委員長あいさつ - 国労東日本本部

第 34 回東日本本部拡大定期委員会挨拶
第 34 回国労東日本本部拡大定期委員会に参加された構成員並びに傍聴者の皆さん、大変ご
苦労様です。また、ご多忙のなか、私どもの委員会にお越しを頂きましたご来賓の皆さまに
心より御礼申し上げます。
さて、今委員会の開催にあたり、東日本本部執行委員会を代表してご挨拶を申し上げます。
はじめに、国労の喫緊かつ最重要課題である組織強化・拡大についてです。
昨年の第 30 回定期大会で確認し、全機関で取り組んでいる、組織強化・拡大の取り組みで
の今日までの成果は、1 月 23 日と 2 月 2 日に長野地本の頑張りで 2 名の国労加入がありまし
たが、それまでの 5 か月間は全く拡大がなく、2006 年の一括和解以降、最もスローペースの
状況となっています。
東本部は、昨年 11 月に各地方組織部長会議を開催し、改めて現状を伝え、今、実践すべき
具体的な行動を提起してきました。しかし、その具体的行動が地本、支部、分会と意思統一
がされているのか、実践に向けた努力がなされているのか、といえば残念ながらなかなか進
んでいません。
組織部長会議で提起した具体的行動とは、一つに全職場で対話活動を展開しよう。そして
掴んだ仲間の声を集約し共有しよう。二つには全分会オルグを実施し、全体化しようという
ものでした。当たり前のことであり「何を今さら」と思う役員・組合員もいるでしょう。し
かし、東本部が提起していることは、国労の今日的な組織強化・拡大が遅々として成果に結
びつかない現状を全体が共有し、目的意識をもって職場の他労組の仲間と対話し、一人ひと
りが持っている不満や悩みを聞き、一緒に考え、改善させる、当たり前の取り組みを全組合
員でやりきろうと言いうことです。そして職場の仲間の声を班や分会に持ち寄り、共有する。
分会は、状況を支部や地本に報告する。地本は東本部に報告し、東本部は、現場の声を全体
化する。そのことによって班・分会運動を再生、活性化させる。そうした原点に返った運動
を積み上げ、組織拡大につなげる。合わせて、現在、取り組んでいる拡大行動における個々
の関わりを組織として後押ししていくとの意味を込めた提起なのであります。
私たちはこれまで、国会で取り上げられるような、JRにおける極左暴力集団といわれる
者たちに支配された労働組合運動を「異常」だと批判してきました。東本部は、昨年 12 月に
「組織部報」を発行し、JR東日本内の最大労組の中で組織混乱が生じていることに対し、
国労の考え方を示してきました。最大労組内の一部機関が、国労組合員が職場の東労組組合
員に「組織部報」を手渡し、対話を作り出したことに対し、
「組織部報」への批判をしたよう
でありますが、国会の議論で批判されたような労働組合が果たして「普通の労働組合なのか」
ということも指摘をしてきました。
間もなくJR発足 30 周年となりますが、歴史を戻すことは出来ません。しかし、30 年も
「異常」が蔓延っているJR東日本、JR貨物の労働組合の勢力図を書き換えることは可能
です。そのことを国労の組織戦略の最大の目的にしなければなりません。そして、その実現
に向けた私たちの決意が全体化され、実践されなければ、組織は、現状の中で衰退するだけ
なのです。茨城県出身の稀勢の里も 30 歳にして横綱昇進を果たしました。大きな目標を抱き、
日々の努力の積み上げによって大成したわけです。私たちも大きな目標をもって大胆に行動
し、次世代にどのような組織をつなぐのか真剣に議論しなくてはなりません。本委員会参加
の構成員並びに傍聴者の皆さんの決意から行動が始まります。是非、ご奮闘をお願いしたい
と思います。
次に、2017 春闘の取り組みについてです。
2017 春闘は、1 月 28 日に開催された第 187 回拡大中央委員会で確認された、春闘方針に
基づき 15,000 円のベア要求を柱に重点要求 8 項目の春闘要求を 2 月 13 日に各社一斉に提出
することになりました。
JR東日本は、順調な経営を維持し、発表された第 3 四半期決算では、5 期連続の増収・
増益となり、売上げ・純利益いずれも過去最高となりました。また、JR貨物の中間決算で
は、3 期連続の増収、5 期連続の増益となりました。
春闘を取り巻く情勢は、昨年の「働き方改革実現会議」の席上、安倍首相が「少なくとも
昨年並みの賃上げを」との期待を示し、4 年連続の「官製春闘」が演出されました。連合が、
昨年同様の「2%程度」のベアと中小組合の「底上げ・底支え」「格差是正」の方針を決定す
る、一方、経団連は、
「年収ベースによる賃上げ」の方針を打ち出し、2017 春闘がスタート
しています。
昨年までの春闘では、JR貨物が 17 年連続ベアゼロ、JR東日本が 3 年連続のベアが実施
されたものの 2 年連続で回答指定日を大幅に越え、年度末の回答となる等、極めて不満な状
況が作られました。国労は、抗議の行動や集会を取り組んできましたが、是非、2017 春闘で
は、信義に基づく取り扱いを強く求めるとともに、国労要求 15,000 円のベア獲得と重点 8 項
目の要求実現に向け、奮闘して行きたいと思います。
先の拡大中央委員会での書記長答弁で「ストライキを目的とすることはない。ストライキ
は、あくまでも要求獲得のための戦術の一つである」との考え方が示されました。私も、そ
の通りであると思います。ただ、
「戦術判断は中央執行委員会が行う」となっており、東本部
に戦術を判断する権限はありません。東本部としては、要求獲得に向けたJR東日本本社並
びにJR貨物2支社との交渉を強化するとともに、一組合員一要求運動の実現に向け、創意
工夫した職場からの取り組み、
春闘集会や学習会の開催などを通じ 2017 春闘を全組合員の参
加で進めていきたいと考えています。その立場で強調したいのは、
「春闘要求実現の近道は、
組織拡大だ」ということです。2017 春闘は、新規採用者対策含め、組織強化・拡大の取り組
みと結合し、様々な情勢の変化を機敏に捉え、スピード感をもって大胆かつ強かに取り組ん
でいくことを要請したいと思います。
次に、1 月 20 日に召集された第 193 回通常国会で、安倍首相が施政方針演説を行い、5 つ
の「国造り」が表明されました。注目すべきは、
「力強く成長し続ける国造り」の中で、三年
後の東京オリンピック・パラリンピックを成功させるためにテロなどの組織犯罪への対策を
強化するとして「共謀罪」を盛り込んだ「組織犯罪処罰法改正」、そして、長時間労働の是正
をめざすとする「働き方改革」による「労働基準法改正」などを目論んでいることです。
長時間労働の是正については、先の臨時国会で野党4党が「36 協定による上限規制」や「イ
ンターバル規制の導入」
「罰則の強化」などの「労働基準法の一部改正法案」を共同提出して
います。しかし、安倍政権が導入しようとする「働き方改革」の本質は、高度プロフェッシ
ョナル制度による「残業代ゼロ」であり、裁量労働制の導入、解雇の金銭和解であります。
改めて労働者保護法制の維持向上を求めるとともに労働条件の向上を求める立場で弁護団
及び共闘組織との連携を密に運動を進めていきたいと思います。また、今国会中の可能性は
低くなったと言われていますが、今年の秋以降に解散総選挙もあると言われています。野党
総結集で、安倍政権の暴走を止め、改憲勢力の 3 分の2を打ち破るために全力あげて奮闘し
て行かなければなりません。
むすびに、本委員会が、各委員の職場や機関活動の経験を方針に付加され、この半年間の
運動の総括を踏まえ、国労組合員全体が運動を一歩前に進める、その決意を固め合う委員会
になることを要請し、東日本執行委員会を代表しての挨拶とします。