました。
において、基盤設備の埋設位置確認が容易に実施できるよ
測量分野での写真測量は一般的な技術ですが、測量機材は
高額で、撮影後に図化する機材も専門的な熟練が必要でした。
うになります。
ケーブル地上高計測例
マンホール周辺測量例
設計業務の効率化に向けて
現地に行かないバーチャル設計への検証を開始
図 6 MMS による 3 次元計測量例
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図 7 ジオショット 3D 機材
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本製品は、デジタルカメラで撮影し、
時間を要さずに 3 次元測量できるの
道路からの距離
が特徴の一つです。また、巻尺計測
との使い勝手の違いとしては、足場
2.94m
がないところ、手が届かないところ
1.27m
(図 8 左側参照)
、現場の基点が時間
埋設位置(杭)
とともになくなるところ(図 8 右側
参照)
、高圧電気設備のように接触
足場のない箇所の計測例
埋設位置計測例
(車道境界から杭までの垂直計測)
できないものなどを計測できる点に
図 8 計測例
あります。現場で長時間測量する必
要がなく測量対象物を撮影するだけです。現場での測量忘れ
からの垂線の距離を計測した事例を示します(図 9 右側参
も発生しませんし、刻々と変化する現場を 3 次元データと
照)
。
して保存することで、現場に行かずに再測量が可能になりま
す。撮影したのみの画像から 3 次元座標点群を数秒で生成
します(図 9 左側参照)
。写真の映像内が 3 次元空間になっ
情報通信インフラと社会インフラの高度化への挑戦
ているので、計測したい位置を指定すると距離や面積の計測
NTT インフラネットは、ICT 技術で NTT グループ基盤系
が可能となります。3 次元測量の事例として、画面内の三角
電気通信設備の高度化を図りながら「安心・安全・快適」
形(緑色)を仮想の面として、その面に対して梁の点(赤色)
な社会づくりに貢献したいと考えています。
ここに紹介した ICT 技術は、NTT グループと同様の社会
インフラを有する事業者様や地方自治体様の業務効率化に
貢献できるものです。
Y軸方向
3次元座標点群サンプル
また、自社開発のみに囚われることなく、優れた技術を
有する方々とのコラボレーションにも挑戦していきます。
Z軸方向
X軸方向
3次元測量
(面と点の垂直計測)
例
私達が推し進める地理情報システムと 3 次元測量技術の融
合は、日々、変化し続ける膨大な量のインフラ設備の経年
的変化を低コストで捉えつつ、その情報を効率的に設備管
理業務へと橋渡しする次世代の総合 DB マネジメントツー
ルです。
NTT インフラネット ソリューション事業本部
技術部長 吉田浩隆
NTT インフラネットの技術開発は、自社の業務効率化を目
標として実施しています。業務担当と開発担当が近接して
いることから、タイムリーで必要十分な技術開発が可能で
あると考えます。
図 9 左:3 次元座標群サンプル、
右:3 次元測量(面と点の垂直計測)例
お問い合わせ先
NTT インフラネット 技術開発部
技術開発担当課長 関口俊彦
NTT インフラネット株式会社 ソリューション事業本部
TEL:03-6381-6445 HP URL:http://www.nttinf.co.jp/
※ http://www.bcm.co.jp/ でも閲覧できます。
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