未来を 切り拓く 基礎研究 E-4 グラフェン・遷移金属ダイカルコゲナイド 2次元原子層材料により、次世代デバイスを実現します 近年、厚さ1nm以下のグラフェン*1や遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)*2などの層状物質を用いて、新規物性の探索や光・電子デバ イス開発が世界中で行われています。NTT研究所では、大面積基板上への層状物質の高純度結晶成長と新物性の探索、それを用いた 次世代デバイスの開発をめざして研究を進めています。 特 ヒーター 徴 ■ 層と層は、ファン・デル・ワールス力によって弱く結合しており、 1層まで剥離することが可能 ■ TMDCは、遷移金属とカルコゲン原子の組み合わせにより、 半導体や金属・超伝導として性質が変化 ■ 半導体として振る舞うTMDCの多くは、層数によってバンド 構造が変化 ヒーター ヒーター SiC*3の熱分解によるグラフェン成長 CVD*4 によるhBN*5 ・グラフェン成長 ■ 異なる層状物質を互いに積層させることで、新規物性が発現 ■ 非常に大きな励起子束縛エネルギー*7や光吸収係数*8 ■ 1nm以下の1原子層・分子層で構成されたデバイスの実現 Se Mo 単層MoSe2 利用シーン ■ 超低消費電力で動作する、極微小電子デバイス 0.5 nm GaAs基板 ■ 次世代高効率発光・受光デバイス ■ 層間に陽イオンを蓄えることが可能で、電池材料として期待 ■ 人工光合成用触媒 *1 A.Geim,K.Novoselov両博士は、スコッチテープ用いた単層グラフェンに関して2004年に発表、2010年ノーベル賞を受賞 *2 モリブデンやタングステンなどの遷移金属Tと、カルコゲン原子である硫黄、セレン、テルルXによる化合物TX2 *3 シリコンと炭素の化合物 *4 化学気相成長 *5 層状の窒化ホウ素 *6 分子線エピタキシ *7 半導体中で、熱や光によって励 起された電子・正孔対の束縛エネルギーのことで、大きいほど安定 *8 光の吸収しやすさを示す定数 〈問い合わせ先〉[email protected] Copyright © 2017 NTT. All Rights Reserved.
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