16-D-1047 2017 年 2 月 28 日 株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。 積水ハウス・SI レジデンシャル投資法人 【据置】 長期発行体格付 格付の見通し 債券格付 (証券コード:8973) AA− 安定的 AA− ■格付事由 (1) 本投資法人は、住居を投資対象とする不動産投資法人(J-REIT)。資産運用会社である積水ハウス・SI アセットマネジメント(SHSIAM)の出資者は、積水ハウス(75%)とスプリング・インベストメント (25%)。メインスポンサーである積水ハウスの強みを生かし、高品質な住居を基軸としたポートフォリ オの構築を進めている。17 年 3 月の取得予定物件を含めた資産規模は、113 物件、取得金額総額約 2,069 億円。 (2) 16 年 2 月以降のこの 1 年間において、積水ハウスおよび積和不動産グループからの取得を中心に 8 物 件・約 216 億円の住居(うち 1 物件は学生寮)を取得した一方で、従前からポートフォリオの収益の変動 リスク要因として懸念され売却を進めていた商業施設については 1 物件を売却した。住宅特化型リートと してのポートフォリオの構築が一層進展し、また、ポートフォリオの収益基盤の安定性が向上したものと 見られる。今後の外部成長においても、積水ハウスグループとの物件パイプラインの活用により、マーケ ットに頼ることなく高品質な住居の取得機会が確保されているものと見ている。なお、含み損を抱える 「浜松プラザ」のポートフォリオに占める取得価格比率は 1.8%と、本投資法人の今後の運営に対するリ スクは限定的なものと見ているが、共有者の積水ハウスとの協業による今後の運用動向について引き続き 注目していく。一方で住居の稼働状況は、積和不動産各社を中心とした PM 会社との連携のもと、16/3 期・16/9 期ともに 96%を超える高い期中平均稼働率であった。積水ハウスグループの総合力を活用しな がら、ポートフォリオの質的向上と資産規模の拡大が進み、また、安定的な賃貸住宅運営と LTV コント ロールが継続されている。以上を踏まえ、格付を据え置き、見通しを安定的とした。 (3) 保有する商業施設は 1 物件のみとなり、住居の取得価格比率は 16/3 期末の 97.2%から 98.2%へと上昇。 エリア別では、東京圏主要都市部を重点投資エリア(70%程度)としながら、積水ハウスグループの全国 ネットワークを活用しつつ東京圏への一極集中リスクを軽減するために一定程度エリア分散投資を行う。 保有する住居の平均築年数は 16 年 11 月時点で 9.2 年と新しく住居系 J-REIT の中でも上位にランクして いるが、竣工後 10 年程度経過する物件も多く見られる。SHSIAM では、長期修繕計画の策定および修繕 工事の管理等の業務を専門的に担う部署を新設して、資産価値の維持・向上に向けた大規模修繕工事を実 施していく予定であり、こうした新体制による取組みの状況についてフォローしていく。 (4) 財務面では、積水ハウスの親密金融機関を中心としたバンクフォーメーションが構築され、平均借入残存 期間を維持しつつ、借入コストの更なる低減が見られる。90%を超える高い長期固定金利比率が保たれ、 また、コミットメントラインの設定により流動性も一定程度確保されており、リファイナンスのアベイラ ビリティに対する配慮もされている。また、LTV については 50%台前半を上限の目処としてコントロー ルする方針であり、16 年 10 月に実施した公募増資により直近では 50.6%(試算値)まで低下するなど、 安定した財務運営が行われている。 (担当)杉山 1/3 http://www.jcr.co.jp/ 成夫・秋山 高範 【新規に取得した主要物件の概要】 プライムメゾン白金高輪 本物件は、東京メトロ南北線および都営地下鉄三田線「白金高輪」駅から徒歩約 3 分に位置する賃貸住 宅。スポンサーにより企画・開発され 15 年 6 月に竣工した築浅物件であり、16 年 10 月に実施した公募増資 により取得した。地上 12 階建てで 147 戸を有する大型物件。主なタイプはシングル・コンパクトタイプで あり、単身者層や DINKS 層を主なターゲットとしている。 都心の主要エリアへの交通アクセスに優れ、また、周辺の住環境も良好であることに加え、白を基調とし たスタイリッシュな外観、高級感のある仕様、3 重のセキュリティシステムのほか充実した設備を有し、底 堅い居住ニーズが期待できる物件である。 取得日:16 年 11 月 1 日 取得価格:4,500 百万円(ポートフォリオ比:2.2%) ■格付対象 発行体:積水ハウス・SI レジデンシャル投資法人 【据置】 対象 長期発行体格付 格付 見通し AA対象 第 1 回無担保投資法人債(特定投資 法人債間限定同順位特約付) 第 2 回無担保投資法人債(特定投資 法人債間限定同順位特約付) 第 3 回無担保投資法人債(特定投資 法人債間限定同順位特約付) 第 4 回無担保投資法人債(特定投資 法人債間限定同順位特約付) 第 5 回無担保投資法人債(特定投資 法人債間限定同順位特約付) 発行額 安定的 発行日 償還期日 利率 格付 40 億円 2013 年 2 月 28 日 2018 年 2 月 28 日 0.630% AA- 20 億円 2013 年 2 月 28 日 2020 年 2 月 28 日 1.000% AA- 25 億円 2014 年 2 月 28 日 2019 年 2 月 28 日 0.374% AA- 30 億円 2014 年 2 月 28 日 2024 年 2 月 28 日 1.069% AA- 30 億円 2014 年 8 月 29 日 2024 年 8 月 30 日 0.871% AA- 2/3 http://www.jcr.co.jp/ 格付提供方針に基づくその他開示事項 1. 信用格付を付与した年月日:2017 年 2 月 24 日 2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:杉山 主任格付アナリスト:杉山 成夫 成夫 3. 評価の前提・等級基準: 評価の前提および等級基準については、JCR のホームページ(http://www.jcr.co.jp/)の「格付関連情報」に「信 用格付の種類と記号の定義」 (2014 年 1 月 6 日)として掲載している。 4. 信用格付の付与にかかる方法の概要: 本件信用格付の付与にかかる方法(格付方法)の概要は、JCR のホームページ(http://www.jcr.co.jp/)の「格付 関連情報」に、 「J-REIT」 (2014 年 6 月 2 日)の信用格付の方法として掲載している。 5. 格付関係者: (発行体・債務者等) 積水ハウス・SI レジデンシャル投資法人 6. 本件信用格付の前提・意義・限界: 本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。 本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性 の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外 の事項は含まれない。 本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCR が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入 手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。 7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者: ・ 格付関係者が提供した監査済財務諸表 ・ 格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明 8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要: JCR は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、 独立監査人による監査、発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、 当該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。 9. JCR に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし ■留意事項 本文書に記載された情報は、JCR が、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、 的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、また は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCR は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、 金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因 のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、JCR の格付は意見の表明であ って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも のでもありません。JCR の格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として 発行体より手数料をいただいて行っております。JCR の格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、JCR が保有しています。JCR の格付データ を含め、本文書の一部または全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。 ■NRSRO 登録状況 JCR は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラスに 登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則 17g-7(a)項に 基づく開示の対象となる場合、当該開示は JCR のホームページ(http://www.jcr.co.jp/en/)に掲載されるニュースリリースに添付しています。 ■本件に関するお問い合わせ先 情報サービス部 TEL:03-3544-7013 FAX:03-3544-7026 3/3 http://www.jcr.co.jp/
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