東京消防庁実行プラン2017 東 京 消 防 庁 TOKYO FIRE DEPARTMENT 目 次 重点施策 1 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の安全・安心 1-1 都内全域における万全な警戒 ‐1‐ ‐2‐ 1-2 大会会場等における火災の未然防止 重点施策 2 各種災害に対応できる消防活動体制の充実強化 ‐3‐ 2-1 消防隊の育成・訓練の推進 ‐4‐ 2-2 的確かつ継続的な災害活動を支える環境の整備 ‐5‐ 2-3 地域を守る消防団の充実 重点施策 3 救急需要の増大を踏まえた救急体制の充実強化 ‐6‐ 3-1 増加・多様化する救急需要に対する対策の推進 ‐7‐ 3-2 都民自ら応急手当を実施できる環境づくり 重点施策 4 災害時の被害軽減に向けた地域防災力の向上 4-1 防災行動力の向上 ‐8‐ ‐9‐ 4-2 日常に潜む災害から都民を守る対策の推進 4-3 地域の安全を守る人材の育成 重点施策 5 火災予防対策の推進による建物の安全性の向上 5-1 建物の使用実態に応じた安全対策の推進 ‐10‐ ‐11‐ 5-2 危険物を取り扱う施設の安全対策の推進 重点施策 6 都民の期待に応える職員の育成及び組織運営の推進 ‐12‐ 6-1 都民のニーズへの的確な対応 ‐13‐ 6-2 消防の未来を担う人材の育成 ‐14‐ 6-3 職員の活力を引き出す環境づくり 6-4 都民の安全・安心を支える先進的な消防庁舎等の整備 ‐15‐ 重点施策 1 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 の安全・安心 大会会場等を含む都内全域の様々な災害に迅速に対応できる万全な警戒体制を 整えるとともに、大会関係者等に対して火災予防や避難誘導等に関する統一的な指導を 行い、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会期間中における安全・安心 を確保する。 主要な計画 1-1 都内全域における万全な警戒 大会会場等を含む都内全域の安全・安心を確保するため、リオ2016大会等 の過去の大会を調査し、警戒に必要な人員・消防車両等を確保するとともに、 大会開催に向けた職員等の訓練や教育を行い、万全な警戒体制を整える。 また、東京を訪れる外国人の安全・安心を確保するため、消防機関への通報 や救急車を呼ぶか病院に行くか迷った際に相談できる救急相談の多言語対応を 強化する。 1-2 大会会場等における火災の未然防止 大規模かつ多数の外国人等が訪れる大会会場等に対して実効性のある火災予防対策 を推進するとともに、火災等の災害発生時に大会関係者が迅速に対応できる体制 を確保する。 また、大会開催に伴い利用者の増加が見込まれる宿泊施設や繁華街等に対して 火災の未然防止を目的とした立入検査等を推進し、建物の安全・安心を確保する。 5 1 1-1 都内全域における万全な警戒 1-1-1 警戒体制の確立による都内全域における安全・安心の確保 【 消防特別警戒体制の確立 】 〇 過去の大会を調査するとともに、関係機関と連携し、 様々な災害に迅速に対応できる警戒計画を策定 〇 警戒に必要な人員、消防車両・資器材等を整備し、 大会会場等を含めた都内全域における警戒体制を確立 〇 東京2020大会に向けた職員の教育、テストイベント等 を活用した訓練の実施 警戒体制の確立 〇 国、都、他消防本部、消防団等との連携体制の強化 【 多言語対応の強化 】 〇 消防機関への通報や救急相談業務等における外国人 への対応を強化 〇 消防署での受付や災害現場等での外国人との コミュニケーションを補助する資器材の導入 1-2 119番通報へ電話通訳を導入 大会会場等における火災の未然防止 1-2-1 火災予防対策等の推進による建物の安全・安心の確保 【 大会会場等の安全性の確保 】 〇 大会会場等の計画初期段階から積極的に関与し、大会 会場等の特殊性に合わせた火災予防対策等の指導を実施 〇 各大会会場の基本となる消防計画を策定し、大会関係者 への指導を行い、大会関係者が迅速に初期消火、 避難誘導等を行える体制を確保 大会会場における火炎の演出 (リオ2016大会) 〇 東京2020大会での大規模な火炎等を用いる演出に 対する安全対策を策定し、関係者へ指導を実施 〇 大会会場等の周辺に設置される仮設の発電設備等に 対する安全対策を策定し、関係者へ指導を実施 【 宿泊施設・繁華街等の安全性の確保 】 〇 利用者の増加が見込まれる宿泊施設、繁華街等に 対して、火災の未然防止を目的とした立入検査を実施 2 大会会場周辺の仮設の発電設備 (リオ2016大会) 重点施策 2 各種災害に対応できる消防活動体制の充実強化 発生が危惧されている首都直下地震や、諸外国で増加しているテロ災害など、 あらゆる災害に迅速に対応できる体制を確実なものとするとともに、災害発生時には 迅速な人命救助、消火活動を行い、誰もが安心して暮らせる「セーフ シティ」を 実現し、都民生活の安全・安心を高める。 主要な計画 2 – 1 消防隊の育成・訓練の推進 あらゆる災害に迅速に対応するため、様々な災害を想定した訓練を行うとともに、 陸上・航空・水上それぞれの消防隊が連携した災害対応力の強化を図る。 2-2 的確かつ継続的な災害活動を支える環境の整備 震災等の長期間にわたる災害活動において的確かつ継続的な活動を行うため、食糧等 の物資の供給など、長期間の災害活動を可能とするための計画(ロジスティックス) や消防車両等が故障した場合の整備体制、防火水槽等の水利を整備する。 2-3 地域を守る消防団の充実 地域防災の要である消防団の活動体制を強化し、地域防災力の向上を図るため、 消防団員に対する表彰の拡充など、消防団の士気や充足率を高める施策を行うとともに、 災害発生時等に管轄区域を越えて活動できる広域的な応援体制を整備する。 3 2-1 消防隊の育成・訓練の推進 2-1-1 テロ災害に対する救出救助体制の充実強化 ○ 同時多発テロ災害に対する消防隊の運用方法を確立し、 効果的な活動を展開 ○ 爆破テロ災害に対する消防隊の活動体制を整備し、迅速な 救出救助体制を確保 2-1-2 テロ災害における活動 (イメージ) 水上消防体制の充実強化 えい ○ 船舶の曳航機能を持ち、救出等に活用する塔体を有する新型 消防艇(タグボート型)を導入し、水上災害等への対応力を強化 ○ 臨海部等の開発による環境の変化に即した、消防艇の効果的 な活動体制を構築 ○ 東京2020大会開催時に消防隊の警戒拠点となる臨港 消防署の庁舎等の整備 2-1-3 タグボート型 新型消防艇 (イメージ) 航空消防体制の充実強化 ○ 消防ヘリコプターによる災害への対応力を強化し、東京 2020大会における空からの万全な警戒体制を確立 ○ 様々な環境下でも安全に救助活動等が遂行できる航空従事者 を育成し、救出救助体制を強化 2-1-4 大型ヘリを活用した 部隊の迅速投入 局地的な豪雨災害等に対する消防活動対策の充実強化 ○ 局地的豪雨等による浸水被害を予測するシステムの検討 ○ 水災及び土砂災害発生時に迅速な救出救助活動を行うため の資器材を整備し、迅速で安全な活動体制を確保 2-1-5 大規模危険物施設等に対する安全対策の充実 浸水地域での救助活動 ○ 羽田空港を利用する航空機の増加による燃料貯蔵タンクの 増設に伴い、消防隊の危険物火災への対応力を強化 ○ 金属火災発生時に有効な消火活動を行うための資器材を整備 2-1-6 消防学校及び消防救助機動部隊等の訓練施設の整備 苫小牧市危険物火災 (出典:消防研究センター) ○ 震災時等における消防隊の運用等をシミュレーションできる 訓練システム(災害図上訓練システム)を整備し、研修等 において活用することで、災害時の対応力を強化 ○ 危険物火災に必要な泡による消火方法を実戦的かつ専門的に 訓練できる施設を整備し、危険物火災等への対応力を強化 4 訓練棟(イメージ) 2-2 的確かつ継続的な災害活動を支える環境の整備 2-2-1 震災時等における消防活動体制の充実強化 ○ 倒壊した家屋での救助活動や狭い道路での消火活動 に対応した資器材の整備 ○ 消防隊の長期間の災害活動を可能とするための計画 (ロジスティックス)の確立 ○ 消防車両等が故障した際に、災害現場で整備を実施 できる体制を強化し、継続的な救出救助体制を確保 2-2-2 震災時における消防活動 (イメージ) 震災時等における情報収集体制の充実強化 ○ 職員が取得した被害状況の画像等を共有するシステムや 地震による被害を予測するシステム等の機能を向上し、 情報収集体制を強化 2-2-3 早期災害情報システム (イメージ) 木造住宅密集地域を重点とした震災対策の推進及び水利整備・確保の推進 ○ 木造住宅密集地域などにおいて、狭い土地でも設置できる 新たな工法等による水利(消防隊が消火活動に使用する ための水源)を整備 ○ 地下水や河川等を活用した水利を整備し、震災対策を強化 ○ 町会・自治会等の自主防災組織等が素早く初期消火を 行うために、防火水槽に親子蓋や説明用の標識を設置 2-2-4 親子蓋を活用した取水訓練 経年防火水槽の再生 ○ 老朽化や損傷が著しい防火水槽を補強し、震災時等にも 活用できるように整備 再生された経年防火水槽の内部 2-3 地域を守る消防団の充実 2-3-1 特別区消防団の災害対応力の充実強化 ○ 消防団を知ってもらい、入団してもらうために、トレイン チャンネルや中吊り広告等を活用した効果的な募集広報を実施 ○ 消防団の活動にやりがいを感じられるように、処遇や 装備品等の改善を行うとともに、表彰制度を拡充 ○ 東京2020大会に向け、警戒用資機材を整備すると ともに管轄区域を越えて消防団が活動できる体制を確立 5 消防団員募集ポスター 重点施策 3 救急需要の増大を踏まえた救急体制の充実強化 社会の高齢化や国際化による救急搬送件数の増加やニーズの多様化、救命効果の向上 に向けた救急救命士が行う救急処置の範囲拡大など、質・量ともに大きく変化している 救急サービスにおいて、適正な救急処置や医療機関への迅速な搬送を行い、誰もが安心 していきいきと生活できる「ダイバーシティ」を実現し、都民生活の安全・安心を高める。 主要な計画 3-1 増加・多様化する救急需要に対する対策の推進 増加を続ける救急要請に対応するため、救急隊を計画的に増やすとともに、 不要不急な救急要請を抑制するため、救急車の適正利用に関する広報や救急車を 呼ぶか病院に行くか迷った際に相談できる救急相談センター(♯7119番)等の 利用を促進する。 また、より質の高い救急活動を実施するため、救急隊員の継続的な育成を行う。 3-2 都民自ら応急手当を実施できる環境づくり 誰もが応急手当を実施でき、災害時にお互いに助け合うことができる共助体制 をつくるため、町会・自治会、事業所等と連携した救命講習の普及促進を行う。 6 3-1 増加・多様化する救急需要に対する対策の推進 3-1-1 救急活動体制の充実強化 ○ 救急隊を計画的に増やすとともに、時間帯や場所等により 変化する救急要請に応じて救急隊の待機場所を変更する 運用を拡大し、救急車の現場までの到着時間を短縮 ○ 救急救命士が行う救急処置の範囲拡大に対応するとともに、 救命効果の高い新たな資器材を導入 ○ 指導する立場の救急救命士を養成し、救急救命士への 教育指導体制を強化 救急活動訓練 3-1-2 外国人への救急対応の充実強化 ○ 諸外国の宗教・文化・生活習慣等を踏まえた質の高い接遇 ができる救急隊員の養成 ○ 英語での対応が可能な救急隊員を養成し、外国人傷病者へ の接遇の質を向上 3-1-3 外国人傷病者への対応訓練 救急車の適正利用の促進 ○ 救急搬送された人のうち軽症と診断された場合の救急活動 を分析し、救急車の適正利用に関する広報を効果的に推進 ○ 救急車を呼ぶか、病院に行くか、迷った際に相談できる 救急相談センターの受付体制の強化及び利用促進 ○ 外国人を含む都民が、自分で病気やけがの緊急性を判断 できる、東京版救急受診ガイドの利用促進 3-2 3-2-1 救急相談センター 都民自ら応急手当を実施できる環境づくり 応急手当の普及促進 ○ 町会・自治会や事業所等と連携して救命講習の受講を 促進し、誰でも応急手当ができる体制を強化 ○ 住宅地や公衆場所などで地域差のある応急手当の実施状況 を分析し、地域に応じた普及を推進 ○ 短時間で応急手当の基礎を学べる45分救命入門コースの 普及促進 7 救命講習 重点施策 4 災害時の被害軽減に向けた地域防災力の向上 地域特性を踏まえた実効性のある防火防災訓練を推進し、発生が危惧されている 首都直下地震等への備えを万全なものとするとともに、関係機関と連携した 火災予防対策や震災対策等の推進により、万全の災害対応力を備えた「セーフ シティ」を実現し、災害発生時における被害の軽減を図る。 主要な計画 4-1 防災行動力の向上 火災や地震等による都民の被害を軽減するため、消防機関から積極的に出向く 防火防災訓練を推進し、訓練参加者を増やすとともに、災害時の避難誘導等に 活用する災害情報等を都や区市町村と共有する体制を強化する。 4-2 日常に潜む災害から都民を守る対策の推進 住宅火災による死者を減らすため、火災発生時に早期に119番通報を受信する 体制を強化するとともに、消防職員が家庭を訪問し、火災予防や震災対策等を 指導する防火防災診断を推進する。 また、高齢者の転倒事故や子供の誤飲事故等を減らすため、繰り返し発生する 事故を分析し、事故防止対策を強化する。 4-3 地域の安全を守る人材の育成 地域防災の担い手を育成するため、学校等において生徒の成長の段階に応じた 防災教育を推進する。 8 4-1 防災行動力の向上 4-1-1 防火防災訓練の推進による都民の防災行動力の向上 ○ どこでも・いつでも・だれでも防災訓練ができるまちかど防災 訓練車や災害を疑似体験できるバーチャルリアリティ防災体験車 などを活用した訓練を推進し、積極的に訓練機会を提供 ○ 防災館の体験内容や展示物の多言語化を図り、外国人にも体験 学習の機会を提供 4-1-2 バーチャルリアリティ防災体験車 (イメージ) 長周期地震動等における室内安全対策の推進 ○ 震災時の家具類の転倒等に関する危険性の周知を図るとともに、 転倒防止対策等の実施を促進し、都民の被害を軽減 ○ 長周期地震動等を体験できる地震動シミュレーター等を活用した 訓練機会を提供し、室内の安全対策を促進 4-1-3 震災時等における情報共有体制の充実強化 地震動シミュレーター (イメージ) ○ 震災時等における災害情報を都や区市町村と共有するシステムを 整備し、連携体制を強化 ○ 災害図上訓練システムを活用した訓練を都や区市町村、消防団と 実施し、相互の連携を強化 図上訓練の様子 4-2 日常に潜む災害から都民を守る対策の推進 4-2-1 要配慮者を住宅火災等から守るための取組の推進 ○ 警備会社等から早期に通報を受信し、消防隊が出場する新たな 通報制度を整備し、火災による死者を低減 ○ 家庭を訪問し、火災予防等を指導する防火防災診断を福祉関係 機関と連携して推進し、火災における高齢者の死者を低減 4-2-2 総合的な防火防災診断 住宅火災対策・都民生活事故による被害低減対策の推進 ○ 死者発生3大要因(たばこ・ストーブ・こんろ)に着目した出火 防止対策等を推進し、住宅火災による死者を低減 ○ 高齢者や子供の日常生活中の事故(転倒・窒息・誤飲事故、 転落事故等)を分析し、事故防止対策を強化 たばこによる火災 (イメージ) 4-3 地域の安全を守る人材の育成 4-3-1 総合防災教育による防災対策の推進 ○ 教育機関や町会、自治会等と連携し、学校教育等において 防災教育を推進し、地域防災の担い手を育成 ○ 防災に関する知識や技術を身に付けられる消防少年団への 継続的な入団促進を行い、防災リーダーを育成 9 学校での総合防災教育 重点施策 5 火災予防対策の推進による建物の安全性の向上 社会の高齢化や国際化、建物等の高層化や深層化など、複雑・多様化する建物等の 構造や使用実態に応じた火災予防対策を推進するとともに、発生が危惧されている 首都直下地震への備えを確実なものとすることにより、災害への備えを万全にした 「セーフ シティ」を実現し、建物の安全・安心を確保する。 主要な計画 5-1 建物の使用実態に応じた安全対策の推進 高齢者福祉施設等における初期消火や避難誘導等に関する訓練を促進すると ともに、外国人観光客等に対する避難誘導体制を強化する。 また、地下通路等で接続されたターミナル駅等の複雑な構造を有する建物間 の情報共有・相互協力体制を強化し、建物の使用実態に応じた安全対策を推進する。 5-2 危険物を取り扱う施設の安全対策の推進 震災時に避難所等において保管される灯油等の危険物に対する安全性の確保など、 震災時において危険物を取り扱う施設への安全対策を強化するため、危険物の適正な 取扱い等に関する指導の充実強化を図る。 10 4-2-1 5-1 広域的な総合防火安全対策 建物の使用実態に応じた安全対策の推進 5-1-1 高齢者福祉施設等に対する自衛消防訓練指導の強化 〇 高齢者福祉施設等の職員数や入居者等の実態に対応した効果的な 訓練の指導方法等を定め、災害発生時の対応力を強化 〇 初期消火や避難誘導等に関するインターネットを活用した 電子学習教材を製作し、時間や職員数等が限られた社会福祉 施設等において効果的な訓練環境を整備 避難誘導訓練指導 5-1-2 外国人に対する災害対応サポートの推進 〇 避難経路図の多言語化や絵や図で示した記号(ピクトグラム) の設置を働きかけ、外国人が利用する施設の多言語化を促進 〇 東京の防災に対する取組や火災等の災害時における対応方法に関する 情報を多言語で発信し、外国人が安心して滞在できる環境を整備 多言語化された資料 5-1-3 広域的な総合防火安全対策 ○ 地下通路等で接続されたターミナル駅等の建物関係者による 意見交換会を実施し、情報の共有や連携体制を強化 ○ ターミナル駅等における災害発生時の対応について建物関係者や 消防隊が参加する訓練を実施し、相互の協力体制を強化 5-1-4 建物の安全・安心情報の発信の強化 ターミナル駅等での訓練 〇 火災の未然防止を目的とした立入検査等を実施し、建物利用者 の安全を確保 ○ 火災に対する安全性向上の取組が優れている建物が表示できる 優良防火対象物認定証の対象を拡大し、申請を促進 ○ 建物の消防法令違反や安全に関する情報を確認できるウェブサイト の多言語化等を推進し、建物利用者が安全を確認できる体制を強化 5-2 5-2-1 地図情報サイト 危険物を取り扱う施設の安全対策の推進 都民生活に必要な危険物の震災時における安全対策の充実 ○ 給油取扱所における営業を継続するための判断基準を定め、燃料 供給の再開を事業者自ら判断できる環境を整備 ○ 避難所等における暖房・調理等で使用される危険物の貯蔵・取扱 基準を定め、避難所等における危険物の安全対策を強化 ○ 高層階に設置する非常用発電設備等の配管の耐震性等について 指導基準を定め、非常用発電設備等の安全性を確保 11 非常用発電設備 重点施策 6 都民の期待に応える職員の育成及び組織運営の推進 発生が危惧されている首都直下地震、建物等の高層化や深層化による都市型災害など、 複雑・多様化する災害に対応するとともに、誰もが働きやすい「ダイバーシティ」 及び環境にも配慮した「スマート シティ」の実現に向け、人材の育成、効率的な 組織運営及び消防庁舎等の整備を推進する。 主要な計画 6-1 都民のニーズへの的確な対応 都民へのサービスの向上を図るため、都民が求める消防行政に関する情報を 迅速・的確に配信する体制を整備するとともに、都民の認識や意見を幅広く収集する。 6-2 消防の未来を担う人材の育成 外国人旅行者等への対応を強化するため、消防職員の多言語対応の強化を図る。 また、アジア地域の消防職員に対して実施する救助技術研修等を通して、 当庁職員及びアジア地域の消防職員の災害発生時における活動能力の向上を図る。 6-3 職員の活力を引き出す環境づくり 職員の活力を引き出すため、女性職員の活躍推進など、誰もが働きやすい環境を 整備するとともに、職員の認識や意見を幅広く収集する 。 6-4 都民の安全・安心を支える先進的な消防庁舎等の整備 継続的な消防活動を展開するため、災害活動拠点としての機能を発揮するとともに、 省エネ・再エネ等の環境にも配慮した先進的で多機能な消防庁舎等を整備する。 写真 12 6-1 都民のニーズへの的確な対応 6-1-1 都民の意識や行動に働きかける政策広報の展開 ○ 電子広告等を活用して、地域の人々が必要とする防災に 関する情報を発信し、都民の防災意識を向上 ○ 消防博物館や防災館における外国人に向けた防災に関する 情報の発信を強化 6-1-2 電子広告 (デジタルサイネージ) 消防行政に関する情報発信・情報提供の強化 ○ 災害現場の映像など、都民が今知りたい情報を積極的に 発信し、都民の防災意識を向上 ○ 都民が知りたい消防に関するデータを利用しやすい形で 提供し、都民の利便性を向上(オープンデータ化) 6-1-3 災害現場の映像等 (イメージ) 消防業務のICT化の推進による都民サービスの向上 ○ 消防署等への届出の電子申請化などを行い、都民の利便性 を向上 ○ 消防署等において保管する建物に関する資料等の電子化 を推進し、より効率的な事務処理を推進 6-1-4 消防車両等の安全運行対策の推進 ICT化の推進による業務の効率化 (イメージ) ○ 消防車両等の運転に関する教育を行い、運転手の運転技術 を向上 ○ 消防車両等の周囲の状況を確認する装置等の導入を検討し、 静止物との接触事故等を低減 6-1-5 写真 消防車両の操縦技能訓練 都民の声を幅広く収集する仕組みの充実 ○ 消防に関する都民の認識や意見を聞くアンケートの質問 内容や対象範囲の見直しを行い、都民の意見等を積極的 に消防の仕事に反映 写真 イベントにおけるアンケート調査 13 6-2 6-2-1 消防の未来を担う人材の育成 消防職員の多言語対応の強化による消防行政サービスの向上 ○ 英会話等ができる職員を育成し、外国人が安心して滞在 できる環境を整備 写真 ○ 外国語の翻訳を可能とする資器材等を活用し、外国語へ の対応力を強化 外国人対応する消防職員 6-2-2 アジア地域の消防行政における優秀な人材の育成 ○ 危機管理ネットワーク参加11都市を対象とした研修 (救助技術研修)を通して、当庁職員やアジア地域の 消防職員の災害活動力を向上 写真 ○ 救助技術研修等を希望する都市の研修に対する要望を調査し、 より効果的な研修を実施 ハノイ消防局への救助技術研修 6-3 6-3-1 職員の活力を引き出す環境づくり 消防業務における女性の活躍推進 ○ 女性職員の採用拡大に向けた取組を推進・拡充し、消防 の仕事を担う女性消防職員を確保 ○ 出産等による休業、職場復帰、育児等の事情を抱える 職員を支援する研修等を充実し、職員が働きやすい環境 を整備 6-3-2 キャプション 勤務に従事する女性消防職員 職員の声を幅広く収集する仕組みの充実 ○ 職員が自由に意見を提出することができる機会を活用し、 幅広い意見を収集するとともに、若手の意見等を積極的 に収集する体制を整備し、自由に意見を言い合うことが できる風通しの良い職場環境を整備 14 意見を提出している様子 (事務改善委員会) 6-4 都民の安全・安心を支える先進的な消防庁舎等の整備 6-4-1 震災時等における本部庁舎の継続的な機能確保 ○ 耐震診断等により本部庁舎の安全性を分析・検証し、 震災時等において、消防本部としての機能を継続的に 確保するための方策を定め、災害への対応力を強化 6-4-2 災害活動拠点として相応しい消防庁舎の建設 東京消防庁本部庁舎 ○ 消防庁舎の耐震化や非常用発電設備等の設置を計画的に行い、 震災時等においても災害対応を継続できる体制を強化 浸水防止用設備 6-4-3 省エネ・再エネ及び緑の創出等の環境に配意した消防庁舎の建設 ○ 高効率機器や太陽光発電設備等を導入し、庁舎の電力使用量 やCO2排出量を削減 ○ 消防庁舎等の屋上緑化や敷地内への樹木等の植栽を行い、 緑を創出 太陽光発電設備の設置 6-4-4 消防車両等に係る低公害・低燃費対策の推進 ○ ディーゼル車両等を規制する「 平成28年ディーゼル重量車 排出ガス規制 」に適合した車両を導入し、排出ガスを低公害化 ○ 東京都が指定する特定低公害・低燃費車(ハイブリッド車等) を導入し、環境負荷の少ない体制を確保 15 低燃費・低公害車の導入 (イメージ)
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