20面 - 薬事日報

さんのことを気にかけてくれた。ク
ラスの授業では「おい、眞樹、ちょ
っと前来てこの問題解いてみい」
。
えたいこと。それは、
「1人の人間として患者さんを含め、
転して、目立つ存在になり、ついに
る時期からはいじめられっ子から一
“三流薬剤師”でもできる!
このような経験を経て、大森さんへ
いろんな人とかかわりながら仕事をしてほしい」というメ
のいじめはだんだん減っていき、あ
「 自 分 は〝 三 流 薬 剤 師 〟 で す か ら 」 と 何 度 も 繰 り 返 し た
薬剤師の大森眞樹さん(きらきら薬局)
。熊本県山鹿市の
はクラスのまとめ役になった。
薬剤師の活動や地域医療で薬剤師以外の職種との多職種連
流薬剤師でもやれるんやから、みんなにもやれる」という
分にはまだできない』とは思わんでほしい。僕みたいな三
て病気の人を治す、そんなイメージ
が子どもの頃からあった。
小学校低学年の頃、いじめを経験
した。2月の早生まれで同級の子ど
もたちに比べて体が小さかったこと
も災いし、
「学校にも行きたくない」
と何度も思った。そこで始まったお
兄さんたちが計画した「眞樹のいじ
めをなくす作戦」
。いじめる子に対
抗しようと、夏休みには練乳をたく
さんかけた食パンを毎日食べ、痩せ
細った体は前とは比べものにならな
いくらい大きくなった。
ちょうど担任の先生が産休に入
り、臨時で入った男性の先生が大森
大森 眞樹さん
熊本・きらきら薬局
ラ
(
ページへ続く)
ってやってきて、本当によかったと
ましたね。九州から仕事の合間をぬ
出 さ れ た。「 す ご く 泣 き そ う に な り
とを忘れないでほしい」と手を差し
も先生の名前忘れないから、俺のこ
未来に役立つことが分かったよ。俺
しい。先生の言っている言葉が俺の
ん の も と に 歩 み 寄 り、「 握 手 し て ほ
講演を終わると、ツカツカと大森さ
よ う に 体 操 座 り で 自 分 を 見 続 け る。
が話を続けるうちに他の生徒と同じ
りもない態度だったのが、大森さん
学生が1人。最初は講演を聴く素振
神奈川の中学校にボランティアで
講演したときのこと。やんちゃな中
とメッセージを送る。
俺は秘密を厳守して助けに行くよ」
には「大森眞樹に連絡してくれれば、
さ い 」。 そ れ で も 相 談 で き な い と き
「家族や学校の先生に相談してくだ
決できない問題があったときには
と訴え続ける。自分たちだけでは解
さ い 」「 自 分 を 大 事 に し て 下 さ い 」
教 室 で は、「 自 分 の こ と を 愛 し て 下
校、高校を飛び回り、薬物乱用防止
今では晴れて念願の薬剤師とな
り、学校薬剤師として小学校、中学
ーズアップさせることを心がけた。
ってもらえるよう、集団の中でクロ
の少ない人を見つけたら、輪に加わ
で も な く し た い 」。 大 人 し く て 口 数
い思いや寂しい思いをする人を1人
と が 大 森 さ ん を 成 長 さ せ た。「 悲 し
験してクラスのまとめ役になったこ
臨時の男性の先生が自分を気にか
けてくれたこと、そしていじめを経
ッセージだ。
「自ら率先して体験してほしい。そして、
『自
人として何がやれるかが大事
薬局に勤めて 年目、地域の人たちと交流しながら、学校
携、そして昨年4月に起こった熊本地震を経験し、薬剤師
激励の言葉だった。
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になる」と言ってきた。薬をつくっ
歳年が離れたお兄さんも薬剤
師。だから小学校の頃から「薬剤師
としてではなく、1人の人間として困っている人に何をす
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べきかを考え、行動してきた。大森さんが今、薬学生に伝
他の医療職の人たちとも交流
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・
ヒト
ト・
ル
シゴ
タイ
ス
イフ
2017(平成29)年 3 月 1 日 水曜日
薬 事 日 報 薬学生新聞
第 60 号
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