通信プロバイダー向けSaaSリファレンス・アーキテクチャ

通信サービスプロバイダー向け
アクセンチュアSaaS
リファレンス・アーキテクチャ
クラウドの強みであるパワー・柔軟性・拡張性を
最大限に生かしたサービス基盤を実現
クラウド・サービスのプロバイダーであり、ユーザーでもある通信サービスプロバイダー(CSP)は現在、クラウド・コンピューティングがも
たらす破壊的な影響に直面。外部環境においては、OTTサービスプロバイダーのほか Amazonをはじめとするグローバルなクラウド・プロ
バイダーとの競争が激化し、また組織の内部においても、コスト削減、競争力の向上、新たな収益源の開拓、急速に変化する顧客ニーズへ
の迅速かつ俊敏な対応など、さまざまなプレッシャーにさらされています。
ビジネス・サポート・システムの開発が急務
しかし、これらの課題に対処しようにも、時代遅れ
のビジネス・サポート・システム(利用状況の管理や
請求・課金、問い合わせ対応などの、ユーザー向け
サービス提 供システム)が足かせとなって、多くの
努力を阻まれているのが現状です。こうしたビジネ
ス・サポート・システムは、長年にわたるカスタマイ
ゼーションや機能追 加、改修などを通じて、コスト
効率が低下し、扱いにくく、また柔軟性も損なわれ
てしまっています。かなりの難題ですが、解決策は
確実にあります。CSPが直面するすべての課題は、ク
ラウド・コンピューティングや「アズ・ア・サービス」
デリバリーモデルが事業会社のIT 環境にもたらすメ
通信サービスプロバイダー向け アクセンチュアSaaSリファレンス・アーキテ
クチャ:クラウドの有効活用を目指すCSPに不可欠な成功要因
CSP が直面するさまざまな課題の解決を支援するた
めに、アクセンチュアはTAMにクラウド・ソリューショ
ビジネス・サービ ス・システムのクラウド 移 行を推
し 進 め るために、多くの CSP は 業 界 標 準となるTM
ンの機能を付け加えた「通信サービスプロバイダー
Forumのテレコム・アプリケーション・マップ(Telecom
Application Map, TAM)を参考にしています。TAMは、
向けのアクセンチュアSaaSリファレンス・アーキテク
チャ」を開発しました。セールスフォース・ドットコム
通信業界における一般的なプロセスをエンドツーエ
ンドでサポートするシステムを定義する、いわば標準
の認定業種ソリューションの1つであるこの新たなア
フレームワークです。しかし、このモデルは本来、従
ーキテクチャは、TAMモジュールに最新のクラウド・
来型のオンプレミス・テクノロジーや大規模ソリュー
テクノロジーをマッピングし、CSP のイノベーション
ションの開発および統合プロジェクトで優れた適性
を後押しするとともに、クラウドへ の移 行を加速し
を発揮します。
ます。
リットによって解消することができます。
既存のビジネス・サービス・システムをクラウドに移
行したいと考えるCSPが増加している理由も、まさに
ここにあります。CSPはシステムをクラウド化するこ
とで、多種多様なビジネスゴール(製品・サービスの
市場投入までの時間の短縮、コストの最適化、より
SaaSリファレンス・アーキテクチャとTAMモジュールの関係
クロス・
ドメイン
魅力的でパーソナライズされた顧客体験の迅 速な
提供など)の達成を目指しているのです。
戦略・インフラ
ストラクチャ・
製品
オペレーション・
サポート&レデ
ィネス(準備状
況の強化)
フルフィルメン
ト(受注~決済
の業務全般)
アシュアランス
(サービス保証
業務)
販売/マーケティング・ドメイン
6
スピードの向上、俊敏性の改善、さらなるコ
ストの削減
製品ドメイン
3
これらのメリットを追求する中で、多くのCSPは俊敏
顧客ドメイン
8
サービス・ドメイン
4
リソース・ドメイン
4
サプライヤー・パートナー・ドメイン
4
企業ドメイン
7
でコストがかからないクラウドを基盤とするオペレ
ーションへ のシフトに注 力しています。また CSP に
とってのクラウド・ソリューションは、単に目前のビ
ジネスゴールを達成するための手段にとどまりませ
ん。クラウドはイノベーション・サイクルの短縮化、
より俊敏なビジネスモデルと開発モデルの策定、さ
らには最終的な収益の成長も促進する可能性を秘
6
めています。
こうした進化は、将来的な成功に欠かせないもので
す。今まさに形成されつつあるクラウド基盤の業界
エコシステムでは、CSPはこれまでのように半年ある
いは1年という長い時間をかけて、新たなテクノロジ
ー・イノベーションを検討・開発・展開している余裕
はありません。クラウド環境で製品やサービスの開
発を行うことで、CSPはこのライフサイクルを数週間
にまで短縮し、俊敏なライバル企業と対等に競え合
えるようになるはずです。
TAMモジュールにマッピングしたソリューションの数
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ビリング(利用
料請求)
このリファレンス・アーキテクチャの追加機能として、
アクセンチュアはグローバルにビジネ
スを展開する大手通信企業と協業し、
同社のデジタル化にフォーカスした新
たなエンドツーエンドのマーケティン
グ、 CRM 、ビリング・ソリューショ
ンの策定と実行をサポートしました。
このソリューションは、まずデジタル
環境でのマーケティングにフォーカス
し、その後はそれ以外の印刷物なども
サポートすることにより、同社におけ
る販売、マーケティング、およびサー
アクセンチュアではクイックスタート・ツールも開発
しました。クイックスタート・ツールは、市場投入まで
の時間短縮化につながるCRM 機能の設計・開発の効
率性をさらに高めるもので、リファレンス・アーキテク
チャをさらに一歩進めたソリューションといえます。ク
イックスタート・ツールが提供する事前設定済みのプ
ロセスやコード・コンフィギュレーションを基に、CSP
は通信ビジネスに固有のマーケティング、オファー管
理、CRMといったプロセスをより詳細に把握すること
ができます。CSP向けのSaaSリファレンス・アーキテク
チャとSaaSクイックスタート・ツールキットを組み合
わせることで、CSPは業界で実証済みの主要なビジネ
ス・プロセスやソフトウェア・ソリューションを導入す
ビス機能の変革を目指すものです。ア
ることができるのです。
クセンチュアの支援により、CSP向け
最大の課題にも対応:加入者の管理
のSaaSリファレンス・アーキテクチャ
とSaaSクイックスタート・ツールキッ
トを活用し、同社はこのソリューショ
ンをわずか12週間で導入できました。
リファレンス・アーキテクチャがもたらす、とりわけ大
きなビジネス・メリットとして挙げられるのが、加入者
の管理です。昔ながらのアプローチで加入者管理を行
っていては、変化し続けるニーズに対応することがで
きません。CSPは、加入者管理を早急に対応するべき
重要な課題として認識する必要があります。
従来、CSPは製品やサービスの販売に際して、もっぱら
3つの側面からソリューション開発を合理化・
加速化
SaaSリファレンス・アーキテクチャは、シンプルなソリ
ューションを高速開発することで、CSPが3つのゴール
を同時に達成するのを支援します。第一に、リファレ
ンス・デザイン/コードを活用することで、設計・開発
サイクルを短縮化します。第二に、設計・開発のリスク
を最小化します。そして第三に、実証済みのクラウド・
コンセプトとグローバルでの豊富な経験を生かすこ
とで、実効性の高いアーキテクチャを迅速に設計・構
築します。
リファレンス・アーキテクチャは、CSP がクラウドベー
スのプラットフォームをどのように有効活用すれば、
サービスの迅速な提供に欠かせない優れた俊敏性と
機能性を備えたビジネス・サポート・システムを構築
することができるかについてのブループリントを策定
する際、その基となります。アクセンチュアは、ビジネ
ス・サポート・システムに主だったクラウド・プラットフ
ォームを統合するためのインターフェースとコードを
開発し、さらに拡張性のあるプロセスフロー・ポート
フォリオを作成しました。現在のポートフォリオの内
容は以下の通りです。
・マーケティング~リードジェネレーション
・リード~機会創出
・コンフィギュレーション/見積もり
・販売/発注
・プロビジョニング
・ケースの作成
・サポートの提供
・課題の解決
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inc. and are used with permission.
直販チャネルを利用してきました。しかしながら、製
品ポートフォリオが急速に拡大した結果、直販チャネ
ルはすでに効率性を失っており、オムニチャネルのア
なぜアクセンチュアなのか
長年にわたって強固な信頼関係を維持してきたアク
センチュアとセールスフォース・ドットコムは、クラ
ウドがもたらす機会を最大限に生かしたいと考えて
いるCSPにとって理想的なパートナーです。アクセン
チュアは、グローバルに展開されているSalesforceを
活用したさまざまな変革プロジェクトを推 進してお
り、同社の 最も戦 略的かつ経 験 豊富なシステム・イ
ンテグレーション・パートナーとして広く認知されて
います。Salesforceソリューションの導入実績はすで
に850 件を超え、さらにForrester Research, Incからは
Salesforceソリューション・インプリメンテーション・
サービスのリーダーとして認定され、特に大規模かつ
複雑な変革プロジェクトへの貢献 度、および豊富な
経験を高く評価されています。
こうした 実 績を支 えてい るのが、7,500 人を 超 える
Salesforceのプロフェッショナルで構成され、今も急速
に成長を遂げているアクセンチュアのSaaSチームと、
彼らが誇る豊富な経験です。アクセンチュアは、セー
ルスフォース・ドットコムのパートナー企業の中でも最
も多くの Salesforce認定資格保有者を擁し、その一人
ひとりがビジネスに関する鋭い洞察力、業界に関する
深い専門知識、および顧客関係管理の高い技術を、
未来の成功のための道筋としてクラウド・コンピュー
ティングを選択したお客様である企業や組織に提供
しています。
プローチの必要性が高まっています。
アクセンチュアについて
多くの CSPにとって、現状において活用できるチャネ
アクセンチュアは「ストラテジー」
「コンサルティング」
ルの選択肢はそれほど多くありません。また、各チャ
ネルをシームレスに統合して、オムニチャネル体験を
最適化する設備も未整備のままです。しかし、優れた
ソリューションがあれば、適切なチャネルとテクノロ
ジー、人材を活用して、戦略にマッチした加入者管理
機能を構築することができます。アクセンチュアのリ
ファレンス・アーキテクチャを活用することで、CSPは
Salesforce上で最適な加入者管理ソリューションを構
築することができるのです。
あるCSPにおいて、アクセンチュアのリファレンス・ア
ーキテクチャで従 来のビジネス機能の見直しを行っ
た結果、社内プロセスへの対応には時間を要したも
のの、それまで4カ月以上もかかっていたサービスの
市場投入までの時間(コンセプト立案からリリースま
で)は、ほぼ即時に短縮されました。さらに、同社はリ
ファレンス・アーキテクチャを活用することで、新しい
クラウド・コンポーネントと旧来のオンプレミス・シス
テムとの最も効果的なタッチポイントを発見し、柔軟
であるはずのクラウドのプロセスが、なぜオンプレミ
スのネットワーク・インフラ上で停止してしまうのかを
突き止めました。
「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の
5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供
する世界最大級の総合コンサルティング企業です。世
界最 大の規模を誇るデリバリーネットワークに裏打
ちされた、40 を超す業界とあらゆる業務に対応可能
な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジ
ネスとテクノロジーを融合させて、お客様のハイパフ
ォーマンス実現と、持続可能な価値創出を支援して
います。世界120カ国以上のお客様にサービスを提供
するおよそ38万4,000人の社員が、イノベーションの創
出と世界中の人々のより豊かな生活の実現に取り組
んでいます。
アクセンチュアの詳細はwww.accenture.comを、
アクセンチュア株式会社の詳細は
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