自然と人間

自然と人間
中学理科 3 年 3-1①
自然界のつりあい
陸上での生産者,
消費者,
分解者※の役割
●生産者のはたらき
生産者は光のエネルギーを使って光合成を行い,大気中の二酸化炭素と水を原料にしてブドウ糖という有機物
をつくります。化学反応式で表すと,次のようになります。
6CO2 +12H2O → C6H12O6 + 6O2 + 6H2O
このようにしてつくられたブドウ糖をもとにして,デンプンやセルロースなどの植物の体を構成する有機物をつく
ります。以上のことから,有機物に含まれる炭素のもとは大気中の二酸化炭素であるといえます。光合成によっ
て生じた酸素は大気中に放出され,生物の呼吸に使われます。
●消費者のはたらき
消費者が食べた有機物は,まず,消化・吸収されて体内に取り込まれるものと,消化できずに体外に出るもの
とに分かれます。吸収された有機物は,さらに,成長に使われて動物の体をつくるものと,生活活動のエネルギー
を得るための呼吸に使われるものに分けられます。細胞では呼吸が行なわれますが,これを化学反応式で表すと
次のようになります。
C6H12O6 + 6O2 + 6H2O → 6CO2 +12H2O
食物連鎖の過程で生産者が光合成でつくった有機物の一部は,生産者や消費者の呼吸によって二酸化炭素に分
解され,大気中に放出されます。そして,大気中に放出された二酸化炭素は,生産者によってふたたび光合成に
利用されます。
●分解者のはたらき
土の中の小動物も分解者に含めているので
注意が必要です。分解者のうち菌類や細菌類
などの微生物は,有機物を最終的に無機物の
二酸化炭素と水などに分解します。放出され
た二酸化炭素は,生産者(植物)により再び光
合成に利用されます。
※文部科学省の検定意見により,平成 24 年度用の教科書から,「生産者」
「消費者」「分解者」の定義が,以下のように変更になっています。
生産者:光合成によって自分で栄養分をつくる生物。つまり独立栄養を営む生物。五界説において原生生物界に属する緑藻類など植物ではない生物も含む。
消費者:ほかの生物から栄養分を得る生物。つまり従属栄養を営む生物。
分解者:消費者のなかで,生物の遺骸やふんなどから栄養分を得る生物。
さらにくわしくお知りになりたい場合
啓林館教師用指導書 3 年 詳説 p401 / 啓林館ホームページ:Q&A http://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/j-scie/q_a/index.html
教授用資料
中学
3年
自然と人間 自然界のつり合い
●水田のイネを出発点とした食物網の例
●森林の食物網の例
●「自然界のつり合い」の学習に関して,コピーして配布するとよいでしょう。