1 1.サプライチェーン 私たちの事業活動は、本社・本部機能や店舗運営

1.サプライチェーン
私たちの事業活動は、本社・本部機能や店舗運営などの私たちが直接関与するオペレーション
だけではなく、サプライチェーン全体に影響を及ぼしています。私たちの責任は全ての取引先
にも及ぶものです。取引先との強力なパートナーシップを活かし、情報開示に取り組みながら
継続的にサプライチェーン全体の課題に対処していくことが必要と考えています。環境側面お
よび社会側面の重点領域において、以下のアプローチにより取り組みを進めていきます。
モニタリングと改善の取り組み
取引先の事業活動を含めたサプライチェーン全般における社会・環境リスクや影響を定期的に
モニタリングし、モニタリング結果に応じて、調達、生産、物流プロセスを改善していきます。
モニタリング結果の深刻度に応じて、是正措置や改善計画を定めて実行し、最も深刻な場合に
は取引先との取引を停止することもあります。
倫理的な調達
私たちは、当社からの発注内容が、取引先の従業員の健康や労働環境、また、取引先の事業に
伴う環境負荷にも影響を及ぼし得ることを認識しています。環境や取引先従業員の安心・安全
により配慮した調達を行うための取り組みを行います。
透明性
私たちは、全ての事業活動範囲およびサプライチェーンの各段階において透明性を実現してい
く、という目標を掲げ、サプライチェーンの情報開示に取り組んでいきます。透明性の向上は、
サプライチェーンのリスクの特定にもつながり、また、ステークホルダーに対しては、透明性
および社会・環境への配慮をもってビジネスを行っていることを示すことができます。
業界全体での連携・協働
今後サステナビリティの実現に向けた取り組みを拡大し、大きな成果をあげるためには、アパ
レル業界全体の連携・協働が必要となります。私たちは、業界における重要な取り組みに参画
し、国や課題に応じて、様々なステークホルダーとの対話も進めていきます。
環境側面におけるポリシー
私たちは、事業活動が自然環境に与える影響を抑え、法や規制を守るだけではなく、意欲的な
目標を掲げ、地球環境問題に取り組みます。服のデザイン、生産、輸送、販売、使用、廃棄に
至るまで、サプライチェーンの全工程が与える環境への影響を毎年測定し、その影響をできる
限り少なくするための取り組みを進めます。
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アパレル産業における環境負荷としては、商品の生産や調達過程におけるエネルギー、水、化
学物質の使用や、温室効果ガス、産業廃棄物の排出などがあげられます。
当社の具体的な取り組みは、「温室効果ガスの排出削減」「化学物質管理」「水資源の管理」
「廃棄物削減」の4つの領域で構成されます。
温室効果ガスの排出削減
気候変動や生物多様性への影響を軽減するために、温室効果ガスの削減に取り組みます。また、
こうした環境問題の解決に向けた、国際的な目標にも取り組んでいきます。私たちは、店舗お
よびグローバルなサプライチェーンを通して効率化を進め、エネルギー消費量を削減していき
ます。
化学物質管理
お客様と従業員の安心・安全を守り、環境を保護するために、化学物質の管理を徹底します。
2020 年までに、ステークホルダーとの協力のもと、商品や生産プロセスにおける危険化学物質
排出ゼロを目指します。生産プロセスでの使用基準を示す『制限物質リスト』を公開し、最新
の知見にもとづき定期的な見直しを行います。
水資源の管理
水は私たちの事業にとって大切な資源です。コットンなどの原材料の生産や、染色などの工程
においては多くの水が使用されます。私たちは、サプライチェーンを通して、水資源への影響
に関する調査を行い、負荷の大きい箇所を特定し、最適な負荷の削減方法を模索していきます。
生産パートナーや各種団体と協力し、よりサステナブルな技術の導入を検討します。私たちは
全ての生産パートナーに対して、適切な排水処理システムの設置と、必要に応じて、排水検査
結果の開示を求めていきます。
廃棄物削減
輸送方法の最適化や梱包材の再利用などを通じて、廃棄物を最小限に抑えていきます。また、
生産工程で発生する廃棄物の抑制や、繊維くずの再利用などの新しい技術を研究していきます。
社会側面におけるポリシー
私たちの商品の生産には、グローバルなサプライチェーンを通じて、多くの生産パートナーと
その従業員が関わっています。
私たちは、少数の生産パートナーと長期的な取引を行い、より深い関係性を築く当社のビジネ
スモデルが、サプライチェーンの人権および労働環境に関する取り組みを行ううえでもプラス
になると考えています。
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人権
私たちは、事業活動全般を通して、自社とそのサプライチェーンで働くすべての人の基本的人
権を尊重し、心身の健康や安心・安全を確保することが、企業がなすべき最重要の責務である
と考えています。いかなる人権侵害(特に、児童労働や強制労働、抑圧やハラスメント、差別
や暴力等)も容認しないという方針のもと、サプライチェーンにおいて人権が確実に守られる
よう、仕組みを構築しています。私たちは、当社の「生産パートナー向けのコードオブコンダ
クト」にも反映されている国際労働機関の中核原則や、国連の指導原則など、グローバルレベ
ルの人権原則や宣言に沿って、この分野での責任を果たしていきます。
労働環境のモニタリング
私たちの事業をサステナブルなものにするためには、商品の生産過程において適正な労働環境
を維持することが欠かせないと考えています。私たちは 2004 年に「生産パートナー向けのコー
ドオブコンダクト」を制定し、改定を重ねながら、全ての生産パートナーに労働環境基準の遵
守を求めています。また、外部機関や自社社員によるサプライチェーンの労働環境モニタリン
グを行うとともに、その結果を評価し、工場におけるマネジメントシステム強化と改善を支援
しています。重大な問題が発覚した場合は、取引の見直しを含め厳正に対処します。また、生
産パートナーの従業員からの労働環境の問題が通報された場合には、速やかに対応します。
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