新定番①:表裏を気にせず挿せる タイプC接続のメカニズム

保存版特集
保存版特集 新定番USBタイプCの基本動作メカニズム
USB コネクタが統一されちゃうかも ?
第1章
新定番①:表裏を気にせず挿せる
タイプ C 接続のメカニズム
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野崎 原生
● データ通信の主従関係
タイプ C の世界の USB 接続
● タイプ C の世界はコネクタが全て同一
図 1 に,USB の接続を示します.タイプ A/B コネ
クタ(全ての A/B コネクタ)を使用する USB(以降,
従来の USB)では,
・ホストなのかデバイスなのか
・ハブのアップ・ポートかダウン・ポートか
という識別で十分事足りていました.各ポートの機能
は固定されていて,動的に変化することがなかったか
らです.
また機能によってコネクタの形状が違うため,コネ
クタの形を見分ければ十分で,そのポートがどのよう
な機能かを意識する必要は特にありませんでした.
一方 USB タイプ C(Type-C)では,ホスト / デバイ
ス,ハブのアップ・ポート / ハブのダウン・ポートの
全てが,物理的にはまったく同一の形状をしていま
す.コネクタの外観を写真 1 に示します.
従来のUSB
(タイプA/タイプB)
ソース
DFP
タイプA
タイプB
タイプA
USBタイプC
ホスト
ソース
DFP
シンク
UFP
USB では,データ通信の主従関係としての役割を
データ・ロール(Data Role)と呼び,
・DFP(Downstream Facing Port):データ通信の
主となる側(ホスト)
・UFP(Upstream Facing Port):データ通信の従と
なる側(デバイス)
の 2 つがあります.また,DFP にも UFP にもなれる
DRD(Dual-Role-Data)というものもあります.
この DFP や UFP という言葉自体は従来の USB から
存在するものですが,従来はそれを特に意識する必要
はありませんでした.DFP 側にはタイプ A コネクタ
が,UFP 側にはタイプ B コネクタが使われ,コネク
タ形状が明確に違うからです.
● 電源供給の主従関係
もう 1 つ,電源の供給側か受電側かの役割をパワー・
ロール(Power Role)と呼び,
・ソース(Source):電源の供給側
・シンク(Sink):電源の受電側
の 2 つがあります.またソースにもシンクにもなれる
DRP(Dual-Role-Power)というものもあります.
シンク
UFP
ハブ
ソース
DFP
ソース
DFP
タイプB
シンク
UFP
シンク
UFP
デバイス
デバイス
デバイス
全ての
コネクタが
タイプCで
同一形状
(a)レセプタクル(機器側)
図 1 タイプ C の世界では従来あまり意識しなくてよかった通信 /
給電の主従関係を整理しておかないといけない
従来の USB はホスト / デバイスの関係がコネクタ形状で決まったが,タ
イプ C では全てのコネクタが同一形状となるので,ホスト / デバイスや電
源供給方向を意識する必要がある
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(a)プラグ(ケーブル側)
写真 1 USB タイプ C コネクタ
2017 年 4 月号