ひよこのみずあび 平 成 29 年 2 月 発 行 №47 足立区障がい福祉センター 幼 児 発 達 支 援 室 33 今回のひよこのみずあびは、「支援をつなぐ」につい て一緒に考えてみたいと思います。 裏面では、多くよせられる質問の中から、いくつかの 対応方法をご紹介します。 <支援をつなぐ-4月からの新生活に向けて-> 子育てをしてきた中でご家族が気づいたお子さんの個性やくせは、進級や入園・入学な ど次のステージに移る時に、とても貴重な情報になります。例えば「指しゃぶりが始まっ たら眠くなったサインです」「初めての場面では緊張してしまいがちです」「声をかけても らえると活動に参加しやすくなります」などの情報は、初めてお子さんと会う先生にとっ てはとてもありがたい情報です。 面談や就学支援シート(チューリップシート)などを活用し、お子さ んの得意なこと・苦手なことを伝えていきましょう。先生が関わるとき のヒントとなり、そうすることでお子さんが困ることを減らせるでしょ う。『こんなことを伝えたら先生を身構えさせてしまうかも…』などと 心配する必要はありません。短い言葉でよいので、ぜひお話してくださ い。 そのときには、お子さんの得意なことも伝えてください。例えば、 「落ち着きがないんで す・・」と伝えるよりも「お絵かきが大好きです。ソワソワしていたら遊びに誘ってくだ さい」「体を動かすことが得意です。『あと○分したらお外で遊べるよ』と見通しを伝えて いただければ落ち着いて待つことができます。」など、ちょっとしたことでよいのです。 そうすることで、先生が安心してお子さんと関わることができ、楽 しく参加できる活動が用意されます。そして「できた」という満足感 が得られ「ほめられた」という体験ができます。その積み重ねで自尊 心が育ちます。 子どもの育ちを通し上手に自尊心を育てていくことで、新しい課題 に対しても『難しいからできない(やらない)』から『難しいけどチャ レンジしてみよう(やってみよう)』に変わることができます。 自信をつけていくことが笑顔を増やすことにもつながります。お子さんが笑顔で楽しく 生活するためにも「支援をつなぐ」ことを試みてください。 機関紙『ひよこのみずあび』は 足立区役所ホームページ(http://www.city.adachi.tokyo.jp/) 施設案内→福祉関連施設→幼児発達支援室ひよこ(障がい福祉センター あしすと通所事業)にアクセスすると掲載されています。 幼児発達支援室に多くよせられる質問の中から、いくつかの対応方法をご紹介します。 ●欲しい物を買ってもらえないと泣きさけぶなど、思い通りにならないと大声でさわいでしまい ます。どう対応したらよいでしょうか? ・子どもは自分の感情をコントロールする力や、自分の思いを言葉で伝える力の育ちに幼さがみられます。 そのため大声で泣きさけぶなどのはげしい方法で気持ちが表現されます。子どもが欲しい物の前で大声でさ わぎ始めると、周囲の目が気になり大人が根負けしてしまうこともあるでしょう。このとき、子どもの言う 通りに欲しい物を買い与えてしまうと「大声でさわぐと言うことを聞いてもらえる」と学習してしまうこと もあるので注意が必要です。 ①買い物に行く前に子どもと約束をする 買い物へ出かける前に「今日は○○と△△を買います」、 「□□(お菓子やおもちゃ)は 買いません」などと約束をします。約束は途中で変更しないようにしましょう。お店では 「次は○○を買うよ」とこれからの行動を先に伝えることも一つの方法です。子どもが約 束を守ることができたときには、しっかりとほめてあげましょう。 ②その場を離れ、場面を変える 約束を守ることが難しく、泣きさけんでしまう場合には子どもを連れてその場から離れ、お店を出るか静 かな場所へ移動しましょう。この時、大人は過度な声かけや叱ることはせず、落ち着いて対応することが大 切です。 ●ふざけてコップのお茶をひっくり返すなどのイタズラを繰り返します。止めようとすると面白 がって、さらにイタズラをしてしまいます。どう対応したらよいでしょうか? ①イタズラを楽しんでいる場合 コップを持つ手をおさえて真顔で淡々と「いけない」と伝えます。こぼしたお茶は子どもに拭かせます。 こぼしたお茶をきれいに拭き取ることができたら、きれいになった部分を指さしながら子 どもを大いにほめます。 ②大人の注目をひきたい場合 ①のように、してはいけないことを淡々と伝えます。危険が伴う場合を除き、大人の注 目を引くために繰り返されるイタズラに対しては、あえて声をかけないようにしましょう。 毎回イタズラに反応をしていると「イタズラをすると大人にかまってもらえる(遊んでも らえる)」と思い、さらに繰り返されてしまいます。大人は家事など日常の動作をしながら、なるべく子ど もと目を合わせないようにしましょう。ただし、意識は子どもに向けておきます。子どもがイタズラをやめ たら後片付けをするように声をかけ、できたらきれいになった部分を指さしながら子どもを大いにほめまし ょう。子どもにとっては遊びの一部になっているかもしれません。すぐにイタズラはおさまらないかもしれ ませんが、焦らずに時間をかけて対応していきましょう。イタズラをやめたときに子どもの興味のある遊び に誘ってみるのも効果的かもしれません。
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