愛媛県立中央病院 - 日本建設業連合会

No.12-043-2016作成
愛媛県立中央病院
新築
病院
Ehime Prefectural Central Hospital
発注者
設計
監理
施工
愛媛県(事業主体)
愛媛ホスピタルパートナーズ株式会社
大成建設・日建設計 設計共同企業体
株式会社日建設計
大成建設株式会社
オーバーハング
『シンプル・フレーム』 シンプルな平面と構造形式の採用
・北側配慮の究極の形
・空中容積を建物に取込む
・ひな段テラス
ヘリポート
〇CS.Beam・ユニーク構法によるロングスパンを構築
シンプルな形態の病棟
〇柱を少なくすることで医療機能を拘束しない
平面プランを実現
ユニバーサル・コア
カテゴリー
・セントラル・シャフト
・ランドマークとしての光庭
・メイン動線の集約
A. 環境配慮デザイン
B. 省エネ・省CO2技術
C. 各種制度活用
D. 評価技術/FB
E. リニューアル
F. 長寿命化
G. 建物基本性能確保
H. 生産・施工との連携
I. 周辺・地域への配慮
J. 生物多様性
K. その他
病棟
シンプル・フレーム
・四角形平面の病棟
・大架構フレーム
・ISS
・免震構造
病棟
屋上庭園
〇医療変化に柔軟に追従できるシンプルな四角
形平面を採用
ISS
〇高層階(病棟)と低層階(手術・外来)の間に、設備展
開スペース「ISS」を設け、建物の更新性を向上
〇病院機能を支え続けるため変更の需要が多い
放射線部門と手術部門の拡張に備え、北側低
層部分を通常の設計積載荷重の1.6倍で設計
光庭
人工透析
高度医療を支え続ける病院のかたち
ロングスパン
総合周産期母子医療センター
ISS
手術・ICU
『県民の安心の拠り所となる病院』を実現
屋上庭園
愛媛県松山市の中心地に位置する827床を有する県立病院の現地建替計
診療棟のシンプル・フレーム
中央材料・検査部門・医局・リハビリ
光のパティオ
(アトリウム)
外来・内視鏡・検査・健診センター
光のプラザ
(アトリウム)
『ユニバーサル・コア』 コアの集約による明快な動線の実現
外来・救命救急・画像診断
画である。病院PFI方式により、病院の基本理念『県民の安心の拠り所と
薬剤・物品管理・栄養・核医学・放射線治療
なる病院』をハード・ソフト面から総合的に具現化した。
・アメニティの核
・将来計画の基点 ・災害時の拠点
エネルギーセンター
免震層
『オーバーハング』 理想の病院を実現する建替手法
光のプラザ
狭隘な敷地での病院機能を全て維持しながらの建替という課題を解決
セントラル
シャフト
ELV
断面図
する為に、既存建物の上空を有効利用(オーバーハング)した大胆な建替
「CASBEE S」を取得
手法を採用した。これにより敷地制約に妥協しない高度医療提供に必要
の配慮、ユニバーサルで明快な部門構成を実現した。
『光のプラザ』 エントランスに広がる多目的大空間
○建物中央に自然光をもたらたし、日中のランド
マークとなる「光庭」
ELV
光庭
セントラル
シャフト
ユニバーサル・コア
Low-Eガラス、LED照明、リサイ
クル材、節水設備機器の採用、
中水利用、水平小庇の設置、屋
上緑化20%確保、太陽光利用等
環境に配慮した計画を行った。
な理想の形態・容積の確保、北側外壁のセットバックによる周辺環境へ
○建物中央部に設備メインシャフトを集約した
「セントラルシャフト」
セントラル
シャフト
光庭
セントラル
シャフト
○階段・エレベーターの「主縦動線」からなる恒久的
な機能を集約、各種ELVの効率的な運用を実現
○各階をこのコアを中心に必要な機能を規則的に
配置し、動線分離されたわかりやすいプラン、部
門間連携が強化された高機能施設を構築
○「セントラルシャフト」による設備配管の集約的
管理と高い設備更新性を実現
オーバーハングによって生まれた3層吹抜の開放的な多目的大空間であ
周辺環境への配慮と貢献
快適な環境を実現する『光のプラザ』の空調システム
建物北側をひな段状にセットバックし、北側近隣に対する日影、圧迫
外気との温度差が大きい窓際の床面に空調吹出口を設け、人の居住
感、視線の影響を低減した。同時に屋上緑化を施し、周辺環境との
域を中心に空調すると共に、床面全体で冷暖房することにより、快適
災害時にも機能し続ける複合エネルギーシステム
調和と熱負荷の低減を図った。また、駐車場の整備と合わせて十分
な生活環境の提供を実現した。
全てのインフラ供給停止時において、最低72時間の病院運営を可能とし
な長さのロータリーを計画し、慢性化していた前面道路の渋滞を完全
た。空調熱源、給湯熱源とも、電気、ガス、備蓄油の3つのエネルギー源
に解消した。敷地全体で20%を超える緑化と、松山城を中心とした都
を利用可能とし、災害に強い熱源システムを構築している。又、複数のエ
市軸に合わせた建物配置により、周辺の景観との調和を図った。
南側外観
る。床下冷暖房システム、大型電動ブラインド、遮熱高断熱ガラスと断熱
パネルを採用し、省エネと快適性を両立させている。
ネルギー源を持つことで、予測できないエネルギー情勢への対応力を向
サービス
アプローチ
Low-e ガラス
救急
水の使用量は、各種節水の方策により現状の設計標準700L/床に対して
診療棟
救急
アプローチ
20%削減の約565L/床を達成。その内、110L/床は、中水利用の便所洗浄
サブエントランス
( 時間外 )
水で止水使用量35%削減の約455L/床の超節水病院を実現している。
窓下からの吹出口
メイン
アプローチ
メインエントランス
既存本院上空に
高層階をオーバーハング
管理棟 (3号館 )
( 既存建物 )
PETセンタ棟
空調機
( 既存建物 )
立体駐車場 ( 西 )
高層階
1期工事完成時
配置図
2期工事完成時
十分な長さのロータリーにより前面道路の渋滞を解消
高層階
光のプラザ
(アトリウム)
Ⅰ期工事完成時
『光のプラザ』内観
CASBEE評価
省エネルギー性能
愛媛県松山市
2014 年
33,678㎡
95,470㎡(うち診療棟:66,969.85㎡)
RC造(一部S造)
地下2階、地上12階、塔屋2階
PAL削減
ERR(CASBEE準拠)
LCCO2削減
15 %
33 %
30 %
Sランク
BEE=3.1
2008年度版
自己評価
3.0
100
環境品質Q
建物データ
23
23
検討条件:冬季
外気温度:-1.6℃
床暖房 :有
日 射 :無
熱だまり換気:無
30
S
63
1.5
A
3.1
+
BEE=1.0
B
-
B
50
0.5
C
20
0
0
50
環境負荷L
100
/設備:堀雄二,森義明,龍英夫/インテリア:大野博文/環境デザイン:蕪木伸一,小池亘
30
23
設計担当者 統括:松村正人/建築:岡本憲文,倉石敏子,坂口秋一,濱野博康/構造:中川路勇,島村高平
建替イメージ
空気の流れ
光のプラザ ( 断面 ) 温熱シミュレーション
医師公舎
既存本院
床下冷暖房
夏季:冷水/冬季:温水
立体駐車場 ( 東 )
サブアプローチ
所在地
竣工年
敷地面積
延床面積
構造
階数
遮光用断熱パネル
+ 木ルーバー
換気塔
サービス
中水利用率100%
低層階
遮光用電動
ロールスクリーン
セットバックして近隣配慮した「ひな段テラス」
上させ、同時に光熱水費の低減への配慮も行っている。
低層階
熱気抜き
(屋上換気ガラリへ)
温度
22
28
21
22
26
25
検討条件:夏季
外気温度:32.9℃
床冷房 :有
日 射 :有
熱だまり換気:有
[°]
C
21 22 23 24 25 26 272829 3031
主要な採用技術(CASBEE準拠)
Q2. 2.
Q2. 3.
Q3. 2.
LR1.1.
LR1.2.
LR1.3.
耐用性・信頼性(超高性能基礎免震構造/複合エネルギーシステム/外壁PCa化)
対応性・更新性(診断装置更新の床荷重対応/ISS/セントラルシャフト/CS.Beam・ユニーク構法)
まちなみ・景観への配慮(都市軸に合わせた建物配置/県産材の利用/北側セットバック/ランドスクープ)
建物外皮の熱負荷抑制(Low-Eガラス/複層ガラス/小庇付き出窓/屋上緑化)
自然エネルギー利用(自然採光/太陽光発電)
設備システムの高効率化(ハイブリッド給湯システム/空冷熱源ヒートポンプ給湯システム)
サステナブル建築事例集/一般社団法人日本建設業連合会
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