内航船員の確保・育成対策 今年度は第5回目、大阪市立

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RELEASE
国土交通省 近畿運輸局
問い合わせ先
(所属)
海事振興部船員労政課
(担当)
山岡、寺田
(電話)
06-6949-6435
平成29年2月17日
内航船員の確保・育成対策
今年度は第5回目、大阪市立春日出中学校にて
初の出前講座を実施しました!
内航海運は、日本経済を支える重要な産業です。これを支える内航船員は、業界
全体として若返りの兆しが見られるものの、いまだ約半数が50歳以上となるなど高
齢化は著しく、大量離職に伴う担い手不足が生じないように十分な数の若年船員の確
保が必要とされています。
これを受け、国土交通省では、内航船員の確保育成施策を推進しており、近畿運
輸局においては、中長期的視点に立った取り組みの一環として、近畿管内の各中学校
を対象に出前講座を実施しています。
今般、平成29年2月10日(金)に大阪市立春日出中学校において、出前講座
を実施しましたので、お知らせいたします。
実施日:平成29年2月10日(金)
対象中学校:大阪市立春日出中学校
大阪市此花区春日出南1-2-8
対象者:1年生15名
講師:近畿内航船員対策協議会
会長
上窪
良和
氏
講義内容:海運の重要性と船員の仕事について
配布パンフレット等:
・「What is 内航海運?」(日本内航海運組合総連合会)
・「これが内航海運だ!」(
〃
)
・「船ってサイコー!」(一般社団法人日本船主協会)
・「内航船の船乗りになろう!~現職船員からの応援メッセージ~」
(国土交通省)
配布先:海運関係業界プレス
今年度、第5回目の出前講座を実施
【大阪市立春日出中学校で初の出前講座を実施いたしました】
近畿運輸局及び近畿内航船員対策協議会(会長:上窪良和
田渕海運(株)顧問)では、内航
の若年船員不足に対する施策の一つとして、海運の重要性や船員の仕事の魅力をPRし、船員
の仕事を将来の職業の選択肢として捉えてもらうことなどを目的に「出前講座」を実施してい
ます。
今般、平成29年2月10日(金)、大阪市立春日出中学校において出前講座を実施しまし
た。今年度5回目の出前講座で同校では初めての実施となります。
当日の出前講座は同校の「職業講話聞き取り学習」の一環として実施し、「海運の重要性と
船員の仕事について」の講話には1年生15名が参加しました。なお、その他にも全国展開の
外食企業や金融機関など全部で7つの講話が実施されていました。
上窪会長が講師として、まず、物流について、物資をある場所から必要とするところへ運ぶ
ことにより価値を高める産業であるとわかりやすく説明、その方法には陸運、空運、海運があ
ることを挙げて、その中でも海運は、日本の貿易量の99.7%を運んでおり、資源が少なく
輸入に依存している日本において、安定的な経済活動と日常生活を支える非常に重要な役割を
担っていることを説明しました。
より理解を促すため、輸入の主要6品目をクイズ形
式で出題すると、生徒は積極的に手を上げて回答し、講
師からその物資が使われている身の回りのものを例とし
て挙げると、それをノートに書き留めていました。
次に、船の特徴として大量に物資が運べることを、
生徒へ配付していた資料、(一社)日本船主協会発行の
「船ってサイコー!」に掲載されている大型石油タンカ
ー(VLCC)を示しながら紹介し、そのデッキの大き
さはサッカーのフィールドが3面並ぶほどになり、デッ
キの移動は自転車をこいで移動すると話すと生徒も船の大きさを実感した様子でした。
また、クイズで出題された年間2億トン近くある石油の輸入について、前述の大型石油タン
カー(載貨重量30万トン)を基にすると、日本へ毎日2隻入港しないと運べない量となるこ
とや、講師が実際に航海を行った航路を例に挙げて、船舶の速度を時速30km、飛行機を時
速900kmとすると、飛行機で10時間かかる距離は、船舶では13日程度かかる計算にな
ることなど、自らの経験を交えつつ、具体的な例を
挙げながら生徒にわかりやすく説明しました。
また、このような船の特徴により、船員にとっ
ては、何日も船に乗ったままになり、その結果、仕
事と生活が同じ場所になる「職住同一」という特徴
があること、その期間は、外航では、8ヶ月乗船し
4ヶ月休み、内航では3ヶ月乗船1ヶ月休み、とい
ったサイクルで働いていることも説明しました。
生徒達は講師の話に熱心に耳を傾け、普段目にす
ることのない船により石油などの産業基礎物資が輸入され、日常生活に役立っていることを認
識し、海運の重要性について理解を深めているように見受けられました。
講話後には、「この仕事を選んだきっかけ」や「どのような人がこの仕事に向いているか」
といった質問があり、講師から、自身の性格に合っていることや仕事に集中して取り組むこと
など、生徒にわかりやすく丁寧に回答し、講話は終了しました。
出前講座が生徒の職業観の形成につながることを期待するとともに、将来の職業選択にあた
り「船員」の仕事が選択肢の一つとなるよう、「海運の重要性」や「船員の仕事」についての
PR活動を引き続き積極的に行いたいと考えています。
(近畿運輸局
海事振興部
船員労政課)