マグロフィンの科学

マグロフィンの科学
工学院大学工学部機械工学科
教授 伊藤慎一郎
パンツと引き締めの効果
D(抵抗)= D f (摩擦抵抗) + D(圧力抵抗)
= T (推進力)
p
1
ρAv 2
2
1.ヌルヌルパンツを履いてC(摩擦抵抗係数)を下
げて
f
= C f Sv +
U!
腰部分のA(断面積)を引き締めることで:抵抗Dを1%減
2.ラップを巻いて体の断面積Aを引き締めることで:抵抗Dを2%減
マグロヒレの推進力の推定
3.尾びれをマグロ型にすることでヒレによる加速度運動でヒレ自身の
質量m pとそれと共に動く流体の付加質量m wとの慣性力が推進力T I を作る.
T I = m pU! + m w (U! − V! ) ≅ m wU!
ここではヒレ自身の質量m pが小さく,遊泳速度V ≅ 一定の近似式と仮定.
U!
ヒレによる付加質量m wを遊泳速度2a = V ,ヒレ幅2b, 両振幅2cの楕円体とすると
4
4 V
m w = πabc = π ( )bc (V : 遊泳速度,2b :ヒレ幅, c : 振幅)
3
3 2
D ≅ D p = T Iと仮定して
TI =
1
2
ρAV 2 = πVbcU!
2
3
2b
抵抗軽減と推進力アップによる
c
速度アップの効果
4
πbcU! ∝ bU! ∝ b
-c
V
3
∴ 振幅c,水に対するU!が等しいとき速度はヒレ幅に比例する.
∴V =
U!
ヒレ幅を1.5倍に取った場合,速度は1.5倍だが,誘導抵抗等を考えて1.37倍
ヌルヌルパンツ1%および引き締め2%を
考慮し,さらにヒレによる37%の速力UP
合計で1+2+37=40(%)の速力UP