平成28年度 千曲市新幹線新駅需要予測等調査報告書概要版 (H29.2月).

平成28年度
千曲市新幹線新駅需要予測等調査
報告書概要版
平成29年2月
長野県 千曲市

平成25年度に行った「新幹線新駅を活かしたまちづくり基本構想(案)」の中で示した主
な利用者の想定では、利用客数推計を概略的に行っていたため、本調査では時短効
果のある県内の各地域の具体的にどこへ行く、或いはどこから来る利用客なのかなど
を詳細に推計するため、平成27年度に実施したWEB(ウェブ)アンケート調査では、需要
予測に用いる新幹線利用時の端末手段の施策の設定を念頭に置き、地域別の新駅設
置による利用見込み、施策のニーズや施策実施時の利用の変化、新駅を利用する際
の居住地⇔新駅、新駅⇔訪問地間の利用交通手段、所要時間等を把握しました。

新駅設置に向けては、市民はもとより新幹線の運営主体であるJR東日本の理解と
協力が不可欠であり、新駅利用者数はこれら関係者の理解を得るうえで重要な要因の
ひとつとなるため、客観的な説明が可能となるように、WEBアンケート調査を活用し
て、交通工学に基づく理論的な推計モデルの構築により新駅設置時の利用者推計を
行い、併せて新駅設置による経済波及効果についても最新の需要予測に基づき見直
しを行うことを目的としました。
1
0.計画準備
アンケート調査の実施
1.千曲市新駅利用者数の予測
・新幹線利用時の端末手段のサー
ビスレベルの把握
・4段階推計法の各段階の推計モデルを一
体的に考えたモデル(ネスティッドロジット
モデル)の構築
・地域別の新駅設置による利用見
込み、施策のニーズや施策実施
時の利用の変化等の確認
(平成27年度調査)
・アンケート調査結果等を活用した端末手
段のサービスレベルを踏まえたモデルの
構築
2.経済波及効果の算定
・利用者数の予測をもとにした経済波及
効果の算定
・新幹線新駅を活かしたまちづくり基本
構想(案)策定時の各種経済波及効果
の算定
・平成23年長野県産業連関表による効果
の算定
3.とりまとめ
2
予測時点:H35(2023)年(北陸新幹線敦賀開業時)
新駅停車本数:片道25本、20本、15本
評価ゾーン:全国227ゾーン
・長野県内は、H27調査で対象とした21ゾーン(対象ゾーン) とそれ以外のエリ
アを生活圏・市町村に分割した合計37ゾーン(次頁参照)で分析
・長野県以外は生活圏単位でネットワークを
構築(190ゾーン) ※沖縄県等の島部は対象外
<長野県内37ゾーン>
長野県No ゾーンNo 都道府県
1
93 長野
2
94 長野
3
95 長野
4
96 長野
5
97 長野
6
98 長野
7
99 長野
8
100 長野
9
101 長野
10
102 長野
11
103 長野
12
104 長野
13
105 長野
14
106 長野
15
107 長野
16
108 長野
17
109 長野
18
110 長野
19
111 長野
20
112 長野
21
113 長野
22
114 長野
23
115 長野
24
116 長野
25
117 長野
26
118 長野
27
119 長野
28
120 長野
29
121 長野
30
122 長野
31
123 長野
32
124 長野
33
125 長野
34
126 長野
35
127 長野
36
128 長野
37
129 長野
生活圏
長野
長野
長野
長野
長野
長野
長野
長野
長野
長野
長野
長野
長野
長野
長野
長野
松本
松本
松本
松本
松本
松本
松本
松本
松本
上田
飯田
諏訪・伊那
諏訪・伊那
諏訪・伊那
諏訪・伊那
諏訪・伊那
諏訪・伊那
諏訪・伊那
諏訪・伊那
諏訪・伊那
諏訪・伊那
長野県分割
千曲市
長野市(対象ゾーン以外)
長野市(篠ノ井地区等対象ゾーン)
須坂市
小布施町
坂城町
中野市
飯山市
高山村
山ノ内町
木島平村
野沢温泉村
信濃町
小川村
飯綱町
栄村
白馬村・小谷村
大町市
麻績村・筑北村・生坂村
池田町・松川村
安曇野市
松本市
塩尻市・山形村・朝日村
木曽町・王滝村・大桑村・木祖村・上松町
南木曽町
駒ヶ根市・宮田村
伊那市
辰野町・箕輪町・南箕輪村
富士見町・原村
茅野市
諏訪市
下諏訪町
岡谷市
飯島町
中川村
対象ゾーン
市町村
対象ゾーン
対象ゾーン
対象ゾーン
対象ゾーン
市町村
市町村
市町村
市町村
市町村
市町村
市町村
市町村
市町村
市町村
対象ゾーン
対象ゾーン
対象ゾーン
対象ゾーン
対象ゾーン
対象ゾーン
対象ゾーン
対象ゾーン
市町村
生活圏
生活圏
対象ゾーン
対象ゾーン
対象ゾーン
対象ゾーン
対象ゾーン
対象ゾーン
対象ゾーン
対象ゾーン
市町村
市町村
3
 国の需要予測方法と整合したアクセシビリティ(ACC)※1を考慮した四段階推計モデルを構築しています。
 交通機関分担モデルでは、所要時間、費用以外に、運行本数(平日日運行本数)を考慮しています。
 誘発※2の有無を考慮し、誘発ありの場合には生成量モデルでは訪問頻度の増加を考慮しています。
 福井県敦賀延伸後の鉄道のゾーン間所要時間は、NITAS(ナイタス)ver2.4※3を活用し状況を想定しています。
※1 近づきやすさやアクセスのしやすさのことであり、利用しやすさ、交通の便などの意味を含みます。
※2 新駅ができて便利になることにより、鉄道以外も含めた全体の交通移動量が増えることです。
※3 NITAS(ナイタス)ver2.4は、国土交通省が開発した総合交通分析システで、道路・鉄道・航空・船舶の各交通機関を組み合わせて総合的に
交通体系の分析を行うことができます。各種需要予測のモデル構築のための所要時間、料金のデータとして活用されています。
※4 Origin(オリジン):起点、出発点
H22全国幹線旅客純流動調査OD※4
Destination(ディスティネーション):終点、到着点
<モデル構築>
(将来ODの作成)
H35北陸新幹線開業敦賀延伸時OD
• 運行本数を考慮した全国幹線旅
客純流動調査データによりモデル
構築(RP*モデル)
鉄道ODの分割
鉄道
在
来
線
新
幹
線
高
速
バ
ス
新駅利用者
自
動
車
航
• H27アンケート調査による新駅利
用意向を活用した交通行動モデル
(SP *モデル)
RP/SP
統合モデル
空
*
RP (Revealed Preference )実際に人間の行動データ
をもとに推定する顕示選好
*
SP ( Stated Preference )アンケート調査において、
回答者の選好をたずねることで評価する表明選好
4
 「将来交通需要推計の改善について(中間とりまとめ)/国土交通省」に基づき構築しています。これは
四段階推計法に基づくモデルであり、生成量予測モデル等の各サブモデルから構成されています。
 選択率予測モデルの各サブモデルは階層構造を有するネスティッドロジットモデルを採用しています。
生成量予測モデル
どれだけの交通量
があるか
どこで発生・集中
するか
①生成
交通量
の予測
どこに訪問するか
②分布
交通量
の予測
(目的地・旅行先)
どの交通機関を利
用するか
どの経路(駅)を
利用するか
生成量
発生・集中量
アクセシビリティの向上に
よる生成量の増加を考慮す
るケースの評価も実施
ボリューム
予測モデル
旅行先選択モデルから
計算されるアクセシビリティ指標
旅行先選択
モデル
交通機関選択モデルから
計算されるアクセシビリティ指標
OD量
選択率
予測モデル
交通機関選択
モデル
③交通
機関別
交通量
の予測
交通機関別OD量
④経路
別交通
量の予
測
新幹線経路別
需要量 等
経路選択モデルから
計算されるアクセシビリティ指標
新幹線、在来線等
経路選択モデル
新駅と中央東線や新幹線長野
駅・上田駅との選択を考慮
【INPUT】
新幹線新駅の設置により、新駅周辺と他地域間の鉄道
を利用する場合の所要時間や運賃の変化を入力
【OUTPUT】
千曲市新駅需要量
※生成量と発生集中量は同時に予測。新駅設置に伴うアクセシビリティによる生成量の違い(誘発)を考慮するモデルと、生成量を固定した場合の予測を実施。
5
①生成交通量
生成量
生成交通量
発生・集中量
A→Bの鉄道
アクセシビリティ向上
生成交通量の増
分布量変化
加による発生集
(近くなったので
中量の増加
行きやすく)
新たな移動発生
②
①
①
④経路別交通量
交通機関選択
経路選択
② 分布交通量 ③交通機関別交通量
120
↓
150
Aゾ ーン
70
↓
110
③
②
Aゾ ーン
Aゾ ーン
70
↓
140
Bゾーン
Cゾ ーン
110
300トリップ→400( 100増加)
①
100
↓
90
②
増加
130
↓
200
Aゾ ーン
30
↓
35
Bゾーン
Bゾーン
③ V= a× コスト +b× 所要時間
(b<0)
増加
向上
③
20
↓
45
Bゾーン
ACC
利便性が向
上した経路
の交通量が
増加
Aゾ ーン
50
↓
80
Bゾーン
Cゾ ーン
利便性向上
による交通
量の増加
利便性向上に
よる目的地
(旅行先)の
増加
Vが上昇
向上
減少
※経路選択の場
合は、経路毎の
効用が最大にな
る経路を選択
P鉄道=
 各段階がモデルでつながっており整合的
選択
確率
上昇
6
 4つの段階毎のモデルを表現する変数を設定し構築しています。
モデル構築
の段階
説 明 変 数
①生成交通量
の予測
・生成交通量予測モデルを、移動目的別(仕事・観光など)に人口、GDP、ログサム指標
(目的地全体の魅力度指標)等により構築し、生成交通量を予測
②分布交通量
の予測
・旅行先選択モデルを、移動目的別に宿泊施設客室数、事業所数、ログサム指標
(ゾーン毎の交通手段の魅力度指標)等により構築し、分布交通量を予測
③機関別交通
量の予測
④経路別交通
量の予測
・交通機関選択モデルを、移動目的別に所要時間、費用、運行本数により構築し、
機関別交通量を予測
・運行本数は、以下の式により待ち時間として考慮
待ち時間=16時間(運行時間)÷本数÷2にて換算
・③の機関別交通量予測モデルを活用し、経路別の所要時間、費用により利用割合を
予測
・端末交通手段として、徒歩、在来線、自動車を想定。千曲市新駅利用時の自動車利用
については、沿線居住者は自家用車、県外居住者はタクシーによる移動を想定
7
■社会経済データ
項 目
出
典
人口
日本の地域別将来推計人口(平成25年3月)
(国立社会保障人口問題研究所)
GDPの伸び率
第13回経済財政諮問会議資料(平成28年7月26日)
客室数
宿泊旅行統計調査(国土交通省観光庁) (平成24年)
製造業事業所数
経済センサス-活動調査(総務省統計局)(平成24年)
■アクセシビリティデータ(所要時間、費用)
対 象
内
容
自動車
総合交通分析システムNITASver2.4(ナイタスバージョン2.4)による検索結果
鉄道
所要時間、運賃はNITASver2.4による検索結果
運行本数(平成28年7月時点)は時刻表より設定
端末交通のタクシー料金はNAVITIME(ルート検索)により設定
航空、高速バス
全国幹線旅客純流動調査(平成22年)により設定
8
■生成量予測モデル
重回帰モデルにより推計を実施
決定係数R2>0.5となっており、相関が高いモデルが推計
ログサム
人口(人)
GDP(百万円)
重相関係数 R
重決定係数 R2
仕事
私用
観光
パラメータ
t-値
パラメータ
t-値
パラメータ
t-値
8347.974
5.67 6677.362
3.71 6810.960
5.18
0.004
7.39
0.001
2.51
0.116
11.21
0.95
0.91
0.86
0.91
0.82
0.73
■旅行先選択モデル
尤度比ρ2>0.2となっており精度が確保
ログサム
製造業従業社数(百万社)
客室数(百万室)
L(0)
初期尤度
L(b)
最終尤度
2
尤度比
ρ
仕事
私用
観光
パラメータ
t-値
パラメータ
t-値
パラメータ
t-値
0.447
50.46
0.495
55.29
0.454
54.59
8.807
3.75
0.027
9.44
0.008
3.70
0.013
7.08
-9343.1
-9390.8
-9354.1
-7165.7
-6263.1
-6705.06
0.23
0.33
0.28
9
RPモデル 定数項
(純流動)
航空
バス
車
時間(60分)
費用(万円)
時間価値(円/分)
L(0)
L(b)
p^2
p-^2
仕事
私用
観光
パラ
t-値
パラ
t-値
パラ
t-値
-1.215
-14.60
-1.266
-8.53
-0.852
-5.64
-1.897
-25.13
-0.300
-3.35
-0.606
-5.47
-0.067
-2.81
1.164
31.96
1.620
39.42
-0.873
-60.32
-0.809
-38.19
-0.821
-35.38
-1.694
-24.38
-2.216
-19.82
-1.578
-13.64
85.9
60.8
86.7
-20128.1
-10863.0
-11922.7
-10913.8
-4563.4
-3749.7
0.46
0.58
0.69
0.46
0.58
0.69
通勤
■交通機関選択モデル、経路選択モデル
 全国幹線旅客純流動調査のRPデータと、H27調査時に実施した利用者アンケートデータ(SPデータ)を活用
した RP/SP統合モデルを構築
SPモデル スケール
0.362
14.28
0.594
16.03
0.903
12.12
(アンケート) 定数項
バス
-3.960
-11.79
0.287
2.46
0.953
9.79
 新駅設置による利用意向の影響を把握するため、アンケート結果を活用したSPモデル、運行本数データを
車
-3.120
-11.64
0.470
8.23
0.827
22.17
時間(60分)
-0.719
-19.71
-0.996
-23.21
-0.830
-24.57
考慮したモデルを推計するためRPモデル双方を考慮
費用(万円)
P&R費用(万円)
東京方面ダミー
時間価値(円/分)
L(0)
L(b)
p^2
p-^2
-5.492
-23.06
-4.160
-16.20
-1.845
-9.79
-30.359
-19.68 -23.784
-19.64 -19.794
-21.05
2.284
25.27
1.881
22.60
1.324
18.86
30.2
29.2
15.5
-6545.0
-11569.9
-14710.1
-5234.8
-11463.4
仕事-9129.6
私用
0.20 パラメータ
0.21
t-値
パラメータ0.22 t-値
0.20
0.21
0.22
 説明変数等を取捨選択しトライアルした結果、以下のモデルが推計され、モデルの精度を示すρ2値、t値も
精度上問題ない値となっている
RP/SP
RP/SP
スケール
スケール
1
20.411
1
(ログサム)
2
0.389
0.411
15.03
0.389 0.911 17.26
15.03
26.50
17.26
0.568
17.22
0.911
0.568
0.772
0.367
観光
パラメータ
t-値
26.50
0.772
24.75
17.22
0.367
17.78
24.75
17.78
定数項
-1.077
-13.41
-1.124
-8.20
(ログサム) 航空
定数項
航空
-8.20 0.330
-0.475
-3.70
バス-1.077 -13.41
-1.687-1.124-24.37
3.80
バス
-0.054
-0.50
車 -1.687 -24.37
-0.090 0.330 -3.873.80 1.010
31.56
車
-0.090
-3.87
31.56 -0.926
1.578
43.97
時間(60分)
-0.894 1.010-63.00
-49.13
時間(60分)
-0.894
-63.00
-0.926
-49.13
-0.927
-42.97
費用(万円)
-1.910-2.773-27.96
-2.773
-26.36
費用(万円)
-1.910
-27.96
-26.36
-2.335
-24.19
P&R費用(万円)
-58.930
-12.59
-23.240
-17.15
P&R費用(万円)
-58.930
-12.59 -23.240
-17.15 -23.615
-18.09
東京方面ダミー 3.876
3.876 1.847 12.95
22.51
東京方面ダミー
12.95
22.51 1.847
1.955
18.71
時間価値(円/分)
78.0
66.2
時間価値(円/分)
78.0 55.7
55.7
L(0) L(0)
-26673.1
-22432.9
-26632.8
初期尤度
-26673.1
-22432.9
L(b) L(b)
-16520.3
-13978.0
-15503.8
最終尤度
-16520.3
-13978.0
p^2
0.38
0.38
0.42
2
尤度比 0.38
0.38 0.38
0.38
p-^2 ρ
0.42
-0.475
-3.70
-0.054
-0.50
1.578
43.97
-0.927
-42.97
-2.335
-24.19
-23.615
-18.09
1.955
18.71
66.2
-26632.8
-15503.8
0.42
※スケール1:RP1に対するSPの誤差分散
※スケール2:SPの鉄道経路選択に対する代表交通手段選択の誤差分散
ρ2値(尤度比)は、決定係数と同様0~1までの値をとり、1 に近いほどモデルの適合度が良いことを示すし指標である。しかし、
回帰分析に用いる相関係数とは異なり、ρ2値が0.2~0.4のときには十分高い適合度をもつと判断してよい。
出典:非集計行動モデルの理論と実際,土木学会(P51)
※t値は絶対値1.96以上で95%以上有意で説明力を持つことを意味する。なお、観光モデルの定数項が-0.5と絶対値1.96を下
回っているが、定数項は説明変数では表せなかった効用のうち、全個人で共有する値のことであり、t値の大きさは問われない。
10
 今回予測を行った誘発なしと誘発ありケースの需要の内訳は以下のとおりです。
対象ゾーンの
発生集中交通量
STEP1
STEP2
STEP3
交通機関別交通量の
変化考慮
分布交通量の変化考慮
生成交通量の変化考慮
千曲エリアが
便利になるこ
とでの目的地
変更
自動車
自動車
新駅設置によ
り交通手段選
択割合が変化
鉄道
鉄道
新
駅
な
し
新
駅
あ
り
誘発
目的地
変更
目的地
変更
自動車
自動車
鉄道
鉄道
誘新
発駅
なあ
しり
誘新
発駅
ああ
りり
千曲エリ
アが便利
になるこ
とでの新
規訪問や
訪問回数
の増加分
11
 需要予測の結果、千曲新駅需要は1日当たり約2,500~2,800人と予測されました。
 そのうち、誘発考慮により生成交通量は1日当たり約200~300人の増加です。
(乗降客数/日)
高速バス
からの
転換量
乗用車
からの
転換量
目的
地の
変更
計
運行本数
25本
25
84
41
150
1,768
359
272
2,549
277
2,826
運行本数
20本
24
81
36
141
1,768
359
272
2,540
235
2,775
運行本数
15本
23
77
35
135
1,739
324
272
2,470
203
2,673
項 目
新幹線
上田駅
からの
転換量
在来特
急から
の転換
量
千曲市
新駅需要
生成
交通
量の
増加
新幹線
長野駅
からの
転換量
(誘発なし)
千曲市
新駅需要
(誘発あり)
12
 需要予測の結果をもとに、誘発を考慮した場合の新駅設置による対象ゾーンの
交流人口増加を試算(鉄道以外の交通機関の誘発も含めた量)しました。
 対象ゾーンへの交流人口増加効果として、1日当たり約1,200~1,600トリップ※、
人数ベース(トリップ数の半分)で見ると約816~590人の効果が見込まれます。
 今回構築したモデルの特徴として、誘発の考慮により、千曲市新駅利用以外の
交通手段の誘発量も発生し、長野県全体の交流人口が増加することとなります。
(トリップ/日)
項
目
対象地域における交流人口の変化
運行本数25本(誘発あり)
1,631
運行本数20本(誘発あり)
1,378
運行本数15本(誘発あり)
1,179
※トリップとは、ある目的(例えば、出勤や旅行など)を持って起点から終点へ移動する際の、一方向の移動を表す概念であり、
同時にその移動を定量的に表現する際の単位です。
13
 需要予測結果をもとに、パーク&ライド駐車場(P&R)利用者を推計しました。
 人数ベース(乗降者数の半分)でみると、1日当たり約800~1,000人の利用が見込
まれます。
(乗降客数/日)
項
P&R利用の
乗降客数
目
誘発なし
1,670
誘発あり
1,883
誘発なし
1,667
誘発あり
1,845
誘発なし
1,630
誘発あり
1,907
運行本数25本
運行本数20本
運行本数15本
※P&R利用は、県民の新駅に向かうまでの在来線と自動車利用を想定し、効用の大きさで按分して推計
(県外居住者の利用は想定していない)
<参考>長野駅のP&R駐車場は383台、上田駅は550台が設置されている
http://www.pref.nagano.lg.jp/kotsu/kurashi/kotsu/bus/otoku/park-and-ride.html
14

経済波及効果の算定内容
①県外からの来訪者増加による効果
⇒新幹線新駅設置により、増加が見込まれる県外からの来訪者
について、長野県内での消費の増加による経済波及効果。
(需要予測の来訪者増をもとに算定)
②新駅設置を契機とした人口定着効果
⇒新幹線新駅設置により、それを契機として人口定着が見込まれ、
その人口増に伴う長野県内での消費の増加による経済波及効果。
●経済波及効果は「平成23年長野県産業連関表」をもとに算定
⇒経済波及効果は、長野県全体の効果として試算
●長野県の社会経済状況は、将来にわたって変わらないものとします
⇒社会経済状況は、新幹線新駅開業後も現状と変わらないとして試算
15
●経済波及効果、粗付加価値(GDP)の増加、税収効果を算定
【経済波及効果のイメージ】
①+②+③=経済波及効果 約●億円/年
観光消費額(H27長野県)
(観光)日帰り 11,817円/人 宿泊 30,137円/人
(仕事)日帰り 4,450円/人 宿泊 25,557円/人
①直接効果
直接的な生産額の増加効果
約●億円/年
新規需要
約●人/日増加
本調査需要予測結果より
②1次生産波及効果
③2次生産波及効果
資材・原材料の他産業へ
の波及効果
雇用者所得が消費にま
わることでの波及効果
約●億円/年
約●億円/年
対事業所サービス
・
商業・宿泊業等の対個人
サービス・交通費
不動産業
金融業
・
・
飲食業
利益のうち、消
費に回る金額
商業
・
・
・
企業の利益
(粗付加価値)
間接税割合
雇用の創出 約●●人
税収効果
約●億円/年
税収割合の設定


長野県の県内総生産に占める市税の割合約4%※を用いました。
※長野県全体の市町村における地方税収割合を用いて設定
市町村地方税収2,935億円/県内総生産(粗付加価値額)7兆7928億≒0.04(平成23年度実績)
16
①県外からの来訪者増加による効果
平日の運行本数25本、20本、15本の3ケースにおける来訪者増加による効果を算定
【運行本数25本ケースにおける効果の計算例】
■観光消費額の設定
※四捨五入の関係で合計が一致しない箇所がある
運行本数25本の場合、交流人口増加量は816人/日
県外来訪者割合を全国幹線旅客純流動調査(H22)の
トリップ構成比(県外61%、県内39%)を活用すると、県
外来訪者の増加は497人/日(816×61%=497)
共通基準による観光入込客統計【年間値:平成27年】
の観光、ビジネス利用比率と、日帰り・宿泊単価を用い
ると、県外来訪者の消費増加は以下のとおり
県外来訪者数の増加量内訳の設定
(497人/日の内訳)
宿泊
観光
ビジネス
共通基準※による観光入込客統計【年間値:平成27年】
①観光入込客数(千人回)
都道府県
宿泊
日帰り
宿泊
県内
日帰り
宿泊
③観光消費額(百万円)
県外
日帰り
宿泊
県内
日帰り
宿泊
県外
日帰り
宿泊
日帰り
1,869
8,546
8,880
18,542
20,447
8,108
30,137
11,817
38,213
69,292
267,609
219,111
ビジネス
1,116
173
3,980
586
17,219
3,088
25,557
4,450
19,220
534
101,710
2,609
※平成21年12月に国土交通省観光庁が策定(平成25年3月改定)した「観光入込客統計に関する共通基準」に基づく統計
百万円/年
観光消費額
宿泊
日帰り
288
9
②観光消費額単価(円/人回)
県外
観光
人/日
138
62
県内
×観光消費額
×365日
観光
ビジネス
計
1,518
578
2,096
日帰り
1,242
15
1,257
合計
2,760
593
3,353
 旅行・観光消費動向調査(観光庁)「2015年1~12月期(確報)」集計表より、宿泊日帰り別の消費内訳を設定し、費目別の観光消費額を算定。
旅行消費額は購入者価格のため、生産者価格に変換するため、対個人サービスについては、商業マージン率(0.0000232)、運輸マージン率
(0.0000042)を除いた額に変換し、産業連関表に投入
品目旅行消費額( 国内旅行)内訳構成比
【旅行・観光消費動向調査(観光庁)】
宿泊旅行
交通費
宿泊費
飲食費
土産・買物代
入場料・娯楽費・その他
39.80%
21.70%
15.77%
16.78%
5.95%
品目別観光消費額(購入者価格) 百万円
日帰り旅行
51.58%
14.21%
24.26%
9.95%
交通費
宿泊費
飲食費
土産・買物代
入場料・娯楽費・その他
計
宿泊
日帰り
834
648
455 331
179
352
305
125
125
2,096
1,257
産業連関表の投入部門
運輸 対個人サービス
対個人サービス
商業 対個人サービス
産業別観光消費額(生産者価格) 百万円
対個人サービス
商業 運輸 合計
1,214
657
1,483
3,353
17
■県外からの来訪者増加による経済波及効果
 産業別の観光消費額を平成23年長野県産業連関表に投入すると、経済波及効果約38億円/年、
粗付加価値誘発額約22億円/年、税収効果約0.9億円/年と算定されました。
部門名
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
農林水産業 鉱業
飲食料品 繊維製品 パルプ・紙・木製品
化学製品 石油・石炭製品 プラスチック・ゴム
窯業・土石製品 鉄鋼 非鉄金属 金属製品 はん用機械
生産用機械
業務用機械
電子部品
電気機械 情報・通信機器
輸送機械 その他の製造工業製品
建設 電力・ガス・熱供給
水道
廃棄物処理
商業 金融・保険 不動産 運輸・郵便 情報通信
公務 教育・研究 医療・福祉
その他の非営利団体サービス
対事業所サービス
対個人サービス
事務用品
分類不明
計
初期投 生産誘発額
資額 直接 第1次 第2次 合計
657
447
1,483
869
1,214
986
3,353 2,302
26
1
73
0
10
2
6
4
2
0
0
3
1
1
1
0
2
1
3
8
43
46
27
22
623
87
220
980
101
5
29
46
26
272
1,085
2
8
百万円/年
粗付加価値誘発額
直接 第1次 第2次 合計
17
1
45
0
8
1
5
3
1
0
0
2
1
1
1
0
0
0
2
5
31
33
20
19
93
38
54
82
61
1
7
0
5
219
1
1
5
9
0
27
0
2
1
1
1
0
0
0
1
0
0
0
0
1
1
2
3
12
14
8
3
83
49
167
30
40
4
22
45
20
52
97
1
3
764
702 3,768 1,286
305
447
535
9
0
16
0
3
0
1
1
1
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
2
14
7
9
14
63
25
44
42
31
1
5
0
3
135
1
0
2
5
0
10
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
6
3
4
2
57
32
138
15
21
3
16
27
12
32
53
0
1
14
0
26
0
3
1
1
1
1
0
0
1
0
0
0
0
0
0
1
3
19
10
13
16
424
57
182
504
52
4
22
28
15
167
588
0
3
433
441 2,159
①+②+③=経済波及効果 約38億円/年
観光消費額(H27長野県)
(観光)
日帰り 11,817円/人
宿泊 30,137円/人
(仕事)
日帰り 4,450円/人
宿泊 25,557円/人
①直接効果
直接的な生産額の増加効果
約34億円/年
23
②1次生産波及効果
③2次生産波及効果
資材・原材料の他産業へ
の波及効果
雇用者所得が消費にま
わることでの波及効果
約8億円/年
約7億円/年
対事業所サービス
・
県外からの新規需要
約497人/日増加
商業・宿泊業等の対個人
サービス・交通費
本調査需要予測結果等より
不動産業
金融業
・
・
飲食業
利益のうち、消
費に回る金額
粗付加価値誘発額22億円
商業
・
・
・
企業の利益
市町村税割合
税収効果
約0.9億円/年
項 目
運行本数25本
インパクト
497人/日
県外来訪者増
経済波及
効果
粗付加価
値誘発額
(億円/年)
(億円/年)
38億円
22億円
税収効果
(億円/年)
0.9億円
18
②新駅設置を契機とした人口定着効果
■人口定着量の設定方法
 平成25年2月に策定した「新幹線新駅を活かしたまちづくり基本構想(案)」では、人口定着による効果の
算定に、長野新幹線開業(H9.10.1)による人口増のインパクトが小さい長野市の0.4%増を用いて算定し
ましたが、本調査では効果が中程度である上田市の1.7%増、効果が大きい佐久市の4.2%増も加えて、
3つのケースによる効果を算定しました。
<北陸新幹線沿線自治体の人口増加率>
項目
平成7年度
平成12年度
増加率(H12/H7比)
長野市
358,516人
360,112人
0.4%
上田市
123,284人
125,368人
1.7%
佐久市
64,206人
66,875人
4.2%
長野県
2,193,984人
2,215,168人
1.0%
出典:国勢調査
19
■新駅設置に伴う人口定着効果
【長野市並みの人口定着(0.4%増)想定ケースの計算例】
 新駅設置に伴う人口定着により人口の0.4%増加を想定すると、240人の増加(千曲市の人口60,105人
〔H28.10.1時点〕×0.004)となり、世帯数に換算すると約90世帯(22,379世帯/60,105人〔H28.10.1時点〕×240)
の増加が見込まれます。
 1世帯あたりの実収入は558,569円/月、実支出は439,507円 /月(H27家計調査【長野市の値】)であり、
世帯増に伴い年間で4.7億円の消費の増加が見込まれ、消費支出割合及び県内自給率を乗じると、
3.4億円/年(直接効果)となります。
 直接効果をもとにした新駅設置に伴う人口定着による経済波及効果は約5.2億円/年、粗付加価値
誘発額は約3.3億円/年、税収効果約1千万円/年(329百万円×0.04)と算定されました。
項 目
長野市並み
人口定着率
経済波及効果
(定着数)
(億円/年)
粗付加価
値誘発額
5.2億円
3.3億円
0.4%
(90世帯増)
(億円/年)
税収効果
(億円/年)
0.1億円
20
 ①県外からの来訪者増加による効果では、1日当たり約360~500人増加することで、約27~38億円
の経済波及効果が見込まれ、税収効果は約6~9千万円となりました。
 ②新駅設置を契機とした人口定着効果では、約90~940世帯増加することで、約5~55億円の経済
波及効果が見込まれ、税収効果は約0.1~1.4億円となりました。
 ①②を合わせた経済波及効果は約32~93億円、税収効果は約7千万円~2.3億円となりました。
項 目
①
県外から
の来訪者
増加によ
る効果
②
新駅設置
を契機と
した人口
定着効果
運行本数15本
運行本数20本
運行本数25本
インパクト
360/日
県外来訪者増
420人/日
県外来訪者増
497人/日
県外来訪者増
(億円/年)
粗付加価
値誘発額
27億円
16億円
0.6億円
32億円
18億円
0.7億円
38億円
22億円
0.9億円
経済波及効果
(億円/年)
税収効果
(億円/年)
長野市並み
0.4%人口増
(90世帯増)
5.2億円
3.3億円
0.1億円
上田市並み
1.7%人口増
(380世帯増)
22億円
14億円
0.6億円
佐久市並み
4.2%人口増
(940世帯増)
55億円
34億円
1.4億円
21
国の需要予測方法と整合したアクセシビリティを考慮した四段階推計モデルを構築し、
各段階毎に精度の高いモデルが推計されたことから、過去の利用者の傾向やアンケート
による利用意向が適切に反映され、客観的に説明できるものとなっています。
今回予測された利用者数は約2,500~2,800人ですが、他の新幹線駅の実績値と比較する
と、千曲市新駅よりも人口集積の低い駅と同程度であることからも、固めの予測である
と考えられます。
千曲市は、北陸新幹線・上信越自動車道・長野自動車道・国道18号・JR篠ノ井線・
しなの鉄道など、県内の主要な交通網が集中している広域交通の要衝であり、新幹線新
駅整備により広域交流拠点都市としてのゲートウェイ機能を有することになります。
新駅想定位置の立地特性からは、高速道路との連携により広域的な自動車アクセスが可
能となり、中南信方面も含めた県内の広範囲の地域が、首都圏や北陸方面への移動利便
性向上効果を享受することになります。
新幹線新駅整備と合わせて、広域交通ネットワークの連携強化や、広域的な産業・観光
等の機能強化によるまちづくりの推進により、本予測結果を上回る新幹線需要が十分に
期待できます。広域交流の拡大は、長野市・千曲市近郊地域のみならず、県内の多くの
地域に波及効果をもたらし、長野県の発展に寄与するものと考えます。
22