かわらばん - 一票で変える女たちの会

一票で変える女たちの会
かわらばん
第 13 号 2017 年3月1日
安保法制違憲訴訟・女の会裁判始まる……第1回口頭弁論報告と傍聴記
沖縄からのたより……南の島々、宮古島に押し寄せる「戦争の影」
安保法制違憲訴訟・女の会
第一回口頭弁論 (二月一〇日)
報告
丹羽雅代
寒い日でした。東京地裁の一〇三
号法廷で行われる「女の安保法制違
憲訴訟」の傍聴希望者が集まり、そ
の数はほぼ一九〇名。一票の会のメ
ンバーも外れた方が何人も。抽選に
弁護士が知り尽くしているために出
た言葉のようだ。労働畑の裁判で何
度も顔を合わせているらしい。かな
り良く話を聞いてくれる人とか。前
の裁判長が「結婚式のスピーチだっ
て短い方がいい」などといったこと
を合わせて考えると興味深い。
多様な権利侵害が起きている
続 い て、 原 告 側 四 名 の 意 見 陳 述
法廷に入れる数のおよそ二倍でし
護士、本訴訟の要点について述べた。
最初は原告代理人の中野麻美弁
が行われた。
た。多くの方々が関心を持ってくだ
「平和と男女平等は一体というのは、
外れた方、申し訳ありませんでした。
さっていることがよくわかります。
市 川 房 枝 さ ん が 戦 争 か ら 得 た 教 訓。
が。
れましたが、その中で???な場面
いや今後について実務的確認が行わ
最 初 に 裁 判 長 か ら、 陳 述 書 の 扱
憲法違反を重ねている。憲法学者の
この訴訟で問題にしている『安全保
を 放 棄 す る こ と を 誓 っ た。 し か し、
使命であるとし、軍隊をもたず戦争
のない社会を実現することが国家の
以下、口頭弁論の報告をします。
裁判長が陳述意見の原告番号がバ
ラバラという点について何とかして
ほ と ん ど が 違 憲 と し て い る う え に、
日本国憲法は個人の尊厳の上に差別
ほしいと話すと、中野弁護士が「そ
『女と子どもを守る』と家父長制と
そろっているほうがわかりやすい」
ず、 慌 て た り も し な い で、「 番 号 が
裁 判 長、 少 し も 不 機 嫌 に も な ら
が如何に日常における女性への暴力
被害の現実を見れば、戦争の正当化
本軍性奴隷制や沖縄の米軍による性
戦争の正当性を印象付けてきた。日
障法制』はその制定過程から重大な
の心は?」完全に謎謎解きです。
裁判長が落語好きということを中野
1
・ スタイネム 私たちこそピープル!
2017.1.21「ワシントン女たちの大行進」から……グロリア
市民と野党をつなぐ会@東京(つなぐ会)第2信
『この世界の片隅に』を読んで
映画「スノーデン」を観て
てんでんこカフェ 第2回のご案内
一票で変える女たちの会 かわらばん 第 13 号 2017 年 3 月 1 日
所は違憲審査権を行使するにふさわ
害が起きていることを訴える。裁判
を拒否したが、現実に多様な権利侵
実について認否に値しない』と回答
い、安保法制の違法性を裏付ける事
ないから訴訟要件を満たしていな
不安や危惧を抽象的に述べるに過ぎ
くる。国は『原告らの主張は単なる
や差別を強化するかが透けて見えて
登録を共同申請したとたん、右翼か
記憶遺産に日本軍『慰安婦』の声の
八ヵ国の民間団体が、ユネスコ世界
である。二〇一六年五月に日本始め
管理・統制してきたこれまでの帰結
韓『慰安婦』合意は、教育と報道を
だ。おごり高ぶった二〇一五年の日
くれた女性たちを再び傷つけるもの
気を奮って凄惨な被害体験を語って
は、戦争と性暴力をなくすために勇
戦争への道を進もうとしていること
で通らなかったためだ。
必要だというひどい理由で、立法院
から一般人を守るために集娼地区が
力が重要であった事や、米兵の暴力
たちが強制管理売春の中で得る経済
定されなかった。それは沖縄の女性
ていた『売春防止法』が沖縄では制
本土では一九五六年に制定され
ると痛感した。
るのではなく、基地の中に沖縄があ
であったことから、沖縄に基地があ
覚するほど沖縄の基地の街そのもの
人権侵害が起きており、特にベトナ
沖縄では今でも米兵による女性への
隊 は、 力 の 支 配 を 強 行 す る 組 織 だ。
であるか身に染みて感じてきた。軍
軍隊が女性にとってどのようなもの
る 女 性 の 人 権 侵 害 を 見 続 け る 中 で、
こうした活動を通して米兵によ
『 基 地・ 軍 隊 を 許 さ な い 行 動 す る 女
会を機に、強姦救援センターを開設、
会に八万五千人が結集した。この集
る。沖縄県民の怒りは大きく抗議集
女性への人権侵害が
に同行してから、沖縄の女性の問題
ていた。本土から沖縄女性の調査団
女性の人権侵害は平然と行われ
差別のない暴力のない社会をつくろ
殺された。私がこれまで少しでも性
ム戦争時は年間二~四人の女性が絞
たちの会』を結成した。
しい訴訟指揮権を行使してほしい」
らの攻撃が激化している」
池田恵理子さんの陳述。
今でも起きている
安保法制は再び女性を傷つける
「七〇年代にNHKのディレク
に 関 わ り た い と 思 う よ う に な っ た。
うと働いてきたことに対して、安保
ターになり、戦争体験を語り継ぐ番
る。安保法制法の撤回を求める」
法制はその真逆なところにあり、戦
生が米兵によって重傷を負わされる
やっと『売春防止法』ができたのは
「 五 歳 で 敗 戦、 台 湾 か ら 宮 古 島・
という事件が起き、大きな抗議行動
安保法制は憲法が保障する人権を否
次 は、 沖 縄「 基 地・ 軍 隊 を 許 さ
修正主義者たちによって、教科書記
那覇へと転居。フィリピン留学が自
が 行 わ れ た。 私 は 婦 人 相 談 員 を 経
定する
組を始め、一九九一年の金学順さん
述やメディアの『慰安婦』報道への
分の人生を変えた。留学中の二年間
て、市議会議員を四期務め、社会の
後七一年たって再び振り出しに押し
介 入 が 始 ま っ た。 二 〇 〇 〇 年 に 女
に、アジア・太平洋戦争で日本軍が
性差別意識を変えたいという気持ち
最後に原告代理人の角田由紀子
一九七〇年、施行されたのは本土復
性 た ち が 開 い た『 女 性 国 際 戦 犯 法
フィリピンの人々に行った残忍な戦
で活動してきた。一九九五年、国連
弁護士から、原告らの被害の現実に
ない行動する女たちの会」の高里鈴
廷』では、NHKの番組改ざん事件
争行為と犠牲者の痛みを知ったこ
の 北 京 世 界 女 性 会 議 に 参 加 し、「 軍
ついて陳述があった。
の名乗り出を機に『慰安婦』に関す
が起き、安倍晋三らの政治介入が明
と、そして当時アジア最大だった米
隊・その構造的暴力と女性」のワー
「 ア ジ ア・ 太 平 洋 戦 争 の 被 害 の 事
戻されたような屈辱感と怒りを感じ
らかになった。安倍は一貫してあの
海軍スービック基地のあるオロンガ
クショップを行った。その最中に三
実は多くの人の体験の中に刻まれて
帰時だった。その年には、女子高校
戦争はアジア解放の正しい戦争と主
ポ 市 を 訪 問 し た 時 に、 既 視 感 を 感
米兵による少女強姦事件が起きてい
代さん。
張している。日本軍の加害性は知ら
じ、沖縄のコザに来ているのかと錯
る番組を八本作った。しかし、歴史
ぬ顔で、新たに安保法制を制定して
2
衛隊には、武力行使を容認する新任
務が与えられたが、南スーダンでは
頻繁に性暴力が起きていることも報
道されており、このことは国内にお
ける女性たちへの安全に大きく悪影
安保法制違憲訴訟・女の会
第一回口頭弁論を 傍聴して
縄では本土より遅れたこと(そもそ
もそういう事実を私は知らなかっ
た )、 そ れ は 何 故 か と い う 背 景 に つ
いて語った内容は衝撃的でした。
深い傷を再び呼び起こし、再体験を
中心にある。安全保障法制は、その
いるが、女性や子どもはその被害の
化対策と呼ばれているさまざまな政
要されたが、現在行われている少子
やせよ』が唱えられ、その実現が強
要とし、かつて戦争時に『産めよ増
裁判は、とても充実した内容のも
のでした。とりわけ二人の原告の陳
一〇日 東京地裁一〇三号法廷)を
傍聴しました。
安 保 法 制 違 憲 訴 訟・「 女 の 会 」 の
第 一 回 口 頭 弁 論( 二 〇 一 七 年 二 月
彼女たちの言い分でした。
次の戦争を準備するような「安保法
でもある(だから被害者にとって先
和多田雅子
迫るものだ。安保法制の制定過程そ
策はこのことと無関係ではない。戦
述は、地に足をつけて現場をしっか
私は裁判長が彼女たちの陳述をど
う受け止めているか気になり、表情
戦争によって根こそぎの人権侵害
を受けた女たちの傷はまだまだ癒え
のものが女性の存在を無視し、女性
争肯定社会は憲法がもたらした個人
り見てきた人のことばの重みを感じ
を見守っていましたが、一応きちん
響を与えるものだ。
の声に耳を貸すことなく暴力的に行
としての権利を否定する。憲法一三
させ、聞き入ってしまいました。
たちの生活を脅かしている。戦争と
を準備するものとして、すでに女性
か大きな危険を感じさせ、次の戦争
全 保 障 法 制 は、
『安全保障』どころ
とのない政権によって制定された安
みにじられて来たか一顧だにするこ
よってどれだけ女性の命や人権が踏
沖縄の女性たちへの米兵の暴力に
真 摯 な 解 決 を 置 き 去 り に し た 政 権、
いる。日本軍『性奴隷制』の問題の
尋問等で立証する予定であるが、司
今後、原告の被害については、本人
被 告 は 損 害 賠 償 を す る べ き で あ る。
具体的な苦痛、被害・損害に対して、
が、安保法制によってもたらされた
創ることに尽力してきた原告たち
いる。憲法に導かれて新しい社会を
定され、苦痛や恐怖や不安を感じて
保障法制によって、その生き方を否
てきた原告女性たちは、今回の安全
された人権を基に戦後の人生を築い
もう一人の原告は、沖縄で米兵に
よる女性への人権侵害を身近に見つ
残りました。
くなったという話がとりわけ印象に
一九九七年以降は全く企画が通らな
ん そ う い う 番 組 が 作 り づ ら く な り、
と戦争と平和資料館」〈 wam
〉の館
長)です。NHKのなかで、だんだ
た池田恵理子さん(現在は「女たち
婦」の番組八本も含む)を作ってき
一人はNHKのディレクターとし
て 戦 争 体 験 を 語 り 継 ぐ 番 組(「 慰 安
疑問を抱いていました。でも言われ
わ ざ「 女 の 会 」 な の か? と、 私 は
全国で地域ごとの違憲訴訟が二〇
件近く行われているのに、なぜわざ
落ちたことです。
か? と い う こ と が、 ス ト ン と 胸 に
の会」として違憲訴訟を起こしたの
での私にとっての収穫は、なぜ「女
制」は絶対に許せない、というのが
の戦争はまだ終わっていない)のに、
ていないし、その被害は現在進行形
われた。女性たちの受けた苦痛や不
条、一四条、二四条等によって保障
いう暴力を肯定する安保法制によっ
法は憲法によって付与されている責
づけ、那覇市議でもあった高里鈴代
戦争はそれに従事する人間を必
安は現実に心身に深い打撃を与えて
てこれまでの平和への努力が否定さ
務を果たすべきである」
さ ん。「 売 春 防 止 法 」 の 成 立 が、 沖
る よ う に、( 私 は か な り 熱 心 に 国 会
閉廷後、参議院議員会館で行われ
た報告集会にも参加しました。そこ
た。
と耳を傾けているようにみえまし
れ、生き方そのものを否定されてい
る。南スーダンに派遣されている自
3
角田由紀子弁護士
一票で変える女たちの会 かわらばん 第 13 号 2017 年 3 月 1 日
害というテーマはほとんど触れられ
の国会審議でも戦争による女性の被
と思いました。
な活動ぶりに改めて敬意を表したい
スなのだろうなと推察し、その地道
判を続けていく……そういうスタン
ず、公聴会には女性は呼ばれていな
中継を見ていたけれど)
「安保法制」
かった……確かにそうだった。
とにかくどんなときでも落ち着い
ている角田さんは、心強い存在です。
こ の よ う な 状 況 の な か で、 あ え
て「女の会」を立ち上げ、戦争が引
き起こす性的暴力などの人権侵害の
安保法制違憲訴訟・女の会
次回法廷と
連続学習会 第三回
のお知らせ
次回は、六月一五日(木)午後三
時から一〇三号法廷で行われます。
障害者ネットワークメンバー)
○「女の会」ではサポーターを募集
しています。年会費三〇〇〇円
カ ン パ 送 り 先 郵 便 振 替 00150-
(違憲訴訟・女の会)
3-766922
問い合わせは、
[email protected]
▽安保法制違憲訴訟はほかにも一五
「戦争で何があったのか」という現
○連続学習会 第三回
提 訴 予 定。 現 在 原 告 は 五 千 人 余 り、
現実を訴えていくことの大切さ……
場の話を裁判官に届けていく作業の
「 女 の 会 」 で は 昨 年 一 一 月 六 日 の
第一回「家父長制と戦争法」を皮切
代理人は一四二六人。憲法に照らし
都府県で一九件の提訴が行われてお
重 要 性 …… な る ほ ど と 納 得 し ま し
り に、 連 続 学 習 会 を 開 い て い ま す。
て法律の違憲性を判断せよと求める
soshou.sasaeru@gmail.
4
り、今後、鹿児島・宮崎・沖縄でも
た。
ちなみに第二回は一月一七日の「性
声はさらに全国に広がっています。
▽同会は、
支援者を募集しています。
サポーター
「性と生殖の自己決定権と戦争法」
com
E-mail
区神田駿河台三 二
- 一
-一
連合会館内 平和フォーラム気付
〒一〇一 〇
- 〇六二東京都千代田
安保法制違憲訴訟を支える会
ん(SOSHIREN&DPI女性
問 題 提 起 2 「 優 生 政 策 ― 女 性 と 障
害者、両方の人権侵害」米津知子さ
らだからメンバー)
ライター・SOSHIREN女のか
化対策?」大橋由香子さん(フリー
問 題 提 起 1 「 人 口 政 策 ― 産 め よ 増
やせよ、戦後は減らせ、そして少子
者会館内)B会議室
(午後一時半開場) ▼文京シビックセンター三階(障害
▼三月二五日(土)午後二時~四時
そして第三回は、
暴力と戦争法」。
おそらく全国各地の原告を発掘
し、ていねいにサポートしながら裁
書を作成したそうです。
をやりとりしながら二人三脚で陳述
高里さんをサポートして、聞き書き
陳述書を書く時間も持てない原告の
辺野古や高江の問題を抱え忙しくて
かった)の役割にも注目しました。
私は「一票の会」の角田由紀子さ
ん( 原 告 代 理 人 と し て の 陳 述 も よ
かっていないでしょう。
争で何があったか」をリアルにはわ
たぶん四〇代、五〇代かな?)
、
「戦
おそらくあの法廷にいた裁判官も
被告である国側の人たちも(彼らは
女たちの違憲訴訟「性暴力と戦争法」報告会は次で視聴できる
https://www.youtube.com/watch?v=UTaHUy3-woc
沖縄からのたより
南の島々、宮古島に
押し寄せる「戦争の影」
清水早子
(宮古平和運動連絡協議会共同代表)
い平坦な隆起サンゴ礁の島です。人
キビの葉が風に揺れる、山も川もな
置する宮古島は、ざわわと、サトウ
那覇から三〇〇キロほど南に位
一 七 ヵ 所 の「 慰 安 所 」 が あ り、 朝
の結果、現在判明しているだけでも
軍の「慰安所」がありました。調査
戦 時 中、 こ の 宮 古 島 に は、 日 本
とが懸念されてきました。 四〇年来ずっと、軍事利用されるこ
三キロの滑走路を持つために、この
ます。ローカルな空港としては稀な
し、今はその利用は空白となってい
たびたび米軍ヘリが強行に着陸
鮮、台湾からの「慰安婦」とされた
ま し た。 戦 後、 日 本 兵 の 司 令 部 の
し、普天間基地の代替地として浮上
口五万四千人の、観光と農漁業と畜
あ っ た 小 高 い 丘 は 米 軍 に 占 領 さ れ、
するこの下地島空港の軍事利用反対
少女や女性たちが連れて来られてい
日本中のダイバーが憧れのポイント
一九七二年、沖縄の「本土復帰」の
の市民運動を、私たちは二〇年来続
産業の島。
に訪れます。毎年四月には数千人規
際に、占領していた米軍から自衛隊
エ メ ラ ル ド グ リ ー ン の 海 に は、
模のトライアスロンも開催され、ア
けています。
防 衛 省 の 中 期 防 衛 計 画 で「 島 嶼
に引き継がれ、今も、航空自衛隊の
麓に、全国からの募金で二〇〇八年
防衛」が語られ、一〇年位前から「南
スリートが島を駆け抜けるスポーツ
に建立された日本軍「慰安婦」の祈
西諸島への新しい陸上自衛隊配備計
レーダー基地になっています。その
念碑があります。
アイランドです。
しかし、過去の戦時中には、
人口五万人のこの島に三万人
「ネズミや蛇まで食べた」と
駐屯していた日本兵の記録に
は る か に 上 回 っ て い ま し た。
の数は、空爆による被害者を
餓とマラリアで亡くなった人
ました。海上が封鎖され、飢
ですが、空からの爆撃はあり
上陸する地上戦はなかったの
た。沖縄島のように、米軍が
行場として開港した下地島空港があ
は、一九七三年パイロットの訓練飛
今は陸続きになっている下地島に
て ほ し い も の で す が、 伊 良 部 島 と
す。 こ の ま ま 平 和 な 島 で あ り 続 け
海上を飛んでいるような心地がしま
車で伊良部大橋を渡るとサンゴ礁の
年一月に開通しました。晴天の日に
の間に、約四キロの大橋が二〇一五
この島の離島である伊良部島と
与那国島にはすでに昨年三月、初め
配 備、 そ の 司 令 部 は 宮 古 島 に 置 き、
から、宮古島、石垣島にミサイルを
ものでした。その計画は、奄美大島
対空ミサイル配備」という衝撃的な
部隊八〇〇名、地対艦ミサイル、地
明 ら か に な っ た そ の 内 容 は、「 警 備
上自衛隊配備計画」を説明しました。
衛 副 大 臣 が 宮 古 島 市 長 を 訪 れ、「 陸
二 〇 一 五 年 五 月 一 一 日、 左 藤 防
画」が取り沙汰されるようになりま
いう記述があります。島民の
ります。JALやANAのパイロッ
て自衛隊基地が作られ、監視部隊が
の日本兵が駐屯していまし
飢えはさらに深刻だったこと
ト訓練が行われていたのですが、こ
駐屯しており、琉球列島全体が、軍
した。
でしょう。
こ数年で、各航空会社は訓練を撤退
5
一票で変える女たちの会 かわらばん 第 13 号 2017 年 3 月 1 日
民も、驚きました。新基地の候補地
これまで関心を向けなかった市
す。
事施設が作られていくというので
訓練のための訓練場、このような軍
水陸両用車が海岸から上陸してくる
島 に は、 弾 薬 庫、 射 撃 訓 練 場、
句に
「地下水汚染の恐れがあるので、
し、その審議過程を非公開にし、挙
開かないわけにはいきません。しか
隊誘致に賛成する市長も、審議会を
議会」に諮らねばなりません。自衛
流 域 に 建 設 す る 場 合 は、「 地 下 水 審
水保全条例」があり、建造物を水源
そ の た め、 宮 古 島 市 に は「 地 下
な ぜ、 宮 古 島 を 含 む 南 西 諸 島 に
二〇〇〇万円が計上されています。
野戦病院)の調査研究費」として
で 有 事 の 際 の「 医 療 機 関( つ ま り
衛 省 予 算 の 中 に、 沖 縄 県 南 西 諸 島
て い ま す。 ま た、 二 〇 一 七 年 度 防
写真が公開され、市民に衝撃を与え
場に見立てた戦闘指揮訓練している
同で、宮古島の地図を取り囲み、戦
トニーで、海兵隊と陸上自衛隊が合
が 二 か 所 上 げ ら れ、 そ の 一 か 所 は、
認められない」と、出された審議委
「野戦病院」の調査研究が必要とさ
全島民の死活問題となります。
島民の飲料水の水源地の上なので
員の結論を、この市長は改ざんしよ
事要塞になる計画です。
す。宮古島は生活用水をすべて地下
ディアも取り上げ、市民の反対の声
この委員たちの暴露を地元メ
たちの日常生活のそばで起こってい
ことを前提に、配備計画の進行が私
南ののどかな島々が戦場になる
れるのでしょうか?
うとまでしました。
は 日 増 し に 高 ま り、「 命 の 水 」 を、
ます。
安倍政権の集団的自衛権容認の
す私たちは、何の脅威も感じていま
していますが、沖縄の南の海で暮ら
6
水に頼っています。地下水の汚染は
防衛省も無視できなくなり、この水
閣 議 決 定 と、 安 保 法 の 施 行 に よ り、
せん。国境近くの漁民も、何の問題
中国の脅威を煽って、配備の理由に
憲法は解釈改憲され、自衛隊は、戦
もなく漁をしています。むしろ、中
源流域上の候補地は、取り下げられ
ルフ場は、防衛省が明らかにする前
争する軍隊として海外へ出て行きま
国、台湾からのクルーズ船が一週間
ることになりました。
に、市長自らが防衛省へ売り込みに
した。
し か し、 も う 一 つ の 候 補 地 の ゴ
行 っ た と い う 事 実 も 明 ら か に な り、
に二度三度と訪れ、宮古島も、石垣
練を、富士演習場でも、沖縄の海で
交 流 と 交 易 こ そ が、 最 大 の 安 全
自 衛 隊 は 米 軍 と 合 同 で、 戦 争 訓
我 が 故 郷 を、 ミ サ イ ル 基 地 に 売
もすでに始めています。そのような
保 障 で す。 ミ サ イ ル が 配 備 さ れ て、
市長自身も議会で認めました。
り渡すような市長を認めるわけには
自衛隊部隊が、ミサイル兵器ととも
公海である宮古海峡に向けられるこ
島もにぎわっているのです。
いきません。
に、奄美大島・宮古島・石垣島へと
した衝突が、戦争につながりかねま
とは、近隣諸国に緊張を生み、ふと
政 府 防 衛 省 は、 尖 閣 諸 島 で の 対
配備されようとしています。
昨 年 の 一 一 月 三 〇 日、 海 兵 隊 の
ツィッターで、沖縄・キャンプコー
日米軍共同方面隊指揮所演習の戦闘予行
せん。
む し ろ、 軍 産 複 合 体 国 家 で あ る
アメリカを手本に、武器の輸出と軍
事 産 業 の 興 隆 の た め に、 琉 球 弧 の
島々を犠牲にすることもいとわない
国策は、福島を犠牲にして、打ち棄
てたまま、オリンピックに明け暮れ
る国策と、つながっています。
南 の 小 さ な 島 々 で、 今、 進 め ら
れている現実を全国のみなさんに
しっかりと見つめていただきたいと
(二〇一七年二月四日)
私たちこそ、ピープル!
グロリア・スタイネム
二〇一七年一月二一日
「ワシントン 女たちの大行進」
基調講演
その実現のために身を粉にして働い
Gloria Steinem
グロリア・スタイネム
オーガナイザーズ
た先見の明のある主催者のみなさん
作 家、 講 演 者、 フ ェ ミ ニ ス ト 活 動 家。
一九三四年オハイオ州トレド生まれ。スミ
ス大学卒業後、奨学金を得てインドに二年
に 感 謝 し ま す。 そ の 中 の ひ と り は、
この大行進の出産の準備を進めてい
間滞在、ガンジーの思想と行動に大きな影
み な さ ん。 ま た 今 日 の 午 後 一 時 に、
」のヒット曲を世に送り出す 〕
、
the World
会 活 動 家。
「 バ ナ ナ・ ボ ー ト 」
「 We Are
the
)を受賞し
Presidential Medal of Freedom
た。ニューヨーク在住。
オ バ マ 大 統 領 か ら 大 統 領 自 由 勲 章(
Achievement in Journalism Awardな ど
数 々 の 賞 を 受 け て い る が、 二 〇 一 三 年、
Jean「( マ リ リ ン 」 同 訳 他
) 。 The
Penney-Missouri Journalism Award, the
National Magazine Award, the Lifetime
ア・ ス タ イ ネ ム 新 生 き 方 論 」 道 下 匡 子
訳 ) Revolution from Within
(
「ほんとう
の 自 分 を 求 め て 」 同 訳 ) Marilyn: Norma
立 者 の ひ と り。 著 書 に Outrageous Acts
( 邦 題「 グ ロ リ
and Everyday Rebellions
全 米 女 性 政 治 リ ー ダ ー 会 議( National
)
、 女 性 行 動
Women’s Political Caucus
連 盟( Women’s Action Alliance
) の 創
を祝う。
わりはしても、フェミニスト運動の強靭な
バックボーンとして、今年は創刊四五周年
も貴重な記録。 Ms.
誌は、途中経営者が変
わり、月刊誌が広告一切なしの季刊誌に変
の集大成ともいうべき歴史的にも文学的に
り続けてきたスタイネムの、終わりなき旅
二 〇 年 ぶ り の 新 刊 My Life on the Road
( Random House, 2015
) は、 半 世 紀 に わ
たり名実共にフェミニスト運動の象徴であ
つつ女たちの真実の声に耳を傾けてきた。
一年の大半を全米を隈なく旅し、講演をし
ズ 」
( Ms.
)を共同創刊、最初の一五年間
は自ら執筆と編集を担う。以来、今日まで
たちによる革新的なフェミニスト雑誌「ミ
響を受ける。七二年、世界ではじめての女
る間に、自ら文字どおり赤ちゃんを
産んだのですから、驚きです! 時
として私たちは自分の信念の集まる
場所に自分の体を置かなければなり
ません。そのことを理解して下さっ
てありがとう。時として「送信」の
ボタンを押すだけでは十分でありま
せん。デモ行進はまた、コンピュー
タや電気や読み書きの能力のない多
くの人たちと私たちをひとつにし
てくれます —
世界中で女性の非識
字者は男性より二億人も多いので
す —
それでも私たちはみな同じ希
望と夢を持っています。
私をはじめ、この行進の共同議長
全米の、そして世界中の事務所や台
ド ロ ー レ ス・ ウ エ ル タ 〔 活 動 家、 労
を 務 め る 私 の 敬 愛 す る 方 々 –––
ハ
リー・ベラフォンテ 〔歌手、俳優、社
所、工場、刑務所で、平等の実現を
United Farmers
働 者 の リ ー ダ ー、 後 に
となる組織の基をつくる〕
、ラド
Union
カ イ オ ワ・ コ マ ン チ 族 の 民 族 運 動 家、 政
ンナ・ハリス 〔アメリカ・インディアン、
なかでも
みなさんありがとう —
とくにこの女たちの手による、広く
治家、作家、人権活動家〕
、アンジェラ・
さげるみなさん。
祈念し、一斉に一分間の黙とうをさ
で行われる三七〇の行進の参加者の
てこの国のすべての州と六つの大陸
ア ン ド・ ブ ラ ザ ー ズ —
今日ここに
お集まりのすべてのみなさん、そし
親愛なるフレンズ、シスターズ・
*〔 〕は訳注
訳 道下匡子 https://www.womensmarch.com/
誰 に で も 開 か れ た 大 行 進 を 企 画 し、
7
思います。
琉球弧の軍事化に反対するネットワーク ブログ
http://ryukyuheiwa.blog.fc2.com/blog-entry-295.html
一票で変える女たちの会 かわらばん 第 13 号 2017 年 3 月 1 日
てマルコム・Xの暗殺がもたらした
ケネディ、ボビイ・ケネディ、そし
ティン・ルーサー・キング、
ジャック・
覚えていることです。
私たちは、
マー
よりもうんと悪かった時代のことを
には高齢者は、いろいろなことが今
ついて考えているのですが、ひとつ
それで私はずっと長生きの使い道に
〔一九九五年北京で開催された第四回世界
に知らしめたのはまさに彼女です
ません —
女性の権利は人権であり、
人権は女性の権利であることを世界
わらず、もちろん投獄などされてい
在です —
彼女について実にさまざ
まな驚くべき嘘が語られたにもかか
それからヒラリー・クリントンも健
育 の 無 償 化 に 力 を そ そ い で い ま す。
むニューヨーク州で、とくに大学教
も今なお私たちと共に在り、私の住
です。そしてバーニー・サンダース
とを、私たちはひどく心配したもの
う。
と は す べ て 最 悪 で、 彼 以 後 は す べ
れていました。彼以前に起こったこ
こ の ト ラ ン プ の 自 己 陶 酔 ぶ り は、
彼の就任演説のなかに存分に発揮さ
の適合性を疑わざるを得ない」
明らかな欠如 —
か ら す る と、 我 々
は当然、重責を担う大統領職への彼
そして妄想と現実を区別する能力の
まざまな精神不安定の症状 —
誇大、
衝動性、侮辱や批判に対する過敏性、
で す。「 広 く 報 道 さ れ て い る 彼 の さ
てきたのですが、彼らの結論はこう
に記事を書いて私たちに警告を与え
は、 ま だ 私 た ち と 共 に 在 り ま す
ません。米国精神医学会の経験豊か
—
彼らの生命が危険に曝されているこ
な何人かの医師は、さまざまな媒体
ところで、私たちの偉大な指導者、
バラク・オバマとミシェル・オバマ
て 偉 大、 彼 は 奇 跡 を 起 こ し、 夢 の
が、引き金をひく指になってはなり
た」感じです。ツイッターをする指
シントンのすべての鶏舎に狐を入れ
するいろいろな人たちと話をして
地でこの女たちのデモ行進を組織
ス を 必 要 と し ま し た! 私 は 世 界 各
就 任 式 よ り 一、〇 〇 〇 台 も 多 く の バ
私たちこそ国民です。今日このワ
シントンのデモ行進だけでも、彼の
たちの尊大さをへこませる格好の言い
をはじめ自分を偉く見せようという人
た。 彼 は 私 の 友 だ ち で し た。 “Senator,
,
(あなたが
your re no Jack Kennedy”
は ジ ャ ッ ク・ ケ ネ デ ィ を 知 っ て い ま し
に比べてみせると、間髪を入れずに、
「私
院 議 員 が 応 答 の 中 で、 自 分 を 第 三 五 代
和 党 の 副 大 統 領 候 補 ダ ン・ ク エ ー ル 上
補 の ロ イ・ ベ ン ツ エ ン 上 院 議 員 は、 共
デイヴィス 〔政治活動家、著作家、学者、
「 未 来 の 死 」 を 覚 え て い ま す。 た と
女 性 会 議 に お け る、 当 時 の フ ァ ー ス ト レ
よ う に 素 晴 ら し く、 文 句 な し に 最
い た の で す が …… 例 え ば ベ ル リ ン
の戦争のいくつかはなかったでしょ
と り 〕 –––
は、 お そ ら く 今 日 の デ モ
行 進 参 加 者 の 中 で 最 高 齢 で し ょ う。
年代の黒人運動の中心的活動家のひ
1960
えば、彼らの死がなかったなら、ニ
デ ィ ー、 ヒ ラ リ ー・ ク リ ン ト ン に よ る 歴
高 な の だ、 と。 彼 は ま た、 自 分 は
の デ モ、 当 地 の 女 た ち か ら 彼 へ の
ピ
*
ジ ャ ッ ク・ ケ ネ デ ィ だ な ん て、 と ん で
Jack Ken-
も な い 」) と 一 蹴。 以 来、 “your,re no
は、そのつど
Jack Kennedy”
の部分をいろいろ変えて、政治家
nedy
ピープル
回しとして広く使われている。訳注〕
は先月、トランプも選挙で公約した
8
ア メ リ カ 大 統 領 ジ ョ ン・ F・ ケ ネ デ ィ
クソンが選ばれることもなく、多く
史 的 な ス ピ ー チ 〕。こ れ は、 女 性 に 対
アメリカ国民と共にあり、自分はま
メ ッ セ ー ジ は、「 壁 は う ま く い き ま
ル
する暴力が集合的に、地球上の女の
さにそのアメリカ国民なのだ、とさ
せ ん よ 」。 そ れ か ら ポ ー ラ ン ド 政 府
ピープル
プ
数が男より少ないという状況をはじ
え 言 い ま し た。 有 名 な 言 い 回 し に
妊 娠 中 絶 禁 止 法 を 通 し た の で す が、
ー
めてつくり出してしまった今日、極
倣 っ て、 言 い 返 す と こ う な り ま す。
六〇〇万人の女たちが道路を埋め尽
ピ
めて重要です。
「私は国民に会いました —
でもあな
ピープル
たが国民だなんて、とんでもない!」
くし、結局法律を変えなければなり
ル
しかし私は、この日から始まる危
険 を 否 定 す る つ も り は あ り ま せ ん。
* 〔一
九八八年のアメリカ大統領選の副大
プ
トランプと彼の取り巻きが見つけた
統 領 候 補 討 論 会 で、 民 主 党 副 大 統 領 候
ー
各省長官の顔ぶれは、さしずめ「ワ
https://www.womensmarch.com/
た子供たちを使うことの多い、全米
一四歳、他の国では売春宿で生まれ
少女たちの平均年齢は一二歳から
こには、我が国ではこの世界に入る
からも女たちが来ています。またこ
禁止したさまざまな企業やマスコミ
す。ここには、このデモへの参加を
みなイスラム教徒として登録しま
に登録を義務付けるなら、私たちは
ないでください。もしイスラム教徒
ています。私たちを分断しようとし
ています
しまい。私たちは人間として繋がっ
いちパパに尋ねることも、これでお
私 た ち は 互 い に 見 つ め 合 い ま す、
トランプを見上げたりせずに。いち
です。
すが、女神は繋がりのなかに宿るの
します。神は細部に宿るといわれま
ワシントンで、そして世界中で行進
りのある世界をつくるために、ここ
しません。 はしますが、ランク(順位付け)は
互 い に、 そ し て 環 境
—
ませんでした。
と —
私たちはみな宇宙船地球号の
乗客です。私たちはリンク(繋がり)
ら利潤を上げる産業 —
を生き延び
た女たちも来ています。
肉 体 の 侵 略 に 依 存 し、 そ こ か
—
の、そしてグローバルなセックス産
業
ピープル
たちこそ国民です。私たちには
じ私
んりょく
人力があります、そしてそれを私た
ちは使います。すでにあなたたち共
和党は、議会の倫理委員会をなくそ
ロールすることは不可能です。そし
膚の外側から自分の人生をコント
ロールすることができないなら、皮
の内側から自分のからだをコント
私たちは「からだの完全性」のた
めに団結します。もし私たちが皮膚
ます。不可能な大統領を選んでしま
領を選ぶと、私たちもよく家に帰り
たちの政府です。可能性のある大統
な一緒にいるのですから。それは私
〔
……なぜならこれだけの数の私たち
今日の日を私たちは決して忘れる
ことも、裏切ることもないでしょう
て そ れ は、 子 供 を 産 む、 産 ま な い、
うと、私たちは決して家には帰りま
i n t e g r i t y
の人が反対したので、委員会は復帰
またいつ産むのかを、女たちが政府
せん。さあ、今こそ私たちは主導権
b o d i l y
しました。それはまさにこれから起
の干渉なしに決める権利を意味しま
を握るのです!
うとしました……しかし非常に多く
これは —
年齢層の幅の広さ、人種、
社会経済的階層、職種など多様性の
す。
ⓒ Gloria Steinem
ⓒ 道下匡子
悪い
な ぜ な ら こ れ は、 悪 い 面 —
状況下 —
の 良 い 面 な の で す か ら。
溢れ出るエネルギーのほとばしりで
人 〕が、 こ う し て こ こ に み
500,000
深淵さからいって —
これまで私が
見たこともない真のデモクラシーと
私 た ち は 決 し て 黙 ら ず、 コ ン
トロールもされぬことを誓う
こることを示唆しています。
す。 そ し て 憲 法 は、
「 私、 大 統 領 は
根強い民主主義のために、すべての
a deep democracy
……」で始まってはいません。憲法
国々の間に、そして人々の間に繋が
つな
は「私たち、国民は……」で始まっ
9
https://www.womensmarch.com/
スタイネム(左から2人目)のスピーチは、
https://www.democracynow.org/2017/1/23/voices_
of_the_womens_march_angela で視聴できる。
左は同ホームページから。
一票で変える女たちの会 かわらばん 第 13 号 2017 年 3 月 1 日
市民と野党をつなぐ会@東京
(つなぐ会)第 2 信
たがや」(めぐせた)
7区 「選挙で変える! 渋谷・中野
市民連合」(しぶなか市民連合)
8 区 「 自 由 と 平 和 の た め に 行 動 す
る議員と市民の会@杉並」
9区 「練馬・みんなで選挙」(ねり
せん)
区 「 TeN
ネットワーク」
区 「チェンジ国政! 板橋の会」
区」
区 「 み ん な で 選 挙 @ 東 京
準備会
いることを「可視化」するため、次
のような大規模な集会の開催が決定
されました!
市民と野党が大集合!
東京衆議院 小選挙区、
私たちは、平和とくらしを守るた
めに、野党共闘による衆議院選挙
での勝利をめざします。
主催:市民と野党をつなぐ会@東京
https://tunagu2.jimdo.com
★「つなぐ会」は都内25の衆議院
小 選 挙 区 の そ れ ぞ れ で、「 市 民 と 野
党の統一候補作り」を進める市民団
体の横の連絡会です。そして「つな
ぐ会」への参加は個人参加が原則で
す。みなさんの選挙地区の市民団体
へ の 参 加 は も ち ろ ん、「 つ な ぐ 会 」
そ の も の へ の 参 加 も 個 人 参 加 で す。
す。初めての方も、自分の地域(選
誰でも無条件に自由に参加できま
挙 区 ) の 組 織 作 り は ま だ こ れ か ら、
とき:三月一三日 午後五時〜七時
(四時半から入館証配布)
ところ:衆議院第一議員会館 大会
社民党、自由党ほか要請中
2.市民連合から連帯の挨拶
産党書記局長)
・小池 晃(参議院議員、日本共
東京都連会長代行)
・長妻 昭(衆議院議員、民進党
1.各党代表者挨拶
ていきましょう!
験 や 教 訓 を 共 有 し ま し ょ う! ま
ず、「知る」ことから始めましょう!
に活動している地域(選挙区)の経
「 つ な ぐ 会 」 の 会 合 に 参 加 し て、 既
映できません〟
〝 選 挙 で 勝 た ね ば、 民 意 は 政 治 に 反
い。
という方も遠慮なく参加してくださ
議室(三〇〇名)
・広渡清吾(市民連合代表、東京
大学名誉教授、元日本学術会議議長)
三月一三日(月)の大集会へ、みな
区 「 ア ベ 政 治 を 許 さ な い 日 野 市
区 「 選 挙 で 変 え よ う 2 0 区 市 民
の会」(仮称)
二月四日の会議では、各選挙区市
民団体の世話人を運営委員とする運
3.出席の各選挙区予定候補者紹介
さ ま、 お 知 り 合 い を お 誘 い の う え、
事務局長が選任されました。
ださい。
そして一人でも多くの仲間を増やし
営委員会方式が採用され、共同代表、
是非、気軽に足を向けて、ご参加く
そして、三月一三日(月)に、東
京各地で野党共闘が具体的に進んで
報告
東京各地域の市民組織からの報告
を共有する会合を重ねるなかで、同
挙区で相次ぎ、当初の四選挙区から
25
千葉、神奈川、埼玉からの挨拶と
区 「安保法制の廃止と立憲主義の
回復を求める市民連合@国分寺」
ち ゅ う 市 民 連 合 」「 み ん な で 選
挙東京 区」(ミナセン 区)
区 「選挙で変えよう! 小金井市
民連 合 」「 選 挙 で 変 え よ う! ふ
12
羽立教江
「つなぐ会」では二〇一六年一〇
月三一日の設立集会以来、各選挙区
の経験交流会をもち、二五の衆議院
東京選挙区各々の市民の活動報告や
トピックをはさみながら、この一月
一六日には第五回目が府中市中央文
化センターで行われました。経験交
流会の参加者は、東京のみならず千
葉、埼玉、神奈川、など近県からの
市 民 の 方 々 も 含 め て、 毎 回 六 〇 ~
八〇名を数えています。
18
じ目的を持つ市民団体の結成が各選
選挙に臨んでの野党共闘を模索
し、野党を支える地道な活動の経験
18
民連合」「 UNITE
!ひの」
区 「市民連合東京23」(仮称)
直近では一七選挙区で組織化される
に至っています。
2 区 「みんなで未来を選ぶ@文京
(略称 ぶたちゅう)
台東中央」
4 区 「戦争法廃止オール太田実行
委員会」
5 区、 6 区 「 市 民 連 合 め ぐ ろ・ せ
10
12 11 10
18
19
20
21
23
『この世界の片 隅 に 』 を 読 ん で
れた。
太平洋戦争末期から戦後半年ま
人の優しさがいっそう際立つのかも
た れ る。 厳 し い 背 景 が あ る た め に、
のだという。
憶」を拠り所に」この作品を描いた
できなかったため、じっくり考えて
自分が何に感動しているのか言葉に
し、
なんとも言い難い感銘を受けた。
アニメ「この世界の片隅に」を鑑賞
昨年一一月に封切りされた劇場
た。
見知らぬ土地で見知らぬ人々
う。
—
夫と両親、さらには離縁して実家に
さ ら に、 悲 惨 な 状 況 を 描 き な が
需産業に携わって暮らす呉であっ
港」と謳われ、住民の多くが軍や軍
歳で嫁ぐ。嫁いだ先は「東洋一の軍
一九年、親が決めた縁談により一九
苔 養 殖 を 営 む 家 に 生 ま れ た。 昭 和
主 人 公 す ず は 広 島 市・ 江 波 で 海
かさに多くの読者が魅了されるだろ
くのだが、その過程のせつなさと温
ふたりは男女としての絆を深めてゆ
の 心 を 思 い や り つ つ 逡 巡 し な が ら、
があったことを知ってしまう。相手
互いに、自分の伴侶に過去、思い人
ストーリーでもある。すずと夫はお
ま た、 こ の 物 語 は 美 し い ラ ブ・
ることである。主体性とは、不条理
う。それは主体として世界にかかわ
えるのだ。
そして私たち読者は、深い感動を覚
け な げ な 人 々 の 姿 に き っ と 作 者 は、
ほ う に 顔 を 向 け て 生 き よ う と す る、
ていくことができる。あえて明るい
持っている。そしてそれを糧に生き
生に喜びや楽しみを見いだす力を
人 は 厳 し い 環 境 に あ っ て も、 人
み よ う と 原 作 を 手 に 取 っ た と こ ろ、
らも、つねにおおらかな空気が作品
を咀嚼し、自らを主人公に据えた物
しれない。
原作に忠実に、作者の意図を尊重し
戻った厳しい義姉、すずを慕う可愛
を包んでいること、それがこの作品
語 を 紡 ぎ だ す 力 の こ と で は な い か。
で の 広 島・ 呉 が 舞 台 と な っ て お り、
てアニメ化されていることが察せら
の最大の不思議ではないか。なぜ作
今ここに、繊細な縁の綾の中に生き
史実を背景にストーリーが進行して
れ、 い っ そ う 好 感 を 抱 い た の だ が、
い姪っ子 —
と の 生 活 が 始 ま る。 す
ずは心の優しい働き者だが、ぼーっ
者は、このように明るく軽やかに戦
ていること、それこそかけがえのな
弓削悦子
アニメ版では触れられていない重要
とした性格で、しょっちゅうドジを
時下の人々を描いたのだろう。
を次々と失っていく……。
ます濃さを増し、彼らは大切なもの
戦争が人々の生活に落とす影はます
時 に コ ミ カ ル に 描 か れ る。 一 方 で、
育 ん で い く 様 子 が 時 に し み じ み と、
りして新しい家庭に尽くし、愛情を
物資の乏しい戦時下、懸命にやりく
「生」の悲しみやきらめきを知ろう
にいくつもあったはずの「誰か」の
らだら続く様子を描くことで、身近
ることはできない。戦時の生活がだ
よっては、悲劇の重さを真に理解す
る。「 誰 も か れ も 」 の「 死 」 の 数 に
に取り組んだ動機がつづられてい
「あとがき」に、作者がこの作品
歌が、この世界の片隅に生きた少女
た。クリスマスの奇蹟を讃える讃美
は「 神 の 御 子 は 今 宵 し も 」 で あ っ
アニメ映画の冒頭に流れる音楽
信するのではないだろうか。
れてはならない「私」なのだと、確
誰か他の人たちといっしょくたにさ
い奇蹟なのだと実感するとき —
私
たちは他の誰でもない「私」であり、
ことは、状況に流されることとは違
この作品の何が人を感動させる
とした、と。作者は広島の出身。呉
の「物語」に捧げられたことの意味
いく。
なエピソードもあるので、ぜひ原作
お か し て は 周 囲 の 者 の 笑 い を 誘 う。
双葉社刊。初出は二〇〇六年二月よ
のだろうか。主人公をはじめ登場人
に生きた親戚や知人に話を聞き、「か
を、あらためて味わっている。
こうの史代
上・中・下各 648 円+税
(映画は 3 月3日まで上映)
双葉社・発売中
11
運命を受け入れて生きるという
を読まれることをお勧めします。
り二〇〇九年二月まで四八回にわ
物たちが、厳しい環境に耐えながら
れらの朗らかで穏やかな「生」の「記
『 こ の 世 界 の 片 隅 に 』 上 中 下 巻、
たって「漫画アクション」に連載さ
助け合って生きる姿勢にまず胸を打
『この世界の片隅に』
一票で変える女たちの会 かわらばん 第 13 号 2017 年 3 月 1 日
映画「スノー デ ン 」 を 観 て
恐ろしさだ。少なくともわたしには
脅威を感じないのではないかという
この事実を知ってもそれほど身近に
二 つ 目 は、 わ た し た ち 日 本 人 は
といえるものだと思う。
トーンにとってのいわば「詩的真実」
て 描 い て お り、『 ス ノ ー デ ン 』 は ス
督は全面的にスノーデンに寄り添っ
は 常 に「 こ こ 」、 つ ま り 自 分 た ち が
て時間は常に「現在」であり、空間
ず、あらゆる点で、わたしたちにとっ
こ」と断じている。歴史認識に限ら
そ の と き、「 も し 日 本 が 同 盟 国 で な
「 今 」 に つ い て は あ ら た め て 言 う
までもないだろう。過去について目
いる場所だと。
「スノーデン事件」は当時(二〇一三
くなったら、日本のインフラを即刻
を向けないわたしたちは、戦争犯罪
彼は横田基地に二年いたという。
年)
、日本でももちろん大きく報道
全て破壊することができる」と述べ
そう思える。
ご 存 じ の 方 も 多 い と 思 う が、 こ
されたが、日本ではその事実の大き
に つ い て も「 水 に 流 し て 」 し ま う。
平野卿子
の作品はNSA(アメリカ国家安全
ている。これが果たして可能なのか
だ。また、空間については、綿々と
さに匹敵するほどには騒がれなかっ
いずれにせよ、もうそのようなレベ
つづいてきたムラ共同体の意識、非
保障局)がテロ対策と称して大量の
今 度 の オ リ バ ー・ ス ト ー ン 監 督
ルにまでいっているとは言えるのだ
常に限定的な地域感覚がその源にあ
大 事 な の は い つ も 現 在、「 今 」 な の
を、契約職員として働いていたエド
の映画『スノーデン』も、評判には
ろう。
る。ムラ人でない人間はよそ人であ
ど う か、 わ た し に は わ か ら な い が、
ワード・スノーデンが告発した、い
なったが、日本での上映館はたった
ま た こ れ は、 ラ ブ ス ト ー リ ー で
り、対等な関係ではない。日本人は
たような気がする。
わゆる「スノーデン事件」を描いた
六四館。その少なさが関心の低さを
も あ る。 保 守 的 な 愛 国 者 だ っ た ス
いつの時代も日本しか見ていないの
で も、 個 々 の 事 実 と 異 な る こ と
心の低さ、実感のなさは一体どこか
こういう問題についての日本人の関
に古いことではない。
統一されたのは一八七一年。そんな
た。ドイツは小国分裂の時代が長く、
12
個人情報を極秘に収集していたこと
ものである。
物語る。スノーデンをウィキリーク
ノーデンと、快活でリベラルな恋人
こ の 作 品 は 二 つ の 意 味 で 怖 い。
スの代表(アサンジ)と混同してい
変 え た。 彼 が ロ シ ア に 亡 命 し た 後、
ご存じのように日本人はドイツ人
と 長 ら く 比 較 さ れ て き た。 過 去 を
一つ目はいうまでもなく、この事実
この作品にはかなりフィクショ
リンゼイもモスクワにやってきて一
「水に流さず」、責任を取り続けるド
だ。
を絶する監視社会。そしてNSAは
ンが入っている。重要な登場人物で
緒に暮らしているという。思想的に
イツと日本との違いは言われて久し
リンゼイとの出会いは、彼を大きく
監視プログラムによって、テロリス
あるスノーデンの師ともいえるコー
影響を受けたことも含め、その存在
い。
る人もいるのが現状だ。
トだけでなく、一般国民の情報まで
ガンも実在しない。それだけでなく、
が決定的な意味を持っていたことは
そのものから来る怖さである。想像
収集していたという事実。
スノーデンがNSAで果たした役割
こ」については、ドイツと日本には
けれども、空間に関する意識「こ
疑いがない。
そのためもあって、アメリカでは賛
は、そんなに大きな問題ではないよ
ら来るのだろう。加藤周一は日本文
わたしがいた六〇年代にはま
ある種の共通点があると思ってき
うに思う。つまり、これは「オリバー・
化 の 時 間 と 空 間 の 概 念 を、「 今 = こ
否両論だという。
ストーンのスノーデン」なのだ。監
そ れ に し て も、 わ た し を 含 め、
も い く つ か は 事 実 と は 違 う よ う だ。
『スノーデン』は全国各地で上映中
州都)には、隣のバーデンの人をア
(バーデン=ヴュルテンブルク州の
だ、南ドイツのシュトゥットガルト
なるのか……。
きっぱり否定している。さて、どう
に つ い て、 ス ノ ー デ ン の 弁 護 士 は
を米国に送り返すと言うのだ。これ
自立を果たした稲垣さんの書かれた
ない」と言われながら、会社からの
新聞記者。辞めるなんて「もったい
生活の実践でも話題になった元朝日
して語られました。(み)
がかけるのかという疑問が読後感と
ジャーナリストとしてまともな記事
困 の 問 題 が 本 当 に 理 解 で き る の か、
ことについて、共感や批判、さまざ
〈ブレイディみかこ
てんでんこカフェ2 のお知らせ
ウスレンダー(外国人)と呼んでい
る人もいた。ある家の娘がハンブル
というわけで、この作品は本来の
テーマだけでなく、わたしの、日本
共 通 し て 語 ら れ た の は、「 日 本 人
にとって会社とはこんなにも大きな
日時 三月二〇日(月・祝)
『THIS IS JAPAN —
英国保育士の見た日本』を読む〉
くれたという日本独特の会社文化は
一四時〜一六時半
まな意見が出ました。
国人と結婚するなんて!」と、親戚
人の、国際的な感覚の欠如、孤立に
存在なのか」という感想。かつては
ク の 男 性 と 結 婚 す る と 聞 い て、
「外
一同が反対したって話もあった。
ついてあらためて考えるきっかけに
社員の婚姻からお墓まで面倒を見て
この点についてはイタリアも同
なった。
ローニア人だのということばが日常
今でも根強く、まるで第二の実家の
じだ。六〇年代にはローマ人だのボ
的に飛び交っていた
(それを思うと、
よう。もちろん今では昔ほど手厚く
日独伊防共協定にもある種の必然性
場所 文京区民会議室(文京シビッ
クセンター四階 A会議室)
なさそう。そんな環境に息苦しさを
まで入社していたという人は少なく
パ の 社 会 政 治 状 況 を 伝 え る『 ヨ ー
がり貧困層が拡大する現代ヨーロッ
ブレイディみかこさんは英国在住
の保育士。日本同様、経済格差が広
社員の面倒を見ることはないかもし
感じ、会社勤めの毎日に生きがたさ
があったような気がする)
。
「てんでんこ」は東日本大震災の
とき岩手県釜石市の多くの子どもた
を感じている人に、稲垣さんの「会
ロッパ・コーリング —
地べたからの
ポリティカル・レポート』(岩波書店)
ことで大きく変わった。ここが日本
と決定的に異なる点だ。
れませんが、気がついてみたら「魂」
ちのいのちを救った言葉です。津波
社人生がすべてではない、辞めてい
が注目されました。今回は、彼女が
13
てんでんこカフェ 1
〈稲垣美恵子『魂の退社』を読む〉
何もスノーデン事件に限ったこ
が 来 た ら そ れ ぞ れ に 逃 げ る。「 自 分
いんだ」というメッセージは役に立
指 摘 す る、「 外 か ら 見 た 日 本 の 市 民
だ が、 ド イ ツ や イ タ リ ア の「 ム
と で は な い。 こ の グ ロ ー バ リ ゼ ー
本位」と誤解されがちですが、てん
つと思います。本の最後に書かれた
報告
ションの時代にあってなお、わたし
でんことは、個人個人が自分一人分
ラ意識」は、その後EUに加盟した
たち日本人は、時代の脅威を肌で感
のいのちは自分で引き受ける、とい
て話しあいます。
運動」の問題点をいくつか取り上げ
じることができないような気がす
う意味のことばだと思います。
社のような大新聞社でしっかり生活
このことばにちなんで、カフェの
第一回の読書会は稲垣えみ子さんの
ことが必要なんだ と
」 いう自立のス
スメはいいなと思いました。
つ
「 ながるためにはまず一人になる
る。
と こ ろ で、 現 在 ス ノ ー デ ン は ロ
シアに滞在しているが、つい数日前
『魂の退社 —
会社を辞めるというこ
と』
を取り上げました。稲垣さんは、
保障がされて働く中で果たして貧
もう一つ、著者の意図したことが
どうかはわかりませんが、朝日新聞
た。ロシアに友好的なトランプ大統
アフロヘアや、ギリギリまでの節電
太田出版、2016 年
1620 円
にNBCでこんなニュースが流れ
領への「贈り物」としてスノーデン
英国保育士の見た日本』
『This is JAPAN—