下水道管路のマネジメント支援に関する共同研究

新研究テーマの 紹介
下水道管路のマネジメント支援に
関する共同研究
研究第二部 研究員
荒木 隆夫
研究の背景
本研究では,事業スキーム等を検討するとともに,
性能発注までを視野に入れた企画立案から履行評価ま
での各段階における適切な手法を研究することを目的
我が国の下水道管路整備延長は約46万km(平成26
年度末現在)と,膨大なストックを構築してきまし
た。同時に,管路に起因する道路陥没の発生等のトラ
ブルも増加しており,今後は老朽化が進むことでより
としています。
研究の内容
厳しい状況になることが予想されます。
本研究では,現状把握と課題抽出を手始めに,実フ
一方,流入水量の減少に伴う収入減や地方公共団体
ィールドでの検証を踏まえた適切な事業スキームの研
における職員の削減など,財政・体制面の脆弱化が大
究を行い,下水道施設のストック効果を最大限発揮で
きな問題となっています。そのため,PPP/PFIの推
きるような,持続可能な下水道管路マネジメントが推
進が方策の一つとして考えられます。
進されるための検討を行います。
研究の目的
地方公共団体における財政・体制面の脆弱化を補完
するとともに,管路施設の適切な維持管理の実施手段
また,第三者機関の役割や支援方策等についても検
討も進めていく予定です。
研究体制
として,包括的民間委託が選択肢の一つとして期待さ
本研究は,管清工業㈱,積水化学工業㈱,㈱日水コ
れます。
ン,メタウォーター㈱および(公財)日本下水道新技
術機構との共同研究です。研究においては,
実フィールドを対象とした仮想検討を行う予
定であり,複数のフィールド提供自治体に参
画頂き「管理者参加型共同研究」として実施
していきます。
また,下水道管路マネジメント支援調査検
討委員会(委員長:東京大学大学院工学系研
究科滝沢智教授)を設置し,事業スキーム
や支援の枠組み等を審議していただく予定で
す。
26 —— 下水道機構情報
Vol.11 No.24