演習問題4 開ループ伝達関数が で与えられるとき、 ① 単位ランプ入力に対する定常偏差(定常速 度偏差)を0.1以内にする ② 位相余裕PM=35°以上にする 位相遅れ補償器を設計する 補償要素 Gc(s) +− 制御対象Gp(s) Gc(s) 1 演習問題4 • K = 1 のときのボード゙線図 2 演習問題4 • 開ループ伝達関数の積分の次数は1 • 1形の制御系の定常速度偏差は K≥10 (r) (i) • K=40と定めたときのボード線図を描く 3 演習問題4 • K=40のときのボード線図は以下のよう • 仕様②を満たすために,ゲイン交差周波数 wcを、Fig.2のボード線図において位相が約 −145°程度ある0.8 (e) [rad/sec]に設定する. 4 演習問題4 • このときのゲインがボード線図から約 20 (h)[dB]と読み取れるので,位相遅れ 補償器により高周波領域でのゲインを 20[dB]下げ,ゲインを0[dB]にする. 5 演習問題4 • 位相遅れ補償器の周波数伝達関数G(jw) から高周波領域でのゲインはa (l)である ので,20log a = −20と定める. 6 演習問題4 • 位相遅れ補償器の伝達関数G(s) におけ る位相進み要素の折れ点周波数は, (o)である.ゲイン交差周波数に影響 を与えないように,ゲイン交差周波数 の 程度に設定するとして, とする. 7 演習問題4 • 位相進み要素は一般的には1+sTで表さ れる要素であり,折れ点周波数は で 表される.ここでは,G(s)の分子であ るので折れ点周波数は になる.つま り, = 0.08なので,aT = 12.5, T = 125 となる. • 以上より,G(s)のa, Tを求めることがで き,位相遅れ補償器は 8 演習問題4 • このときの位相補償器のボード線図は Fig.3 であり,位相遅れ補償を加えた開 ループ伝達関数のボード線図はFig.4 と なる. 補償器の ボード線図 補償後の ボード線図 9 おまけ:昨年度の期末試験問題 開ループ伝達関数が で与えられるとき、 ① ゲイン交差周波数をwc=3にする ② 位相余裕PMを約40°にする という仕様をゲイン補償と位相進み補償によっ てい満たす手順を説明せよ 補償要素 Gc(s) +− 制御対象Gp(s) Gc(s) 10 おまけ:昨年度の期末試験問題 • K = 1 のときのボード線図である。このとき のゲイン交差周波数は0.8[rad/sec],位相余 裕PM=47[deg]と読み取れる. 仕様①より wc=3となるようにゲインKを定めると,K=10 となる. 20[dB] 47[deg] 11 おまけ:昨年度の期末試験問題 • このときのボード線図がFig.2となり, ゲイン交差周波数が3[rad/sec]になって いることが確認できる. 12 おまけ:昨年度の期末試験問題 • 位相余裕PMを読み取るとPM=0[deg]と なっている.したがって,仕様②を満 たすためには,40−0[deg]が必要な位相 進み量になる 13 おまけ:昨年度の期末試験問題 • すると,fmとaの関係式より,a =4.6と 求められる.さらに より T=0.16となる. 14 おまけ:昨年度の期末試験問題 • したがって,位相進み要素は • この位相進み要素を入れたボード線図 がFig.3となる 40[deg] 15 おまけ:昨年度の期末試験問題 • このときwc=3におけるゲインは10log10 a[dB] 上がる.このゲインの変化量はFig.3のボード 線図からも読み取ることができて,約6.6[dB] である.ゲイン交差周波数をwc=3にするため には,ゲインをその分だけ下げなければなら ない. 6.6[dB] 40[deg] 16 おまけ:昨年度の期末試験問題 • 6.6[dB]下げるためにはゲインを0.46倍 しなければならない.最初にゲインを 10としているので,最終的なゲインは K=10×0.46=4.6とする. 6.6[dB] 40[deg] 17 おまけ:昨年度の期末試験問題 • すなわち,このゲイン調整と位相進み要素に よる制御器は • となり,この補償器を入れたボード線図は Fig.4になる. 補償後の ボード線図 40[deg] 18
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