ペルー日系人協会における安倍総理大臣挨拶(PDF)

ペルー日系人協会における安倍総理大臣挨拶
皆さま、こんにちは、安倍晋三です。
本日は、ペルーの色々なところから何百人もの方々においで頂きましたことに、
幾重にも御礼申し上げます。本当に有難うございました。
奥山元女(おくやま・もとめ)さん。
ようこそおいでくださいました。
お元気そうなお姿を拝見できまして、心から嬉しく思いました。
どうかこれからも、お達者にお過ごしください。
ヘラルド・マルイさん。
皆さまの日系人協会は、中南米の中でも稀に見る達成ですね。
協会を長年引っ張ってこられたご努力に、心から敬意を表します。
マルコ・ミヤシロさん。
日本大使公邸占拠事件は、ちょうど、20 年前になりますか。
その節は、人質になってくださるなど、本当にご苦労をおかけしました。
改めまして感謝を申し上げます。
フリオ・クロイワ先生。
先生のご知見が、ペルー、日本の双方にとって大切な地震学を、大いに伸ばし
ました。これまでのご貢献に、御礼申し上げます。
この度、APEC の機に当地を訪れ、皆さまお一人、お一人のお顔をこうして拝見
できましたことは、私にとって一生の思い出になります。
皆さまに、ご報告したいことがあります。
ペルーは、南米諸国の中では最も早く日本からの契約移民を受け入れた国で、
最初の移民が 1899 年にやって来たということは、ご承知の通りです。
2019 年は、それから 120 年の節目に当たります。この度私は、クチンスキー大
統領とあい計らって、2019 年を、両国の交流を深める記念の年とすることに致
しました。日本とペルーをより近づけるため、いろんな行事を実施します。皆
さまにはどうかご協力をいただけますよう、お願い申し上げます。
それからささやかですが、お受け取りいただきたいものがあります。
一つは、皆さまの百周年記念病院にお贈りする道具、具体的には、脳手術、脊
髄手術の器材です。
百周年記念病院が、たくさんのペルー国民に信用されている事実は、とりもな
おさず、皆さまが粒粒辛苦、ペルーで築いた信頼の証しです。
必要なものは何かを伺い、これをお送りすることにしました。
もう一つ、お年を召された皆さまのご労苦に報いるには、いかほどのものとも
なりませんが、日系人協会の施設に、デイケア・サービスを楽にする器材を、
いくらかお贈り致します。
正直で、勤勉で、そして誠実である。
中南米の中で、ひときわ団結力の強いペルー日系人の皆さまが、当地で営々と
つちかってこられた高い評価に接する度、身の引き締まる思いが致します。
日本国民は皆、これを誇りに思います。
次の世代をになう日系人の若者にも、日本を知り、愛してもらいたいと願わず
にいられません。
若い世代の日系人の皆さまを、日本にお招きする事業に力を注ぎます。日本に
住む方々が、ご子弟の教育に安心していただけるよう、必要な施策も講じまし
ょう。
太平洋のあちらとこちら、距離は離れておりますが、心は永遠につながってい
ます。皆さまの末永いご繁栄、ご健勝を心よりお祈りし、結びと致します。
有難うございました。