重要 - 線材製品協会

JIS G 3505「軟鋼線材」
規格改正のお知らせ
JIS G 3506「硬鋼線材」
【重要】
平成 29 年 2 月 20 日 線材製品協会
技術委員会
平成 29 年 2 月 20 日付にて、JIS G 3505「軟鋼線材」及び JIS G 3506「硬鋼線材」が改正【注 1】
されました。主な改正内容を以下にご紹介致します。詳しくは、日本工業標準調査会(JISC)ホーム
ページから、規格番号を入力して閲覧することが可能です。
URL:http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html
原案作成団体:一般社団法人 日本鉄鋼連盟
【注 1】 平成 30 年 2 月 19 日までの間は、工業標準化法第 19 条第 1 項等の関係条項の規定に基づ
く JIS マーク表示認証において、新規格の周知・移行準備期間として、旧規格 JIS G 3505:2004
及び JIS G 3506:2004 の併用が認められています。
1.JIS G 3505「軟鋼線材」
(1) 改正の背景・目的
日本鉄鋼連盟では、特殊鋼・線棒鋼材規格の化学成分を明確にする見直し改正を進めてきて
おり、また、あいまいな規定及び理解しにくい表現については、より分かり易い規定とする観
点から、今回の改正が行われました。
(2) 主な改正点
(A) 製造方法の明確化
現行規格では「製造方法」が規定されていないことから、「線材は、鋼塊(連続鋳造した
鋼片を含む。
)から熱間圧延で製造し、熱間圧延のままとする。」が追記されました。
(B) 化学成分の明確化
化学成分のみを保証する鋼材規格の場合、合金元素を添加することにより鋼材特性が異な
ることから、化学成分表に規定する元素以外の添加の取り扱いを明確にすることを基本とし
て、適宜、鋼材規格の見直し改正が行われております。線材規格では、JIS G 3502「ピアノ
線材」が平成 25 年に同内容の改正が行われました。
現行規格の表 1-化学成分では、表に規定されている炭素(C)、マンガン(Mn)、リン(P)、
硫黄(S)以外の元素の取り扱いについて規定がなく、微量合金元素の添加の取り扱いが不明
確になっていることから、「この表以外の元素は、溶鋼を仕上げる目的以外に意図的に添加
してはならない。
」と表の注記として追記されました。
一方、低炭素鋼で問題となる時効硬化の改善のため、ホウ素[ボロン](B)が一定量添加さ
れている実態があることを受け、受渡当事者間の協定により、一定の範囲【注 2】でホウ素
[ボロン](B)の添加ができること、ホウ素[ボロン](B)含有率と窒素との比率(B/N)を報告す
る必要があることが附属書 JA に規定されました。
【注 2】 ホウ素[ボロン](B)添加量の範囲
添加量の上限値
:70ppm
窒素との比率(B/N) :上限値(SWRM2~SWRM12)1.8、上限値(SWRM15~SWRM22)0.9
下限値(全鋼種)0.4
【補足】
化学成分規定の明確化により、工業標準化法の制度の下では、平成 30 年 2 月 20 日以降に出
荷する JIS G 3505「軟鋼線材」
(自己適合宣言の JIS 製品含む)には、附属書 JA に規定する
範囲内のホウ素[ボロン](B)添加を除き、表 1-化学成分表に規定する 4 種類の元素(炭素・
マンガン・リン・硫黄)以外の合金元素の添加はできなくなります。
(C) 25mm を超える線径の許容差と偏径差
現行規格では規定されている 25mm を超える線径の許容差と偏径差は、25mm 以下までを規
定し、25mm を超えるものは受渡当事者間の協定によると改正されました。
裏面 JIS G 3506「硬鋼線材」改正概要
2.JIS G 3506「硬鋼線材」
(1) 改正の背景・目的
日本鉄鋼連盟では、特殊鋼・線棒鋼材規格の化学成分を明確にする見直し改正を進めてきて
おり、また、硬鋼線材では一般化しているインラインパテンチング処理の製造方法と機械的性
質の規定を追加することを目的として、改正が行われました。
(2) 主な改正点
(A) 製造方法の明確化
現行規格では「製造方法」が規定されていないことから、
「線材は、キルド鋼とし、鋼塊
(連続鋳造した鋼片を含む。
)から熱間圧延で製造し、熱間圧延のままとする。」が追記され
ました。
(B) インラインパテンチング処理の追加
製造方法に、硬鋼線材の製造では一般化しているインラインパテンチング処理について、
「受渡当事者間の協定によって、熱間圧延後の冷却工程で行うパテンチング処理(以下、イ
ンラインパテンチング処理という。)を実施してもよい。」が追記されました。
(C) 化学成分の明確化
化学成分のみを保証する鋼材規格の場合、合金元素を添加することにより鋼材特性が異な
ることから、化学成分表に規定する元素以外の添加を明確に禁止することを基本として、適
宜、鋼材規格の見直し改正が行われております。
現行規格の表 1-化学成分では、表に規定されている炭素(C)、ケイ素(Si)、マンガン(Mn)、
リン(P)、硫黄(S)以外の元素の取り扱いについて規定がなく、微量合金元素の添加の取り扱
いが不明確になっていることから、「この表に規定されていない元素は、溶鋼を仕上げる目
的以外に意図的に添加してはならない。」と表の注記として追記されました。
以上