提案書 - 竹田市

(A) 現在建設中の新図書館や新文化会館を含む既存の公共施設等との連携を図り、城下町交流拠点施設として
旧城下町エリアに賑わいを創出するための、2施設の役割分担と施設を用いた活動の展開方策について
(G) 岡城跡や旧城下町観光の回遊性と利便性を高めるための施設整備について
1. まちを賑わすナガヤモンとトオリニワ
2. まちをつなぐナガヤモンとトオリニワ
受付番号 ⑧
■ナガヤモンとトオリニワを拠点とした
マワリミチが史跡スポットをつなぐ
竹田荘
(有形文化財)
竹田荘の眺めを活か
したプランニング
南画のミチ
ナガヤモンが本町通りと水琴館通りと歴史
の道をつなぎ歴史のマワリミチとなります。
化会館
至 文 岡城
至 武家屋敷通り
既存の塀を活かして
歴史を守る
町屋の景観を
受け継いだ町並み作り
竹屋書店
トオリニワが本町通りと田町通りかられんたろう
通りへと人を導く音楽のマワリミチとなります
(有形文化財)
至 図書館
■マワリミチの景観をつなぐマテリアル
り
通
本町
木漏れ日広場
武家屋敷地区に現存する藁土壁
町屋地区に現存する木羽目板
竹田の賑わいを生みだす竹材
武家屋敷地区の塀で 使わ
れている藁土壁をナガヤモ
ンの外装材として用いるこ
とで、歴史のマワリミチの
景観をつなげていきます。
町屋地区の間口で使われて
いる木羽目板をトオリニワ
の外装材として用いること
で、音楽のマワリミチの景
観をつなげていきます。
竹楽などのイベントで賑わ
いを演出する竹田らしい温
かみのある竹材を内外装材
に用いることでだれもが親
しみのもてる歴史・音楽の
マワリミチを整備します。
■庭がまち歩きの休憩スポットに
至 豊後
■竹田ならではの賑わいを創出するナガヤモンとトオリニワ
屋内
通り庭
武家屋敷地区に現存する長屋門
町屋地区に現存する通り庭
城下町の町割りの名残として、土塀の建ち並ぶ武家屋敷地区と商家が建ち
並ぶ町屋地区。歴史文化交流センター(=ナガヤモン)には、武家屋敷地
区に現存する「長屋門」の形式を取り入れ、コミニティセンター(=トオ
リニワ)には、町屋の商家に見られる「通り庭」の形式を取り入れます。
ナガヤモンとトオリニワは、竹田の人と文化と歴史をつなぎ、竹田ならで
はの城下町のを創出する施設を目指します。
■トイレスポットの整備
竹林の庭
竹田
駅
(歴史文化交流センター)
■現存する史跡を複数の情報でつなぐネットワーク
歴史ある竹田の街の魅力をより
深く伝えるために、計画中の図
書館・文化会館と連携し、書籍、 待ち合いの庭
(コミニティセンター)
音楽、デジタルメディアそして
■駐車場
ヒトを通じた多面的なアプロー
チによる情報提供を行います。
歴史文化交流センターからはス
マートフォンでアクセスできる
街歩きのための情報を提供する
一方、コミニティセンターでは、 ナガヤモンとトオリニワの街路に面する側
■歴史文化交流センターから提
地域を熟知した案内人が観光客 に設けられた小さな庭は、史跡をめぐる町
供されるデジタル情報の一例
史跡を訪れて、スマートフォン
を迎え、長く市民に愛されてき 歩きのためのマワリミチに人を導くための
をかざすと画面上に過去の城下
きっかけとなります。
町の風景が映しだされる。
た竹田の魅力を伝えます。
町歩きの途中でも気
軽に利用できる授乳
室付きトイレを街路
沿いに配置すること
で、 家 族 で も 安 心 し
て町歩きが楽しめる
まちの整備を行いま
す。 入り口を幹線道路沿
い に 設 け、 駐 車 場 の
視 認 性 を 高 め ま す。
ま た、 観 光 バ ス 専 用
駐車場を幹線道路沿
いに配置することで
コンパクトな駐車ス
ペースを達成します。
(D) 生誕地にしかできない田能村竹田の魅力に出会う場(田能村竹田美術館機能)としての歴史文化交流センターの施設整備について
受付番号 ⑧
3. 南画のミチが田能村竹田美術館と竹田荘をつなぐ
「作品を通じた田能村竹田との対話体験」
4. 今と昔を歩いてつなぐミュージアム
ウォールケース
ウォールケースベンチ
田能村竹田と豊後南画
賛詩などから作者の
「心」
を知ることで、南画に描かれる世界の魅力をわかりやすく伝える
世界観の演出
豊後南画の展示
ベンチ
田能村
竹田展示
■既存の遊歩道とつながる南画のミチ
市民ギャラリー
市
ギ
(250m2)
田能村竹田と豊後南画
田能村竹田と豊後南画
竹田の理想郷
〈ウェルカム演出〉
[可動型展示室]
可動間仕切りと移動可能な展示ケースを
設定し、空間全体をひとつの企画展示室
として活用できる計画とします。
※「南画に挑戦」展示装置は、
床の大型モニターにカバーをすることで
休憩コーナーとして活用します。
飾らぬ姿の
田能村竹田がお出迎え
〈世界観の演出〉
「竹田の理想郷」
凜々しくも穏やかな
幻想的世界を体感
ようこそ、
田能村竹田です。
田能村竹田、
心の庭
休憩コーナー
ベンチ
田能村竹田の展示
田能村竹田の展示
遅咲きの天才
竹田交遊録
田能村竹田
ナガヤモン
ギャラリー
竹田対話
南画に挑戦
ウェルカム体感演出
ウェルカム演出
田能村竹田
(190m2)
遅咲きの天才−田能村竹田
ウォールケース
田能村竹田
竹田対話
南画に挑戦
体験展示
「ようこそ、田能村竹田です。」
企画展示室
企画展示室
可動壁面
ベンチ
可動壁面
イス
イス
のぞきケース
展示ケース
「文人竹田」
の人生を知る
のぞきケース
展示ケース
チ
ベンチ
竹田荘
既存の塀
苔の庭
ウォールケース
ウォールケース
「竹田対話」
田能村竹田の作品の
デジタルガイダンス
▲平面展示計画
3階平面図
至竹田荘
ベンチ
企画展示室
企画展示室
行灯ケース
一般
収蔵庫
(40m2)
機械室
(50m2)
のミ
可動壁面
収納スペース
〈田能村竹田の展示〉
「遅咲きの天才−田能村竹田」
竹田ラウンジ
南画
竹田交遊録
展示ケース
WC
WC
WC
(60m2)
▲平面展示計画(一室利用時)
岡城展示
エントランス
(200m2)
エントランス
岡城
岡城
岡城
ガイダンス
ガ
ガイ
イダ
ダンス
ンス
ガイダンス
(190m2)
作品展示① 竹田の掛け軸など大型作品
「竹田対話」デジタルガイダンス
「竹田交遊録」
事務室
事務室
(60m2)
駐車場から竹田荘へのびる既存の遊歩道と建物の3F部分をつ
なぎ、田能村竹田美術館から駐車場を介することなく竹田荘公
園へ直接アクセスできる南画のミチの整備を行います。
時代が生んだ学者文人墨客たち
の切磋琢磨を感じる
作品展示② 竹田の画帖、詩書、画論書など小型作品
〈豊後南画の展示〉
工作
工作
工作
修復室
修復室
修復
室
修復室
(200m2)
特別収蔵庫
特別
特
別収蔵
収蔵庫
特別収蔵庫
(200m2)
前室
前室
荷卸
荷卸
■竹田のまちを望むナガヤモンギャラリー
「田能村竹田と豊後南画」
竹田の
「技と精神」
を継ぐ
弟子たちの作品を紹介
駐車場 : 乗用車 30 台
バス 3 台
作品展示③ 豊後南画の作品
体験展示
N
「南画に挑戦」
S=1:1000
絵と賛詩からなる南画作品を
つくるインタラクティブ体験
5. まち歩きが楽しくなる体験型展示コンテンツ
岡城のジオラマ模型を中心に、
城の機能や城下町の人々のくらしなど
「歴史イマジネーション体験」竹田市の礎となった歴史に想いを馳せ、城址探訪、城下町めぐりに導く。
竹田キリシタンの謎
竹田キリシタンの謎
体験展示
江戸時代の庶民のくらし発見
竹田とキリシタンの歴史を
史料展示とともに紹介
2階平面図
「南画に挑戦」
(C)岡城と竹田城下町の歴史と魅力を学び、その価値を発信するガイダンス施設としての歴史文化交流センターの施設整備について
「城下町 ジオラマ」
延床面積
(1950m2)
城
下
町
め
ぐ
り
「岡城ガイダンス映像」
城とまちの歴史を学ぶ
体験展示
城
址
の
楽
し
み
方
体験展示
ウォールケース
ウォールケース
サンチャゴの鐘
「石垣タッチチェンジウォール」
石垣に見る、岡城の魅力大解剖
史料展示
史料展示
鑑賞エリア
鑑賞エリア
ベンチ
城下町めぐり
城下町城下町
ジオラマ
城下町めぐり
ジオラマ
「荒城の月のモデル 岡城 」
必見!岡城の石垣スポット紹介
「岡城 積層ジオラマ」
難攻不落の城の
秘密をあばく
城址の楽しみ方
石垣タッチ
石垣タッチ
チェンジウォール
チェンジウォール
ウェルカム映像エリア
ウェルカム映像エリア
岡城の四季
岡城を築いた人々
岡城を築いた人々
難攻不落の城の秘密をあばく
岡城 積層ジオラマ
岡城 積層ジオラマ
南画のミチの途中に設けられたナガヤモンギャラリーは、竹田
城下町の町屋根と竹田荘公園を眺めながら作品鑑賞をすること
のできる開かれた市民の芸術活動の発表の場となります。
周辺道路の高低差を生
かして、主に車での来
館者を想定したエント
ランスを 2 階(西側)に、
徒歩での来館者を想定
したエントランスを 1
階(北側)に設けるこ
とで、既存の敷地の段
差への掘削を最小限に
とどめる計画とします。
竹林の庭
体験 講座
体験 講座
(200m2)
WC
市民研究室
WC 市民研究室
(30m2) (43m2)
地下ピット
地
地下
下ピッ
ピット
地下ピット
学びの
エンガワ
学芸室
学芸室
(60m2)
1階平面図
■歴史の理解を深める学びのエンガワ
■南画のミチの起点となる竹田ラウンジ
町歩きをする人達と歴史研究をする人達との交流を促す学びの
エンガワは、城下町の町並みと竹林の庭に対して開かれたオー
プンスペースとなり、ワークショップや南画体験講座など様々
な用途を想定したフレキシブルな仕様とします。
田能村竹田美術館の入口に設けられた竹田ラウン
ジは鑑賞者の休憩スペースとなります。また竹田
荘と繋がる南画のミチの出発点となります。
岡藩前史
岡藩前史
岡藩年表+史料展示
岡藩年表+史料展示
岡藩主の城ものがたり
岡藩主の城ものがたり
城址の楽しみ方
荒城の月のモデル
岡城
荒城の月のモデル
岡城
城とまちの歴史を学ぶ
岡城ガイダンス映像
岡城ガイダンス映像
のぞきケース
岡城を築いた人々
「石垣タッチチェンジウォール」
▲平面展示計画
「岡城 積層ジオラマ」
「岡藩主の城ものがたり」
歴代名藩主の城や城下町の
整備等にまつわる話しを
実物史料とともにビジュアル解説
「岡藩前史」
岡城の長い歴史、強さの証明を
『豊後国史』
に学ぶ
「岡藩年表」+史料展示
築城から廃城まで、
年表と
実物史料で城の変遷を知る
「岡城 ガイダンス映像シアター」
(B)誰もが自由に使える「広場・広間・屋根のある半屋外空間」を備えた交流拠点施設としてのコミニュティセンタの施設整備について
(E)文化財等を適切な環境下で未来へ継承していくための文化財公開・保存施設としての歴史文化交流センターの施設整備について
6. 交流をはぐくむトオリニワ
7. 文化財を確実に守る防湿空間
■竹組みからこもれびの差し込む半屋外広場
■施設運営を効率化する明確なゾーニング
来館者
管理者
収蔵庫
3階
1階
2階
■空気汚染の抑制を図る
収蔵庫の配置計画
トオリニワ
収蔵室
前室
荷卸室
来館者動線、管理者動線、収蔵庫動線が交差しないよう
に3つの異なる動線を明快に分離したゾーニングを行い、
運営の効率化を図ります。また展示室をフロア毎に分け
ているため片方の展示室をクローズせずに展示物の入れ
替えを行うことが可能な計画とします。
■ 安定した環境をつくる
収蔵庫の断面計画
収蔵庫の隔壁を二重に
し、その内部の換気を
可能にすることで、安
定した温湿度環境を維
持します。また、特別
収蔵庫には前室を設
け、空気汚染の抑制と
セキュリティの強化を
図ります。
受付番号 ⑧
収蔵庫の上層階に機械室
(電機系統)下層階には地
下ピットを設置すること
で直接外部と接する面積
を減らし、なるべく空調
を使うことなく安定した
温室環境が維持できるよ
うな断面計画とします。
■エアータイトケースと
LED照明
耐震補強ブレース
LED ライン照明
高透過ガラス
調湿材
展示物の材質毎に調湿材で環
境が調整できるよう気密性の
高いエアタイトケースを採用
し貴重な文化財を守ります。
また文化財に影響を与える紫
外線を削減するために LED 照
明を採用します。照明には調
光機能を持たせ、展示物毎に
最適な照明環境を実現します。
地元の竹を活用し、雲のような屋根をかけることでやわらかい光に満ちた半屋外の庭をつくります。伝統的な町屋形 (H)環境対策及び建設・維持管理コストを含めたランニングコストの低減について
式を取り入れることで、親しみやすい交流の場を生み出します。
8. 低く深い軒でコストを低減する
■多様なイベントに対応できる広間
平面図
■人を引き込むトオリニワ
■自然エネルギーを取り込むパッシブな建築
延床面積
(300m2)
冷媒レヒート方式
マルショク駐車場
上部より排気
二層構造
バス停
駐車場
(20 台)
収蔵庫
荷卸場
展示室
市民研究
待合所
(22m2)
倉庫
(10m2)
トオリニワ
オリニワ
可動間仕切り
備蓄倉庫 キッチン
(32m2)
(17m2)
観光
案内
(22m2)
倉庫
WC
(33m2) (10m2)
平常時
平常時
2
多目的ホール (39m )
2
倉庫
(10m2)
N
倉庫
WC
(33m2) (10m2)
体験講座
自然換気
ピット通風による
からし運転の短縮
耐震壁
地下ピット
■耐震耐火性と開放性を両立させる
古い町屋の街並みを残した田町通りの延長上に「通り庭」を 適材適所な構造
設けることで、ヒューマンスケールな景観に溶け込み、自然
と人々と引き込みます。
■トオリニワから立ち寄れる市民ギャラリー
多目的ホール (78m )
キッチン
備蓄倉庫 キッチン
(32m2)
(17m2)
木造軸組み
キュービクル
空調機
外気
多目的ホール (78m2)
S=1:600
■安価で安全な木造在来軸組みの平屋建て
待合所
(22m2)
観光
案内
(22m2)
文化財を確実に守る堅固な施設を
実現するために、収蔵部分では、
耐震耐火性と気密性に優れた鉄筋
コンクリート造を主体構造としま
す。来館者が使用する部分に関し
S造
RC 造
ては鉄骨造とし外部に対して開放
(I)防災に対する考え方 的なつくりとします。
ピン接合
ブレース
鉄骨
鉄骨は溶接部が
多いと高コスト
で長い工期とな
る の で、 ボ ル ト
での接合が主と
なるピン構造と
します。
■クリップジョイント
を用いた竹組
竹組はジョイ
ントが多くな
竹
る の で、 簡
クリップ
ジョイント 単 に 施 工 が で
き安定したク
リップジョイ
ントとします。
9. 周辺施設と連携した建物配置計画による災害拠点づくり
■周辺施設と連携した災害時の拠点
大型イベント時
大型イベント時
多目的ホールを広間として位置づけ時間に応じて重
ね使いをすることによって、床面積を小さくするこ
とができ、イニシャルコストを抑えることができま 「通り庭」に面する多目的ホールを市民ギャラリーとして活
す。また、広場で開催される大きなイベント時に広 用し、誰もが気軽に立ち寄れる場所をつくります。またナガ
場に面したキッチンを利用することで、竹田で収穫 ヤモンギャラリーと連携することで、まち全体を使った芸術
された新鮮な食材を提供する拠点にもなります。
発表のイベントも可能となります。
■ブレースを用いた
経済的なピン構造
トオリニワの構造には、コ
ンパクトでシンプルな設計
という強みを活かした木造
在来軸組工法を採用し、施
工も容易なローコスト建築
を実現します。在来工法な
が ら、 壁 量 を 通 常 の 1.5 倍
に増やすことで、十分な耐
震性能を確保します。
仮設住居
仮設トイレ
物資
炊き出し
救急
災害時に炊き出しが行える調
理室を隣接する広場(駐車場)
に面して配置します。さらに、
支援物資を保管する防災倉庫
と救急センターも、竹組の屋
根で繋がることで、トオリニ
ワ全体が地域の防災活動の拠
点として機能します。
■落下事故のないアラワシ天井
トオリニワは、アラワシ天井の空間とします。アラワシ
天井では地震時に天井が落下することがないため、人的
被害や器物破損を防止できます。また木の小屋組みもア
ラワシにすることで、木材のもつあたたかな素材感を感
じることができ、同時に開放的な空間を作ります。同様
に空調機器等の設備機器に関しても極力天井吊りをさ
け、落下事故を抑制し、災害時にも安心して利用できる
建物を作ります。