平成 29 年度 施政方針

平成 29 年度 施政方針
1 はじめに
平成 29 年第 1 回市議会定例会の開会に当たり、市政の当面する諸課題に対す
る所信の一端を申し述べさせていただきます。
東久留米市長に就任してから、早くも任期最後の年となりました。この間、
様々な行政課題を抱えながらも市政運営に取り組み、市政を進めることができ
たのは、ひとえに市民の皆さま、議員各位のご理解、ご協力に支えられた結果
であると考えております。心より感謝申し上げます。
東久留米市を取り巻く社会環境は、引き続き大変厳しく、多岐にわたる懸案
課題を抱えております。こうした状況にありますが、私は市長として、将来に
渡り持続できる市政、安定した市政に向けて、「未来への責任」を根底に持ち、
「現場主義」の基本姿勢で、
「夢と希望の持てる元気なまち」をめざしてまいり
ました。
その取り組みとして、1 年目は、飛躍するための基礎づくり、体制づくりに力
を注ぎ、2 年目は、それを土台とし、課題に向き合い、チャレンジしていく始動
の年とし、3 年目は、更なるステップアップ、前進の年と位置付け、さらに市政
を前進させるべく全力で取り組んでまいりました。
平成 28 年度は、将来に渡り持続可能な市政をめざして、財政健全経営計画(実
行プラン)を着実に推進するとともに、地域の活性化、まちの魅力を高めてい
く取り組みとして、上の原地区への企業等誘導に精力的に取り組んでまいりま
した。
併せて重要な取り組みとして、
「まち・ひと・しごと創生総合戦略」がめざす
人口減少の抑制、そして地方創生の推進による好循環の創出に向けて、地域再
生計画の認定を受け、地方創生推進交付金を活用した「産・官・学の包括連携
による次世代を担う子どもたちの育成事業」や「産・官・学で取り組む女性の
活躍(働き方改革)推進事業」に取り組んでまいりました。また、この事業を
推進するために、市内のセブン-イレブン、イトーヨーカ堂や近隣の亜細亜大学
と包括連携協定を締結いたしました。まずは、学生ボランティアによる子ども
たちの育成支援や店舗内における市政情報の掲示、産業振興、高齢者のみまも
り支援などに関して連携を進め、産・官・学それぞれの強みや特性を掛け合わ
せ、人的・知的交流や地域活性化を図り、市の魅力を開花させてまいります。
そして、産・官・学の包括連携協定を締結できたことは、今後も様々な事業へ
の展開が期待され、将来の市の発展に大きく寄与できるものと考えております。
その一方で、長年の懸案課題であった「家庭ごみの有料化」につきましては、
-1-
平成 29 年 7 月から実施する条例を平成 28 年第 2 回市議会定例会でご議決いた
だきました。戸建住宅においては、平成 28 年 10 月より「燃やせるごみ」、「布
類」について、ボックス・ステーション方式による収集から戸別収集へ変更し
ており、
「燃やせるごみ」
「燃やせないごみ」
「容器包装プラスチック」の指定収
集袋の販売も本年から始まります。有料化の実施に向けましては、引き続き、
市民説明会を適宜開催しながら、ごみ分別アプリなども活用し、市民の皆さま
への周知に努めてまいります。また、これまでボックスを設置していた市所有
の集積所に関しましては、個々の状況を考慮しながら、今後のあり方を庁内で
検討してまいります。
また、市民の皆さまをはじめ、来訪者の方々が必要な情報を取得できるよう、
地域の魅力発信や利便性の向上をめざし、東久留米駅西口富士見テラスに公衆
無線 LAN(Wi-Fi)と観光拠点の案内看板を設置し、併せて、市内 3 地域セン
ターにも、公衆無線 LAN(Wi-Fi)を設置いたしました。今後も、市の情報発
信力を高めるための環境づくりに努めてまいります。
このように、私が市長に就任以来、基礎づくり・体制づくり、チャレンジの
始動、そして市政前進へと積み上げてきた 3 年間でしたが、平成 29 年度は、健
全な財政運営と持続的成長の好循環が図られるように、力強く着実に事業を展
開し、確固たるものにしていきたいと考えております。まさに、好循環に向け
て活動する年であります。私自身、「夢と希望の持てる元気なまち」をめざし、
「未来への責任」
「現場主義」という初心を忘れずに、現在、市に居住されてい
る皆さまのみならず、未来の市民の皆さまに向けましても責任を果たせるよう、
様々な市政の課題の解決に向けて、チャレンジを続けてまいります。将来に渡
り持続できる市政、安定した市政、そして好循環を創出する市政に向けまして、
本市の現状と平成 29 年度の市政運営の取り組みに関して申し述べます。
2 国、東京都の動き
(1)国の動き
はじめに、国の動きについて申し述べます。
政府は「経済財政運営と改革の基本方針 2016」、いわゆる「骨太の方針 2016」
において、
「経済再生なくして財政健全化なし」を基本とし、消費税率の 10%へ
の引き上げを 2019 年(平成 31 年)10 月まで 2 年半延期する一方、2020 年度
(平成 32 年度)の基礎的財政収支黒字化という財政健全化目標を堅持するとさ
れました。そして、当面の経済財政運営と平成 29 年度予算編成に向けては、成
長戦略の加速と一億総活躍社会の構築を通じ、成長と分配の好循環を実現する
とした考えも示されました。また、誰もが活躍できる一億総活躍社会を創って
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いくために、アベノミクスの第 2 ステージでは、目標に向かって「希望を生み
出す強い経済」、「夢をつむぐ子育て支援」、「安心につながる社会保障」といっ
た新たな三本の矢を放つとともに、これらを貫く横断的課題である働き方改革
や生産性向上といった重要課題に取り組んでいくとされました。
平成 28 年 12 月 22 日に閣議決定された国の平成 29 年度予算政府案におきま
しては、一般会計の総額は 97 兆 4,547 億円で、特徴としては経済再生と財政健
全化の両立を実現する予算であると示されたところであります。経済再生の面
では、誰もが活躍できる一億総活躍社会の実現をめざし、社会保障分野におい
ては保育士や介護人材等の処遇改善、教育分野においては給付型奨学金の創設
などの予算が計上されております。また、重点施策として、経済再生や働き方
改革を推進する取り組みなども掲げられております。財政健全化の面では、一
般歳出の伸びについて、2 年連続して経済・財政再生計画の歳出改革の目安であ
るプラス 5,300 億円の伸びに留めるとともに、社会保障関係費の伸びも目安で
あるプラス 5,000 億円に沿って抑制した予算となっております。
こうした経済再生、財政健全化の双方を一体として実現する方向性について
は、本市が厳しい財政状況にあって、将来に渡り持続可能な市政運営を行って
いくために、不断の行財政改革を進めながらも、地域の活性化を図り、まちの
魅力を高めていくための取り組みを推進することで、健全な財政運営と持続的
成長の好循環を図っていくという考え方と基軸を同じくするものであり、今後
も引き続き、注視していく必要があると考えております。
(2)東京都の動き
続いて、東京都の動きについて申し述べます。
東京都では、昨年 8 月に小池都知事が就任され、
「都民ファースト」の都政を
展開し、安全・安心・元気な「セーフシティ」、都民誰もがいきいきと活躍でき
る「ダイバーシティ」、世界に開かれ、成長を続ける「スマートシティ」といっ
た 3 つのシティを実現し、東京の課題解決と成長創出に取り組まれることが示
されました。また、これらの新しい東京を作り上げるための具体的な施策展開
を示す「都民ファーストでつくる「新しい東京」~2020 年に向けた実行プラン
~」が昨年 12 月に策定されました。同プランでは、2017 年度(平成 29 年度)
から 2020 年度(平成 32 年度)までの新たな 4 カ年の実施計画として、3 つの
シティの実現に向けた政策展開の方向性や年次計画とともに、東京 2020 オリン
ピック・パラリンピック競技大会の成功に向けた取り組みや多摩・島しょの振
興、さらに 2020 年以降の東京の未来像についても描かれております。
同プランは、私が取り組んでおります市政運営とも、
「多摩・島しょ地域のま
ちづくり」や子育て支援策を始めとした様々な施策では、密接な関わりがある
-3-
ものと考えております。今後も東京都の政策との連携・調整を図り、支援等も
受けながら、それぞれが果たすべき役割を適切に担う中で、さらに魅力あるま
ちづくりに取り組んでまいります。
3 本市の現状と平成 29 年度の市政運営の取り組み
次に、東久留米市が抱える多岐にわたる主要な課題について、その考え方や
対応について申し述べます。
まず、政策の横串しとなる課題についてであります。
【財政健全化に向けた取り組み】
一点目は、財政健全化に向けた取り組みであります。
本市が依然厳しい財政状況にあって、将来に渡り持続可能な市政運営を行っ
ていくため、不断の行財政改革を進めながらも、地域の活性化を図り、まちの
魅力を高めていくための取り組みを明らかにした「財政健全経営計画(実行プ
ラン)」は、平成 28 年 2 月に「財政健全経営計画実行プラン関連資料」として
お示しした個別項目を反映するとともに、新たな改革、改善の取り組み項目を
加え、同年 8 月に改訂いたしました。また、本改訂に先駆け、業務フローの改
善及び制度改正の余地を各所管自らが検討していくよう事務事業評価表の改訂
を行い実施してまいりました。
本プランの推進にあたりましては、社会情勢の変化や行政ニーズを的確に捉
え、民間活力も活用しながら、身の丈に合った財政運営に努めるとともに、中・
長期的視点を持って改革、改善に努め、健全で持続可能な行財政運営を推し進
めてまいります。また、行政運営の担い手であり、財政健全経営、行財政改革
の推進主体である市職員が、改革・改善に真摯に取り組み、その結果として組
織全体の経営能力の育成が図られるよう進めてまいります。
【上の原地区のまちづくり】
二点目は、好循環に向けた上の原地区のまちづくりについてであります。
上の原地区のまちづくりにおいては、
「自然と調和した“複合多機能都市”を
めざして」を土地利用のコンセプトとして、緑豊かな景観の保全を図りつつ、
生活サービス、健康増進、業務、教育、住宅など多様な機能を導入し、まちの
にぎわいと活力を生み出し、いきいきと活動するまちづくりを進めているもの
であります。
新たな企業等誘導に向けた都市再生機構における地区内の土地の売却手続に
つきましては、平成 27 年 7 月に策定した「土地利用構想整備計画」で定める土
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地利用の方針に基づき公募が行われており、本年 4 月には土地譲受事業者を決
定していくと伺っております。土地譲受事業者には、コンセプトに沿った地区
のにぎわいや活力の創出、地域への貢献などに積極的に取り組んでいただくこ
とを期待しているところであります。新たなアクセス道路等、インフラ整備に
つきましても、地区内の基盤整備の整備主体である都市再生機構と連携し、引
き続き、計画的に事業を実施してまいります。
また、上の原地区への新たな屋外運動施設については、多くの方が気軽に安
心してスポーツを楽しめる場づくりの実現に寄与するものと考えており、平成
29 年度は、必要な調査・設計を行ってまいります。
上の原地区のまちづくりは、本市の将来にとって重要な取り組みであること
から、着実に進めてまいります。
【まち・ひと・しごと創生総合戦略の推進】
三点目は、まち・ひと・しごと創生総合戦略の推進についてであります。
少子高齢化に対応し、人口減少を抑制することは、本市にとっても大変重要
な課題であると認識しております。
「まち・ひと・しごと創生総合戦略」は、地
域の特性と実情に合わせ、まちの魅力と価値を高めていく取り組みであり、
「に
ぎわいと活力あふれるまちをつくる」、
「住みやすさを感じるまちをつくる」、
「子
どもの未来と文化をはぐくむまちをつくる」という 3 つの基本目標を掲げ、関
連する施策・事業を整理しております。この目標達成に向けて、確実に取り組
むとともに、検証を行い、まち・ひと・しごと創生推進懇談会から様々なご意
見等もいただきながら、実効性のある施策の推進に努めてまいります。
(産・官・学の連携)
まず、産・官・学の連携につきましては、地方創生推進交付金を活用し、
「産・
官・学の包括連携による次世代を担う子どもたちの育成事業」を進めており、
その出発点となる取り組みとして、
「産」とは、相互の連携を強化し、市内にお
ける地域の一層の活性化及び市民サービスの向上を目的として、市内にあるセ
ブン-イレブンとイトーヨーカ堂との三者による地域活性化包括連携協定を締結
いたしました。また、
「学」とは、人的・知的資源の交流及び物的資源の活用を
図り、相互に協力して人材育成と地域社会発展に寄与することを目的として、
近隣にある亜細亜大学と包括的協力に関する協定を締結いたしました。
既にいくつかの事業は連携しながら進めてきており、
「夢と希望の持てる元気
なまち東久留米の実現」に向けて、良きパートナーシップを築き、それぞれの
強みや特性を掛け合わせながら、今後さらに連携を深めてまいります。
(旧大道幼稚園跡を活用した新児童館の開館)
旧大道幼稚園跡を活用した新児童館につきましては、次世代を担う子どもた
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ちの健やかな成長を支援し、乳幼児から中高生までが利用できる施設として、
平成 30 年 4 月の開館をめざして取り組んでおります。新児童館の開館にあたっ
ては、利用者の安全を第一に考え閉館した「くぬぎ児童館」と現行の「滝山児
童館」の両児童館を機能移転し、子育て支援機能の強化を図りつつ、公共施設
マネジメントの課題にも対応するものであります。
平成 29 年度は、新児童館の新築工事を進めていくとともに、多様化・高度化
する市民ニーズに効果的・効率的に対応するため、新児童館の管理運営につい
て指定管理者を公募し、事業者を選定してまいります。また、旧くぬぎ児童館
の跡地については、新児童館の施設整備の財源とするために売却手続きを進め
てまいります。そして、新児童館を運営するにあたりましては、産・官・学の
包括連携による子どもたちの育成といった視点から、連携協定を締結した事業
者や大学に協力・連携を働きかけてまいります。
(健康増進・サポート事業等)
健康増進・サポート事業に関しましては、ICT を活用し、健康づくりの取り
組みに応じたポイントを付与する制度を導入し、健康管理に係る自発的な取り
組みを促進するものであります。そのシステムは地方創生加速化交付金を活用
し、昨年 4 月から導入しておりますが、さらに利用者が増え、国民健康保険加
入者の健康づくりに寄与できるよう、引き続き、周知、啓発に取り組んでまい
ります。また、同交付金事業として採択された“東くるめわくわく元気plu
s+”は、市内の商店にご協力いただき本年 1 月から実施しており、引き続き、
健康づくりと産業活性化との好循環の創出に取り組んでまいります。
こうした、日常生活の中で気軽に無理なくできる健康づくりとお得感といっ
たインセンティブとを融合した取り組みにつきましては、誰もがいきいきと暮
らせる社会の実現はもちろんのこと、地域の活性化、ひいては「夢と希望の持
てる元気なまち」の実現につながるものと考えており、引き続き、健康づくり
と産業との連携を図りながら取り組んでまいります。
一方で、国の「骨太の方針 2016」において、データヘルスの強化等や健康づ
くり・疾病予防・重症化予防等の推進と、こうした取り組みへのインセンティ
ブを強化する考え方が示されました。そして国民健康保険制度においては、保
険者努力支援制度が平成 30 年度から創設されるとともに、その前倒し実施を平
成 28 年度から行うとされ、本市としても、その動向を注視し、適切に対応を図
ってまいりました。
さらに、平成 29 年度には、レセプト等のデータ分析とそれに基づく健康保持
増進のための事業計画として、次期国民健康保険データヘルス計画の策定に取
り組み、インセンティブの導入による財政支援なども視野に入れつつ、市民の
皆さま一人ひとりの状態に応じた健康づくりに取り組んでまいります。
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続いて、所信表明でお示しした政策ごとの市が抱える個別課題について申し
述べます。
【行財政改革の徹底】
大きな柱である「行財政改革の徹底」につきましては、市民の皆さまが安全
に、安心して日々の暮らしを送れるよう、基礎自治体としての責務を果たしつ
つ、将来のまちづくりを見据えた財政運営に向けて、社会情勢の変化や行政ニ
ーズを的確に捉え、民間の活力も活用しながら、その改善を図るべく、不断の
行財政改革に取り組んでまいります。
(公共施設マネジメントの推進)
公共施設マネジメントの推進につきましては、平成 26 年度より公共施設の実
態把握に努め、公共施設白書を作成した上で、将来を見据えた公共施設の整備
及び公共施設における行政サービスに関する基本的な考え方を示した「公共施
設のあり方に関する基本方針」や、安全かつ快適な利用環境に向けた施設の維
持保全を適正に進めるための「施設保全計画」を策定してまいりました。
平成 28 年度においては、これら方針や計画とともにインフラ施設の長寿命化
計画等を踏まえ、本市の公共施設全体のマネジメント方針として、
「公共施設等
総合管理計画」を取りまとめました。また、公共建築物等の適正な施設保全を
進めるため、10 年を計画期間とする「施設整備プログラム」も取りまとめたと
ころであり、本プログラムは施設の更新にあたって定める計画をはじめ、各種
施策を推進していくにあたり策定される個別計画の内容を随時反映してまいり
ます。また、これらの計画等を運用していく上で必要となる施設情報一元管理
システムを導入してまいります。
今後も厳しい財政状況が続くものと考えておりますが、将来に渡り適正な行
政サービスが行えるよう、公共施設マネジメントを着実に推進してまいります。
(外部評価の導入)
行政評価制度における外部評価につきましては、平成 28 年度に引き続き、全
事務事業評価結果及び実行プラン改訂にあたっての意見を聴取するとともに、
基本事業に対する事務事業の貢献度評価や行政課題に対する外部の視点からの
具体的な提言をいただく個別事業評価を実施してまいります。
(指定管理者制度の再構築)
指定管理者制度につきましては、多様化する市民ニーズに、より効果的・効
率的に対応するため、公の施設の指定管理者を指定してまいりましたが、平成
29 年度より指定管理者選定委員に外部の専門家を登用し、引き続き、適正な事
業者の評価、選定を行ってまいります。
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(人事管理・人材育成)
人事評価に関しましては、平成 28 年度から一般職員についても本格実施して
まいりましたが、平成 29 年度は評価結果を勤勉手当へ反映するとともに、管理
職の評価結果を昇給へ反映することについても検討してまいります。今後も、
人事評価制度の成熟に努め、職員の主体的な職務の遂行や人材育成を図りなが
ら、組織全体のモチベーションの向上につなげ、ひいては市民サービス向上の
土台づくりとなるよう、制度構築に努めてまいります。
(民間活力の活用)
民間活力の活用につきましては、これまでも、民間のノウハウ、専門性など
を活かし、サービスの質を高めながら経費抑制も図ってきておりますが、平成
29 年度におきましても、「財政健全経営計画(実行プラン)」を着実に推進し、
不断の行財政改革に取り組んでまいります。
(街灯の LED 化)
市が管理する防犯灯や道路照明の LED 化に関しましては、消費電力の削減に
よる環境負荷の軽減とともに、経費抑制及び維持管理業務の軽減を図ることを
目的に実施いたしましたが、今後は自治会等が所有する街灯の移管についても
調整を進め、順次LED化を図ることにより、防犯灯等の補助金縮減に努めて
まいります。また、防犯灯や道路照明と同様に、公園灯維持管理業務について
も ESCO 事業を導入し、LED 化を図ってまいります。
(今後の図書館の運営方法)
今後の図書館の運営方法につきましては、教育委員会において、市民の皆さ
まからの貴重なご意見を踏まえて議論が重ねられ、
「今後の東久留米市立図書館
の運営方針」が取りまとめられました。今後めざす図書館像を実現し、良好な
図書館サービスの安定的な提供に向けまして、民間の持つノウハウや専門性を
活かしながら、基礎的サービスの充実と新しい図書館サービスの実現を図って
まいります。
(今後の中央児童館の運営方法)
今後の中央児童館の運営方法については、
「東久留米市立児童館機能のあり方
に関する報告書(その 2)」の趣旨を踏まえつつ、中央児童館が担うとされた役
割に留意していきながら、民間活力の導入の可能性を含め、効果的・効率的な
運営方法に関して、庁内のプロジェクトチームである「東久留米市立中央児童
館の運営方法に関する検討委員会」から報告を受けました。この報告を受けて、
パブリックコメントでの市民の皆さまからの貴重なご意見も参考にさせていた
だきながら、十分な検討・考察を行いました。結論といたしましては、今後の
中央児童館の運営方法については、平成 31 年 1 月から指定管理者制度を導入し
ていくことをめざして進めてまいります。なお、施設の適正な保全を進めてい
-8-
くための施設改修も行う必要があり、今後はこれらを踏まえたスケジュール調
整等を進めてまいります。
(マイナンバーを活用したコンビニ交付)
個人番号カード(マイナンバーカード)を活用し、コンビニエンスストアに
おいて、住民票その他各種証明書が取得できる環境づくりにつきましては、導
入する効果として、各種証明書の取得に関するアクセシビリティの向上や既存
の証明書等自動発行機の経費削減が図れることから、平成 30 年 2 月からの実施
に向けて取り組んでまいります。
(民間活力導入による防犯カメラの設置)
通学路における安全確保対策としての防犯カメラの設置に関しましては、民
間事業者が社会貢献活動の一環として防犯カメラの設置及び維持管理が行える
よう、相互に検討してまいりました。平成 29 年度は、東部地域を中心に小学校
5 校の通学路に防犯カメラを設置する予算を措置しておりますが、併せて民間事
業者との協定の締結に向けた調整も進めており、事業実施にあたっては、財政
負担の抑制に努めてまいります。
【地域のつながり】
次に大きな柱、
「地域のつながり」についてであります。地域には、様々な課
題があります。地域社会における、公的なサービスでは手が届かない生活課題
の解決においては、地域における日頃からの支えあい、地域のつながりが大き
な力になっていくと考えており、様々な地域のつながりづくりを推進してまい
ります。
(地域のつながりづくり)
協働のまちづくりに関しましては、より多くの市民の皆さまが主体的に地域
に関わりを持ち、行政と対等な立場で相互の強みを生かし補完し合いながら、
地域課題解決のために協力し合い進めていくことが必要であります。市の協働
のまちづくりの指針である「協働の指針」については、策定から一定の年数が
経過しているため、これまでに市民の皆さまや市が取り組んできた協働の取り
組みについて検証し、結果を取りまとめているところであります。今後は、こ
の検証結果を踏まえ、協働のあり方を整理し、地域の課題解決等に向けた取り
組みを行えるよう進めてまいります。
また、地域福祉計画に基づき配置された「地域福祉コーディネーター」は、
平成 29 年度末で 3 カ年としたモデル事業が終了するため、地域福祉の観点から
の地域をつなぐ役割や機能等の検証を行ってまいります。介護保険の地域支援
事業に位置付けられた「生活支援コーディネーター」は、地域包括支援センタ
ーに配置しており、引き続き、地域における生活支援・介護予防サービスの提
-9-
供体制の整備に向けた取り組みを推進してまいります。
(市民と行政によるまちづくり)
住民自治の観点から、市民の皆さまが主体となって市政に参加できる仕組み
は重要であると考えております。市民の皆さまの声をどのように反映させてい
くかについても十分検討する必要があり、より実効性のある仕組みを検討すべ
きとも考えております。こうした考えのもと、第 5 次長期総合計画の策定にあ
たっては、計画的な行政運営の指針となる次期基本構想のあり方について、整
理、検討する必要があります。また、市民参加のあり方の整理等を行う中で、
新たな指針の調査、検討を行ってまいります。
(東久留米市民の日)
こうした中で、地域のつながりをより高めていくためには、まず、市民の皆
さまが地域に関心を持っていただくことが大切であると考えており、その方策
の一つとして、「(仮称)東久留米市民の日」を提案させていただき、市民相互
の連帯感を創出することをめざしてまいりました。
市民みんなのまつり活性化事業の一環で、その土台づくりとして、市民活動
団体などの方々に東久留米音頭を踊っていただく事業では、多くの方のご参加
をいただき、地域への関心度の高まりや市民相互の連帯感の創出に寄与できた
ものと考えております。また、市民みんなのまつり当日は、お越しいただいた
方々に対して、このまちへの関心度や地域のつながりなどに関するアンケート
調査を実施いたしました。その結果から、提案しておりました「東久留米市民
の日」が目的としている、地域への関心を高め、地域のつながりを感じていた
だく第一歩として、有用であったと考えております。
今後は全市的な機運を高めながら、地域のつながりの輪を広げ、こうしたこ
と等を通じて、市民や市民活動団体などが共に連携して取り組むことで生じる
東久留米市民としての連帯感の創出に努めてまいります。
【地域経済の活性化】
次に大きな柱、地域経済の活性化についてであります。東久留米をさらに元
気で魅力あるまちにしていくためには、地域経済を活性化することが必要なこ
とと考えております。地域経済の活性化は、就労機会の拡大、集客力の向上、
消費の拡大などをもたらし、地域の発展につながると考えており、その取り組
みを推進してまいります。
(にぎわいづくり)
市民みんなのまつりにつきましては、商工祭、農業祭として、多くの方々に
支えられ、地域を活性化する機能をもち、さまざまな交流とふれあいを生み出
し、まちのにぎわいづくりや魅力の発信につながるイベントであります。また、
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地域への関心をより高め、地域のつながりの必要性を感じるきっかけづくりに
なっているとも考えております。こうしたことから、平成 29 年度の市民みんな
のまつりは、より一層、安全性を高めたうえでにぎわいあふれるイベントへの
見直しを図りながら、一人ひとりのつながりが深められる場となるよう、取り
組んでまいります。
地域産業推進協議会に関しましては、平成 26 年 10 月から平成 28 年 10 月ま
での第四期の取り組みが報告書として取りまとめられ、新たな体制で第五期の
スタートが切られたところであります。今後は、この協議会が中心となり、関
係機関や諸団体等の相互のつながりを強化し、地域産業振興懇談会とも連携を
図りながら、市内産業の活性化やまちの特色を活かしたにぎわいの創出、活力
を生み出す新たな取り組みなどを検討してまいります。
(新たな農業委員会制度への移行)
貴重な資源である緑地空間として、新鮮な農産物を供給しつつ、市民生活に
うるおいや安らぎを与えている農地におきましては、利用の最適化が促進され
るよう、新たな農業委員会制度へ移行するために必要となる条例等改正を行っ
てまいりました。平成 29 年度は、新たな農業委員の任命にあたり、必要な手続
きを進めてまいります。
【高齢者がいきいきと暮らすために】
次に大きな柱、
「高齢者がいきいきと暮らすために」でありますが、高齢化率
が高まる中、高齢者がいきいきと安心して暮らせるよう支援していく取り組み
が必要であり、そうした支援を推進してまいります。
(地域包括ケアシステムの構築)
はじめに、地域包括ケアシステムの構築につきましては、高齢者が住み慣れ
た地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、引き続き、介護、医療、
生活支援、介護予防の充実を図ってまいります。
具体的には、在宅医療・介護連携の推進に向けましては、引き続き、医療と
介護の両方を必要とする高齢者等の方が在宅において療養できる環境整備に向
けて、地域の医療・介護関係者等で構成する「在宅医療・介護連携推進協議会」
でご議論いただきながら、医療、介護、福祉及び保健の各分野のサービス提供
主体との連携体制の構築に努めてまいります。
認知症施策の総合的な推進に向けましては、地域連携型認知症疾患医療セン
ターや認知症初期集中支援チームについて、引き続き関係機関との調整を図り
ながら、体制の整備に取り組んでまいります。また、認知症の方やその家族が、
地域の人や専門家によって支えられ、つながりの場を創出することをめざした
「認知症カフェ」については、既に民間で行われている類似の取り組みにも目
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を向けながら、専門機関との連携をめざすとともに、各日常生活圏域への普及
に向けて支援してまいります。こうした取り組みを進めることにより、認知症
になっても住み慣れた地域で、安心して尊厳あるその人らしい生活が送れるよ
うな環境づくりを進めてまいります。
特に、生活支援や介護予防に大きく関係する介護予防・日常生活支援総合事
業、いわゆる「新しい総合事業」に関しましては、平成 29 年 4 月からの円滑な
移行に向けて、事業者をはじめとする関係者のご意見も伺いながら、準備を進
めてまいりました。今後は、適宜課題の把握と整理を行っていく中で、事業の
充実に努めてまいります。
(高齢者のみまもり)
高齢者のみまもりにつきましては、地域包括支援センター等を核としたみま
もりネットワークの構築を進めていくとともに、事業者にもご協力をいただき
ながら、制度充実に向けた取り組みの輪を広げ、高齢者を地域で支えるまちづ
くりを進めてまいります。
(高齢者福祉計画・介護保険事業計画の策定)
平成 29 年度に計画期間を満了いたします「高齢者福祉計画・介護保険事業計
画」につきましては、本年度に実施しました高齢者アンケートの結果や国、東
京都の動向を踏まえ、今後も進展する高齢化に対応する次期計画の策定に取り
組んでまいります。
【子育てしやすいまちに】
次に大きな柱、子育てしやすいまちについてであります。
地域社会において、安心して子どもを産み育てることができ、子ども自身も
のびのびと成長することができる環境づくりは大切であり、子育てしやすいま
ちづくりを推進してまいります。
また、国や東京都において、すべての子どもが健やかに育つよう、子ども・
子育てを取り巻く環境の整備、支援を進めている中、その動向にも注視し、市
としても活用に向けて検討してまいります。
(保育園の待機児童解消に向けて)
喫緊の課題である保育園の待機児童解消につきましては、重点施策の一つと
して位置付けており、子ども・子育て支援新制度が施行されて以降、2 年間で定
員数を 101 名増員しました。これに加えて、平成 29 年 4 月には 152 名の待機
児童解消策が図られることとなっており、併せて、保育の量の拡大のみならず、
質の向上にも努めております。また、平成 28 年 3 月に策定した「東久留米市保
育サービスの施設整備・運営及び提供体制に関する実施計画」において計画し
ていた平成 29 年度の保育園の一つが、諸般の事情により、開設できないことに
- 12 -
なりましたが、更なる小規模保育事業所の開設等に努めた結果、同計画と現況
との差異は 9 名に縮まっております。
一方、市立保育園については国の「三位一体改革」により、運営費、施設整
備費ともに一般財源化されており、同時に東京都の保育運営費負担金等も廃止
され、運営管理を取り巻く環境は非常に厳しいものになっております。
このような状況を踏まえ、同実施計画は、内容の一部を見直し、さらに待機
児童解消の取り組みを推進するため、このたび改訂いたしました。今後の待機
児童解消策につきましては、保育サービスの施設整備において、引き続き、
「保
育ニーズの高い駅周辺に重点的に整備」、「公有地の有効活用」、「子ども・子育
て支援新制度の対象施設への移行」、を基本的な柱として進めてまいります。平
成 30 年度に向けては、中央町二丁目の都有地に認可保育園を誘致し、新規開設
する計画により 130 名程度の待機児童解消を図り、また、既存私立幼稚園から
保育園への転用による 110 名程度の待機児童解消を見込んでおります。
待機児童の解消に向けては、認可保育所等の施設整備だけでなく、私立幼稚
園等で行っている一時預かり事業なども活用しながら、子育て支援サービス全
般を活かして進めてまいります。なお、実施にあたりましては、国や東京都の
補助事業を活用した支援も検討してまいります。
市立保育園への民間活力の活用として、さいわい保育園については平成 29 年
4 月に開園する「
(仮称)東久留米おひさま保育園」に円滑に引継ぎがなされる
よう、丁寧な対応を図るとともに、さいわい保育園に残られる子どもたちには、
引き続き適切な保育を実施してまいります。なお、さいわい保育園の跡利用に
つきましては、在園児に配慮しながら検討してまいります。また、しんかわ保
育園の民間化につきましては、平成 31 年度の 0 歳児から段階的に募集を停止し、
在園児が卒園した後(平成 35 年度末の予定)に閉園いたします。
市立保育園の給食調理業務委託については、平成 28 年 10 月から「まえさわ
保育園」で新たに開始いたしました。こうした取り組みにより、当面の間の調
理員の配置やアレルギーのある園児への対応など、保育園の給食調理業務にお
ける課題について、一定の整理がなされたため、市立保育園の給食調理業務委
託化については、市立保育園の民間化を計画的に進め、その進捗状況を踏まえ
検討してまいります。
今後も、保育園の待機児童解消を計画的に進めるとともに、市立保育園への
民間活力の活用への取り組みを進めてまいります。
(学童保育所の待機児童解消)
学童保育所の待機児童につきましては、子ども・子育て支援新制度において、
対象年齢が 6 年生まで拡大されたこと等を主な要因として、年々増え続け、保
育園の待機児童解消と同じく課題となっております。平成 29 年度におきまして
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も、待機児童数の動向に注視し、引き続き、学校施設の活用について教育委員
会と調整を図ってまいります。
(放課後の居場所づくり)
子どもたちが健やかに成長できるよう、児童の放課後の居場所づくりにおき
ましては、学童保育所や放課後子供教室の事業を実施してきており、今後はこ
れらの事業展開を図る上で、運営方法等についても検討してまいります。
(北部地域の子育て支援機能)
北部地域の子育て支援機能につきましては、現存の施設を活用したソフト面
での充実などに努め、ハード面については、既存機能の複合化など、公共施設
マネジメントの視点の中で検討してまいりたい、との考えをお示ししてまいり
ましたが、児童館の配置に係ります空白地域の課題は、公共施設のあり方の課
題であると認識しており、児童館のハード面については、このたび取りまとめ
ました「公共施設等総合管理計画」、また子ども・子育て会議からの答申などを
踏まえれば、今後は単独施設として整備するべきではないとの判断に至りまし
た。既存の施設を活用したソフト面での充実などに努める中で、将来的には、
子育て支援に関するニーズの状況や、都市計画道路の整備状況、他の公共施設
の老朽化による施設の更新にあたっての複合化の検討など、公共施設マネジメ
ントの視点を持ちながら、対応してまいりたいと考えております。
(滝山児童館機能移転後の利活用)
滝山児童館機能が新児童館へ移転した後の西部地域センターの利活用に関し
ましては、
「西部地域センター内の滝山児童館移転後の施設は、西中学校敷地内
の滝山教育相談室、わくわく健康プラザを暫定利用している「わかくさ学園発
達相談室」の移転先とする。さらに滝山図書館に付属する施設として、学習室
等のスペースも確保する。」という旧大道幼稚園跡利活用等検討プロジェクトチ
ーム(部長級 PT)の結論を基本としながら、検討を重ねてまいりました。今後
も新児童館のスケジュールや公共施設マネジメントの取り組み状況を勘案しつ
つ、引き続き整理・検討を進めてまいります。
(妊娠期からの切れ目ない支援)
続いて、妊産婦や母親の孤立感、負担感が高まっている中、妊娠期から子育
て期までの支援は、関係機関が連携し、切れ目のないサポートを行っていくこ
とが必要であると考えております。つきましては、母子保健に関し、支援に必
要な実情の把握等を行うために、全ての妊婦への面接を平成 30 年 4 月から実施
できるよう準備を進め、国から示されている仕組みである「子育て世代包括支
援センター」につながるよう、努めてまいります。
併せて、妊娠、出産、子育てに加え、女性の活躍を支える安全、安心な暮ら
しに関し、庁内組織の連携により市民の皆さまが相談しやすい体制づくりにつ
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いて、引き続き検討してまいります。
(学校規模の適正化)
次に、学校規模の適正化についてでありますが、平成 29 年度におきましても、
教育委員会において、下里小学校の関係者を中心としたメンバーで構成される
地域懇談会の皆さまとの話し合いの場を持ちながら、意見交換に努めてまいり
ます。
(放課後子供教室)
放課後子供教室に関しましては、子どもたちが学習や様々な体験、交流活動、
スポーツ文化活動等に参加することにより、心身ともに豊かに成長する一助に
なることをめざすとともに、放課後の子どもたちの活動をより充実させるため、
平成 29 年度は新たに 3 校拡大し、事業を行ってまいります。
(生活困窮家庭の子どもたちに向けた学習支援)
生活困窮者自立支援法に基づく任意事業につきましては、生活困窮家庭の子
どもたちへの学習環境の充実・居場所づくりに向けて、平成 29 年度から学習支
援事業を実施してまいります。また、こうした状況も踏まえ、庁内の関係部課
における連携にも努めてまいります。
【人にやさしいまち】
次に大きな柱、
「人にやさしいまち」についてですが、私たちを取り巻く社会
生活において、障害者の方々が地域でいきいきと暮らしていくためには、それ
ぞれに応じた活動や就労などを通じた社会参加が必要であると考えており、引
き続き、障害者の就労支援等ができるよう、努めてまいります。
(障害福祉計画の策定)
平成 29 年度に計画期間を満了いたします「障害福祉計画」につきましては、
障害者差別解消法が施行されている中、
「障害のある人が地域で安心して暮らす
ことができ、自らの意思で参加できるまち」を基本理念とし、障害福祉サービ
スの提供体制の確保に向けて、次期計画の策定に取り組んでまいります。
(障害福祉関連手当の統合)
障害福祉関連手当におきましては、社会保障制度の改正により障害福祉サー
ビスなどの充実が図られてきたことから、昨年 4 手当を統合いたしました。一
部、経過措置を設けておりますが、引き続き、障害福祉サービスや制度の周知
とともに、きめ細やかな相談等に努めてまいります。
(入浴サービス事業の見直し)
続いて、障害者の方々が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられる環境
づくりは大切なことであります。障害福祉サービスにおける入浴サービス事業
に関しましては、これまで行ってきた施設での入浴サービスのあり方も含めて、
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平成 29 年度から事業を見直してまいります。
【暮らしの向上 ~快適で安全・安心な魅力あるまちへ~】
次に大きな柱「暮らしの向上 ~快適で安全・安心な魅力あるまちへ~」に
ついてですが、まちの魅力を高めるためには、快適で安全・安心な日々の暮ら
しを支える基盤や環境の整備、様々な活動の充実を図るための支援などが必要
であると考えており、そうした取り組みを推進してまいります。
(都立六仙公園の整備)
都立六仙公園につきましては、東京都において計画的、段階的に整備されて
きており、現在、計画の 3 割程度の整備率となっております。六仙公園は、
「水
の森の創造~湧水をまもり、緑をあるく」をコンセプトとして、子どもから大
人までが楽しめる市民の憩いの場であるとともに、防災上の位置づけがなされ
ております。今後も地元自治体としての意向も伝えつつ、整備が推進されるよ
う、東京都との調整を図ってまいります。
(都市計画事業)
都市計画事業の推進につきましては、地域の活性化やまちの魅力を高める取
り組みを進めながら、好循環の創出をめざして、今後も着実に都市基盤の整備
を推し進めていくべきと考えております。
(都市計画道路)
都市計画道路の整備につきましては、東 3・4・5 号線は、第三次みちづくり・
まちづくりパートナー事業として東京都と市が連携・協力し、早期完成に向け
て、引き続き整備工事等を進めてまいります。東 3・4・20 号線は、社会資本整
備総合交付金や東京都の市町村土木補助を活用し、市の財政負担の軽減も図り
ながら、早期の完成をめざしてまいります。また、その整備に併せて、市道現
道区間の無電柱化、歩道のセミフラット化、自転車通行空間の整備に向けて、
必要な調査・検討を行ってまいります。
「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」において、市
施行の優先整備路線として位置付けられた区間の事業認可の取得に向けて、東
3・4・21 号線の小平市境の柳窪区間は、東京都を始めとする関係機関との調整
を進めてまいります。東 3・4・13 号線及び東 3・4・21 号線の市役所北側の本
町・幸町区間は、道路の縦横断勾配等の調査・検討を行ってまいります。
(自転車等駐車場整備・出水川開渠改修)
身近な交通手段としての自転車は、環境にやさしい乗り物として市民の方々
にご利用されておりますが、全ての市営自転車等駐車場は、市所有地でないこ
とから、安定的な供給をめざしていくことが必要であると考えております。こ
のため、自転車等駐車場の恒久的な確保に向けた自転車等駐車場整備計画を取
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りまとめているところであり、今後はこの計画に沿って、東京都を始め、関係
機関と調整してまいります。
なお、自転車等駐車場の使用料に関しましては、
「東久留米市自転車等放置防
止対策審議会」から答申をいただいたところであり、平成 30 年度からの料金改
定をめざして取り組んでまいります。
また、出水川開渠改修工事は、柱の座屈等といった老朽化に伴う一部の補修
工事を実施いたしましたが、今後は公共下水道事業計画に位置付けるとともに、
遊歩道化も含めた検討を進めてまいります。
(地域公共交通の充実)
地域公共交通の充実に関しましては、昨年 5 月に庁内に検討プロジェクトチ
ームを設置して、市内における地域公共交通の新たな取り組みについて、調査・
研究及び検討を指示し、昨年 11 月に 8 つの提言として方向性を取りまとめた報
告を受けました。そして、この報告を受けて、8 つの提言としての方向性を尊重
しつつ、改めて財政状況を念頭に置き、慎重に検討・考察を行ってまいりまし
た。
結論といたしましては、短期的な施策として、子育て世帯、高齢者を対象と
したデマンド型交通方式の導入を基本とすることといたします。地域公共交通
の充実に向けましては、これまでも様々な議論がなされてきましたが、現状の
市内の公共交通空白地域における道路幅員の関係からすれば、短期的な施策と
しては、デマンド型交通方式を導入することが適しており、財政状況を勘案す
れば、交通弱者といわれる子育て世帯、高齢者を対象にすべきとの判断に至っ
たものであります。
今後は市民満足度に留意しながら、事業者の状況にも配慮しつつ、さらに検
討を重ねてまいります。併せて、バス事業者に対しては、引き続き、既存バス
路線の一部のルート変更協議や都市計画道路の整備に合わせた路線の拡大等へ
向け、情報提供も行い、地域公共交通の充実に向けた取り組みを進めてまいり
ます。
(所沢街道の歩道設置)
所沢街道につきましては、交通量も非常に多い幹線道路でありますが、一部、
歩道設置の未事業区間があり、道路沿道の地区から多数の整備要望が寄せられ
ており、喫緊の課題と認識しております。ついては、現在事業を進めている区
間に加えて、未事業区間の歩道設置についても進めていただくよう、今後も東
京都に働きかけ、協議を進めてまいります。
【その他、平成 29 年度の主な課題への対応】
続いて、その他の主な課題への対応についてであります。
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(市庁舎レイアウトの見直し)
これまで市政を取り巻く環境の変化や喫緊の課題に対応するために、適宜市
庁舎内のレイアウトを見直してまいりましたが、昨今の社会保障制度の対象者
の増加や度重なる制度改正等により、レイアウト上には更なる懸案課題が生じ
ておりました。このため、地方創生拠点整備交付金を活用しながら、女性活躍
(働き方改革)の推進と住民サービスの向上を図るとともに、庁舎レイアウト
上の課題の解決に向けまして、市庁舎 1 階、2 階及び 7 階のレイアウト改修工事
を順次行ってまいります。
(ごみ対策課庁舎建て替え事業)
ごみ対策課庁舎につきましては、建物の老朽化により、耐震性を含めた安全
上の問題、維持管理費用の増大や執務環境の悪化などの課題から、ごみ対策課
敷地内に仮設庁舎を設置して業務を行ってきておりますが、この仮設庁舎に必
要な機能を一部付加し、ごみ対策課庁舎とすることによって、大幅なコスト削
減が図れることから、この手法によりごみ対策課庁舎を建て替えると決断いた
しました。平成 29 年度は、ごみ対策課仮設庁舎への一部機能を付加するための
増築工事を行うとともに、リース物件として賃借しているごみ対策課仮設庁舎
を取得してまいります。
(新公会計制度への対応)
新公会計制度への対応に関しましては、国から財務マネジメントの強化のた
め、複式簿記の導入と固定資産台帳の整備を前提として、地方公会計の整備促
進に向けて統一的な基準が示されております。複式簿記(発生主義)を導入す
ることにより、フロー情報及びストック情報の網羅的な記録、表示が可能とな
り、また、固定資産台帳を整備することにより、公共施設等のマネジメントへ
の情報の活用が期待されることから、平成 30 年度の稼働をめざして、平成 29
年度は財務会計システムの再構築を行うとともに、新公会計制度及び複式簿記
に関する職員向けの研修を実施してまいります。併せて、財政状況に関する情
報公開の推進にも、引き続き取り組んでまいります。
(下水道事業の地方公営企業法の適用)
下水道事業におきましては、地方公営企業法を適用することにより、財政規
律の向上が図られ、市の財政健全化への寄与とともに、財務状況を把握しやす
い会計の採用、開示の充実により、市民によるガバナンスの向上も期待できる
ものであります。ついては、平成 32 年度からの法適用実施をめざし、平成 29
年度は下水道事業の資産を調査し、台帳整備を行ってまいります。
(マイナンバー制度への対応)
社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバー制度への対応につきましては、
これまでも着実に進めてきたところであり、市民の利便性の向上とともに行政
- 18 -
事務の効率化、公平・公正な社会の実現といったことが図られてきているもの
と認識しております。平成 29 年 7 月からは、地方公共団体同士の連携開始が予
定されており、更なる市民の利便性の向上、事務の効率化に向けて、準備を進
めてまいります。
4 平成 29 年度当初予算
(1)予算編成と概要
次に、平成 29 年度当初予算編成の概要について申し述べます。
私として予算編成にあたり、歳入面では、平成 29 年度予算においては一般財
源が大きく伸びる要因が見出せない情勢であること。歳出面では、急速な高齢
化や子育て支援施策の充実等による社会保障関係経費の増加に引き続き対応し
ていく必要があり、また、限られた財源の中でも「住みたい、住み続けたいと
思う魅力あるまちづくり」をめざした取り組みや、適切かつ計画的な公共施設
マネジメントに向けて、財政資源を配分していく必要があることを認識してお
りました。その状況下においても、不断の行財政改革を進めながらも、地域の
活性化を図り、まちの魅力を高めていくための取り組みを推進し、健全な財政
運営と持続的成長の好循環を図る方向へ、さらに市政を前進させていく考え方
を示してまいりました。
予算編成につきましては、引き続き大変厳しいものがあり、歳入歳出は大き
な乖離があり、プライマリーバランスの保持も含め、非常に厳しい状況での年
越しとなりましたが、このような状況にあっても、平成 29 年度重点施策に重き
を置き、かつ効果的に財源を配分いたしました。
平成 29 年度一般会計予算は、412 億 6,100 万円で、平成 28 年度の予算との
比較では、6 億 9,500 万円、1.7%の増となっております。一般会計と国民健康
保険、後期高齢者医療、介護保険、下水道事業の 4 特別会計を合わせた総額は、
705 億 8,380 万 6 千円で、平成 28 年度との比較では、9 億 4,900 万 9 千円、1.4%
の増となっております。
歳入では、市税において、個人市民税、法人市民税、固定資産税、軽自動車
税、及び都市計画税が微増となっており、一方で市たばこ税は減となり、市税
全体として、平成 28 年度当初予算額との比較では 8,880 万 9 千円のわずかなが
ら増加となっております。一方、主な一般財源としての地方譲与税、地方交付
税、及び税連動交付金は、全て減少となっております。歳出を見ますと、特別
会計繰出金を含む社会保障関係経費は引き続き増加しており、歳出予算におけ
る民生費の構成比はここで 55%を超え、対前年比は 4.4%増の状況となっており
ます。そして、こうした状況に対応するため、財政調整基金 12 億 3,298 万円を
- 19 -
繰り入れております。
今後も厳しい財政状況は続くものと考えており、予算執行にあたっては常に
創意工夫を凝らすとともに、引き続き、不断の行財政改革にも取り組んでまい
ります。
(2)主な事業等
続いて、これまで申し述べたほか、平成 29 年度当初予算に計上した主な事業
を第 4 次長期総合計画に掲げられた基本目標に沿って申し述べます。
(にぎわいと活力あふれるまち)
まず、「にぎわいと活力あふれるまち」についてであります。
中小企業においては、人材の確保が大きな課題となっていることから、市内
中小企業に勤める従業員の処遇改善や新たな労働力の確保をめざし、東京都の
補助事業としての「人づくり・人材確保支援事業」により、引き続き支援して
まいります。
(住みやすさを感じるまち)
次に、「住みやすさを感じるまち」についてであります。
指定避難所内での排泄物を処理するために、より衛生的かつ労力的にも容易
に処理できる仕組みを導入してまいります。また、発災時に指定避難所に避難
した方々が、優先的に安否情報などを外部に連絡できるよう、災害用公衆電話
の回線及び電話機の設置をしてまいります。
巧妙化する振り込め詐欺の未然防止が期待できる「自動通話録音機」の貸与
については、東京都の財政支援を受けながら、市が事業主体として継続してま
いります。
公園施設につきましては、公園施設長寿命化計画に基づきながら、国の定め
る社会資本整備総合計画による防災・安全事業として位置づけ、平成 29 年度か
ら老朽化した遊具等の補修、更新工事を順次行い、快適な社会基盤の確保をめ
ざしてまいります。
地域防災計画で指定した医療救護所の 1 つとして、わくわく健康プラザに医
療救護所が開設された際に対応が図れるよう、歯科治療セットの配備を行って
まいります。
市道舗装補修並びに橋梁の長寿命化につきましては、伸び続ける維持管理費
の平準化と予防型の保全手法によるコスト縮減を図り、計画的に事業を進めて
まいります。また、市道路面陥没を未然に防止し、道路の安全性をより高めら
れるよう、目視では確認できない路面下の状況を把握する調査を平成 29 年度か
ら 5 カ年で実施してまいります。
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(健康で幸せに過ごせるまち)
続いて、「健康で幸せに過ごせるまち」についてであります。
受動喫煙に関しましては、国の傾向に注視しつつ、現在市庁舎屋外ひろばに
設置している喫煙場所を市庁舎駐輪場の一角に移設してまいります。
国民健康保険特別会計は、独立採算による事業運営が原則ではありますが、
一般会計予算からの赤字補てんとしての繰入れにより、歳入歳出のバランスが
保たれており、厳しい財政状況であることから、国民健康保険事業運営基金を
活用し、国民健康保険税の税率改定を抑制しながら適切に対応するとともに、
引き続き広域化に向けた対応も図ってまいります。
(子どもの未来と文化をはぐくむまち)
続いて、「子どもの未来と文化をはぐくむまち」についてであります。
第五小学校においては、児童数の増加見込みに対応するため、図工室等の改
修工事や校舎棟の増築工事を実施してまいります。第二小学校、大門中学校に
おいては、老朽化への対応として、大規模改修工事に伴う実施設計を行ってま
いります。
国語力ステップアップ学習事業につきましては、国語の基礎学力の向上に向
けて、小学校で実施してまいりましたが、平成 29 年度は、中学校にも新たに国
語の学力向上指導員を配置し、事業拡大を図ってまいります。
滝山球場給水設備につきましては、東京都の財政支援を受けながら、散水栓
を整備し、グラウンド環境の維持改善を図り、利便性の向上をめざしてまいり
ます。
東京 2020 オリンピック・パラリンピック大会への機運醸成に向けましては、
東京都の財政支援を受けながら、他自治体と連携してハンドボールフェスティ
バルを実施するとともに、スポーツセンターの第 1 体育室の床改修工事を実施
してまいります。
生涯学習センターにつきましては、施設を適切に管理運営していけるよう、
老朽化している舞台音響設備等の改修工事を実施してまいります。
また、東京都指定史跡・新山遺跡につきましては、長年、露頭展示されてお
り、劣化が著しく進んでいるため、東京都の財政支援を受けながら、ふるさと
創生基金も活用し、改修工事を行ってまいります。
(地球環境にやさしいまち)
続いて、「地球環境にやさしいまち」についてであります。
地球温暖化対策は喫緊の課題となっており、COP21(国連気候変動枠組み条
約第21回締約国会議)で締結されたパリ協定における新たな目標を意識する
必要があります。今後に向けて、改めて CO2 削減量等の状況を調査、整理し、
一定の方向性を見出せたことから、地球温暖化対策実行計画(事務事業編)を
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改定し、温室効果ガス排出量の削減に努めてまいります。
(計画を推進していくために)
最後に、「計画を推進していくために」についてであります。
男女共同参画事業につきましては、男女平等推進市民会議から答申をいただ
き、この答申を尊重しながら、
「次期男女平等推進プラン」を取りまとめている
ところであり、引き続き、男女がともにいきいきと暮らす社会の実現に向けて
取り組むとともに、東京都市長会の多摩・島しょ広域連携活動助成金を活用し、
沿線3市男女共同参画連携事業実行委員会の補助事業を実施してまいります。
市民の利便性の向上、更なる納期内納付の勧奨をめざし、専用端末から必要
な手続きをすることで口座登録を可能とする、ペイジー口座振替受付サービス
を導入してまいります。
また、市議会本会議場の映像音響設備の老朽化に対応するため、映像設備の
カメラ及び操作システムを改修してまいります。
5 終わりに
私は市長に就任以来、「未来への責任」を根底に持ち、「夢と希望の持てる元
気なまち」をめざし、やさしくあるため、強くあるべきまちづくりに向け、
「チ
ャレンジする東久留米」を公約として掲げ、市政運営に取り組んでまいりまし
た。
一つ目の「未来への責任。市政の課題へチャレンジ。」の取り組みを改めて申
し述べますと、行財政改革におきましては、財政健全経営計画(実行プラン)
を策定し、将来に渡り持続可能な市政運営を行っていくため、明確な財政規律
を示すとともに、これを推し進めるため、民間活力の導入や定員管理の適正化
など具体の取り組みを掲げ着実に実行してまいりました。これまでの取り組み
により基礎的財政指標については一定の改善がなされてきているものと考えて
おりますが、急速な高齢化や子育て施策の充実等による社会保障関係経費の増
加を踏まえ、今後も引き続き、財政健全経営計画(実行プラン)を着実に推進
してまいります。
高齢化の取り組みにつきましては、事業者にもご協力いただきながら、高齢
者を地域でみまもる活動の輪を広げることができ、介護予防、健康づくりに関
しましては、地域包括ケアシステムの構築を進め、健康づくりとインセンティ
ブとを融合した事業にも取り組んでまいりました。また、交通不便地域等の交
通手段を幅広い視野で検討し、地域公共交通の充実に向けて、一定の方向性を
お示しさせて頂きました。
- 22 -
コミュニティの醸成への取り組みでは、支え合う体制づくりに向けて、これ
までの協働の取り組みを検証し、結果を取りまとめているところであり、市民
相互の連帯感の創出に向けては、地域への関心を高め、地域のつながりを感じ
ていただくための取り組みの第一歩を踏み出すことができました。
市政運営の担い手である職員の人事評価制度については、人材育成やモチベ
ーションの向上等をめざし、管理職、一般職員ともに本格実施いたしました。
続きまして、二つ目の「住みたいまち、住み続けたいまちへ。みんなの地元、
チャレンジする東久留米へ。」の取り組みを申し述べますと、上の原地区のまち
づくりにつきましては、土地利用構想を取りまとめ、これに基づく整備計画の
策定等に取り組むとともに、地区内の基盤・インフラ整備や新たな企業等誘導
について、精力的に進めてまいりました。
子育て支援については、子ども・子育て支援新制度の施行以降、253 名の待機
児童解消策を講じてきており、
「みなみ保育園」、
「さいわい保育園」の民設民営
化の実施とともに、
「しんかわ保育園」が民間化対象園であることもお示しいた
しました。また、長年の懸案課題であった旧大道幼稚園跡の利活用につきまし
ても、新児童館とするとの考えを示し、平成 30 年 4 月の開設に向けて、施設整
備を計画的に進めてきております。
暮らしの向上の面では、都立六仙公園について、これまでも地元自治体とし
ての意向を伝えつつ、整備が推進されるよう、東京都との調整を図ってまいり
ました。また、都市計画道路の整備については計画的・段階的に取り組み、特
に、先人の意志を引継ぎ、力強く着実に進めてまいりました東 3・4・19 号線に
つきましては、昨年 3 月に開通し、武蔵小金井方面へのアクセス改善が図られ
ました。このことにより、市民の皆さまの利便性の向上はもとより、将来のま
ちの活性化にも大きく寄与するものと期待しております。
このように、市政運営に取り組んできたことを振り返れば、
「夢と希望の持て
る元気なまち」に向けて、一定の前進はあったかと自負するところであります。
将来に渡り持続できる市政、安定した市政、そして好循環を創出する市政に向
けて、全力で取り組んでまいります。
少子高齢化といった、かつて誰も経験したことのないこの大きな壁を乗り越
えていくためには、東久留米市としての歴史や伝統、いわゆるアイデンティテ
ィーに配慮しつつ、その解決に向けて、大局的、戦略的な視点から、機を逸す
ることなく市政の課題に取り組むことが必要であります。私はこのまちを取り
巻く状況や今後めざしていく方向を市民の皆さまと共有していきたい。そして、
お知恵とお力をお借りし、市民の皆さまと連携して、これからの難局を乗り越
えてまいりたい。幕末期の長州藩士で教育者でもあった吉田松陰は言いました。
「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行
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なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし。」と。
私は「夢と希望の持てる元気なまち」、この夢と理想を市民の皆さまとともに
共有していきたい。それこそが、実現への第一歩になると考えております。そ
して、そうしたまちをめざすために、今後も市民の皆さまと一体となって、困
難な課題にもチャレンジし、人口減少の抑制、そして地域の活性化による好循
環を創出し、持続できる選ばれるまちづくりを進めてまいる所存であります。
市民の皆さま、議員各位のご理解、ご協力、そしてご支援を改めてお願いし、
結びとさせていただきます。
平成 29 年 3 月 2 日
東久留米市長
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