保健所情報誌「Face to Health」第15号(平成29年3月)(PDF

No.15
情報系
悩んでいる人に声をかけて、
あなたも今日からゲートキーパー!
~目次~
悩んでいる人に声をかけ
て、あなたも今日からゲー
トキーパー!~3月は自殺
対策強化月間です!~
‐1ページ‐
健康と細菌について~納豆
菌~
‐2ページ‐
ジビエ(野生鳥獣の肉)を
食べる時の注意点
‐2ページ‐
生後2ヶ月になったら、予
防接種を受けましょう!
‐3ページ‐
女性のための健康管理
‐3ページ‐
結核は過去の病気ではあり
ません!
‐4ページ‐
~3月は自殺対策強化月間です!~
「1日に74人」これは日本で自ら命を絶つ人の数。その数は年間で3万人
近くに上ります。(平成25年:警察庁統計より)。そこで「誰も自殺に追い
込まれることのない社会」の実現をめざし、毎年3月を自殺対策強化月間と
し、国や地方公共団体、関係団体が一体
となり啓発事業や支援策を実施していま
す。本記事ではみなさん一人一人の取り
組みが重要な「ゲートキーパー」につい
て紹介します。
「ゲートキーパー」とは
自殺にむかおうとする人を食い止める
『命の門番』です。専門的な知識や特別
な技術は必要なく、それぞれの立場でで
きることから行動を起こすことで、悩ん
でいる人に寄り添い、孤立や孤独を防い
でいく重要な役割を荷っています。
ゲートキーパーの役割とは
①身近な人の変化に「気づく」
元気がない、食欲がない、口数が減ったなど、いつもと違うなと思ったら要
注意です。
②気づいたら「声をかける」
悩みごとは人それぞれで他人には打ち明けにくいもの。あなたのちょっとし
た勇気が、その人の話すきっかけを与えるのです。
③相手の気持ちに寄り添い「傾聴する」
「自殺したい」と打ち明けられても、あわてずにその気持ちをしっかり受け
止め、相手の気持ちに寄り添うことが大切です。
④早めに専門家に「つなぐ」
一度話を聞いたからといってすぐに問題が解決するわけではありません。専
門の機関に相談するように促しましょう。
こころの相談窓口
あなたやあなたの身近な人は、“こころの悩み”を抱えていませんか?1人
で悩まず、こころの声を聞かせてください。保健予防課では、精神保健福祉
士、保健師や精神科医師(予約制)による相談を行っています。
保健予防課 精神保健福祉係 ☎409-2859
1
健康と細菌について ~納豆菌~
冬も終わり、暖かくなってくると細菌の増殖が活発になっていきます。細菌にはから
だに悪さをするものだけでなく、からだに良いものもありますが、皆さんは普段から意
識してからだに良い細菌を取り入れているでしょうか?
今回は、からだに良いとされる納豆菌にスポットを当て、健康と細菌についてご紹介
します。
人の腸内には、細菌がおよそ100種類、100兆個も生息していることが知られて
います。これらの腸内細菌のバランスを整えることは、健康に大きく影響してきますが、腸内環境を整える
良い細菌の1つが納豆に含まれる納豆菌です。納豆菌は高温や乾燥など厳しい環境条件でも生存できる特徴
を持ち、人のからだに入っても胃酸に耐えて生きたまま腸内に届きます。腸内に届いた納豆菌は他の良い細
菌が増えることを助け、悪い細菌が増えることを防ぎ、腸内環境を守っています。
また、納豆菌が作り出すビタミンKは骨の形成を促進する作用があり、骨を丈夫にすると考えられていま
す。ビタミンKを多く含む納豆を食べることでビタミンKの効果が期待できますが、服用している薬によっ
ては薬の効果に影響することがあり、医師や薬剤師から納豆の制限について指示されることがあります。不
安なときは医師や薬剤師にご相談ください。
このように、納豆菌は健康的なからだづくりに役立っていることがわかります。暖かくなるにつれて食中
毒や感染症を引き起こすような悪い細菌も増えて、からだの中に入る可能性が増えていきます。悪い細菌の
影響を抑えるためにも、納豆のような良い細菌を含む食品を積極的に取り入れて健康の維持を心がけてみて
はいかがでしょうか?
保健所総務課 検査係 ☎409-3801
ジビエ(野生鳥獣の肉)を食べる時の注意点
最近、ジビエ料理が流行しており、野生鳥獣の肉を食べる機会が増えていますが、その一方で野生鳥獣の
肉を原因とした食中毒が発生しています。最近では、昨年12月に茨城県で熊肉を原因とする旋毛虫(別
名:トリヒナ)食中毒が発生しました。トリヒナは寄生虫の一種で、あまり知られていませんが、人に感染
すると重篤な症状を起こすことがあり、注意が必要です。
トリヒナは熊等の野生鳥獣や、豚、馬等の家畜に感染していることがあり、これらの肉を加熱不十分な状
態で食べることで人に感染します。人に感染すると、消化管やからだ中の筋肉に寄生し、下痢、嘔吐、筋肉
痛の他、心不全等の重篤な症状を起こすこともあります。
野生鳥獣の肉を加熱不十分な状態で食べると、トリヒナに限らず、他の食中毒が起きるリスクもありま
す。野生鳥獣の肉を食べる際は以下のポイントに気を付けましょう。
野生鳥獣の肉を食べる時のポイント
①十分に加熱しましょう
トリヒナが感染した肉であっても、十分に加熱することでトリヒナは死滅しま
す。肉の中心部の温度が75℃となる条件で1分間以上加熱して食べましょう。
②調理器具を使い分けましょう
肉眼で見て異常がない肉にもトリヒナが寄生している可能性があります。まな板
や包丁等の調理器具は使い分け、調理が終わるごとに洗浄・消毒しましょう。
③飲食店の料理にも気を付けましょう
飲食店で提供される料理でも、加熱不十分な肉にはトリヒナが生きたまま含まれ
ている可能性があります。生焼けの肉は食べないようにしましょう。
衛生指導課 食品指導係 ☎409-2594
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生後2ヶ月になったら、予防接種を受けましょう!
母親から子どもに受け継がれた免疫は生後12ヶ月頃までに自然に失われてしまいます。また、子どもは
様々な感染症にかかりやすく、感染すると深刻な合併症や後遺症をおこしたり、場合によっては死に至るも
のもあります。そうした感染症のなかにも、予防接種を利用して予防できるものがあります。
ここでは、1歳になるまでに受け始める定期接種(法律で定められている予防接種)をご紹介します。
~1歳になるまでに受け始める定期接種~
・ ヒブ及び肺炎球菌
細菌性髄膜炎等の、命にかかわる感染症を予防します。
それぞれ生後2ヶ月から接種を始め、最大で4回の接種を受けます。
・ B型肝炎
肝硬変や肝臓がんの原因となるB型肝炎に対する予防接種です。定期接種は平成28年4月1日以降生ま
れの方が対象となります。標準的には生後2ヶ月から接種を始め、3回の接種を受けます。
・ 四種混合
ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオの4種類の病気を予防します。生後3ヶ月から接種を開始し、4回
の接種を受けます。
・ BCG
結核の予防接種です。標準的には生後5ヶ月から8ヶ月までに1回の接種を受けます。
これらは全て子どもを病気から守る大切なものですので、規定の接種時期や回数を守り、忘れずに接種を
受けましょう。また、生後6ヶ月位までは受ける予防接種の種類・回数が多いので、かかりつけ医に接種ス
ケジュールを作ってもらい、計画的に予防接種を受けましょう!
健康づくり課 予防接種係 ☎409-3404
女性のための健康管理
女性は月経周期や妊娠・出産、更年期と、一生を通してホルモンの変化に影響を受
け、体調の乱れや精神の不安定さを引き起こしやすいといわれています。かかりつけ
の産婦人科をもち、健康を支える基本となる生活習慣を心がけましょう。
健康を支える生活習慣
①食事:主食と主菜、副菜(野菜・きのこ・海藻)を揃えて1日3食バランスよく、
脂質を抑えるには和食が理想的です。
②運動:適度な運動の習慣化で、自律神経の働きを活発に、全身の血行を促しましょう。
③やせも肥満も要注意:無理なダイエットによる「やせ」は無月経や低体温などの原因となることもあり、逆
に「肥満」は生活習慣病の原因だけでなくホルモンの分泌リズムを狂わせ、月経不順や不妊の原因となること
もあります。
④からだを冷やさない:女性に多い冷え性は、からだの免疫力が落ち、月経不順などの原因にもなります。寒い
時期のミニスカートに素足も避けた方がよいでしょう。からだを温める食べ物(ねぎ・しょうが・にんにく等
の根野菜)を積極的にとり、湯船につかってからだを十分に温めるなど普段からからだを冷やさないように気
をつけましょう。
⑤排便・排尿:女性に比較的多い便秘は健康の大敵です。時間に余裕をもって朝食をとり、栄養バランスに気
をつけるなど毎朝の排便習慣をつけましょう。また、頻尿や尿漏れなども妊娠や出産、女
性ホルモンの減少などにより、周囲の筋肉の緩みによっておこることがあります。骨盤底
筋群を鍛える体操がおすすめですが、子宮や卵巣の病気によって頻尿や排尿障害が起こる
こともあるため、改善が見られない場合は受診しましょう。
各保健センター(4ページ「保健所の主な行事・予定」を参照)では、保健師・栄養
士・歯科衛生士が女性の健康に関するご相談も受けております。ぜひご活用下さい。
3
結核は過去の病気ではありません!
結核は、50年前まで日本人の死亡原因の第1位でしたが、医
療や生活の水準の向上により、現在ではきちんと薬を飲めば治る
病気になりました。しかし、今でも、1日に50人の新しい結核
患者が発生しています。
<結核とは?> 結核菌が主に肺に侵入し炎症を起こさせる病
気です。微熱、咳、たん、だるさ、食欲不振、体重減少、息切れ
などの症状がでます。
<どのように感染するの?>たんの中に結核菌を排出している
患者が咳やくしゃみをすると空気中に結核菌がばらまかれ、それ
を吸い込むことで感染します。これを「空気感染」といいます。
結核予防会:結核の常識2007,2,2007
感染しても免疫力により結核菌を封じ込め発病を防ぎますが、免
疫力が弱まり結核が発病すると胸部エックス線検査で影がある状態となり、肺の中は結核菌で満たされま
す。重症になると結核菌がたんの中に排出され、胸部エックス線検査で肺に穴が開いたような像(空洞)と
なり、周囲に感染させる可能性が高くなります。
<「感染」と「発病」は違います>「感染」とは、結核菌が体内に侵入していますが、無症状で、胸部エッ
クス線検査でも異常なく、菌の排出も全くない状態をいいます。「発病」とは、感染後、症状が出て、胸部
エックス線検査等で結核といえる影がある状態をいいます。結核菌を排出していることもあります。感染者
や発病しても菌を排出していない患者は、周囲に感染させることはありません。
<気を付けること>十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動など免疫力を低下させないことが大切
です。しかし「空気感染」は目に見えないため、いつ感染するかわからないのが現実です。2週間以上咳や
たんが続いたら受診しましょう。早期発見は重症化を防ぐだけでなく、周囲への感染を防ぐことにもつなが
ります。また、抵抗力の弱い赤ちゃんは、市の案内が来たら、BCG予防接種を受けましょう。万が一感染
しても重症化の予防に有効です。
保健予防課 結核感染症係 ☎409-2867
☆保健所の主な行事・予定☆
◆『エイズ検査』(予約制 ☎409-2867)3/21
◆『肝炎ウイルス検査』(予約制 ☎409-2867)3/21
◆『精神科医による精神保健福祉相談』(予約制 ☎409-2859) 3/7、8、16、24
その他、各地域の保健センターでは、『ママ/パパママ教室』、『離乳食(3回食)と歯みがきの教
室』、『ビーバー教室』、『運動習慣づくり教室』、『ロコモを防ごう かんたん筋力アップ』、『身体
をほぐそう リラックス体操』 『骨密度測定』、『なんでも食事相談』、『幼児(4~6歳) の心の健康
教室』や、『親が学ぶ 思春期のこころとからだ』を実施する予定です。
日程、回数等の詳細については、各地域の保健センターまでお問い合わせください。中央(☎423-
2111)、東部(☎466-1383)、北部(☎449-7600)、西部(☎047-302-2
626)
編集後記
今年度、最後の発行となります。1年間編集に関
わるなかで、わかりやすい表現の文章にすることの
難しさを改めて感じています。今後も、皆さまに役
立つ情報の掲載を心がけてまいりますので、ご愛読
をお願いします。
(保健所総務課 渡部)
平成29年3月1日発行
船橋市保健所
〒273-8506
船橋市北本町1-16-55
T E L 0 4 7 -4 0 9 -3 6 6 8 ( 代 表 )
F A X 0 4 7 -4 0 9 -3 5 9 2
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