商品 - Fast Retailing

2.商品
本当に良い服をお客様にお届けするためには、商品を通じてサステナビリティを実現していか
なければなりません。これは、デザインから使用後までの商品のライフサイクルを通じて、環
境および社会的な影響に配慮すること、トレーサビリティや商品の安全・品質を確保していく
ことを意味します。サステナビリティはアパレル業界における共通の課題であり、業界全体で
の連携・協働が重要であるとも考えています。
商品ポリシー
私たちは、サステナブルな商品の実現に向けて、「原材料」「動物愛護」「商品の品質と安全
性」の3つのテーマに関し、以下の取り組みを進めます。
原材料
私たちは、資源の有効利用を推進しながら、倫理的かつ責任ある方法により原材料を調達しま
す。天然資源や生物多様性の保全、絶滅危惧種の保護に努め、サプライチェーンに関わる人々
の人権を尊重します。
私たちにとって特に重要な原材料については、以下の方針のもと、調達を進めます。
コットン:
私たちは、従来の方法で生産されているコットンが、環境や社会に対して悪い影響を与えてい
る可能性を認識しています。例えば、多量の水や殺虫剤の使用による環境負荷、農家における
労働環境の問題などです。私たちは、コットン生産における環境負荷を軽減するために、より
サステナブルなコットンの使用を増やすことを目指し、取り組みを進めます。また、強制労働
や児童労働のもとに生産されたコットンが使われることのないよう、仕組みを整備していきま
す。
リサイクル素材・クローズドループ素材:
リサイクル素材を採用すれば、バージン素材に比べて、商品のライフサイクルにおける環境負
荷を低減できる可能性があります。繊維のリサイクルによって、天然資源への依存を軽減する
とともに、廃棄衣料を減らすことが期待できます。
私たちは、リサイクル素材の採用を継続的に検討していきます。また、素材メーカーなどと協
力し、素材のリサイクルシステム実現に向けたソリューションを模索します。
木材・森林由来の素材:
私たちは、絶滅の危機に瀕した森林や古代森林、絶滅危惧種の生息地、違法伐採されている森
林やプランテーションから採取された繊維原料、先住民の権利侵害につながる素材を故意に使
用することはありません。
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私たちは、従来の木材・森林由来の繊維原料に代わる、リサイクル生地や農業廃棄物から作ら
れた生地などの革新的な代替素材の採用も検討していきます。
動物愛護
私たちは、動物由来原材料についても、その調達過程で、動物愛護への配慮がなされるべきで
あると考えています。
また、素材の採取現場に遡ってトレーサビリティを確保し、厳しい動物愛護基準を適用するこ
とが、サステナブルな素材の調達のために不可欠であることを認識しています。
私たちは、トレーサビリティを確実に実現するための基準や認証制度の採用を視野に入れ、ま
た、ワシントン条約(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and
Flora(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約))および国際自然保護連
合(International Union for Conservation of Nature)のレッドリストに指定されている動物由来の
素材が使用されることのないよう、取り組んでいきます。
さらに、動物愛護における各テーマに関して、以下の方針のもと、取り組みを進めます。
リアルファー:
2018 年までに FR グループの全てのブランドでファーフリー(毛皮の不使用)を実現します。
2018 年秋冬シーズン以降、一切のリアルファーを使用しません。
ウール:
私たちは、羊のミュールシングを行う農家から調達したウールを故意に使用することはありま
せん。ファーストリテイリングは、取引先と協働し、ウールが責任ある倫理的な方法で調達さ
れるよう、基準を採用していきます。
ダウン、フェザー:
私たちは、強制的に給餌した鳥から採取したり、鳥が生きている状態で引き抜いたダウンやフ
ェザーを故意に使用することはありません。
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レザー、エキゾチックスキン(爬虫類、鳥類、魚類などの皮革)、その他の動物製品:
私たちは、レザー、エキゾチックスキン、その他の動物製品に関する禁止対象リストを継続的
に管理するとともに、特にレザーについては、生産パートナーと協働しながら、倫理的かつ責
任ある方法で調達するための取り組みを進めます。
商品の品質と安全性
私たちは、商品の品質、耐久性、安全性を追求した「世界最高水準の服づくり」を目指します。
デザインや生地、加工技術にもサステナビリティの視点を取り入れ、高い品質・安全性ととも
に、機能性、耐久性を備えた商品をお届けします。
また、商品に使われる素材に関しては危険化学物質が含まれないことを確認するとともに、厳
しい品質・安全検査を行っています。
商品の品質に関するお客様からのお問い合わせは、各地の生産事務所に適時に共有され、生産
パートナーとの協働による速やかな課題の解決に活かされています。
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