稚内港港湾事業継続計画(稚内港港湾 BCP)

稚内港港湾事業継続計画(稚内港港湾 BCP)
平成 29 年 3 月
稚内港港湾 BCP 協議会
策定、改訂等の履歴一覧
版数
日付
1 2017/3/3
改訂箇所・追加資料
-
理由等
新規策定
目
次
頁
1.基本方針 ······································································ 1
2.実施体制 ······································································ 1
3.分析・検討 ···································································· 4
4.対応計画 ······································································ 5
(1)復旧の優先順位 ······························································ 5
(2)初動時対応 ·································································· 7
(3)対応計画 ···································································· 8
5.事前対策 ····································································· 15
6.教育・訓練 ··································································· 16
7.見直し・改善の実施計画 ······················································· 17
1.基本方針
「稚内港港湾事業継続計画」(以下、「稚内港港湾BCP」 )は、北海道北西沖地震及びそ
れに伴う津波が発生した場合に、二次災害の発生を抑止しつつ緊急物資の海上輸送を確保する
とともに、当該港湾が宗谷地域の「緊急物資輸送拠点」、
「フェリー輸送拠点」、
「エネルギー輸
送拠点」、
「一般貨物輸送拠点」であることを踏まえ、緊急物資輸送、フェリー輸送、エネルギ
ー輸送、一般貨物輸送の機能低下抑制及び早期機能回復を最優先に対応することを基本方針と
する。
重要機能(港湾機能)の位置を図1-1に示す。
緊急物資・フェリー輸送
エネルギー輸送
一般貨物輸送
図1-1
稚内港の重要機能(港湾機能)の位置
2.実施体制
稚内港港湾BCPの「策定」、「事前対策」や「教育・訓練」、さらにはPDCAの手法によ
る継続的な「見直し・改善」を行う恒久的組織として、港湾関係者による「稚内港港湾BCP
協議会」(以下、「協議会」 という)を設置し、継続的に運営していくこととする。
協議会の構成を表2-1、連絡体系を図2-1に示す。
1
表2-1
協議会の構成
平成 29 年 3 月現在
組織名
稚内市建友会
稚内漁業協同組合
稚内機船漁業協同組合
宗谷地方石油業協同組合
関
係
団
体
・
企
業
ハートランドフェリー
株式会社
稚内港運株式会社
日本通運株式会社
稚内支店
稚内海運株式会社
渋田海運株式会社
行
政
機
関
JX エネルギー株式会社
稚内油槽所
エア・ウォーター株式会社
稚内 LPG 基地
北海道開発局
稚内開発建設部 築港課
北海道開発局
稚内開発建設部
稚内港湾事務所
稚内市総務部
総務防災課
第一管区海上保安本部
稚内海上保安部
函館税関
稚内税関支署
小樽検疫所
稚内出張所
札幌入国管理局
稚内港出張所
北海道運輸局
旭川運輸支局
北海道宗谷総合振興局
地域創生部 地域政策課
稚内市建設産業部
物流港湾課
項目
所属・連絡先
担当者
携帯・メールアドレス
tel:
FAX:
tel:
FAX:
tel:
FAX:
tel:
FAX:
tel:
FAX:
tel:
FAX:
tel:
FAX:
tel:
FAX:
tel:
FAX:
tel:
FAX:
tel:
FAX:
tel:
FAX:
tel:
FAX:
役職・氏名
所属・連絡先
@
役職・氏名
所属・連絡先
@
役職・氏名
所属・連絡先
@
役職・氏名
所属・連絡先
@
役職・氏名
所属・連絡先
@
役職・氏名
所属・連絡先
@
役職・氏名
所属・連絡先
@
役職・氏名
所属・連絡先
@
役職・氏名
所属・連絡先
@
役職・氏名
所属・連絡先
@
役職・氏名
所属・連絡先
@
役職・氏名
所属・連絡先
@
役職・氏名
所属・連絡先
@
tel:
FAX:
tel:
FAX:
tel:
FAX:
tel:
FAX:
役職・氏名
所属・連絡先
@
役職・氏名
所属・連絡先
@
役職・氏名
所属・連絡先
@
役職・氏名
所属・連絡先
@
tel:
FAX:
tel:
FAX:
tel:
FAX:
tel:
FAX:
役職・氏名
所属・連絡先
@
役職・氏名
所属・連絡先
@
役職・氏名
所属・連絡先
@
役職・氏名
@
2
<関係行政団体>
北海道災害対策本部
(北海道宗谷総合振興局
地域創生部 地域政策課)
<オフサイトバックアップ機能>
稚内市災害対策本部
(稚内市総務部 総務防災課)
※被害が広域甚大な場合
【北海道開発局】
北海道運輸局
旭川運輸支局
第一管区海上保安本部
稚内海上保安部
稚内市建設産業部
物流港湾課
稚内開発建設部
築港課
港湾空港部
稚内開発建設部
稚内港湾事務所
国土交通省
3
函館税関
稚内税関支署
関係行政団体の
本部・支部等
小樽検疫所
稚内出張所
札幌入国管理局
稚内港出張所
港湾局
船社
建設関連団体
道外の本部・支部等
荷主企業 等
道外の本社・支社等
港湾物流企業
<関係民間団体>
<稚内港港湾 BCP 協議会構成員>
図2-1
協議会の緊急連絡体系
地
方
整
備
局
3.分析・検討
北海道北西沖地震及びそれに伴う津波が発生した場合において、各港湾機能の中断による影
響度について分析した結果を表3-1に示す。これら分析結果をもとに検討した結果、緊急物
資輸送、フェリー輸送、エネルギー輸送、一般貨物輸送を重要機能とする。
表3-1
各機能の影響評価結果
重要機能
緊急物資
影響
災害発生後の緊急物資輸送の遅れ
は、背後圏住民の生命に影響を及ぼ
す可能性がある。
フェリー
稚内港は、利尻島、礼文島との離島
フェリーが就航しており、機能停止
に陥ると利用企業、市民、島民の生
活に大きな影響を与える可能性があ
る。
エネルギー
石油、重油等のエネルギー関連が機
能停止に陥ると、背後圏の住民の生
命、市民生活に影響を与える可能性
がある。
一般貨物
セメント、砂利・砂、水産品等の一
般貨物は機能停止に陥ると、地域経
済に影響を与える可能性がある。
4
特定理由
・災害発生後の緊急物資輸送に重要な役割
を果たすため、緊急物資輸送機能を特定
・対象とする施設は、中央埠頭岸壁
(-6.0)(耐震)及び関連する施設
・離島フェリーを利用する背後圏の利用企
業、市民、島民にとって重要な役割を果
たしていることからフェリー輸送機能を
特定
・対象とする施設は、中央埠頭フェリー岸
壁 NO.1、NO2 及び関連する施設
・石油、重油等のエネルギー関連貨物が不
足すると、背後圏の住民の生命、市民生
活等に影響を与える可能性があることか
ら、エネルギー輸送を特定
・対象とする施設は、北洋埠頭-7.5m 北岸
壁、中央埠頭-7.5m 北岸壁に関連する施
設
・一般貨物を利用する企業にとって重要な
役割を果たしていることから、一般貨物
輸送機能を特定
・対象とする施設は、比較的港口に近く、
大水深岸壁であり災害時にバルク貨物の
代替岸壁としての役割を期待できる末広
埠頭東岸壁に関連する施設
4.対応計画
(1)復旧の優先順位
応急復旧に際しては、緊急物資輸送用施設と一般貨物輸送用施設について、各関係者が
連携して、各岸壁の復旧、航路啓開、道路啓開等に取り組むことになる。
復旧の優先順位は、これまでの検討経緯を踏まえて、緊急物資輸送、フェリー輸送、エ
ネルギー輸送、一般貨物輸送の順とする。
図4-1に示す優先順位は、被害想定結果や輸送の緊急性、東日本大震災の事例を踏ま
えて設定した一例であることから、実際の発災時には被害や復旧の状況に応じて臨機応変
に対応する必要がある。
図4-1
復旧の優先順位
5
6
図4-2
復旧の優先順位
(2)初動時対応
①各構成員の基本的な対応方針
稚内市(稚内港の所在地)において、震度 5 弱以上の地震が発生した場合、又は、津波
警報が発表された場合、協議会の構成員は、それぞれの組織において、職員等の安否確認、
通信等設備の確保、被害状況の確認を行うとともに、可能な範囲で二次災害の防止対策を
講じる。
また、協議会の構成員は、職員等の安否や被害状況等について、緊急連絡体系に従って、
また、使用可能な通信手段(電話、携帯電話、メール、FAX等)を用いて、協議会事務
局である稚内港港湾管理者に報告する。
・安否確認
協議会構成員は、各自の組織において定めている手順に則り、職員等の安否確認を
行う。
・通信等設備の確保
協議会構成員は、各自の組織において、通信等設備の確保に努める。なお、自組織
の設備が損壊するなど、外部との通信が途絶した場合においては、近隣の他組織の設
備を一時的に利用するなど、可能な代替措置を講じる。
・被害状況の確認
協議会構成員は、各自の施設やその周辺における被害の状況を、職員の安全確保に
支障のない範囲で把握する。把握した情報は、表4-1の記入シートに記録しておく。
・二次災害の防止
協議会構成員は、各自の組織において定めている手順に則り、可能な範囲で二次災
害の防止に努める。
なお、港湾管理者や危険物取扱施設の施設管理者は、港長や消防と連携しつつ、利
用者や在港船舶、航行船舶へ必要な情報を提供するものとする。
・協議会事務局への連絡
協議会構成員は、安否確認の結果や把握できている被害状況について、協議会事務
局に連絡する。なお、連絡にあたっては、図2-1に示す緊急連絡体系を利用するこ
とを原則とするが、通信設備等の状況によって、臨機応変な対応を行うものとする。
表4-1
被害状況記入シート(例)
被害状況記入シート
宛先:稚内港港湾 BCP 協議会
行
TEL:○○○(○○○)○○○○(内線○○○)
FAX:▲▲▲(▲▲▲)▲▲▲▲
E-mail:○○○○○@○○○.○○.○○
記入日:
年
月
日
◆協議会構成員名:
◆担当者名:
◆連絡先:TEL
FAX
◆港湾施設、荷役機械等の被害状況
区分
被害状況
問題点・協議が必要な事項
例)○○号岸壁
・岸壁背後に段差 30cm 有り
7
摘要
②電話連絡等が不可能な場合の対応
激甚な災害が発生した場合、通信手段(電話、携帯電話、メール、FAX等)が使用不
可能となる場合も想定される。その場合には、協議会事務局である稚内港港湾管理者が、
被災状況・復旧状況等の情報を集約できるよう、関係者は徒歩等の手段で少なくとも1日
1回は稚内港港湾管理者に状況を報告し、関係者間での情報共有を図るものとする。
③参集場所
参集場所の第 1 候補は、
「稚内市役所」、第 2 候補は、
「旧稚内商工高等学校実習棟」とす
る。
表4-2
場
参集場所(案)
所
住
所
稚内市役所
〒097-8686
北海道稚内市中央 3 丁目 13 番 15 号
旧稚内商工高等学校実習棟
〒097-0012
北海道稚内市富岡 1 丁目 1 番 1 号
図4-3
参集場所(案)
(3)対応計画
初動時対応が概ね終了した段階で、図4-4を基本として、構成員間で連携をとりつつ、
迅速に緊急物資輸送対応に移行する。また、フェリー輸送、エネルギー輸送、一般貨物輸送、
航路啓開、道路啓開の基本的な手順と役割分担を図4-5~図4-9に示す。
8
9
図4-4
稚内港の緊急物資輸送の基本的な手順と役割分担
10
図4-5
稚内港のフェリー輸送の基本的な手順と役割分担
11
図4-6
稚内港のエネルギー輸送の基本的な手順と役割分担
12
図4-7
稚内港の一般貨物輸送の基本的な手順と役割分担
13
図4-8
稚内港の航路啓開の基本的な手順と役割分担
14
図4-9
稚内港の道路啓開の基本的な手順と役割分担
5.事前対策
災害時の対応を迅速かつ的確に行うため、事前対策として、ボトルネック事象の解消とその
影響の低減を図ることを念頭に、協議会として表5-1に示す項目に取り組む。
表5-1
区
分
項
初
動
時
の
円
滑
化
の
円
滑
化
事
業
継
続
の
円
滑
化
目
対
策
実施機関
通信手段の確保
・稚内港港湾 BCP 協議会会員の衛星電話保有を推進
する
協議会及び構成員
稚内港港湾 BCP 協議会の各
構成員の BCP への反映
・稚内港港湾 BCP を、協議会会員の BCP や防災計画
等に反映する
協議会構成員
教育・訓練の実施
・BCP の概要や防災対策の最新知識の習得を目指し
た教育を行う
・情報伝達や応急復旧方針決定の図上訓練等を実施
する
協議会及び構成員
・稚内港に立地する石油会社と応急復旧対応や避難
者生活のための燃油調達の協定を締結する
市及び協議会構成員
(石油関連団体)
・効率的に応急復旧を行うため北海道と国の作業分
担や指揮命令系統を整理する
協議会
燃料の確保
物
資
輸 北海道と国の作業分担の整
送
理
荷役機械の確保
緊
急 上屋・倉庫の確保
物
応 資
輸 水先艇被災時のタグボート
送 の活用
対
教育・訓練の実施
そ
の
他
稚内港の事前対策
・荷役機械が被災した場合の代替機の把握
協議会
・地震・津波の被害が軽微と想定される上屋・倉庫
の把握
協議会構成員
・タグボートを水先艇として使用可能とするための
協定締結、海上運送法に係わる手続等の実施
協議会構成員
・緊急物資輸送を想定した訓練を行う
協議会及び構成員
非常用電源の確保
・緊急物資輸送を行う上で必要となる最小限の電力
を確保する
協議会構成員
電気設備の復旧手法の検討
・仮設電源の導入等、早期に電気設備を復旧するた
めの手法を検討する
協議会構成員
教育・訓練の実施
・代替輸送等を想定した訓練を行う
協議会及び構成員
15
6.教育・訓練
①対象者が知識として既に知っていることを実際に体験させることにより身体感覚で覚え
させることと、②手順化できない事項に対して適切な判断と意思決定をくだせる能力を鍛える
こと、③港湾BCPを検証し、改善にすることを目的に、表6-1に示す教育・訓練を定期的
に実施する。
なお、如何なる危機的事象が発生しても関係者が臨機応変な対応を行えるようにするために
は、平時から当該港湾の利用実態や課題、将来の方向性を関係者が熟知することが重要であり、
表6-1に示す教育・訓練以外の場においても関係者は職員の教育に取り組むものとする。
表6-1
稚内港で実施する教育・訓練(例)
教育・訓練の種類
概
要
対象者
頻
度
BCPの概要や防災対策の最新知識の
初動時円滑化の為の教育
協議会及び構成員
年1回
協議会及び構成員
年1回
習得を目指した教育
初動対応に係る情報伝達訓練
情報伝達や応急復旧方針決定の図上訓
練等の実施
16
7.見直し・改善の実施計画
稚内港港湾BCPについては、表7-1を基本として、協議会が見直し・改善を行う。
表7-1
項
稚内港港湾BCPの見直し・改善の実施時期(例)
目
頻度あるいは実施時期
有効性の確認
年1回
連絡体制等の更新
異動の都度
想定等の更新
新たな知見、リスクが認められた時点
備
考
訓練の評価を踏まえる
以上
17