前期比プラス成長に戻る。豪ドルは底堅い展開へ

2017年3月1日
(No.2,693)
〈マーケットレポートNo.5,286〉
豪州のGDP成長率(2016年10-12月期)
前期比プラス成長に戻る。豪ドルは底堅い展開へ
プラス成長に戻る
(%)実質GDPと需要項目別の寄与度
2
民間消費
民間投資が回復
■2016年10-12月期の豪州の実質GDP成長率は
前 期 比 + 1.1 % と 市 場 予 想 ( Bloomberg 集
計)の同+0.8%を上回り、プラス成長に戻りまし
た。
■前期に同 ▲1.3%に落ち込んだ住宅投資が同
+1.2%に回復した上、設備投資が同+1.6%と
資源価格の上昇から10四半期ぶりにプラスに転換
するなど、民間投資に明るさが増しました。純輸出、
政府支出も回復しました。
経常収支も大幅に改善
資源価格の持ち直しが貢献
■一方、2016年10-12月期の経常収支は▲39億
豪ドルとなり、前期の▲102億豪ドルから大幅に改
善しました。経常赤字は15年ぶりの規模まで縮小
しました。背景には、2016年末にかけて鉄鉱石と
石炭価格が上昇した結果、輸出金額が急拡大し
貿易収支が黒字に転換したことがあげられます。
豪ドルは底堅い展開へ
■豪州経済は堅調さを増すと予想されます。資源セク
ター(*)の成長率に対する寄与度は、前年比では
依然マイナスですが、資源価格が堅調に推移してい
ることから、今後はプラスに寄与する可能性がありま
す。また、資源価格が現在の水準で推移すれば経
常収支が黒字に転換する可能性が高まりそうです。
豪州経済の堅調さに加え、経常収支の大幅な改
善は、豪ドルを下支えすると期待されます。
(*)資源セクター=鉱業投資+財純輸出
1
総固定資
本形成
政府消費
0
純輸出
▲1
GDP
▲2
15/10-12
16/4-6
16/10-12(年/四半期)
(注1)データ期間は2015年10-12月期~2016年10-12月期。
総固定資本形成=設備投資+住宅投資+在庫投資。
純輸出=輸出-輸入。
(注2)実質GDPは前期比。需要項目はGDP成長率に対する寄与度。
(出所)Datastreamのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(10億豪ドル)
10
経常収支の動向
0
▲ 10
▲ 20
経常移転収支
サービス収支
経常収支
▲ 30
00
02
04
06
所得収支
貿易収支
08
10
12
14
16 (年)
(注)データ期間は2000年1-3月期~2016年10-12月期。
(出所)ABS、Datastreamのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
(円/豪ドル)
110
104
98
豪ドルの対円レートと鉄鉱石価格 (米ドル/トン)
100
豪ドル高
豪ドル安
92
対円レート
(左軸)
鉄鉱石価格
(右軸)
90
80
70
86
60
80
50
74
40
68
30
15/3 15/6 15/9 15/12 16/3 16/6 16/9 16/12(年/月)
(注)データ期間は2015年3月2日~2017年2月28日。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
2017年 2月24日 資源価格の動向 堅調に推移する資源価格
2017年 2月21日 資源価格上昇で改善著しい豪州の国際収支
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