JESEA地震予測 南関東周辺依然レベル5

週刊MEGA地震予測
2017年3月8日発行(Vol.17,No.10)
トピックスと地震予測サマリ−
トピックス
今回、一週間に4cm以上の大きな高さ変動を示した点は全く
なく、完全に静穏状態です。
異常変動の後、静穏状態になり、大きな地震が発生するとい
う流れは熊本地震や鳥取地震でもありました。
ご注意ください。
〇警戒レベルアップ地域
なし
〇警戒レベルダウン地域
なし
地震予測サマリー
〇概況
・週間高さ変動で4cm超の異常が見られた点はなく、全国的
に高さ方向も水平方向も静穏。
・隆起沈降は、数少ない例外はあるものの沖縄県を除き全国
的にほぼ沈降傾向。(R3データ使用)
・水平方向の変動は東北地方、北信越、南西諸島以外はほぼ
静穏。
〇レベル5
(震度5以上の地震の可能性が極めて高く緊急性がある)
南関東周辺
〇レベル4
(震度5以上の地震が発生する可能性が極めて高い)
北海道釧路・根室・えりも・中央部周辺
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南海・東南海地方
九州
東北・北関東の太平洋岸、奥羽山脈周辺
北信越地方・岐阜県
〇レベル3
(震度5以上の地震が発生する可能性が高い)
南西諸島
北海道道南・青森県
北海道北部
北海道道央
〇レベル2
(震度5以上の地震が発生する可能性がある)
鳥取県・島根県周辺
〇レベル1
(何らかの異常変動があり、今後の推移を監視する)
なし
※使用データと計測期間について
「隆起沈降図(H)」(地震予測エリアマップのベースとして
使用)
計測期間:2月5日∼2月11日 最終解(F3データ)使用
2015年1月を基点とした高さ(正式には楕円体高)の隆起
沈降段彩図(色別の等高図)です。
黄緑・黄色・赤・茶色は数値がプラス(隆起)、青色系統の
色はマイナス(沈降)を意味します。 濃い色ほど値が大き
いです。
「週間高さ変動」
計測期間:2月26日∼3月4日 速報解(R3データ)使用
1週間の短期的な高さの変動を表します。
「水平ベクトル」
計測期間:2月26日∼3月4日 速報解(R3データ)使用
水平方向の動きを矢線で表します。 4週前と比べてどの方向
に4ミリ以上水平変動したかを矢印の向きと長さ(変動の大
きさ)で表しています。 短期的な動きを捉えることができ
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ます。
「6か月間の週間高さ変動」
計測期間:2016年8月14日∼2017年2月11日 最終解(F3
データ)使用
過去6か月間で5cm以上を記録した点です。
・JESEAは、国土交通省国土地理院の電子基準点データを解析に使用しております。
各エリア毎に約2∼3年間にわたる長期の異常変動の傾向を示す 「隆起沈降図(H)」を
ベースに 1週間の短期的な高さの変動を表す「週間高さ変動」と過去6か月間のF3
データの「週間高さ変動」で5cm以上を記録した点、 そして水平方向の4週前との変
動を矢線で表した「水平ベクトル」を掲載します。
今まで掲載していた「東西変動図」、「北南変動図」は「累積変位マップ」と同じよ
うに3か月に1度、特集で掲載いたします。
【目次】
1.お知らせ
2.特集:福島県沖地震
3.地震予測
4.地震情報一口メモ
5.皆様の街の電子基準点
1.お知らせ
1.使用用語の変更について
よりわかりやすい表現にするため、これまで使用しており
ました静謐(せいひつ)を今号より静穏(せいおん)に変更
いたします。
JESEAで使用する静穏状態とは「何もなく静かで穏やかな場
合」と 「異なる方向の力が加わり拮抗状態で動かない場
合」とがありますので、決して安心はできない状態とご理解
ください。
2.今回の最終解(F3データ)について
以下の理由により、今回、国土地理院より公開される最終
解(F3データ)は予定日に更新されませんでした。
そのため、最終解(F3データ)は前回と同じ2月5日∼2月11日
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のデータを使用しております。
ご了承ください。
なお、速報解(R3データ)は更新されたデータを使用しており
ます。
(以下は国土地理院HPより)
「本日3月6日(月)更新予定の日々の座標値及び対流圏遅
延量推定値(2017年2月12日∼2017年2月18日分)につい
て、 解析に必要なIGS最終暦の公開の遅れに伴い、更新が通
常より遅れます。」
よろしくお願いいたします。
2.特集:福島県沖地震
2017年2月28日、福島県沖を震源とするM5.7、最大震度
5弱の地震が発生しました。
怪我をされた方々、被害に遭われた方々に心よりお見舞を申
し上げます。
「週刊MEGA地震予測」ではこの地域を含む「東北・北関
東の太平洋岸、奥羽山脈周辺」エリアは、現在レベル4です
が、 特に「東北・北関東の太平洋岸」は地震の常襲地帯と
して、以前よりフォーカスして参りました。
2016年11月22日にも同じ福島県沖を震源とするM7.4、最
大震度5弱の地震が発生しましたが、 なぜ「地震の常襲地
帯」なのかは、この時の特集にも記載いたしました。 それ
は、東日本大震災後の地殻の動きが大きく関わっていると考
えています。
東日本大震災後、東北の太平洋岸の地殻がどのように動い
てきたのでしょうか。 このエリアは大震災で大きく沈降
し、その後隆起を続けていますが、その進行速度は地域に
よって異なります。 隆起の進行速度の違いが新たなひずみ
を生んでいると考えられます。
また、海上保安庁の海底基準点のデータによりますと宮城
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沖は西北西に変位しているのに対し 福島沖は南東に変位し
ています。 2点の異なる方向の変位の中間地帯にひずみが貯
まっていると考えられます。
そして、福島沖は二年前と比較して10cm沈降していま
す。 陸地は隆起していますので、ここにもひずみが貯まっ
ていると考えられます。
これら、東日本大震災後の地殻の動きがこの付近に地震が多
く発生している原因の一つです。
さて、今回は別の視点として最近の水平ベクトルの動きに
注目して福島県沖地震を検証します。
水平ベクトル図に見られた異常変動の後の静穏状態
計測期間2月5日∼11日に全国的に水平方向の変動が極め
て大きく、 メルマガ2月15日発行号では「水平方向は最近
の変動にくらべ、かなり多くの点で変動」と異常を述べてい
ました。 2月22日発行号(計測期間2月12日∼18日)では「水
平方向は先週に続き、かなり多くの点で変動」と 2週間続け
て水平方向の異常を再述していました。 しかし、計測期間2
月19日∼25日では水平方向は前々週および前週に比べると
かなり小さく、全体的にも静穏状態でした。 大きな異常の
後、静穏状態に転じ、その後大きな地震が来るという過去の
知見どおりでした。
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3.地震予測
北海道・青森県
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レベル4:北海道釧路・根室・えりも・中央部周辺
(5月ごろまで注意)
根室半島南東沖で震度3の地震が起きました。
釧路沖で小地震が起きています。
上図を見ますと阿寒岳に近い阿寒2は北西に、すぐ東にある
弟子屈(てしかが)は西に、 その北にある網走は南西に変位し
ておりバラバラで不安定です。 釧路・根室周辺は沈降状態
を続けておりますが、阿寒2周辺は隆起を続けております。
阿寒2は今年に入ってから2.7cmも隆起しました。 火山の影
響も考えられます。 えりもに近い S浦河は先々週に続き、
西南西にやや大きな水平変位をしています。 このエリアは
不安定な状態ですので注意を怠らないでください。
レベル3:北海道道南・青森県
(3月ごろまで注意)
青森県東方沖で震度3の地震が起きました。
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青森県はほぼ南に変位しているのに対し、岩手県と秋田県は
南東に変位しており、方向が異なります。 小地震の発生も
多い地帯ですので監視を続けます。
レベル3:北海道北部
(積雪の影響があるので3月ごろまで注意)
昨年の12月から今年の1月初旬にかけて大きな異常変位があ
りました。
今回は特に異常は見られませんが、監視を続けます。
レベル3:北海道道央
(3月ごろまで注意)
昨年の12月中旬から今年の1月にかけて多くの異常変位と急
激な沈降がありました。
今回は特に異常は見られませんが、監視を続けます。
東北地方・北関東
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レベル4:東北・北関東の太平洋岸、奥羽山脈周辺
(地震常襲地帯で3月ごろまで注意)
2月28日に起きた福島県沖を震源とする地震(震度5弱)の
余震とみられる地震が福島県沖および福島県中通りで起きて
います。
この地域は地震常襲地帯になっています。
東北地方は定常的に南東に大きく変位しています。 大きな
変位が途切れる岩手県太平洋岸、および福島県太平洋岸には
ひずみが貯まっております。 2011年の東日本大震災の影響
がまだ残っており、東北地方の太平洋岸は隆起、反対側の奥
羽山脈側は沈降を続けています。 太平洋岸の大きな隆起
(茶色および橙色)が途切れる岩手県および福島県と茨城県
北部はひずみが貯まっており要注意です。 この地域では震
度5クラスの地震を常に警戒しておいた方が良いでしょう。
南関東・北信越地方・中部地方
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レベル5:南関東周辺
(3月ごろまで警戒)
千葉県北東部で震度3の地震が起きました。
千葉県東方沖で小地震が起きています。
昨年7月から5回にわたって一斉異常変動があったのち、静
穏状態を続けております。今回は全く静穏です。
上図を見ればわかりますように、駿河湾沿いおよび伊豆諸島
の新島、八丈島、青ヶ島で沈降している一方で 大島、三宅
島および内陸部は隆起しており不安定です。
また、千葉県の銚子と館山の間で水平方向の変動の格差が大
きいです。
静岡県はこの6か月にかなりの回数で5cm超の大きな週間高
さ異常変動を示しましたので、ひずみが貯まっていると考え
られます。
今回は静穏状態ですが、今後震度5以上の起こる可能性を否
定できませんので、レベル5を続けます。 警戒を続けてくだ
さい。
レベル4:北信越地方・岐阜県
(4月ごろまで注意)
岐阜県飛騨地方、岐阜県美濃中西部で小地震が起きました。
長野県のR大町3ではこの3週間で急激な隆起と沈降の乱高下
が見られました。 上図を見ますと、R大町3はほぼ南に大きく
水平変位しております。
このエリアはこの6か月にかなりの回数で5cm超の大きな週
間高さ異常変動を示しましたので、ひずみが貯まっていると
考えられます。
火山の影響も考慮して注意が必要です。
近畿地方・中国地方・四国
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レベル4:南海・東南海地方
(4月ごろまで注意)
上図を見ますと水平変動は全く静穏です。
R3データでは、高知県の室戸2と室戸4のみは他と異なり隆
起しています。 ひずみが貯まっております。 注意を継続し
てください。
レベル2:鳥取県・島根県周辺
(5月ごろまで注意)
今回は全く静穏です。この地域は全体に沈降傾向です。監視
を続けます。
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九州
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レベル4:九州
(熊本地震の影響が継続)
3月2日に日向灘を震源とする地震(M5.2、震度4)が起
き、その余震が起きています。
昨年4月の熊本地震で起きた異常変位の周辺部に新たなひず
みを起こしています。 日向灘はこの周辺部に当たっており
ひずみが貯まっています。
上図を見ますと福岡県、熊本県、宮崎県などで沈降が顕著で
す。
鹿児島県南部はやや大きな南東の水平変位をしています。
火山の影響も考えられます。 注意が必要です。
南西諸島
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レベル3:南西諸島
(5月ごろまで注意)
沖縄本島近海およびトカラ列島近海で小地震が起きました。
上図を見ますと南西諸島は全体的に隆起傾向です。
南西諸島は全体的に南東方向に変位をしていますが、東にあ
る大東島は逆の北西の変位をしています。 互いに押し合っ
ている状況です。 監視を続けます。
4.地震情報一口メモ
[No.207:津波から逃げられた事例]
70mより水深が深いところまで逃げれば大きな津波を船
で乗り越えることができると言われています。 実際東日本
大震災の時に漁船が沖に逃げて助かった事例がありまし
た。 大きな波に直角に突っ込むのがよいと言われておりま
す。波に平行にすると転覆のおそれがあります。 津波は押
し寄せる波より引き波の方が早いです。
東日本大震災の時に、木につかまって引き波に抵抗してい
た方のズボンからパンツまで根こそぎ引きちぎられた事例が
ありました。 津波は単に海水だけの波でなく、様々なガレ
キを巻き込んで押し寄せますので、津波が黒い山のように見
えたとの報告もありました。 ガレキが体に当たり傷つきま
す。ダウンジャケットは水に浮きやすく助かった人がいまし
た。 タタミや板につかまって漂流して助かった人もいま
す。 自動車ごと浮いたまま漂流して助かった事例もありま
す。
逃げる基本は、水平方向に逃げるより高い所に逃げること
です。 森が茂っている山の斜面を這い上がって助かった事
例があります。 樹木でガレキがストップしますので傷つく
心配もないです。
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5.皆様の街の電子基準点
今週の電子基準点:宮崎県のNTTドコモのプライベート電子
観測点
写真提供者である弊社社長のコメントを記します。
「宮崎県にNTTドコモ様によりプライベート電子観測点を設
置して戴きました。 JESEAは今後このデータを使用して地震
予測のデータとして使用いたします。 南海トラフ3連動地震
を誘発し、4連動地震につながる可能性が心配される日向灘
を監視できる位置に今回設置できたことで、 今後貴重な
データが得られると思います。」
JESEA地震科学探査機構
代表取締役社長橘田寿宏
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週刊MEGA地震予測
電子基準点の写真募集
電子基準点の写真を撮影し、下記メールアドレスにお送り
ください。 写真を送信する際には、お名前、ご住所(粗品
送付用)の他に、 電子基準点を撮影した場所や探すまでの
方法や苦労話などをお書きください。
※学校などの敷地内への無断での立ち入り、撮影などは行わ
ないでください
※車道からの撮影など、危険な行動は避けてください
[email protected]
お送りいただいた写真は、こちらで選ばせていただき、
「週刊MEGA地震予測」、「nexi地震予測」にお名前入りで
掲載させていただきます。 採用された方には粗品を贈呈い
たします。
(送付いただいた写真の使用権はJESEAに帰属いたします)
ご購読、ありがとうございます。 ホームページでも詳しい技術的な説明など、情報発
信しております。 よろしければ、チェックしてみて下さい。よろしくお願いいたしま
す。
http://www.jesea.co.jp
※「週刊MEGA地震予測」では、国土地理院のGNSS連続観測点データを元に導き出し
た地盤の変動情報と過去の地震の震源、震度、 マグニチュード、被害の程度などとの
相関分析をして、地震の前兆現象として捉え地震予測を提供しています。 だいたい、
震度5以上の地震を想定しております。
JESEAの地震予測は震源地やマグニチュードを予測するものではありません。揺れる
地域と震度を予測します。
※データは欠測値の有無および上空視野障害や受信ノイズ等による受信障害 の程度に
より信頼性を評価した上で棄却する場合があります。
※地震は複雑な自然現象です。本情報はあらゆる地震をすべて予測できるものではあ
りません。 また、予測が外れる場合もあります。
※解約について
ご加入いただいている各配信会社にて解約をお願いします。
まぐまぐ
http://help.mag2.com/000007.html
niconico
http://qa.nicovideo.jp/faq/show/755
フーミー
http://foomii.com/files/information/help.html
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