(2016年12月) ハイチ共和国・政治・経済・社会情勢月報 在ハイチ大使館 <ポイント> 【政治】 ●プリヴェール(暫定)大統領は,プチ・フレール(Jessy C. PETIT-FRERE)商業・産業大 臣を更迭(2日),同大臣が兼務していた在外自国民大臣をデリエンヌ(Pierrot DELIENNE) 外務・宗務大臣が兼務することが決定された。(7日) ●大統領選挙第1回投票の暫定結果において2位から4位となった候補を擁する3党は県選挙 係争局(BCED)に対し同暫定結果への異議申立を提出(1日),BCENは同申立について BECDの権限・能力を超えるとして,国家選挙係争局(BCEN)にて審理すると決定した。 (9日) ●臨時選挙管理委員会(CEP)は上院1/3改選選挙第1回投票,上下院選挙等の一部やり 直し投票(第2回投票)の暫定結果を発表した。(4日) 【経済・社会】 ●ハリケーン・マシューによる農業セクターの被害額は5億8千万ドル規模に上るとのFAO の報告が出された。 ●11月インフレ率,前年同月比+14.2%。 1 政治(内政,外交) (1)ハイチ内政・外交 ● 1日 臨時選挙管理委員会(CEP)は,11月20日に行われた大統領選挙第1回投票の投票率を21. 09%と発表した(女性8.26%,男性12.84%) 。 ● 1日 大統領選挙第1回投票の暫定結果において2位から4位となった候補を擁する Fanmi Lavalas,LA PEH,Pitit Dessalines 各党は,県選挙係争局(BCED)に対し同暫定結果への異議申立を提出 した。 ● 2日 プリヴェール(暫定)大統領は,プチ・フレール(Jessy C. PETIT-FRERE)商業・産業大臣を更迭 した。当地紙によれば,更迭の1週間前,海外からの投資家がハイチ訪問を予定していたものの,同 大臣は外遊のため不在にしていたことから,同投資家による訪問が中止されていた。 ● 4日 CEPは上院1/3改選選挙第1回投票,上下院選挙等の一部やり直し投票(第2回投票)の暫定結 果を発表した。上院1/3改選選挙ではPHTK及びその同盟関係にあるKONA党の2候補が当選 要件を満たした。PHTK派は,上院選挙やり直し投票(6議席対象)で5議席を,下院選挙やり直 し投票(24議席対象)で8議席をそれぞれ獲得した。 ● 7日 プチ・フレール通商・産業大事の更迭を受け,同大臣が兼務していた在外自国民大臣をデリエンヌ (Pierrot DELIENNE)外務・宗務大臣が兼務することが決定された。 ● 9日 県選挙係争局(BECD)は,大統領選挙第1回投票暫定結果への異議申立3件及びジョヴネル・モ イーズ側の申立受理不能要請について,BECDの権限・能力を超えるとして,国家選挙係争局(B CEN)にて審理すると決定した。 ●18日 ジャン=マルク・エロー仏外務大臣がハイチを訪問した。ハリケーン・マシューによる被害地域(ジ ェレミー市)を視察し,フランスによる一層の支援が必要であるとの認識を示したほか,先月の選挙 について,政治の安定はハイチの経済発展にとり重要で有り,選挙が着実に実施されたことはハイチ の歴史において重要な一歩であると述べた。 ●20日 大統領選挙第1回投票暫定結果への異議申立を行っている3党による,19日の申立内容の陳述を踏 まえ,BCENは「無作為に選ばれた1,560(全体の12%)の選挙調書の検証を命じる」との 決定を下した。 (2)日・ハイチ関係 ● 1日 八田日本大使とデリエンヌ外務・宗務大臣との間で平成28年度対ハイチ無償資金協力「食糧援助」 に関する交換公文への署名が行われた。 ● 8日 天皇誕生日祝賀レセプションが市内ホテルにて開催され,デリエンヌ外務・宗務大臣他閣僚が出席し た。 2 ● 経済・社会 6日 FAOの報告によれば,ハリケーン・マシューによる農業セクターの被害額は5億8千万ドル規模に 上る。 ●11日 ハイチ国家警察(PNH)は,ペチョン・ビル市(当館所在地)においてギャング掃討作戦を実施し, ギャングメンバー10名が逮捕された。その際,警察官1名が死亡した。 ●12日 CEPによる大統領選挙第1回投票暫定結果の発表以降,Fanmi Lavalas 党支持者等により器物の損 害行為を伴うデモ活動が続けられていることを踏まえ,レジェー(Jean Danton LEGER)政府委員 は治安当局に対し,これらデモにおいて暴力行為が確認された場合には,同実行者を逮捕するように との指示を出した。 ● 3 11月インフレ率,前年同月比+14.2%。 文化・その他 ●20日 ハイチ対中国関係発展委員会(CHDC)が新事務所開設式を開催し,フルーラン(Aviole FLEURANT)計画・対外協力大臣が参加した。式典では同事務所にて来年1月から一般向けの中国 語講座を新規開設することが発表された。
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