Ⅱ まちづくりの方向性 第1章 まちづくりの方向性 (1)まちづくりの方向性 当市には、世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」 をはじめとする貴重な歴史 文化や国立公園三瓶山、温泉、長い海岸線に代表される優れた自然、中山間地域に広 がる農村漁村、“人財”等の豊富な地域資源 がある。 まちづくりを行っていくうえでは、これらの「魅力あふれる地域資源」を効果的に 活用し、「魅力と活力のある 都市(まち)」にしていくことが重要であり、その ために も、これら地域資源の価値を 市民一人ひとりが再評価し、ネットワーク化することに より、あらためて当市の「魅力」を創造して いくことが重要である。 また、まちづくりを行っていく上で、 市民と行政との協働は不可欠であり、行政の 果たすべき役割と 市民の主体性の掘り起こしを行う中で、その ための人材育成を積極 的に推進し、 「知恵と力」を結集することにより、豊かな未来を築いていかなければな らない。 新市のまちづくり 『大田市』のまちづくり 「大田市」を創造する3 つの力(まちづくりの戦略) 魅力 あるまちづくり 活力 あるまちづくり ●石見銀山遺跡の保全・活用 ●歴史や自然等多彩な地域資源等の ネットワーク化 ●快適な都市環境の整備 ●子育て支援体制の整備・充実 ●保健・医療・福祉サービスの充実 ●地域資源や特性を活かした産業振 興策の展開 ●道路ネットワークの整備推進 ●地域間交流の促進と交 流人口の拡大 ●情報通信網の整備・活用 ●生涯学習体制の整備・充実 協力 によるまちづくり ●市民と行政との協働 ●ホスピタリティの向上 ●地域コミュニティの推進 ●男女共同参画の推進 産業振興 保健・医療・福 祉 基盤整備 -15- 教育・文化 生活環境 行 財 政 まちづくりに向けた主要課題への対応や 、大田市の将来像を実現していくため、 当 市を創造するために必要な「魅力」、「活力」、「協力」の“3 つの力”を有機的に連携さ せ、当市が持つ豊富な地域資源を最大限に活かしながら、 大田市の「まちづくり」を 目指すこととする 。 また、平成 27 年 10 月に策定した「大田市まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、 「大田市総合計画」に掲げる目標を実現し、人口減少 に歯止めをかけ、将来にわたっ て活力ある大田市であり続けるため、 4 つの基本目標と数値目標を掲げる中で、平成 27 年度から平成 31 年度までの 5 カ年にわたる推進施策を示し、「若者、特に若い女 性の流入・定住」に視点を置いて取り組むとともに、 「子育て世帯への支援」を充実す ることとした。 さらに、この戦略に掲げた施策を着実に実施していくとともに、 「健康まちづくり」 を市政推進の大きな柱として位置づけ 、平成 28 年度に「大田市健康まちづくり推進 方針」を策定した 。 市 民の 健 康 づ くり は も と より 、 多 く の人 が 当 市 を訪 れ る 、「 快 適 で 美 しく 、 健 康な まちおおだ」の実現に向け、行政内部の連携はもとより、市民、地域団体、関係機関、 NPO、企業など様々な事業主体と行政が連携・協力しながら、全市を挙げて健康ま ちづくりに取り組むこととする。 (2)後期計画(改訂版)における重点施策 財政健全化との整合性を保ちながら、現下の厳しい経済・雇用情勢などを踏まえ、 市民の生活を守るとともに、大田市の将来的な発展に必要な施策について、 「後期計画 改訂版」における重点施策として定め、今後 2 年間において重点的・集中的に取り組 む。 ア 健康まちづくり ○健康でいきいき暮らせるまち ・市民の健康づくりとその環境づくりに取り組む。 ・大田市に暮らすことによって健康になるまちづくりを目指す。 ・住民同士の交流が盛んで、活発に地域活動が取り組まれ、住民が主体的に 楽しみながら健康づくりができるまちを目指す。 -16- ○日本一の健康保養都市 ・健康と観光を組み合わせた保養地づくりに取り組む。 ・心身ともにリフレッシュでき、何度でも訪れたくなるまちづくりを目指す。 ・自然・文化・歴史などに触れられ、人との交流ができ、楽しくや安らぎを感 じることのできるまちづくりを目指す。 イ 定住促進によるまちづくり ○多様な産業を活性化し「はたらく場」をつくる ・農林水産業の振興と6次産業化の推進を図る。 ・地場産業の育成と地域ブランド確立のための支援を行う。 ・産業教育とふるさと教育による人材の育成確保を図る。 ・地域資源を有効に活用しながら、観光誘客の推進を図る 。 ・市内中小企業の支援と新産業創出の推進を図る。 ○「結婚」「出産」「子育て」の希望をかなえる環境をつくる ・出会い創出イベント・交流会など婚活事業を推進し、結婚支援を充実する。 ・妊娠・出産による、経済的負担の軽減を図る。 ・子育てしやすい環境づくりを推進するため、 保育料の軽減や、乳児医療費 や子ども医療費の負担軽減を行う。 ○新たな「ひとの流れ」をつくる ・産業体験・暮らし体験を通じた交流を促進し、移住・定住につなげる。 ・特色ある教育や魅力ある教育環境を創出し、教育移住を 推進する。 ・地域課題解決のための地域おこし協力隊等、市外からの人財を積極的に 誘致して、新たな人の流れを作る。 ○「交流」「連携」「協働」により 住みよいまちをつくる ・コンパクトで持続可能なまちの形成を目指す。 ・健康で安心して暮らせる地域づくりを推進する。 ・地域の実情に応じた課題解決への支援を行う。 -17- ウ 安全・安心なまちづくり ○地域医療の確保 ・地域で働く医療従事者の確保に努め、 診療機能の強化を図る 。 ・大田総合医育成センターによる総合医育成の取り組みを通じて、市立病 院の診療機能の充実を図る。 ・新大田市立病院建設の早期完成を目指し、着実に事業を進める。 ○生活交通の確保 ・地域のバス路線を維持し、 市民の生活を守る。 ・乗り合いタクシーなど新たな生活交通手段の導入を進める。 ○消防・防災対策 ・消防・救急救助体制を充実強化する。 ・自主防災組織の育成や災害予防体制の強化を推進する。 ・災害時における市民の避難体制の整備を進める。 ○地域のコミュニティの確保 ・住み慣れた地域で住み続けることができる「持続可能な まちづくり (大田市版 ・小さな拠点づくり)」を推進する。 ・地域資源を有効に活用し、定住施策を積極的に推進する。 -18- (3)施策の体系 将 来 像 まちづくりの戦略 自然・歴史・ひとが光り輝く だれもが住みよい 県央の中核都市 大田市を創造する3つの力(魅力・活力・協力) 1.地域資源のネットワークによる活発な産業づくり(産業振興) 1.「誇れる」大田ブランドづくりの推進 2.地域一体での「もてなし」の充実による産業の振興 3.核となる技術や資源を「活かした」新産業創出と産業集積 4.地域や環境にやさしく未来へ「つなげる」産業の推進 5.戦略的な企業誘致活動の推進と「攻める」体制の強化 6.次世代を「担う」人材育成の推進 2.だれもが住みよく、安心・やすらぎを感じる生活づくり(保健・医療・福祉) 1.子どもを健やかに産み育てることができる環境づくり 2.生涯を通じた健康づくりの推進と地域医療の充実・確保 3.だれもが支え合い安心して暮らせる社会の実現 4.人権を尊重するまちづくりの推進 3.県央の中核都市にふさわしい、快適な基盤づくり(基盤整備) 1.総合的な土地利用の促進 2.快適な都市環境の形成 3.人・物の交流を支える道路ネットワークの形成 4.暮らしを支える生活交通の確保 5.生活の質を高める情報通信網の整備・活用 6.安全な生活の確保 4.石見銀山をはじめとする歴史文化を生かした創造的な人づくり(教育・文化) 1.世界に誇る石見銀山遺跡の保全と貴重な歴史・地域文化の振興 2.豊かな心を育む学校教育の推進 3.いつでも学べる生涯学習社会の実現 4.生涯にわたるスポーツライフの実現 5.地域特性を活かした地域間交流の推進 5.自然との共生や循環型社会を目指す生活環境づくり(生活環境) 1.自然と共生したまちづくりの推進 2.廃棄物等の処理と再資源化の促進による循環型社会の構築 3.飲料水の安定的な確保と供給 6.参画と協働によるまちづくり(行財政) 1.協働によるまちづくり 2.効率的な行財政運営と改革の推進 -19-
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