中学部の事例

中学部第2学年2組
1
環境学習について
課題の設定
日常の会話の中で生徒から「今年の夏は暑いらしい。」という言葉が学習の発端なり,
教室において夏を涼しく過ごすためにはどうしたら良いかクラスで考えていくことに
なった。涼しく過ごす為の話し合いの中で昨年度の校外学習(リサイクルプラザ)で見
かけたグリーンカーテンの事を生徒が覚えており,自分たちもグリーンカーテンを作っ
てみたいという意見が出たため,プランターで植物を育てグリーンカーテンで日陰を作
り涼しい夏を過ごそうと意見がまとまった。
2
情報収集
作業学習(農業)及び総合的な学習の時間や休憩時間にどの植物がグリーンカーテン
に向いているかタブレット型端末等を使って情報収集を行った。
3
整理,分析
グリーンカーテンについて調べた結果,多くの植物
でグリーンカーテンができるとわかったため,どの植
物でグリーンカーテンを作ればよいか決めることにな
った。
植物を決める前に何種類ぐらい植えるか話し合った。
1種類では寂しいので一人1種類ずつ計3種類を植え
ることにした。
生徒たちは各々自分の条件や希望するグリーンカー
テンについて,次のように考えを選択した。生徒Aは
虫が苦手なので虫が付きにくい植物を考え「ゴーヤ」
を選択した。生徒Bはグリーンカーテンを作るだけで
なくその後,収穫もしたいと考え「ミニメロン」を選
択した。生徒Cは花がたくさん咲く植物を植えたいという希望から「西洋朝顔」を選択
した。
後日,ミニメロンは教員が種や苗を確認するためホームセンターに行くと「ミニメロ
ン」は植え付けの時期が過ぎていることが分かった。
その結果を生徒Bに知らせた。植え付けの時期に注目して6月からでも植えることの
できるものを,生徒Bは選択し直すこととし,
「シカクマメ」を選択し,結果として「ゴ
ーヤ」「シカクマメ」「西洋朝顔」を育てることに決まった。
4
実行
植物を植えた後は,誰がいつ水やりをするかクラスで当番を決め毎日世話をしていく
ことになった。
世話をする段階で植物が育つために必要な物は何か「西洋朝顔」を取り上げて実験し
た。発芽後の「西洋朝顔」をポットに入れて“日光を当てないもの”と“日光を当てた
もの”で実験を開始し,グリーンカーテンと共に毎日観察を続けた。“日光を当てない
もの”は“日光を当てたもの”と比べ生長が遅く,9日程で萎れてしまい,生徒たちは
植物の生長には日光が必要なことを理解した。
改めて育てている植物を観察してみると,日照時間の短
いプランターがあることに気付き,育ちも悪い状況だった。
どうしたらプランターに日光を当てることができるか考え,
生徒は日光の当たる高さまでプランターの下にブロックを
置くことで底上げすることを考え,実行して解決した。
5
現在(まとめ,振り返り)
グリーンカーテンのある時には実感がなかったようだが,
9月末にグリーンカーテンの一部を撤去した時に生徒から
「こっちだけ眩しくなった。」という発言があり,グリーン
カーテンの作る日陰により,夏を涼しく過ごせていたこと
がわかった。
現在は新しい植物を育てている。グリーンカーテン作り
で得た知識と理解を既習事項とし,次への植物の栽培に活かして,意欲的に取り組もう
とする姿勢が見られる。