2017 年 2 月 28 日 プレスリリース 照明市場に関する調査を実施(2017 年) ~照明市場は、従来光源器具・ランプから LED 照明器具への代替が続く~ 【調査要綱】 矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内照明市場の調査を実施した。 1.調査期間:2016 年 10 月~2017 年 1 月 2.調査対象:照明関連メーカー等 3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、及び文献調査併用 <照明市場とは> 本調査における照明市場とは、従来光源(白熱灯、蛍光灯、高圧放電灯など)や LED を光源とする照明器具・ラ ンプで、建築物に付随する照明や道路照明など一般の照明用途として使用されるものを対象とし、「従来光源照明 器具」・「従来光源ランプ」・「LED 照明器具」・「LED ランプ」の 4 分野をさす。但し、自動車用途や産業用途、機械 器具類等の照明器具・ランプを除く。 【調査結果サマリー】 2016 年の一般照明用途の照明市場規模は、前年比 2.9%減の 1 兆 277 億円の見込 2016 年の一般照明用途の照明市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年比 2.9%減の 1 兆 276 億 9,400 万円を見込む。照明市場では、2011 年の東日本大震災を契機とした省エネ意識の高まりを背景 に、エネルギー効率に優れた LED 照明の需要が急激に拡大し、2011 年および 2012 年は二桁の成長を 遂げた。その後、2014 年および 2015 年は微増と伸び率は鈍化しており、2016 年の同市場はランプ需要 の大幅な減少により前年比 2.9%減の見込みである。 2017 年の一般照明用途の照明市場規模は前年比 2.7%減の 1 兆円、 2018 年は同 0.4%増の 1 兆 40 億円と予測 2017 年の一般照明用途の照明市場規模(メーカー出荷金額ベース)は前年比 2.7%減の 1 兆円、2018 年は同 0.4%増の 1 兆 40 億円と予測する。LED ランプの長寿命化及び LED ランプから LED 照明器具 への交換が進んでいる影響により 2017 年の照明市場は前年比減に、LED 照明器具の需要増により 2018 年の同市場を微増と予測する。 ◆ 資料体裁 資料名:「2017 年版 照明市場の展望と事業戦略」 発刊日:2017 年 1 月 31 日 体 裁:A4 判 446 頁 定 価:120,000 円(税別) 株式会社 矢野経済研究所 所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝 設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/ 本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/) ㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected] 本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。 本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。 Copyright © 2017 Yano Research Institute Ltd. 2017 年 2 月 28 日 プレスリリース 【 調査結果の概要 】 1.市場概況 2011 年の東日本大震災を契機とした省エネ意識の高まりを背景に、エネルギー効率に優れた LED 照 明の需要が急激に拡大し、照明市場もそれに連なる形で拡大した。2011 年および 2012 年の照明市場は 二桁の成長を遂げた。 その後、照明市場の増加率は鈍化しており、2014 年の一般照明用途の照明市場規模(メーカー出荷 金額ベース)は前年比 0.7%増の 1 兆 357 億 3,700 万円、2015 年の同市場は前年比 2.2%増の 1 兆 586 億 9,000 万円と微増となった。2016 年はランプ需要の大幅な減少により、2016 年の同市場は前年比 2.9%減の 1 兆 276 億 9,400 万円の見込みである。 LED ランプの長寿命化、及びレトロフィットタイプ(従来光源の照明器具に取り付けて使用できるタイ プ)の LED ランプから LED 照明器具への交換シフトが進んでいるため、LED 照明器具の需要増、ランプ の需要減という傾向は継続しており、2017 年の一般照明用途の照明市場規模(同ベース)は前年比 2.7%減の 1 兆円、2018 年の同市場は同 0.4%増の 1 兆 40 億円と予測する。 図 1. 一般照明用途の照明市場規模の推移・予測 (単位:百万円) 1,200,000 LEDランプ 従来光源ランプ LED照明器具 1,000,000 従来光源照明器具 858,748 800,000 763,571 60,000 995,109 98,000 243,715 1,028,228 1,035,737 1,058,690 110,776 107,000 111,000 226,620 207,590 413,000 489,094 586,808 228,053 184,294 2014年 2015年 176,812 1,027,694 103,788 144,741 1,000,000 1,004,000 101,200 96,500 108,800 72,500 730,000 793,000 60,000 42,000 2017年 (予測) 2018年 (予測) 26,000 256,193 600,000 286,096 150,000 400,000 53,000 200,000 398,474 392,555 304,000 349,394 281,608 648,265 130,900 0 2010年 2011年 2012年 2013年 2016年 (見込) 矢野経済研究所推計 注 1.メーカー出荷金額ベース 注 2.建築物に付随する照明や道路照明など一般照明用途として使用されるものを対象とする。自動車用途や産業用途、 機械器具類等の照明を除く 注 3.四捨五入のため、図内の合計が一部異なる 2.注目すべき動向 2-1. 東京オリンピック・パラリンピックに向け 2020 年までの需要は堅調に推移 照明市場の主役である LED 照明の今後の見通しを考えるうえで、2020 年に開催予定の東京オリンピッ ク・パラリンピックが大きな節目となる。直接的な需要である競技施設の照明設備に加えて、社会インフラ の再整備をはじめ、商業施設、ホテルなどの訪日外国人客向けのインバウンド関連施設、オフィスビル等 の再開発、首都圏を中心とした住宅開発などの間接的な需要も見込まれ、関連する照明需要は相当な 規模になると考える。 また、水銀に関する水俣条約を背景とした工場向け照明設備のリプレイス(代替)需要や LED 化が進 みだした非常用照明器具の普及拡大、さらに LED 照明黎明期に設置された LED 照明器具のリプレイス 需要も見込まれるなど複数のプラスの要因があり、市場は 2020 年までは堅調に推移すると考える。 Copyright © 2017 Yano Research Institute Ltd. 2017 年 2 月 28 日 プレスリリース 2-2.照明市場は長期的には成熟市場として縮小する可能性 照明市場は設備投資の動向に大きく左右され、2020 年の東京オリンピック・パラリンピック開催後の落 ち込みの可能性は十分に考えられる。オリンピック以降も老朽化したインフラ設備の更新需要に加え、現 在の建築コストの高止まりを背景に、敢えてオリンピック以降に工期を遅らせる動きなどを下支えにして、 需要の急減を避けることも考えられるが、長期的な観点からは、少子高齢化、人口・世帯数の減少といっ た構造的な問題により建築需要とともに縮小していく可能性もあると考える。 さらには、照明市場は、これまでランプのリプレイス(代替)需要によって下支えされて比較的安定的に 推移してきたものの、急速に進んだ価格低下に加え、光源と一体となった LED 照明器具への需要シフト、 LED ランプの長寿命化に伴うリプレイス需要の縮小により、照明市場自体としても縮小していく可能性もあ るものと考える。 2-3.今後の潮流は「照明制御システム・ソリューション」 LED 照明のコモディティー化に伴い、激しい価格競争にさらされる中、高付加価値化により価格競争 ※ からの脱却を図ろうとする大きな流れがある。それが照明制御システム・ソリューション である。 照明制御システム・ソリューションの焦点は、一層の省エネである。一般的な従来光源から LED への切 り替えだけで、ある程度の省エネを図ることができるが、これに照明制御を追加することにより、一層の省 エネおよびエネルギーコストの実現が可能となる。 照明制御システムについては、ユーザーの認知度が低いこともあってそれほど普及していないのが現 状である。I o T が注目される中、近い将来、照明器具単体の制御から家庭やオフィスの全ての機器の丸 ごと制御へとシフトしていくと考える。すでに、照明機能だけでなく、空調やセキュリティー等の機能と組み 合わせたネットワークとしての実用化も始まっている。照明関連メーカーでは、照明というモノだけでなく、 通信・制御・ソリューションサービスに精通した人材の確保・育成に加え、空調やセキュリティーなどの周 辺設備事業者との連携なども今後の課題となると考える。 ※参考資料:ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)市場に関する調査結果 2014(2014 年 7 月 9 日発表) http://www.yano.co.jp/press/press.php/001265 Copyright © 2017 Yano Research Institute Ltd.
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