ルクセンブルク大公国 政治・社会情勢(2016年11月) <ポイント> 【内政】 ●国民議会は,今後実施される選挙で最小女性候補者数を義務づける法案を採択。右義務を尊重しない政党 は,国の補助金が段階的に削減される。2023 年の国政選挙から適用される見通し。 ●2018年1月1日より,カップル(婚姻及び PACS)に対して,個別の納税の選択肢が提供される予定。 【外政】 ●ベッテル首相がシンガポールを訪問し,二国間首脳会談を行うと共に,両国の研究機関における協力合意 の署名を行った。 【社会・大公宮】 ●ステファニー皇太子妃殿下が第56回国際バザーに参加された際,日本の出展ブースを訪れた。 1 内政 7日 政府が議会に提出した税制改革法案によれば,2018年1月1日より,婚姻カップル及び民事連帯契約 (PACS)カップルに対して,個別の納税の選択肢が提供される(該当者は2017年12月までに選択肢 を選択) 。 11日 国民議会の憲法委員会は,当国における非常事態宣言の規定に関する憲法の部分改革に同意し,ドラフト が国家諮問院へと提出された。同改正案は,2017年夏には国民議会に提出され投票が行われる予定。 14日 269人の難民が亡命申請を提出し,102人が認定された。今年に入ってからの合計は1,690人。 主な申請者は欧州諸国(セルビア,アルバニア,コソボ),アフリカ諸国(エリトリア,モロッコ,チュニ ジア),アジア諸国(シリア,ジョージア,イラン) 。 ルクセンブルク語を第一公用化する請願に関し,14,721の署名が提出された。公開討論は2017 年1月に予定。 16日 10ヶ月後に,初期言語教育が育児セクターに導入される予定。現在は,ルクセンブルク語と仏語を話す 各人形を使用した教育が試験的に実施されている。 年末までに議員らは,裕福な第三国の市民に在住許可証を与えるドラフトに投票する予定。 昨年7月に洪水被害を受けた当国の47世帯に対して719,000ユーロ,企業に261,000ユー ロ,農家に69,000ユーロ,被害を被った公共施設の修繕に 24日 1,7百万ユーロが支払われた。 国民議会は,今後実施される選挙で最小女性候補者数を義務づける法案を採択。国政選挙では4割(60 人中24人),欧州選挙では5割(6人中3人)となる。右義務を尊重しない政党は,国の補助金が段階的 に削減される。2018年国政選挙での完全適用は難しいため,2023年から適用される見通し。 25日 キリスト教社会党(LSAP)は,もっと多くの女性が公共政治へ参加するようキャンペーンを開催。 国民議会は,社会連帯セクターに新たなタイプの企業を創設する法案を採択。 2 外交・EU 3日 シュナイダー協力・人道支援大臣は,当国を訪問したオショティメイン国連人口基金(UNFPA)事務局長 と会談し,青年の健康と人権に係る複数年計画に関する協定に署名した。 7日 シュナイダー国防大臣は,LuxGovSat(SES とルク政府の合弁会社)と長期契約署名を行い,無人航空機 による地上監視(AGS)プログラムの枠組みで,NATO とコミュニケーション・サテライトで協力。 10日 ベッテル首相は,ポルトガルのリスボンで開催されたウェブ・サミットに参加し,コスタ首相と欧州政策に ついて協議を行った。 14日 ベッテル首相は,タイのバンコクで開催された国際電気通信連合(UIT)の世界会議に参加し,デジタル経 済と官民連携の重要性を主張した。 アセルボーン外相は,ブリュッセルで開催された EU 外務理事会に参加し,主にトルコの現状に関し協議。 また,同時にベネルクス3国とバルト3国の外相らとも会談を行った。 シュナイダー協力・人道支援大臣はセネガルを訪問し,2012-2016年協力プログラムを2017年 終わりまで延長する旨同意。 14~19日 ディシュブール環境大臣は,モロッコのマラケシュで開催された第22回国連気候変動枠組条約締約 国会議(CCNUCC)に参加し,パリ協定の実施と資金調達に関する決定を採択した。 15日 ベッテル首相がシンガポールを訪問し,二国間首脳会談を行うと共に,両国の研究機関における協力合意の 署名を行った。 アセルボーン外相は,当国を訪問したレバノンのバッシル外相と二国間外相会談を行い,中東情勢に関して 協議した。 17日 シュナイダー協力・人道支援大臣は,当国を訪問したクリバリ・ブルキナファソ教育大臣と会談。 18日 アセルボーン外相は,ブリュッセルで欧州理事会・タスク議長からの招待で,EU法務内務理事会の非公式 ディナーに参加し,難民政策について協議した。 18~20日 アセルボーン外相は,アラブ首長国連邦のアブダッラー外相の招待で,「シルバニヤスフォーラム」 に参加し,紛争解決のための国際コミュニティの相互努力を目的とした協議を行った。首脳会談では,アブ ダッラー外相が,2020年に建国50周年を記念して開催されるドバイ国際博覧会にルクセンブルクが参 加することに感謝を示した。 22~24日 アセルボーン外相は,マダガスカルで開催されたフランコフォニー国際機関(OIF)の第16回サミ ットに参加した。約60の仏語圏諸国が,政治,治安,経済状況に関して協議した。 23~24日 オリガ露副首相がルクセンブルクに来訪し,ベッテル首相との会談,アンリ大公殿下とのマリインス キー劇場オーケストラのコンサート鑑賞,国立歴史美術館,ルクセンブルク大学訪問等を行った。 27~29日 当国にてアフリカ開発基金の第14回増資会合が開催され,グラメーニャ財務相が開催スピーチを行 った。 29日 アセルボーン外相は,キューバを訪問し死去したフィデル・カストロ元議長の葬儀に参加した。また,パ リージャ外相との会談では,国交回復した米国との関係についてトランプ政権との展望も協議された。 3 社会・大公宮 20日 マリア・テレザ大公妃殿下は,自身が後援者となっているルクセンブルク赤十字のバザーに出席した。売 上金は,ルクセンブルクのホームレスや世界の難民に寄付される。 26日 マリア・テレザ大公妃殿下とステファニー皇太子妃殿下が第56回国際バザーに参加し,各展示ブースを 訪れた。売上金は女性や子どもに焦点を当てられたプロジェクトに寄付される。
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