私の仕事 私の思い

現場職員と十分話して、リスク回避を判断
私の働く施設は JR・私鉄の駅に近
クを回避できる段階か否か、また、職
く、交通の便の良い場所に位置します。
員はどのように見守っていくかを話し
鉄筋5階建て「都市型」といわれる
合います。現場職員には情報収集に協
形式で、2階から4階をご利用者の生
力してもらい、いくつもの判断結果を
活スペースとして使用、私は介護福祉
経て、センサーを外す決断に至ります。
士として勤務しております。
また、年に1回は職員向けに「事故
リスクマネジャー資格取得の研修の
際、施設の中のあらゆるリスクを予知
し、対応しなければならないというこ
とに、多少の不安を感じました。業務
対策の研修」を行っています。研修内
前原苑(千葉県)
たか し ま ま さ お み
髙島正臣
介護福祉士
(RM)
は、転倒転落・施設内感染・プライバ
容は、リスクマネジャー養成講座で学
んだことが中心です。職員に伝えるこ
とはなかなか難しく、うまく伝えきれ
ないまま研修が終わってしまうことも
シー保護など多岐にわたります。資格を取得した
あります。リスクマネジャーという立場が理解さ
あとは、研修したことを活かし「事故対策」をメ
れていない側面もあるからだと思います。
インに業務を進めています。
例えばセンサーコールを使用している方について
介護職員としての仕事もあるため、両立が大変
ですが、他の職員とどう協力してくか考えながら、
ですが、センサーを外す判断はなかなか難しいで
リスクマネジャーとして一層、努力していきたい
す。看護師長を含め現場職員と、転倒転落のリス
と思います。
私の 仕 事 私 の 思 い
当施設は開設13年目を迎え、住宅地にも近く、
を生み、生き生きとした毎日へとつながります。
森に囲まれた緑豊かな環境にあります。介護の原
私は当施設の
「芸術の本来の目的は生きる喜びを
点である在宅介護に近づけるよう「自宅にいるよう
与えることである」という理念に賛同しアートセ
な施設介護」をめざしています。
ラピストとして入職、5年ほど常勤として勤務し、
リハビリも充実しており、ロボットスーツ HAL
現在は芸術顧問として施設のアートセラピストの
を使った体のリハビリ、
「公文学習療法」の頭のリ
育成・管理をしています。
ハビリに加え、心のリハビリとして
アートセラピストとして介護の世界
「アートセラピー」を提供しているのが
にかかわり「芸術の本来の目的は人を
特徴です。
豊かにすることである」と心から感じ
当施設では、美術大学を出た専門家
ることができました。理事長の「ご利
が、ご利用者に合ったプログラムを考
用者を血のつながった肉親として考え
え、完成度の高い作品制作を促します。
一生面倒をみていきたい」という思い
ご利用者自身の手で作品をつくり上げ
にあるように、私は「肉親であれば、
ることによって、生きる喜びと自信を
最後の最後まで生きがいや喜びをもち
得てもらうよう支援しています。制作
続けられるように支援したい」と思い
に携わるとどなたも瞳が輝きだし、次 プロスペクトガーデンひたちなか(茨城県) ます。このように日々、アートセラ
お お や ま と も こ
の作品への意欲が生まれます。作品は
ピーを提供し、ご利用者と接していま
芸術療法士 大山智子
職員やご家族とのコミュニケーション
す。
ご利用者に合ったプログラムで作品づくりを
52 ●老健 2017.3
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チームアプローチの重要性を感じて
当 施 設 は 開 設24年 目 を 迎 え ま す。
課題です。まずは過去のデータから
私は言語聴覚士として、同法人の山
肺炎発症者のアセスメントを行い、
元記念病院から、週1回当施設に勤
ADL の低下・呼吸機能の低下に視点
務しています。
を置きました。続けて、離床への意
勤務にあたっては、前任の言語聴
識づけと毎食前の嚥下体操、簡単な
覚士と綿密な情報共有をし、誤嚥性
呼吸リハビリの実施をスタッフに依
肺炎の発症を軽減させること、他の
頼しました。これらは腹式呼吸や持
スタッフとの情報共有を一番に考え、
続発声など目的意識を明確にした内
口腔ケアの周知や徹底に努めること
容です。週に1度の勤務のため、限
ケアポート楽寿園(佐賀県)
こ
い
で よ う こ
などを重要なテーマとしました。
界はありますが、内容は単純で継続
言語聴覚士 小井手蓉湖
当 施 設 は モ ー ニ ン グ ケ ア が 徹 底、
できることに留意しスタッフへ引き
充実しており、ご利用者の口腔内は
継ぎました。
湿潤し汚染が少ない状態です。そのような取り組
各職種が共通の目標をもち、行動していくこと
みを実施しているにもかかわらず誤嚥性肺炎発症
はとても重要です。1人のセラピストではできな
者が増える背景として、ご利用者の高齢化、介護
いことでもチーム全体で取り組めば成果を上げる
の重度化があります。
ことができます。今後もご利用者がよりよい状態
今後の超高齢社会を迎えるにあたり、誤嚥性肺
を維持できるように、全職員が団結して業務に取
炎発症を予防するための取り組みは、施設全体の
り組んでいければと考えます。
私の 仕 事 私 の 思 い
当施設は、平成25年に開設。共有するビルには
所するまでご利用者・ご家族が安心して施設を利用
診療所や在宅系介護サービス事業所の他、保育園
していただけるよう心がけています。退所後に自宅
も併設され、幼老交流を特徴としており、医療介護
訪問した際、ご利用者に笑顔が見られ、ご家族か
福祉サービスが集結しています。在宅復帰後のサー
らは
「以前は大変だったけれど、退所後は介護が楽
ビスも円滑に利用でき、逆に在宅から入所への移行
になった」
「大変なときはまた利用できるから安心だ」
も効率よく行えるため、在宅生活をするご利用者や
と言われることがあり、支援相談員をしていてやり
家族を支える大きな力になっています。
がいを感じる瞬間です。しかし在宅強
平成27年に岩手県では4番目に在宅
化型の宿命で入退所が多いため、ご利
強化型になりました。
用者の体調や家庭環境の把握、情報
当時老健施設に対し長期入所を期待
管理に追われ、じっくり日常のケース
するニーズが多く、入所相談時に在宅
ワークができないことが悩みです。とは
強化型の役割を理解してもらうために
いえ日頃から多職種のチームに支えら
かなりのエネルギーを要しました。しか
れ在宅復帰を推進し、看取りケア等の
し根気強く取り組み、居宅ケアマネや
ニーズにも対応しています。
関係機関と連携を図ることに力を入れ
開設5年目、これからもご利用者一
た結果、少しずつ周知され、地域に定
人ひとりへの取り組みをていねいに積み
博愛荘(岩手県)
かわ むら よし え
着し始めています。
重ね、地域に根ざし愛される老健施設
支援相談員 川村良重
支援相談員として常に、入所から退
を目標に、一層励んでいくつもりです。
地域に愛される施設をめざして
老健 2017.3 ● 53
2017/02/14 12:33