マーケット・フォーカス

2017/
マーケット・フォーカス
2/21
投資情報部
ストラテジスト兼
テクニカルアナリスト
西村 三養子
商品:原油
OPEC減産を織り込み、徐々に期待はく落へ



OPECは減産目標の9割以上を達成、非OPECは4割程度
原油在庫はだぶつき、石油掘削装置の稼働数は最低水準から89%UP
投資家は様子見姿勢から下落リスクに備える
国際指標のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物価格は2/17時点
OPECの減産順守を織
で1バレル=53.40ドル。テクニカル面では25日線を挟んでのもみ合い。今後は50ドル台
り込み、もみ合い
前半でのもみ合い継続となるか、200日線を下値めどにいったん調整となる可能性。
2月の石油輸出国機構(OPEC)の月報によれば、10ヵ国の減産量は目標の日量
120万バレルの9割に相当する日量約110万バレルに達した。減産の実行度合いは高
く、サウジアラビアをはじめ各国はシェアよりも価格重視の姿勢に転じていることが再確
認された。5月のOPEC総会で7月以降も減産が延長されるのであれば、上値余地が広
がる可能性はある。一方、減産に合意した非加盟国の減産ペースは緩慢で、1月時点
の減産量は目標の40%にとどまるとの報道も。OPEC月報によれば、ロシアの1月の減
産量は日量12万バレルと目標の3分の1にとどまる。また、1月の減産対象外の3ヵ国の
動向は、ナイジェリア日量10万バレル増、リビア同6万バレル増、イラン同5万バレル増
となっている。今後はこれらの国々の動向に注視したい。米エネルギー情報局(EIA)
は2017年に世界の原油需給はいったん需要が供給を上回るものの、18年には再び供
給過多になると予想する。市場はOPECの減産をある程度織り込み、米国在庫のだぶ
つきやシェール増産等を警戒しているもよう。
(1バレル=ドル)
W T I 原油先物
世界原油需給ギャップ
(日次:2016/1/4~2017/2/17)
(四半期:2012/3~2018/12)
(百万バレル/日)
2.5
60
(16/6/8)
51.23
102
供給-需要(左目盛)
2.0
(16/12/28)
54.06
(百万バレル/日)
100
供給
1.5
98
需要
96
1.0
50
94
0.5
92
0.0
40
WTI原油先物
25日線
200日線
30
(16/2/11)
26.21
20
16/1
90
▲ 0.5
16/4
16/7
16/10
出所:QUICK Astra Managerのデータよ りみずほ証券作成
88
▲ 1.0
86
▲ 1.5
84
▲ 2.0
82
2012
2013
2014
2015
2016
(注)17年Q1以降はEIAの予想
出所:EIAのデータよ りみずほ証券作成
17/1
(年/月)
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
1
1
2017
2018
(年)
2017/2/21
マーケット・フォーカス
米在庫は高止まり、需
要は伸び悩む
EIA の見通しによると 2017 年の米国の生産量は、16 年比日量 10 万バレル増の 898
万バレル。18 年は日量 65 万バレル増の 953 万バレルだ。米国のだぶついた在庫や
シェールオイルの増産が上値を重くしやすい。米国の原油の受け渡し場所となるクッ
シングの原油在庫は高止まりしている。これは売り先が決まっていない原油が多いこと
を意味しており、クッシング在庫の減少がみられないと原油価格は上昇しにくい。石油
サービス会社ベーカー・ヒューズが公表した石油掘削機(リグ)稼働数(2/17 時点)は、
597 基と 16 年 5 月の直近の最低水準から 89%増加。米国のシェールオイルの主要鉱
区となるイーグルフォード、ニオブララ、バッケンなどのリグ 1 基当たりの生産量は、3 年
前と比較すると約 3~4 倍にまで拡大している。
売買動向からは、当面様子見の姿勢もうかがえる。米商品先物取引委員会
(CFTC)が 2/17 に発表した直近(17/2/8~17/2/14)のニューヨーク・マーカンタイル
取引所(NYMEX)での商業部門では売り越しが膨らんでいる。非商業部門による原油
先物の買い建玉と売り建玉は双方増加しており、買い越し幅は 40 万枚台後半まで膨
らんだ。オプション動向では、下値めどとして意識されやすいプットが 45~50 ドルに積
み上がる一方、上値めどとして意識されやすいコールは 55~60 ドルに積み上がって
いる。投資家は、足元のもみ合いの範囲前後での価格を想定しダウンサイドリスクに備
えているようだ。以上から、予想レンジは 1 バレル=45~60 ドルとの見方を継続する。
クッ シ ング原油在庫
W T I原油先物価格と米国リグ稼働数
(週次:2014/7/4~2017/2/17)
(1バレル=ドル)
120
110
リグ稼働数(右目盛)
WTI原油先物(左目盛)
100
90
(基)
1,800
(千バレル)
80,000
1,600
70,000
1,400
(週次:2013/1/4~2017/2/10)
60,000
2013年
1,200
80
50,000
70
1,000
60
800
2014年
2015年
40,000
50
2016年
30,000
600
40
30
20
14/7
15/1
15/7
16/1
16/7
400
20,000
200
10,000
2017年
1
17/1
出所:ブ ルームバーグのデータよりみずほ証券作成
C FT C非商業筋建玉とWTI原油先物価格
(週次:2015/1/3~2017/2/17)
(万枚)
55
50
45
(千枚)
(1バレル=ドル)
65
買残-売残(左目盛)
60
WTI原油先物(右目盛)
55
2
3
4
5
6
7
8
9
10 11 12
出所:ブ ルームバーグのデータよりみずほ証券作成
(年/月)
(月)
WTI原油先物オプション権利行使価格分布
(2017/2/17時点)
100
プット(2・3・4月限合計)
コール(2・3・4月限合計)
80
50
40
60
45
35
40
30
40
35
25
30
20
20
25
20
15
15/1
15/4
15/7
15/10
16/1
16/4
(注) CFTC非商業部門建玉は2/14現在
出所:ブルームバーグのデータ よりみ ずほ 証券作 成
16/7
16/10
17/1
0
(年/月)
10
15
20
25
30
35
40
45
50
出所:ブ ルームバーグのデータよりみずほ証券作成
55
60
65
70 75 80
(1バレル=ドル)
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2017/2/21
マーケット・フォーカス
■ エネルギー関連統計
日付
2月23日
2月23日
2月23日
2月23日
2月23日
2月23日
2月23日
2月23日
2月24日
2月24日
2月24日
国・地域
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
イベント
米国原油在庫(前週比・千バレル)
オクラホマ州クッシング原油在庫(前週比・千バレル)
米国ガソリン在庫(前週比・千バレル)
米国中間留分在庫(前週比・千バレル)
米国製油所稼働率(前週比)
米国原油推定需要(千バレル/日)
米国ガソリン推定需要(千バレル/日)
米国留出燃料推定需要(千バレル/日)
ベーカー・ヒューズ掘削リグ稼働数
ベーカー・ヒューズ米国ガス・ロータリーリグ稼働数
ベーカー・ヒューズ米国石油ロータリーリグ稼働数
期間
2月17日
2月17日
2月17日
2月17日
2月17日
2月17日
2月17日
2月17日
2月24日
2月24日
2月24日
前回
期間
2月速報
2月速報
2月速報
2月17日
1月
1月
1月
2月18日
2月11日
16年10-12月期
12月
2月19日
2月
1月
1月
2月確報
2月確報
2月確報
2月確報
2月確報
前回
9,527
▲702
2,846
▲689
▲2.3%
16,107
8987.6
4,845.4
751
153
597
■ 今週の経済指標
日付
2月21日
2月21日
2月21日
2月22日
2月22日
2月22日
2月23日
2月23日
2月23日
2月23日
2月23日
2月23日
2月23日
2月24日
2月24日
2月24日
2月24日
2月24日
2月24日
2月24日
国・地域
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
イベント
マークイット米国製造業PMI
マークイット米国サービス業PMI
マークイット米国コンポジットPMI
MBA住宅ローン申請指数
中古住宅販売件数(百万件)
中古住宅販売件数(前月比)
シカゴ連銀全米活動指数
新規失業保険申請件数(千件)
失業保険継続受給者数(千人)
住宅価格(購入)指数(前期比)
FHFA住宅価格指数(前月比)
ブルームバーグ消費者信頼感
カンザスシティ連銀製造業活動
新築住宅販売件数(千件)
新築住宅販売件数(前月比)
ミシガン大学消費者マインド
ミシガン大学現在景況感
ミシガン大学消費者先行景況感
ミシガン大学1年期待インフレ率
ミシガン大学5-10年期待インフレ率
55.0
55.6
55.8
▲3.7%
5.49
▲2.8%
0.14
239
2,076
1.5%
0.5%
48.1
9
536
▲10.4%
95.7
111.2
85.7
2.8%
2.5%
(注)記載事項はすべて「予定」ないし「見込み」であり、予告なく変更されることがあります。海外イベントおよび経済指標は現地日程で掲載しています
出所:ブルームバーグのデータよりみず証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
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時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
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2017/2/21
金融商品取引法に係る重要事項
マーケット・フォーカス
■国内株式のリスク
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等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。
■国内株式の手数料等諸費用について
○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料
をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税
込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。
○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
○保護預かり口座管理料は無料です。
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む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込
むことがあり、損失を被ることがあります。
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えることがあります。
○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が
当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。
○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売
却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市
場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し
ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。
○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商
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■外国株式の手数料等諸費用について
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国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および
諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。
詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金
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約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。
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お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別
途手数料および諸費用はかかりません。
○国内委託取引
当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託
手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に
97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。
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取引口座管理料は無料です。
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定した為替レートによるものとします。
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お客さま向け資料等をよくお読みください。
商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号
加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
広告審査番号 : MG5690-170221-07
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