資料1 - 京都市

まちづくり委員会資料
平成29年2月
建
設
局
道路のり面維持保全計画(第1期)(案)について
豪雨等により災害が発生する可能性のある道路のり面の防災対策については,これまで
緊急輸送道路をはじめ,各土木事務所による危険度の判定に基づき対策を実施してきました。
この度,さらに効果的かつ効率的に対策を進めるため,2本の柱である「対策実施計画」
と「点検計画」を定めた「道路のり面維持保全計画(第1期)」(平成29年度~33年度)
を策定いたしますので,御報告いたします。
[道路のり面対策の例]
路線)一般国道367号
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対策)落石防護柵工
路線)主要府道柚原向日線
対策)補強土植生法枠工
道路のり面の箇所数
のり面とは人工的に形成された斜面のことをいい,また,斜面とは自然斜面のことを
いう場合がありますが,本計画では人工のり面,自然斜面を合わせて「道路のり面」と
します。
「道路防災総点検要領」では,高さや勾配など,一定の基準を満たした箇所について
点検することとされています。この要領に基づき,平成8,9年度及び平成24,25
年度に実施した点検の対象箇所数とその評価は図1のとおりです。
京都市の「点検対象道路のり面」 計2,156箇所
H8,9 防災カルテ作成
H24,25 防災カルテ見直し
H28 年度末時点
対策完了箇所数
要対策箇所
監視箇所
対策不要箇所
560 箇所
459 箇所
1,137 箇所
対策済箇所
158 箇所
未対策箇所
402 箇所
専門技術者による防災カルテの見直し
(概ね 10 年に 1 回)
対策実施計画対象箇所
図1 点検対象箇所数と評価
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2 道路のり面維持保全計画
⑴ 対策実施計画
ア 計画の特色
緊急輸送道路の対策目標を定めるとともに,今回設定した道路のり面災害が市民
生活に与える影響を考慮した統一的な選定基準(優先区間選定基準)と,被災時の
道路通行機能への影響度を示した被災ランクから,対策優先箇所60箇所を選定し
ます。
また,これらの対策を今後5年間(平成29年度~33年度)で完了する(総事業
費23億円)という明確な目標を立てることで,今まで以上に効果的かつ効率的に事
業を実施します。
イ 対策優先箇所の選定
優先区間(Ⅰ~Ⅲ) 選定基準
被災ランク基準
①緊急輸送道路
②山間部の集落から避難所までに要対策箇所が存在する区間
③路線バス区間
④交通量が 4,000 台以上/日
⑤原子力災害避難計画上の避難経路指定区間
被災時の道路通行機能への影響度(交通の遮断時間による)を示したもの
【被災ランク1】交通が遮断され,復旧に長時間を要する
【被災ランク2】交通が短時間遮断される
【被災ランク3】道路に対しては被災なし,または早急に復旧が可能
表1 対策優先箇所
(①)
優先区間Ⅱ
②
③かつ④
優先区間Ⅲ
③,④,⑤の
いずれか
2 箇所
14 箇所
4 箇所
変位あり
8 箇所
16 箇所
第2期
5 箇所
変位なし
12 箇所
第2期
32 箇所
11 箇所
区間イ※
4 箇所
区間ロ※
及び区間イロ以外
第2期
21 箇所
10 箇所
10 箇所
優先区間Ⅰ
影
響
度
(
交
通
の
遮
断
時
間
に
よ
る
)
(
)内は該当選定基準
被災ランク1
被災ランク2
被災ランク3
優先度
その他区間
253 箇所
□:本計画にて対策を行う箇所(60箇所)
※区間イ ・・国道162号における雨量規制区間(北区小野下ノ町~右京区梅ヶ畑高鼻町)
区間ロ ・・国道162号における雨量規制区間(右京区京北上弓削町~深見峠)
ただし,本計画にて対策を実施する箇所以外でも,早期の対策が必要と判断された
箇所については,選定基準に関わらず対策を実施します。
ウ 対策の効果
緊急輸送道路上の要対策箇所について,現在の完了率は41%ですが,第1期計
画完了後に完了率を70%とします。
第2期計画(平成34年度~38年度)完了後には,緊急輸送道路上の要対策箇
所の対策を完了するとともに,集落から避難所までの区間についても,被災時に道
路通行機能の遮断が想定される箇所についての対策を完了します。
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⑵
点検計画
ア 計画の特色
これまでは,防災カルテを活用した日常パトロールにより道路のり面を監視して
いましたが,今後は加えて要対策箇所と監視箇所のうち緊急輸送道路上にあるもの
については,重点点検箇所(123箇所)と位置付け,土木事務所職員による5年
に1回の近接目視点検(定期点検)を実施します。
また,概ね10年に1回の頻度で重点点検箇所とそれ以外の状況変化が見られる
箇所や対策済箇所等について,専門技術者による防災カルテの見直しを行います。
イ 点検方針
①定期点検 [5年で1サイクル] 【新規】
重点点検箇所(123箇所)を対象に,土木事務所職員による近接目視点検を実施
②カルテの見直し [概ね10年に1回] 【新規】
重点点検箇所とそれ以外の状況変化が見られる点検箇所や対策済箇所等について,専
門技術者による劣化等の診断と評価を実施し,防災カルテの見直しを行う。
③日常・災害点検 【従来から実施】
点検対象道路のり面すべてを対象に,土木事務所職員による日常パトロールや豪雨や
地震後の災害パトロールにおいて,遠望目視点検を行う。
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今後の進め方
今後も,計画終了時には検証を行い次期計画に反映し,また点検方法における新たな
知見や新技術等を積極的に取り入れる等,道路のり面の適切な維持管理に努めていきま
す。
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