ポスターやPOPの内製で コスト削減&柔軟な販促展開を!

商品
研究
HP Designjet130
大判プリンター
2
ポスターやPOPの内製で
コスト削減&柔軟な販促展開を!
大判プリンターを導入し、大型ポスターやのぼり旗を内製する小売店や飲食店などが増えてきた。
厳しい競争を続ける中小企業にとっては、今や市場の変化に応じた臨機応変な販促展開が不可欠。
そんなときに大判プリンターは大いに役立つはずだ。
などが必要だが、内製であればこう
力枚数が増えるほ
した煩わしさはない。しかも、原稿
ど大きく開き、い
データの完成後に修正が必要になっ
ずれは本体購入に
た場合も、内製であればその場での
かかった初期費用
柔軟な修正が可能だ。
も回収できること
世界で初めてインクジェット方式の大判プリンターを発売したのがHPだ。以来、累計出荷は世界で
100万台以上。その最大の特長は、一般向けインクジェットプリンターとは事業部を分け、プロ用大判プ
リンターの専門部隊が設計・開発していること。作り込みの高さや堅牢性などが高く評価されている。
Designjet130はこうした設計思想を踏襲しつつ、幅広いユーザーに気軽に使ってもらうことを狙った
モデル。本体重量は22kgというコンパクトボディながら、耐久性を高めた独自の染料インクViveraなど
による鮮やかな色再現が可能だ。また、用紙挿入のしやすさや、カット紙とロール紙の自動切り替えな
ど、優れた操作性でも定評がある。
になるわけだ。
内製には、外注にはない機動性と
いう魅力があるわけだ。これを生か
この試算はHP
して、市場の変化に敏感に対応した
のカタログに記載
販促物を随時作成できることが、大
されたコストをも
判プリンターを導入する大きなメリ
週替わりの目玉商品を大判ポスタ
ーのこと。紙以外にも、ロードサイ
リンターそのものであるが、かつて
ーで訴求したり、店内のイメージポ
ドの飲食店などでお馴染みの長尺の
の名残で今も、プロッターと呼ばれ
インク代、ヘッド代、用紙代を合わ
とにしており、実際には使用する機
スターを頻繁に変更し、雰囲気を変
ぼり旗などへの印刷も可能だ。主流
ることがあるわけだ。
せたA1サイズ1枚のカラー出力コス
種や用紙の種類、出力内容、そして
えるなど、大判プリンターを活用す
となっている印刷方式は、家庭用プ
トは、約350円(
「HP Designjetシリ
利用する出力センターなどによって、
つの原稿データで一度に何百枚、何
るシーンは多い。
リンターと同じくインクジェット方
ーズサプライ製品カタログ」より抜
結果が異なってくるだろう。だが、
千枚と印刷するのであれば、印刷会
粋したDesignjet130セットモデルの場
いずれにしても累計出力枚数が増え
社などへ外注する方が効率的だとい
合)である。
れば増えるほど、内製の方がコスト
うこと。大判プリンターで、こうし
を抑えられることは確かである
た大量印刷までをカバーすることは
こうしたポスターの出力を、その
都度、出力センターに外注するので
式である。
大判プリンターは「プロッター」
販促コストを削減
インクジェット方式の大判プリン
ターには現状、CADなどの線画出力
は、時間も費用もかかり、効率的と
と呼ばれることもある。プロッター
に向いたものと、絵や写真などグラ
これに対して一般的な出力センタ
はいえないだろう。
とは、もともと図面データの出力装
フィック出力に強いものの、主に2タ
ーのA1カラー出力料金は、1枚当た
だが、大判プリンターは購入して
置のこと。主に建築や機械設計分野
イプが発売されている。そして、こ
り約6000円(
「HP Designjetシリーズ
しまえば、後の費用はランニングコ
において、CADで作成された大判図
こ数年大きく需要を伸ばしているの
サプライ製品カタログ」より抜粋)
ストだけで、いつでも自由に必要な
面の出力などに用いられてきた。代
がグラフィックタイプだ。
だという。
素材の出力が可能になる。このメリ
表的なものにはペンで描画するペン
ットに、いち早く目を付けた小売店
プロッターがある。
ットである。
ただし、注意しておきたいのは、1
簡単ではない。
臨機応変な販促展開
その意味で大判プリンター導入の
こうしたコストメリットに加えて、
キーワードは「小ロット・短期間」
③臨機応変な販促展開が可能なこと
であろう。一回当たりの出力枚数は
そこで表1は、この2つの出力コス
も、ポスター内製を選ぶユーザーが
多くはないが、短期間で新たな内容
小売業や飲食業など、これまでは大
トをもとに試算した、累計出力コス
増加している要因だ。必要なときに
に差し替えることが多い、という使
その理由は冒頭で述べたように、
や飲食店、中小企業などが大判プリ
本コーナーで紹介する大判プリン
判プリンターやプロッターとは無縁
ト比較の一例である(A1大判プリン
必要な枚数を、その場で出力できる
用シーンに、大判プリンターは最適
ンターを導入。ポスターやのぼり旗
ターは、簡単にいえばプロッターの
だった業種のユーザーが増加してき
ターの本体価格を25万円と仮定し、
利便性である。
である。このキーワードにピンとく
などを内製しているのである。
描画方式に、プリンター技術である
たことである。
その1枚当たり出力コストを350円、
大判プリンターとは一般に、A2以
上の大判用紙に印刷できるプリンタ
インクジェット方式を導入したもの。
その構造はプロッターではなく、プ
エプソン PX-7500S
ユーザーの増加要因を整理すると、
①製品価格の低下、②出力コストの
キヤノン iPF600
安さ、③臨機応変な販促
展開の重要性−−などが
挙げられる。
まず、①製品価格だが、
SHANIMU #19
大判プリンターでは後発の観があったキヤノンが、満を持して発売したのが
imagePROGRAFシリーズだ。写真/グラフィックアート用の12色モデルを業界
で初めてラインアップするなど、意欲的なシリーズ構成になっている。iPF600は
5色モデルだが、その分、ハイスピード&ローコストを実現し、一般ユーザーに扱
いやすいモデルである。
新開発の5色インクでは、染料インクの黒
(光沢が映える黒)
と顔料インクの黒
(黒の濃度をアップ)
を搭載。鮮やかさとシャープさとを兼ね備えた独自の画像表
現力を持っている。ポスターのも高精細CADの出力のも対応できるマルチユー
スモデルである。
内の手続きやセンターとのやり取り
金を6000円として、1枚ずつ出力した
■表1)A1出力した場合の累計コスト比較
場合の累計コスト比較)
。
このケースで試算した場合、出力
枚数が44枚までは出力センターの方
が累計コストは安いが、45枚目以降
は大判プリンターの方が安くなる。
から、A1モデルは20万円
■表2)A1対応大判プリンターの主な仕様
れば、大判プリンターの導入を検討
する価値があるはずである。
枚数
出力ショップの利用料金
A1大判プリンターでの出力
0
20
44
45
60
0円
250,000円(本体価格)
120,000円(6,000円×20枚)
257,000円(本体+350円×20枚)
264,000円(6,000円×44枚)
265,400円(本体+350円×44枚)
270,000円(6,000円×45枚)
265,750円(本体+350円×45枚)
360,000円(6,000円×60枚)
271,000円(本体+350円×60枚)
※A1大判プリンターの本体価格を25万円、1枚当たり出力コストを350円、出力ショップの1枚当たりA1出力料金を6000円と仮定し、1枚ずつ出力した場合の
累計コスト比較
エプソン
キヤノン
HP
型番
PX-7500S
iPF600
Designjet130
大判プリンターといえ
用紙サイズ
A1プラス
A1ノビ
(A1プラス)
A1プラス
メーカー希望価格(円/税込)
312,900
291,900
178,500(HP直販価格)
ば、かつては数10万円が
ランニングコスト
(円)
(※1、※2)
約68(※3)
約65
約61
出力スピード
(分)
(※2)
約2.0(※4)
約0.6(※5)
約1.5(※6)
当たり前の高額商品であ
MAXARTシリーズの中でも高画質&ハイスピードを追求したモデル。4色のイ
ンクカートリッジを2本ずつ装着したことによる高速出力と低ランニングコストが
特徴だ。しかも、顔料インクの耐久性をそのままに、染料インクなみの幅広い色
再現性を兼ね備えたPX-Pインクの採用により、優れた保存性と鮮やかな高画質
を実現している。
カラリオで培ったインクジェット技術を、大判用に進化させた独自の高画質性
能は、グラフィックの世界などから高く評価されている。また、サービス業や小売
店、学校など業種に応じた大判制作物が、簡単に作成できるセットモデルを豊富
に用意していることもMAXARTシリーズの魅力である。
出力センターに発注する際は、社
出力センターの1枚当たりA1出力料
概ねA2モデルは10万円台
台から用意されている。
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そのコスト差は出
インク色数
4
5
6
ったが、今やそのイメー
最高解像度
1440×720
2400×1200
2400×1200
USB2.0Hi-Speed、IEEE1394、拡張スロット(オプション)
10Base-T/100Base-TX、USB2.0Hi-Speed、IEEE1394(オプション)
USB1.1、パラレル、10Base-T/100Base-TX(オプション)
ジはなくなってきている。
給紙方法
ロール紙、手差し
ロール紙、カセット、手差し
(上面、前面)
ロール紙、
トレイ、手差し
(前面、背面)
インク種類
顔料
染顔料
染料
220/110
130
69(C、Mは28)
1178×1033×1180
999×981×990
1045×744×980
約59.6(※8)
約72(※9)
22(※10)
約50
100W以下
65
しかも、②出力コスト
の安さも、ユーザーにと
っては福音だ。大判プリ
ンターで内製する場合、
インターフェイス
各色インクタンク容量(ml)
外形寸法(W×D×H、mm)
(※7)
質量(kg)
動作時の消費電力(W)
※1)
用紙代は含まず。※2)
日本規格協会SCID
5カラーグラフィックスデータをA1高速出力した場合。※3)
220mlインクカートリッジ使用時。※4)
測定条件:Win.XP/ペンティアム4 1.6GHz/RAM 256MB等。※5)
測定条件:Win.XP/
ペンティアム4 3.2GHz/RAM 1GB等。※6)
測定条件:カタログ記載なし。※7)
オプションのスタンド装着時。※8)
インクカートリッジ含まず。スタンド装着時。※9)
スタンド装着時。※10)
本体のみ。
(注)
コストや速度の数値はメーカー個々の計測環境下によるもので、実際の使用状況によって変動する。
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